ここではBtoBマーケティングに関連するさまざまな用語について簡単に定義や意味を解説する。最初に基礎用語を解説し、その後、BtoBマーケティングの施策別用語を解説する。
BtoBマーケティングの基礎用語
BtoBとは
BtoBとは「Business to Business」の略語であり、顧客である法人企業に対してサービスや製品を提供するビジネスモデルのことだ。読み方は「ビートゥービー」や「ビーツービー」であり、B2BやtoBと表記される場合もある。顧客が法人であることから、取り扱うサービス・製品の単価が高く、取引期間が長い点が特徴だ。
BtoB企業とは
BtoB企業とは、企業間取引(BtoBビジネス)を主なビジネスモデルとしている企業のことだ。BtoB企業と聞くと、製造業や卸売業の企業をイメージする人も多いだろう。しかし、商品だけではなく、オンラインサービスやコンサルティングサービスなどサービスを他社に提供している企業も、BtoB企業に含まれる。
戦略とは
戦略(英語:strategy)とは、ビジネスの目的に対して、長期的視野で、自社が持っているリソース(人・物・金など)を総合的に活用する方策のことだ。わかりやすく言い換えれば、「今ある自分(自社・自部門)が持っている力をうまく活用して、やりたいことを実現する方策」のことといえる。戦略がないと闇雲なビジネス活動となってしまい、効率よく成果達成できなくなる。
マーケティングとは
マーケティング(英語:marketing)とは、顧客に対して価値を創出する戦略や仕組み、プロセスのことだ。マーケティングを4Pフレームワークに当てはめて定義すれば、マーケティングとは「売れる商品を作る、売れる場所で売る、売れる値段で売る、売れる売り方で売る」ための戦略やプロセス・活動となる。
BtoBマーケティングとは
BtoBマーケティング(英語:btobmarketing)とは、BtoB企業のマーケティングのことで、「企業に対して顧客価値を創出する戦略や仕組み、そしてそのプロセス」のことである。BtoBマーケティングを4Pフレームワークに当てはめて定義すれば、BtoBマーケティングとは「企業に対して、売れる商品を作る、売れる場所で売る、売れる値段で売る、売れる売り方で売る」ための戦略やプロセス・活動となる。
営業戦略とは
営業戦略(英語:Sales Strategy、別名:セールス戦略)とは、営業の戦略、もしくは、営業部門の戦略のことで、自社の営業リソース(人、もの、予算、時間、情報など)を効率よく活用し、効果的な売り方で営業目標を実現する方策のことだ。わかりやすく一言で言えば、「自社の持っているリソースを効率よく使って、売上を最大化するにはどうすればいいか?の方策を考えること」と言える。
KGIとKPIとは
KGIとは、「Key Goal Indicator」の略語で、日本語では「経営目標達成指標」や「重要目標達成指標」と呼ぶ。BtoBマーケティングや営業戦略の最終目標を定量的に示したものだ。
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略語で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ぶ。最終目標に向かって適切に行動できているかどうか判断するための中間目標だ。
営業KPIとは
営業KPIとは、営業活動の過程を評価するために設けられる中間目標のことだ。新規リードの獲得件数や新規顧客数が設定されることが多い。
PDCAサイクルとは
PDCAサイクルとは、業務効率を継続的に高めるための業務管理手法である。業務プロセスを継続的に改善し、より効率よく・効果的に目標を達成できるようにすることがPDCAサイクルの目的だ。計画を実行して、実行結果から改善点を発見し、改善点をもとに計画を練り直す。計画から改善までを1つのサイクルとして、何度もサイクルを回すことからPDCAサイクルと呼ばれている。
営業DXとは
営業DX(英語:sales dx , sales digital transformation)とは、「営業のデジタルトランスフォーメーション」の略称であり、デジタルテクノロジーを活用して営業部門の業績や営業プロセス、営業戦略、営業体制を根本から変革することである。「セールスDX」「営業部門のDX」「営業DX化」「営業活動のDX」のように言われることもある。
デジタルテクノロジーの発展をきっかけに、昔ながらの営業から脱却し、営業のあり方を再検討しよう、変革していこうといった意味合いが強い。
ターゲティングとは
ターゲティング(英語:targeting)とは、自社製品やサービスをどんな企業に売り込むか?の具体的なターゲット条件を定義することだ。自社製品やサービスの市場(顧客の集まり)をセグメントに切り分け、どの領域を狙うか?を決めるのがターゲティングとなる。BtoBではどのようにセグメンテーションするのか?が難しくBtoBマーケターのスキルが問われる領域となる。
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップ(英語:customer journey map)とは、顧客がサービスや製品を認知してから購入に至るまでの行動や感情を、時系列で図式化したものだ。横軸に「認知」「情報取集」「検討」「購入」などの購買プロセスの各ステージをまとめ、縦軸には「顧客行動」「顧客接点」「思考」「課題」「対策」をまとめることが多い。
パイプライン管理とは
パイプライン管理(英語:pipeline management)とは、商談の開始から受注までの工程を可視化した表やグラフを活用して、営業フェーズごとのデータを分析・改善する「営業プロセスを管理する方法」の一つだ。
ペルソナマーケティングとは
ペルソナマーケティング(英語:persona marketing)とは、架空の人物像(ペルソナ)に合わせて施策を最適化するマーケティング手法のことだ。BtoBでは、ターゲットのイメージ像を具体化しにくい傾向があるため、ペルソナマーケティングによりターゲットのイメージ像を具体化することには大きな意味が生まれる。
ABM(アカウトベースドマーケティング)とは
ABM(英語:account-based marketing)とは、ターゲットとなる企業(ターゲットアカウント)に対して、よりOneToOneのマーケティング活動を展開するBtoBマーケティングの一種だ。一般的なBtoBマーケティングは、リード獲得を行い、育成して、受注を狙うという流れであるのに対し、ABMは「最初の段階で狙うべき企業」を確定させ、その企業に対して接点をマーケティング活動で創出し、信頼関係を深め、企業ごとの売り上げを最大化していくという流れだ。
ABMは顧客1社あたりの売り上げを最大化する(LTVを向上させる)ことを重要視するのに対し、一般的なBtoBマーケティングでは、「購入企業数を増やす」ということを重要視する。
インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティング(英語:inbound marketing)とは、顧客が自らの意思で企業や製品に関心を持つように促すマーケティング手法のことだ。顧客に製品やサービスの情報を提供する(売り込む)のではなく、顧客が自らの意思で製品やサービスに興味・関心を持つようにしかけておくマーケティングだ。「売り込み」をしなくても、興味・関心を持ってもらえるよう、無数の仕掛けを作っておくマーケティング手法とも言える。そして、売り込まなくても顧客が購入を決断してくれる状態こそが、インバウンドマーケティングの究極のゴールとなる。
BtoBコンテンツマーケティングとは
BtoBのコンテンツマーケティング(英語:content marketing)とは、「有益なコンテンツ」をメルマガやWEBなどを活用して配信・提供し、見込み獲得(リードジェネレーション)から見込み育成(リードナーチャリング)までを効率的に行うBtoBマーケティングの手法である。
「コンテンツ中心」のマーケティング手法であるため、見込み客(リード)のコンテンツニーズ(どんな情報が欲しいのか?どんな情報に価値を見出すのか?)を知り、その上で、ニーズにマッチした有益なコンテンツを提供して信頼関係を作り、そこから自社製品の導入・購入へと誘導していくことが重要になる。
BtoBデジタルマーケティングとは
BtoBのデジタルマーケティング(英語:digital marketing)とは、Webサイト、ECサイト、Eメール、ソーシャルメディア(SNS)、動画、スマホアプリ、スマートフォン、タブレットなど、様々なデジタルコンテンツやデジタルメディア、デジタルデバイスを活用したマーケティング活動のことだ。インターネットやITテクノロジーを活用したマーケティング活動といえ、デジタル化が進む現代において年々その重要性は増大し、企業の主流のマーケティング活動の1つとなっている。デジタルコンテンツをWEBやメールなどを活用して配信するといったさまざまなデジタル施策を展開し、営業やマーケティング活動を効率化する。
BtoBにおけるWEBマーケティングとは
BtoB企業のWEBマーケティングとは、主に自社サイトを活用して新規リードの獲得、リードの育成、認知度向上、ブランディングなどを目的に行うマーケティングや営業活動の1つである。
BtoCのWEBマーケティングでは、ネットショップなどでの売上向上を狙うが、BtoBでは一部の商材を除き資料請求や問い合わせ獲得といったコンバージョンをゴール(KGI)にしてWEBマーケティングを展開するケースが多い。
営業の効率化、営業DX化の推進、デジタルコンテンツの営業資産化などの効果を狙って行われる。
デマンドジェネレーションとは
デマンドジェネレーション(英語:demand generation)とは、日本語で言えば、「需要の創出」であり、その名の通り、リードや顧客から需要を創出していく活動のことだ。スコアリングなどを活用して確度の高いリードや顧客を見つけて絞り込んでいく。
MAL(Marketing Accepted Lead)とは
MAL(Marketing Accepted Lead)とは、マーケティング部門がリードジェネレーションにより獲得した新規リードを「自社のリード」として認定し受け入れたリードのことだ。
MQL(Marketing Qualified Lead)とは
MQL(Marketing Qualified Lead)とは、マーケティング活動・施策によって、ある程度の購入確度を満たしていると判断されたリードのことだ。
SAL(Sales Accepted Lead)とは
SAL(Sales Accepted Lead)とは、MQLを営業部門がリードとして受け入れた(承認した)リードのことだ。
SQL(Sales Qualified Lead)とは
SQL(Sales Qualified Lead)とは、営業部門が受注確度が高いと判断したリードのことだ。
施策「顧客のニーズを知る」の用語
顧客分析とは
顧客分析とは、マーケティング戦略や営業戦略の立案に必要となる分析の一つで、顧客の購買行動や課題を分析することだ。
顧客の購買行動を分析して全容を把握すれば、営業戦略を立案する際にどのようなシナリオを組めばよいのか検討しやすくなる。また、顧客の課題を分析することで、どのような提案が効果的なのか判断することが可能だ。そのため、顧客分析は営業・マーケティング業務の効率化と効果向上につながる。
テキストマイニングとは
BtoBマーケティングにおけるテキストマイニングとは、顧客やリードの課題や要望といったニーズ情報(テキスト情報)から、有用な情報を抽出する分析手法やITツールのことだ。顧客やリードの課題や要望といったニーズ情報(テキスト情報)は主に顧客満足度調査やリードに対する課題調査(アンケート調査、対面調査など)により収集される。
施策「売れる商品を作る」の用語
PMF(プロダクトマーケットフィット)とは
PMF(英語:product-market fit)とは、製品やサービスが正しい市場に提供され、顧客のニーズや要求を満たしている状態のことだ。具体的には、顧客がその製品やサービスを高く評価することで自発的に購入したり、他の人に勧めたりするような状態である。
バリュープロポジションとは
バリュープロポジション(英語:value proposition)とは、「価値」を「顧客が求める価値」「自社が提供できる価値」「競合他社が提供している価値」の3つに分解した時、「顧客が求める価値」「自社が提供できる価値」が重なっている領域のことをバリュープロポジションという。
施策「見込み客を獲得する」の用語
リードジェネレーションとは
リードジェネレーション(英語:lead generation)とは、「自社製品・サービスに興味のある見込み顧客を獲得するための一連の方法、手法、プロセス」のことだ。
ホワイトペーパーとは
BtoBマーケティングにおけるホワイトペーパー(英語:white paper)とは、リード(見込み客)や既存顧客にとって有益な情報をまとめた資料のことだ。たとえば、「何かの課題を解決する方法や技術をまとめた資料」、「実際に解決できた事例を紹介する資料」、「課題の抜け漏れがないかを確認するチェックシート」などのような資料がホワイトペーパーとなる。
ホワイトペーパーは、主にエクセルやパワーポイント、WORDなどを活用して作成され、WEBサイトやメルマガなどで配布される。
施策「見込み客を育成する」の用語
コールドリードとは
コールドリード(英語:coldlead)とは、自社製品・サービスに多少興味がある程度で、受注確度も低く、購入時期も未定のリードのことだ。言い換えれば、「まだまだ客」といえるだろう。
ウォームリードとは
ウォームリード(英語:warmlead)とは、ある一定の購入の意思が見受けられるが、もう少し時間がかかりそうなリードのことだ。言い換えれば、「あとひと押し客」といえるだろう。
ホットリードとは
ホットリード(英語:hotlead)とは、自社製品・サービスの概要・料金をよく理解し、予算確保の目処や導入時期もある程度明確で、受注確度が非常に高い見込み客のことを言う。営業部門が適切な営業提案をするとそれなりの受注率で受注につながるリードである。言い換えれば「今すぐ客」「もうすぐ客」といった言い方もできるだろう。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリング(英語:lead nurturing)とは、様々な施策・手法で獲得したリード(見込み客)に対して、定期的な接点を作り出し、信頼関係を構築しながら、リードの購買意欲を高めるプロセスや施策、手法のことだ。「見込み客育成」「リード育成」などのような言い方もする。
メールマーケティングとは
BtoBのメールマーケティングとは、メールを活用してリードナーチャリングを行う一連の活動や施策のことを言う。主にやることは、メルマガの継続的な配信とシナリオメールの配信だ。
MAシナリオ(シナリオメール)とは
MAシナリオとは、ホットリードに育成するための育成手順(リードナーチャリングシナリオ)を決め、決めた育成手順にあわせてリードに情報提供する「メールのシナリオ」のことである。わかりやすく一言で言えば、リードを育成するためのメールの配信順序のようなものである。
インサイドセールスとは
インサイドセールス(英語:inside sales)とは、電話やメール、DMなどを活用してリード(見込み顧客)へは訪問しない(外回りをしない)内勤型営業担当者やチーム・組織のことをいう。
MA(マーケティングオートメーション)とは
MA(英語:marketing automation)ツールとは、リードナーチャリング(見込み客の育成)と、リードクオリフィケーション(購買意識・確度の高いリードの選別・抽出)の業務を効率化することを主軸においたITシステム・ソフトウェアのことだ。製品によっては、リードジェネレーション(新規見込み客の獲得)までをカバーする製品もあるが、メインはリードナーチャリングとリードクオリフィケーションと考えてよい。
シナリオメール(ステップメール・フォローメール)の自動化、リードの確度を判断するスコアリングといった特徴的な機能を持つ。
施策「案件化・商談化」の用語
リードクオリフィケーションとは
リードクオリフィケーション(英語:lead qualification)とは、リードジェネレーション・リードナーチャリングで獲得・育成したリードの確度を見極めるマーケティング業務のことだ。営業部門に引き渡しても良い「購入の確度が高そうなリード」を選定・抽出する業務である。
営業送客とは
営業送客とは、マーケティング部門が創出したリードを営業部門やインサイドセールスに引き渡すことをいう。
スコアリングとは
BtoBマーケティングのスコアリング(英語:scoring)とは、自社の顧客やリードの企業情報(企業規模、年商、業種など)や個人情報(役職、権限の有無など)、行動(セミナー参加、問い合わせなど)に合わせて、スコア(点数)をつけ、購入の確度を数値化することをいう。
マーケティングや営業活動を展開すると、多くの企業の担当者が、さまざまな行動を起こし商談や案件が進行していく。その顧客やリード側の行動や各種情報に点数をつけて、購入の確度や、自社に対する興味度・価値を数値化するのがスコアリングだ。リードスコアリングや顧客スコアリングなどとも呼ばれている。
リードスコアリングはその名の通り、見込み客(リード)に対するスコアリングであり、顧客スコアリングは既存顧客に対するスコアリングとなる。
フレームワーク「BANT」とは
『BANT(読み方:バント)』とは、『Budget(予算)』『Authority(決済権)』『Needs(ニーズ・需要)』『Time frame(導入時期)』の頭文字を取った略語で、法人営業の担当者が顧客に質問するときの営業ヒヤリングフレームワークとして活用され、受注の確度を判断する指標になるものだ。
SFA(営業支援ツール、商談管理ツール)とは
SFA(営業支援ツール)とは「Sales Force Automation」の略語で、営業活動をサポートする機能が搭載されているITシステム・ソフトウェアのことだ。製品によっては、顧客管理機能を搭載しているものもあるが、メインは営業支援や商談管理である。
施策「受注」の用語
営業プロセスとは
営業プロセスとは、顧客との契約が成立するまでの最初から最後までの一連の流れのことだ。
アカウント営業(アカウントセールス)とは
アカウント営業とは、アプローチする顧客を絞り込み、特定の顧客との関係性を深めて商談を作っていく営業手法のこと、もしくは、そういった営業を行なっている営業担当者のことだ。アカウントセールスとも言われる。アカウント営業は、特定の顧客の課題や悩みを調査しそのソリューションを提案することで自社製品・サービスの商機を作っていく。このような営業手法であるため、ある特定顧客の「専任営業担当者」とも言えるだろう。
ソリューション営業とは
BtoBにおける「ソリューション営業」とは、顧客や見込み客が解決したい課題を把握し、その課題を解決する方法を提案しながら、自社の製品やサービスを販売する営業手法や方法のことだ。ソリューションセールスと言い換えられる。
御用聞営業とは
御用聞き営業とは、「お客様の御用をお聞きして指定された商品を指定された納期までに納品する営業方法」のことだ。地域密着型のビジネスに多く、(1)営業担当者が定期的に訪問して御用をお聞きし、注文を受け納品するパターン、(2)お客様から呼び出されて御用をお聞きし、注文を受け納品するパターンの2つのパターンがある。
商品提案営業とは
商品提案営業とは、「お客様に対して商品の紹介・案内を積極的に行う営業方法」のことで、御用聞きが「御用を聞く」のに対し、商品提案営業は「商品を提案して御用を作る」という違いがある。
ルート営業とは
ルート営業とは、過去に自社の商品・サービスを購入してくれた顧客に対して、定期的にアプローチする営業手法のことだ。新規開拓営業のような飛び込み営業は行わず、きちんとアポイントを獲得してから訪問する。
新規開拓営業とは
BtoBにおける新規開拓営業とは、これまでに取引したことのない企業にアプローチする営業手法のことだ。初対面の企業と0から関係を構築する必要があり、すでに取引のある顧客にアプローチするルート営業と比較して、難易度は高い。
施策「顧客維持」の用語
顧客管理とは
顧客管理とは、顧客の企業情報や顧客とのやり取り(取引履歴・応対履歴など)を管理することだ。社内で適切に管理・共有することで、顧客に適切なアプローチをおこない、顧客と良好な関係を築くことを目的としている。顧客情報を管理・分析することで、顧客ニーズの把握による商品力の強化、ターゲティングの精度向上、LTVの向上といった効果が期待できる。
LTVとは
LTV(Life Time Value)とは、顧客生涯価値の略語であり、顧客が生涯で自社にもたらす利益の総額を意味する。BtoBの場合は、1顧客あたりの売上の総額がLTVとなる。LTVが高ければ高いほど、その顧客は優良顧客となり、自社にとって非常に重要な顧客となる。アップセルやクロスセルでLTVを向上させることができる。
アップセル・クロスセルとは
アップセルとは、現在顧客が契約・購入している商品、もしくは、契約・購入を検討している商品よりも上位のグレードやプランに変更することを提案する営業手法である。その狙いは、1回の取引における商品単価(購入金額)の向上である。既存顧客や新規提案中の顧客が対象となり、購入履歴や検討状況などを基に提案を行う。
クロスセルとは、一つの製品やサービスの購入意向を示す顧客に対して、関連する別の商品を追加提案する営業手法だ。その狙いは、顧客の購入点数や購入回数の増加だ。
CRM(顧客関係管理)とは
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報を一元で管理できるITシステム・ソフトウェアのことだ。顧客ニーズが多様化していることから、顧客ニーズを把握する材料となるCRMが重要視されている。
CRMの顧客分析機能を活用すれば、顧客の購買傾向などを把握できるため、効果的な営業活動が実現する。解決すべき課題が明確となり、PDCAを回しながら改善に取り組めるのだ。
施策「顧客満足度調査」の用語
顧客満足度調査とは
BtoB企業における顧客満足度調査とは、自社の製品やサービスを購入し利用している顧客に対して、製品やサービスの満足度を調査することをいう。継続的に利用し続けてもらうことを目的に、満足している点や不満に思っている点などを聞き出す。顧客の新たな課題や新たな要望などを把握し、自社の製品開発や差別化戦略などに展開する。