BtoBマーケティングのKPI設計とは?
BtoBマーケティングのKPI設計とは、BtoBマーケティングの各種施策や手法に対して、効果があったかどうかを計測するための指標(KPI)を選定する業務のことだ。KPI設計を行うことで、KPIツリーなどを用いて、BtoBマーケティングのKPIを可視化することもできる。
KPIが可視化されていると、BtoBマーケティング業務に対する費用対効果なども判断できるようになる上に、効果の出ていない施策に対して集中的に改善業務を行えるため、BtoBマーケティングのPDCAも回しやすくなる。そのため、BtoBマーケティングのKPI設計は非常に重要な業務だ。ぜひ御社でもこのコラムを参考に、BtoBマーケティングのKPI設計と可視化に挑戦してほしい。
BtoBマーケティングのKPI設計の手順
それでは、BtoBマーケティングのKPI設計の手順、やり方をご紹介する。手順は大きく3段階あり、その流れは以下の通りだ。
- BtoBマーケティングのKGIを決める
- BtoBマーケティングのKPIを設計する
- KPIツリーを作り可視化する
この3つの手順について詳しく解説しよう。
手順1「BtoBマーケティングのKGIを決める」
BtoBマーケティングのKGIとは
BtoBマーケティングのKGIとは、BtoBマーケティングのさまざまな活動で御社が到達したい最終ゴールのことだ。具体例としては、「売上」などがわかりやすいだろう。そのほか、BtoBのWEBマーケティングの場合は、リード獲得件数がKGIに設定されることが多い。
要するに、御社は、BtoBマーケティングで何を成し遂げたいか?によって、KGIは大きく変わるのである。
ALUHAがおすすめのBtoBマーケティング「2つのKGI」
よいKGIを決めきれないというBtoB企業のために、おすすめのKGIを2つご紹介する。2008年からBtoBマーケティングコンサルティングを行う弊社(ALUHA)もこの2つのKGIを採用している。
1つ目は、当然のことではあるが、売上だ。そして2つ目は、顧客やリードの課題や悩みの把握数である。
ではなぜこの2つなのか、その理由をご紹介しよう。売上が重要というのは、いわずもがなであるが、「顧客やリードの課題や悩みの把握数」はなぜ重要なのだろうか?
それは、顧客やリードの課題や悩みを把握していなければ、「差別化戦略」や「営業戦略」といったBtoBマーケティングの各種戦略に大きな影響を与えるからだ。
顧客やリードの課題や悩みを把握せずに、新製品・新サービスを開発したり、営業活動に展開すると、「話は聞いてくれるが商談化しない」「なかなか新規リードが取れない」「見積もり出しても競合に負ける」といった事態が営業現場で発生する。なぜなら、顧客やリードにとって興味のない課題解決や製品を提案されることとなるためだ。
つまり、「顧客やリードの課題や悩み」は売上に間接的に影響するのである。だからこそ、弊社では、「顧客やリードの課題や悩み」をどれだけ把握できているか?をKGIとしている。
ぜひ御社でも「顧客やリードの課題や悩み」をBtoBマーケティングのKGIの1つとして、位置付けていただけたらと思う。
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手順2「BtoBマーケティングのKPIを設計する」
ではいよいよKPI設計に入ろう。KPIの設計は、主に2つの手順で行う。
- BtoBマーケティングを施策に分解する
- 分解した施策別にKPIを選定する
手順2−1:BtoBマーケティングを施策に分解する
KGIを決めたら、そのKGIを達成するためにどんな施策が必要なのか?を考えるのが「BtoBマーケティングを施策に分解する」だ。ここからは具体例があるとわかりやすいため、弊社の具体例をご紹介する。ぜひ御社でもヒントにしてほしい。
まず、再度整理するが、弊社の具体例では、BtoBマーケティングのKGIは以下の2つとしている。
- 売上(営業戦略のKGIと同じ)
- 顧客やリードの課題や悩み数(BtoBマーケティング戦略独自のKGI)
この2つのKGIを達成するため、弊社では、BtoBマーケティングを8つの施策に分解している。そしてそれを以下のようなBtoBマーケティングサイクルとして定義している。
BtoBマーケティングサイクルは、BtoBマーケティングやBtoB営業をわかりやすく図解化したものであるため、御社でも活用できそうであればぜひ活用いただけたらと思う。
この例のように、KGIに対して、どんな施策が必要か、そして各施策はどう関連するのか?を考えてみよう。御社の場合だと、どうなるだろうか?
手順2−2:分解した施策別にKPIを選定する
施策に分解できたら、各施策に対して、KPIを選定する。ここでも弊社の例をご紹介しよう。
上記のように、KPIは定量的に把握できなければならないため、数値化できるものをKPIとして選定する。ただし、この段階では以下のような疑問が発生するだろう。
- そもそもどうやって数値化するのか?
- 誰がこの数値を社内で把握しているのわからない
- 数値化するには期間を決めなければならないが、期間はいつからいつまでにすればいいのか?
- 期間を仮に「3ヶ月」と決めたとしても「3ヶ月」でBtoBマーケティングサイクルは一周しないがどうすればいいか?
こういった疑問については、この選定段階では先送りし、まずはKPI設計として理想的なKPIを選定しよう。各種疑問はおいおいルールを決めて解決していくしか方法がないが、このコラムの後半で考え方を解説する。
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手順3「KPIツリーを作り可視化する」
KPIを選定できたら、KPIツリーのフォーマットをつくり、可視化する準備をする。弊社のBtoBマーケティングサイクルをベースに活用する場合は、以下のようなKPIツリーがわかりやすいのではないだろうか?
上図では、BtoBマーケティングの施策に従い、選定したKPIを実際に数値化した例だ。このKPIツリーでは、BtoBマーケティングの施策レベルのKPIを可視化しており、各種手法の細かいKPIまでは把握できない。しかし、BtoBマーケティング全体のなかで、今どこが悪いのかを数値で把握することができる。上記例の場合だと、育成率や受注率をもう少し高めることができれば、KGIの1つである受注(売上)に貢献できることがわかる。
このようなKPIツリーを継続的に作成することで、BtoBマーケティングの活動に対して効果がでているのか?売上に貢献しているのか?今どこが課題なのか?を関係者で共有でき、バラバラな施策を打つのではなく、組織として統一感のある施策展開ができるようになる。
BtoBマーケティングのKPI設計の注意点やコツ
ここまで、弊社の具体例を交えながら、BtoBマーケティングサイクルをベースにKPI設計のやり方と手順をご紹介した。ここからは、KPI設計の注意点や考え方のコツをご紹介する。
数と質のバランスを意識し部分最適ではなく全体最適を目指すこと
KPIツリーで可視化すると、悪い数値が注視され、そこの改善のみに集中することができる。これは良いことでもあるが、数値ばかりに気を取られると悪い結果を生み出すことがある。
たとえば、BtoBでよくある例としては、「リード獲得の件数が少ないからもっと増やそう」とKPIの数値を見て、「数を増やす」ことに注力すると、「リードの質」が悪くなる可能性がある。そうすると、リード育成や案件化・商談化の施策の数値が悪化することにつながりかねない。
ある一部の施策の数値を部分的に改善することも重要だが、数値ばかり追いかけるのも危険で、数と質のバランスがBtoBマーケティングでは重要だ。
KPIの計算や算出に時間をかけないこと
KPIツリーは継続的にKPIを算出する必要があるが、そのKPIの算出に時間がかかっていると非常にまずい。KPIツリーを作ることは仕事ではなく、KPIツリーを判断材料に改善策を素早く打つことが本来の仕事だ。そこに時間を費やすためにも、KPIツリーの計算や算出に時間をかけないようにMA、SFA、CRMなどのITインフラを整えておくことも重要である。
正確なKPIの把握は困難であることを理解すること
KPIツリーを作り出すと、できるだけ正確な数値を算出したくなる。しかし、BtoBの場合、すぐに売れるということは少ない上に、営業、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサポートなど部門やメンバーが分かれている場合は、数値の情報共有が難しい。
そのため、正確な数値把握は非常に困難である。現実的なことをいえば、「今できる可能な範囲での数値計算にとどめておく」というのが現実解となるだろう。
PDCAの期間をどう決めるか?
KPIツリーは、期間を決めて作成しなければならない。例えば、1月から3月、4月から6月のように、3ヶ月単位で作成と決めた場合、1月から3月のKPIが計算される。
この時、1月から3月の3ヶ月で、リード獲得件数はどのくらいか、育成はどうか、受注した件数はどうか?など、3ヶ月間の実績データが計算される。しかし、1月に獲得したリードが3月に売れるというようなことはなかなかない。さらに3月に獲得したリードは4月以降に売れることになる。
このように、PDCAの期間を決めると計算上の数値と実態が合わないことが発生する。まさに「PDCAと実態の不一致問題」といえるだろう。
「PDCAと実態の不一致問題」を解消するには、すべての顧客やリードの商談や案件の状況を最新の状態で常に維持・把握し、KPIツリー作成時には全ての期間を遡ってKPIをカウントするという方法をとれば解消できる可能性がある。しかし、現実はそうはいかない。失注したリードが1年後に再復活する、3ヶ月で購入するリードもいれば、3年かけてやっと購入したリードもいるなど、ビジネスは生き物のように変化するため、全てを把握するのは非常に困難だ。
そのため、「PDCAと実態の不一致問題」に対して、弊社では、「どのような期間で計算しても、必ず毎回「PDCAと実態の不一致問題」は発生する」と考え、その上で、「PDCAと実態の不一致問題」により発生する誤差も毎回同じ誤差として考えるようにしている。
あくまで1つの考え方であるが、「PDCAと実態の不一致問題」による誤差は毎回同じと考えれば、KPIツリーを作成する期間はある程度自由に決めることができる。
商材は各社の方針にもよるが、1つの考え方としてヒントにしていただけたら幸いだ。
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BtoBマーケティングのKPI設計のまとめ
以上、BtoBマーケティングのKPI設計について解説した。弊社のBtoBマーケティングサイクルをベースに例も交えて解説したので、ぜひ御社のヒントにしていただけたらと思う。