マーケティングのリード・ナーチャリングとは?ナーチャリング手法と方法、リード育成の施策とプロセス、成功事例を解説【MAツール活用方法や動画解説も】

Last Updated on 2024年7月6日 by 荻野永策
BtoBマーケティングのリードナーチャリングの基礎について解説する。「リードナーチャリングとは何か」「リードジェネレーションとの違い」「デジタル・リアルを活用したリードのナーチャリング手法」「短期・長期でリード育成するナーチャリングの2つの方法と戦略立案の仕方」「リードナーチャリングでやるべき5つの施策」「BtoBリードナーチャリング成功事例」「リードナーチャリングツール「MAツール」の活用方法」「リードナーチャリングのプロセス」「効果分析と3つのKPI」について詳しくご紹介する。

この記事の目次

約13分の動画で学ぶリードナーチャリング(リード育成)

リードナーチャリング(リード育成)とは?マーケティングにおける意味と定義をわかりやすく解説

ナーチャリングとは何か?

ナーチャリングとは、英語ではNurturingと表記し、和訳すると「育成」という意味である。マーケティング領域では、「見込み客の育成」や「顧客育成」といった意味合いで活用されている。主に、新規の商談や売上を獲得するために、見込み客や顧客を育成する活動のことを指す。なお、見込み客の場合は、新規見込み客を新規顧客に育成し、顧客の場合は、新規顧客を優良顧客に育成する。

ナーチャリングの対象となるリードの種類一覧

マーケティングにおけるリードとは、「見込み客」のことである。BtoBマーケティングにおいて、ナーチャリングの対象となるリードとしては下記のような種類がある。

主なナーチャリングリード一覧
新規リード マーケティング部門などが展示会、WEB、セミナーなどで獲得した新しいリード。名刺交換、WEBからの問い合わせ、セミナー参加者などが対象となる
既存リード(休眠リード) 過去にリード獲得した既存のリード。休眠しているリードなども含まれる
休眠顧客 過去に取引があった顧客。何らかの理由で取引が停止し休眠状態にある顧客。過去の顧客もリードとしてナーチャリングの対象となる
このようなリードを中心にナーチャリングを行い、リードを育成し新規の商談や売上獲得を狙う。

リードナーチャリングとは何か?リード育成とは何か?

リードナーチャリング(英語:Lead Nurturing)とは、様々な施策・手法で獲得したリード(見込み客)に対して、定期的な接点を作り出し、信頼関係を構築しながら、リードの購買意欲を高めるプロセスや施策、手法のことだ。「見込み客育成」「リード育成」などのような言い方もする。

リードナーチャリングとは?考え方や概念をわかりやすく解説

リードナーチャリングとは?考え方や概念をわかりやすく解説

上記図のように、リードナーチャリングは、ナーチャリング施策やプロセスが進むにつれ、徐々に見込み客の数は減っていく。なぜなら、すべてのリードの購入意欲を高めることはできないからだ。そのため、リードナーチャリングの考え方は、「購入意欲を高めたリード(ホットリード)を狙い撃ちして受注を獲得すること」にあり、この考え方によって、営業工数の削減や営業の効率化を実現する。

リードナーチャリングの目的と役割

リードナーチャリングの役割は、獲得したリードをホットリード(購入意欲の高いリード)に育て、営業部門(フィールドセールス)に引き渡すことだ。そしてその目的は、営業部門のリソースをホットリードに集中させることで、営業の生産性や効率を向上させることにある。

BtoBリードナーチャリングのフェーズ

リードナーチャリングには、一般的に下記のようなリード育成フェーズがある。BtoBの場合、リード獲得した段階では、そのほとんどがコールドリードかウォームリードであることが多い。そのため、ナーチャリング施策を継続的に展開し、徐々にホットリードへと育成していく必要がある。

BtoBリードナーチャリングのフェーズ

BtoBリードナーチャリングのフェーズ

BtoBリードナーチャリングフェーズ
コールドリード まだ購入意欲の低い段階のリード。解決したい課題も曖昧で興味本位レベルのリード。
ウォームリード 購入意欲が徐々に高まりつつあるリード。解決したい課題もある程度明確で製品情報の収集を開始しているリード。
ホットリード 購入意欲が非常に高いリード。導入相談やデモ、見積もりなどを要求し本格的に購入を検討し始めているリード。

リードナーチャリング(リード育成)と顧客ナーチャリング(顧客育成)

顧客ナーチャリング(顧客育成)とは、既存顧客(すでに取引のある顧客)を育成しLTVを向上させる施策や活動、プロセスのことだ。リードナーチャリング(リード育成)は、リードを育成し新規商談や案件を創出するが、顧客ナーチャリング(顧客育成)は、既存顧客から追加商談や案件を創出する。優良顧客を増やす活動と言い換えても良いだろう。

BtoBマーケティングプロセスでみるリードナーチャリング(リード育成)と顧客ナーチャリング(顧客育成)の違い
リードジェネレーション(リード獲得) 新規のリードを獲得する活動やプロセス
リードナーチャリング(リード育成) 獲得したリードから新規の案件や商談を創出する活動やプロセス
受注(クロージング) 育成したリードから新規受注を獲得し新規顧客化する活動やプロセス
顧客ナーチャリング(顧客育成) 新規顧客を育成し優良顧客化する活動やプロセス。追加の商談や案件を創出する。顧客流出や休眠顧客化を防ぐ。

リードナーチャリングとリードジェネレーションの違い

リードジェネレーションとの違い

リードナーチャリングは、BtoBマーケティングのプロセスから見ると下記図のような位置付けとなる。リードナーチャリングは、リードジェネレーションリードクオリフィケーションの間に位置し、見込み客との関係構築や購入確度の向上を行う。このため、リードジェネレーションとリードナーチャリングは、マーケティングプロセスの位置付けが異なる。

リードナーチャリングとリードジェネレーションの違い

リードナーチャリングとリードジェネレーションの違い

上図のように、リードジェネレーションとリードナーチャリングは互いに絡み合ったマーケティングプロセスだ。リードジェネレーションで獲得した新規リードをナーチャリングするだけでなく、ほったらかしのリード(休眠リード)に対してナーチャリングを行い、休眠リードから新規案件を創出することで、リードジェネレーションするといった関連性もある。

このため、リードナーチャリングとリードジェネレーションは、マーケティングのプロセスの位置付けは異なるものの、互いに関連し合うプロセスとなっている。

リードナーチャリング手法一覧「12のナーチャリング手法と手法別KPI」

見込み顧客を育成するリードナーチャリングの手法には、さまざまな手法が存在する。ここでは、BtoBマーケティングで使えるリードナーチャリング手法を「デジタル活用」と「リアル活用」を合わせてご紹介する。それぞれの手法のメリット・デメリットやリードナーチャリングのKPIについても代表例をご紹介する。

WEBコンテンツ

WEBコンテンツ(コラムやLP、ソリューションページなど)を継続的・定期的に作成・公開し、メルマガやリマーケティング広告・リターゲティング広告などで既存リードからのCVを得て、リードナーチャリングする。
KPI例 CV件数
メリット ・大量のリードにアプローチが可能
・タイムリーな情報提供が可能
・比較的容易・手軽に実行可能
デメリット コンテンツを作り続ける必要がある

メールマーケティング(メルマガ)

セミナー、ホワイトペーパーなど、CVにつながるネタをメルマガ配信し、CVを得て、リードナーチャリングする。
KPI例 CV件数
メリット ・大量のリードにアプローチが可能
・タイムリーな情報提供が可能
・比較的容易・手軽に実行可能
デメリット ・コンテンツを作り続ける必要がある
・配信停止などがくる

メールマーケティング(シナリオメール)

リードを次の段階・ステージに育成するためのシナリオメールを設計することでリードナーチャリングする。例えば、製品Aのカタログの資料請求がきたら、すぐに製品Aのデモを案内するシナリオメールを配信し、デモの申し込みを獲得することで見込み育成する。
KPI例 CV件数
メリット ・シナリオメールを自動化でき効率化できる
・抜け漏れなくリードにフォローできる
・電話フォローの工数削減につながる
デメリット ・シナリオを定期的にメンテナンスする必要がある
・MAなどのツールの導入が必要
・配信停止などがくる

動画

リードが解決したい課題に合わせて製品の使い方、サービスの活用方法などを動画化し、そういった動画を継続的に公開することでリードナーチャリングする。
KPI例 閲覧数
メリット 動画が充実すれば人間が説明しなくて良くなり、営業工数が削減できる
デメリット 動画作成、メンテナンスに工数がかかる

ウェビナー・オンラインセミナー

継続的にオンラインセミナーを実施し、そこで最新技術や事例をPRすることで、製品導入の動機付けを行いリードナーチャリングする。
KPI例 申込数
メリット 大量のリードにアプローチできる
デメリット ・準備が大変
・ネタが枯渇することがある

ホワイトペーパー

リードが興味のあるネタ、解決したい課題に合わせたホワイトペーパーを作成し、そのホワイトペーパーをメルマガで案内する。その後、CVを獲得してリードナーチャリングする。
KPI例 CV件数
メリット ・大量のリードにアプローチが可能
・タイムリーな情報提供が可能
・比較的容易・手軽に実行可能
デメリット コンテンツを作り続ける必要がある

アンケート

アンケートを設計し、メルマガでアンケートの依頼を行い回答を得る。回答を分析しリードのニーズを把握した後、ホワイトペーパーやセミナーなどの内容設計に活用する。リードナーチャリングの成功確率を高める手法の1つ。
KPI例 回答件数
メリット セミナーやホワイトペーパーなどのコンテンツ設計の精度が向上しマーケティング活動の全体効果を底上げできる
デメリット ・回答が得られないこともある
・有効回答が少ないこともある

リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)

リードが自社サイトのどの製品の何をみたのか?に合わせて追跡型広告を配信することで再訪問を得られる。広告では最新のホワイトペーパーなどを案内すると効果的。
KPI例 アクセス数
メリット リードからの継続的なサイト訪問がある
デメリット 追跡型であるためうざいと思われる可能性がある

ニュースレター

セミナー、ホワイトペーパーなど、レスポンスにつながるネタを配信し、CVを得て、リードナーチャリングする。
KPI例 レスポンス数
メリット ・大量のリードにアプローチが可能
・メルマガより気持ちが伝わる可能性が高い
デメリット ・コストがかかる
・時間がかかる
・効果分析しにくい

訪問営業・対面営業

リードナーチャリングにおいて、対面に勝る手法はないため、最も効果的と思われる。リードの課題や近況を聞き出し、そこから商談を作り出すことが可能。
KPI例 営業案件化数
メリット 臨機応変に対応できる
デメリット ・対面・訪問する理由を継続的に作り出しアポを取ることが困難
・工数が高くつく
・リード育成が属人化する

テレマーケティング(電話営業)

電話でリードの課題や近況を聞き出し、そこからアポイントを獲得し、商談を作り出す。リードナーチャリングで最も代表的な手法の1つ。
KPI例 APO数
メリット ・大量のリードにアプローチが可能
・タイムリーな情報提供が可能
・比較的容易・手軽に実行可能
・臨機応変に対応できる
デメリット ・在宅の場合など繋がらないことがある
・しつこいと迷惑がられる

セミナー

継続的にセミナーを実施し、そこで最新技術や事例をPRすることで、製品導入の動機付けを行いリードナーチャリングする。
KPI例 申込数
メリット ・地域密着で育成できる
・大量のリードにアプローチ可能
デメリット ・準備が大変
・ネタが枯渇することがある
・集客に悩むことが多い

リードナーチャリング戦略「短期・長期でリード育成する2つのナーチャリング方法」

弊社(ALUHA)では、リードナーチャリングを2つの戦略に分解している。その戦略こそが、「長期戦」と「短期戦」だ。この2つの戦略により、リードのナーチャリング方法も異なる。

中長期的にリード育成を継続する「長期戦」とは?長期戦のやり方と方法

リードナーチャリング戦略「長期戦」とは?
何をするのか?
目的(KGI)は何か?
長期戦とは、見込み客リストに対して、中長期的なリードの育成計画を立てて、リードナーチャリングする戦略のことだ。目的は、見込み客リストから継続的に案件や商談のきっかけを創出することである。言い方を変えれば見込み客リストからホットリードを創出することとも言える。KGIは、「案件・商談の創出数」だ。
対象者は誰か? リードジェネレーションした後、フォロー営業するも、顧客化しなかった過去の見込み客が対象となる。
どのような手法があるのか? デジタルを活用する場合は、メルマガ、ホワイトペーパー、オンラインセミナーなどがある。リアルを活用する場合は、ニュースレター、リアルセミナー、電話営業などだ。
担当者は誰か? デジタルマーケターやインサイドセールスが担当することが多い
どのように効果測定するか?
おすすめのKPIは何か?
デジタル活用の場合のKPIは、CVR(CV件数)が重要なKPIになるだろう。リアル活用の場合は、アポイント率(件数)である。おすすめのKPIとしては、「メルマガの返信率」だ。デジタル活用してリードナーチャリングの長期戦を行う場合、中長期的に関係を作っていくため、メルマガでのコミュニケーションが重要だ。そのため、メルマガの返信率をKPIにすることで、CVRに近い効果を得ることもできる。
戦略立案の方法は? 主に下記のような年間計画(年間育成計画)を作成して戦略立案する。下記のサンプルは、在庫管理システムを販売するIT企業のリードナーチャリングの年間計画のサンプルだ。

リードナーチャリングの長期戦の計画書のサンプル

リードナーチャリングの長期戦の計画書のサンプル

年間育成計画のサンプルエクセルがあるので参考までに活用いただけたらと思う。

リード獲得後すぐにナーチャリングする「短期戦」とは?短期戦のやり方

リードナーチャリング戦略「短期戦」とは?
何をするのか?
目的(KGI)は何か?
短期戦とは、リードジェネレーションした見込み客に対して、短期間で商談を進めるためのリードナーチャリングシナリオのことだ。たとえば、WEBサイトでCVを獲得したら、その獲得日を起点にして商談化・受注のためのフォロー営業(電話やメールなどを段階的に行う)を行う。KGIは、長期戦同様、「案件・商談の創出数」だ。短期戦に失敗したリードは、長期戦の対象者になる。
対象者は誰か? リードジェネレーションに成功した直後のリード
例:WEBでCVしたリード、展示会で名刺交換したリード、セミナーに参加したリードなど。
どのような手法があるのか? デジタルを活用する場合は、MAのシナリオメールが活用できる。リアルの場合は、電話営業が活用可能だ。
担当者は誰か? デジタルマーケターやインサイドセールス、営業部門。
どのように効果測定するか?
おすすめのKPIは何か?
長期戦同様、デジタル活用の場合のKPIは、CVR(CV件数)が重要なKPIになるだろう。リアル活用の場合は、アポイント率(件数)である。おすすめのKPIとしては、「リードが解決したい課題の把握件数」だ。短期間で商談化を実現していくシナリオとなるため、リードが解決したい課題を把握できれば、受注・商談化への時間を短縮できる可能性があるためだ。
戦略立案の方法は? リードナーチャリングシナリオの設計書を作成する。下記は設計書のサンプルで、内容を肉付けしていくと、カスタマージャーニーマップとなる。

リードナーチャリングの短期戦の設計書のサンプル

リードナーチャリングの短期戦の設計書のサンプル

リードナーチャリングシナリオの設計書サンプルエクセルがあるので参考までに活用いただけたらと思う。

リードナーチャリングの5つの施策とコンテンツやインサイドセールスによる施策例

リードナーチャリングでやるべき5つの施策とは?

弊社(ALUHA)では、BtoBリードナーチャリングを5つの施策に分解している。右図「リードナーチャリングですること」では、リードを「商品軸」と「時間軸」で分解し4つのグループに分けている。この時、リードナーチャリングは、「2」のホットリードに育成するための活動をすることになる。このため、「3」のリードを「1」や「4」を経由して「2」に育成するような活動を展開する。このため、下記のような5つの施策が重要であると考えている。

リードナーチャリングの5つの施策
  1. メモリー
  2. リサーチ
  3. 購入動機づけ
  4. 信頼性向上
  5. 購入機会創出
リードナーチャリングは何をするのか?

リードナーチャリングは何をするのか?

BtoBリードナーチャリングの5つの施策の詳細
5つの施策 概要と何をするかの具体例
メモリー BtoBの場合、リードナーチャリングは中長期化する傾向が強い。そのため、リードに「忘れないように覚えておいてもらう」という施策が重要となる。まさに継続的な接点(タッチポイント)を作っていく施策だ。具体例は、メルマガ、ニュースレターなどである。主に、「1、3」のリードに効果的である。
リサーチ BtoBの場合、リードナーチャリングするには、「リードが解決したい課題」を把握する必要がある。それがリサーチである。具体例は、メール経由でのアンケートや電話でのヒヤリング調査などである。主に、「1、3、4」のリードに効果的である。
購入動機づけ BtoBの場合、リード獲得すると、ほとんどのリードが「情報収集や興味本位」といったケースが多い。そのため、「ほしい」という動機づけが重要だ。具体例としては、「ソリューション提案」や「課題解決事例」をコンテンツ化しPDFや動画で配信するなどだ。主に、「3」のリードに効果的である。
信頼性向上 リードが購入を検討し始めた時、「あの会社に相談しよう」と信頼を得ておく必要がある。それが信頼性向上だ。具体例としては、成功事例・導入事例を配信するなどがある。主に、「1、3、4」のリードに効果的である。
購入機会創出 メモリーから信頼性向上の施策を展開しても、「売るきっかけ」をつくりだすことができない。それを実現する施策が購入機会の創出だ。具体例としては、「継続的な個別相談会の実施」といった「商談や案件につながるイベント」を継続的に実施していくことだ。主に、「1、4」のリードに効果的である。
この5つの施策についての詳細は、「見込み客を育成する「5つの営業作戦」とは?リードナーチャリングの基礎知識と年間育成計画の立て方」にPDF資料で詳しくまとめている。詳細を学習したい場合はぜひお申し込みいただけたらと思う。

コンテンツによるリードのナーチャリング施策例

コンテンツによるリードナーチャリングとは、「デジタルコンテンツ(WEBやメール、動画、PDF資料など)」を中心に、さまざまなコンテンツを活用してナーチャリングを行う施策である。例えば下記のような具体例がある。

コンテンツによるリードのナーチャリング施策例
  1. ホワイトペーパーを作成し送付する
  2. セミナー動画を作成し送付する
  3. ビジネスコラムをWEBサイトで公開し送付する
  4. 導入事例や成功事例をWEBサイトで公開し送付する

コンテンツの活用は、本コラムでご紹介している「リードナーチャリングの長期戦」と相性が良い。長期戦の対象となるリードは「購入意欲がまだ低いリード」であることが多いため、人を活用した施策よりもコンテンツ活用の方が効率が良いためだ。ただし、アカウントセールス(アカウント営業)ABM(アカウントベースドマーケティング)のような場合は、人(インサイドセールスやフィールドセールス)が稼動するほうがよいだろう。

インサイドセールスやフィールドセールスによるリードのナーチャリング施策例

インサイドセールスやフィールドセールスによるリードナーチャリングとは、「人(電話や対面など)」を中心にナーチャリングを行う施策である。例えば下記のような具体例がある。

コンテンツによるリードのナーチャリング施策例
  1. 製品やサービスの無料相談会や無料トライアルを提案する
  2. 課題などを確認しソリューション提案のアポイントに繋げる
  3. セミナー開催の案内をする
  4. 製品デモの提案をする

主に電話や対面(オンライン会議も含む)を中心に、人がリードナーチャリングを行う。そのため、本コラムでご紹介している「リードナーチャリングの短期戦」と相性が良い。短期戦は「WEBサイトから問い合わせがあった日などを起点にしたナーチャリングシナリオ」となるため、人を活用することで臨機応変に対応できるためだ。ただし、リードの確度をしっかり見極めておく必要がある。WEBから問い合わせがあったといっても、「確度が低い」こともあるため、それを見極めてからどう動くかを考える必要がある。確度が低い場合は、MAシナリオメールを活用しコンテンツでの短期戦を展開するのもよいだろう。

BtoBリードナーチャリング成功事例「MAツールの導入事例・活用事例」

MAやメールマーケティング、インサイドセールス導入の成功事例

ここでは弊社のお客様の成功事例をご紹介する。下記の事例は、弊社のお客様事例で、デジタル(メールマーケティング)を活用したナーチャリングの成功事例である。

株式会社アシスト様(デジタルマーケティングの成功事例)

CVR2倍と社内意識改革に成功した株式会社アシスト様の成功事例。デジタルマーケティングを始めた経緯やALUHAを選んだ理由、得られた効果についてインタビュー。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社様(デジタルマーケティングの成功事例)

デジタルマーケティングのPDCAを回して「月間CVが対前年比2.6倍」などの大きな成果を達成。ALUHAを選んだ理由、主な成果、コンサルティングの魅力、今後の展望などをインタビュー。

山洋電気株式会社様(WEBマーケティングの成功事例)

弊社のコンサルティング開始から約1年後にはコンバージョン件数が8~10倍に増加!そんな山洋電気株式会社様に弊社のコンサルティングについてインタビュー。

株式会社日立ソリューションズ東日本様(デジタルマーケティングの成功事例)

リード獲得、MA活用、商談創出、差別化の強化を伴走型でご支援したコンサル事例。リード獲得が5年で約10倍となり、MA活用で業務の効率化と契約確度の向上に成功。

富士フイルムホールディングス株式会社様(デジタルマーケティングと戦略フレームワーク構築の成功事例)

WEBを活用した新規リードの獲得、MAを活用したリード育成などをご支援。さらに、BtoBデジタルマーケティング戦略フレームワーク「FAMメソッド」を構築

株式会社アシスト様(ABMの成功事例)

デジタルとABMを連動させたABMコンサルティングの成功事例。強みを生かしたソリューション提案をターゲットアカウントに提案し案件創出を実現。

積水樹脂株式会社様(MAとWEB活用による商談創出と問い合わせ件数増加事例)

特殊で複雑な商流をもつ積水樹脂様のBtoBマーケティングの成功事例。MAやオンラインセミナーによる商談創出からデジタル活用を始め、その後、デジタル活用の範囲が拡大した事例。

リードナーチャリングツール「MAツール」とは何か?MAシナリオ、メルマガの活用方法

リードナーチャリングでもっとも活用されるツールの1つがMAツールだ。ここではMAツールを活用したリードナーチャリングについて詳しく解説する。

MAツール(マーケティングオートメーションツール)とは?どんな機能があるのか?

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、リードナーチャリング(見込み客の育成)と、リードクオリフィケーション(購買意識・確度の高いリードの選別・抽出)の業務を効率化することを主軸においたITシステム・ソフトウェアのことだ。製品によっては、リードジェネレーション(リード獲得)までをカバーする製品もあるが、メインはリードナーチャリングとリードクオリフィケーションと考えてよい。

シナリオメール(ステップメール・フォローメール)の自動化、リードの確度を判断するスコアリングといった特徴的な機能を持つ。

MAツールとは?導入メリット・デメリットや成功・活用事例

MA(マーケティングオートメーション)とは?機能やおすすめツール、導入と比較の仕方

2024年1月4日

MAツール(マーケティングオートメーションツール)でできることとは?プロセス別の活用方法を解説

MAツールでできることは、主に下記の8つだ。
MAツールでできること
  1. リードの一元管理ができる
  2. セグメントメール(ターゲティングメール)の配信ができる
  3. ランディングページの作成ができる
  4. スコアリングができる
  5. MAシナリオ(シナリオメール)の作成ができる
  6. SFA・CRMと連携ができる
  7. レポートの作成ができる
  8. 営業担当者へアラートの配信ができる
MAツールでできることとは?3つのプロセス別にできることを解説

MA(マーケティングオートメーション)ツールでできることとは?プロセス別の活用方法を解説

2024年1月4日

MAツールの6つのメールマーケティングテクニック

MAツールを活用したリードナーチャリングでは、主にメールマーケティングが中心的な活動となる。MAツールでは、シナリオメール(ステップメール)やメルマガ配信が可能であるため、それらの6つのメールマーケティングテクニックの例を下記にてご紹介する。
6つのメールマーケティングテクニック
  1. WEBのコンバージョンリードに対するシナリオメール(ステップメール)
  2. セミナー前のリマインドシナリオメール(ステップメール)
  3. ある特定ページをみたリードへのシナリオメール(ステップメール)
  4. 全リードに対するメール配信(メルマガ配信)
  5. 特定ページを見たリードへのメール配信(メルマガ配信)
  6. 課題調査アンケートで課題Aにチェックを入れたリードへのメール配信(メルマガ配信)

上記のメールマーケティングのテクニックについては、下記のコラムで詳しく解説している。

マーケティングオートメーションのメール活用テクニック

マーケティングオートメーションの6つのメールマーケティングテクニック

2019年2月12日

MAツールを活用して効率的にリードを獲得・育成するコツ

MAツールでは、リードを育成するためのメールマーケティングだけでなく、ランディングページ(キャンペーンページ)や問い合わせフォームの作成も可能で、リード獲得の支援もできる。しかし、MAツールを使ったからといってリード獲得やリード育成ができるというわけではない。MAツール活用にはコツがあるのだ。

MAツール活用のコツ
  1. 自社の強みを理解しターゲティングする
  2. 最適なリード獲得の方法を選定する
  3. ターゲットにとって魅力のあるコンテンツを制作する
  4. リードの課題やニーズを常に調査・把握する
  5. ニーズに合わせたリードナーチャリングのMAシナリオを作成する
  6. マーケティングや営業の支援ツールを活用し生産性を高める

これらのMAツール活用のコツについては、下記のコラムで詳しくご紹介している。

効率的にリードを獲得・育成するコツとMAツールの活用法

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?効率的にリードを獲得・育成するコツを解説

2021年9月13日

MAツールで配信する効果的なメールコンテンツの設計の仕方

MAツールでは、継続的にリードにとって有益で役立つメールコンテンツを配信する必要がある。しかし、ネタがない、どんなコンテンツがいいのかわからないなどのような課題が発生し、MA活用がなかなかうまくいかないケースも多い。そこで、弊社がおすすめの効果的なメールコンテンツの設計の仕方をご紹介する。

効果的なメールコンテンツを設計する5つの手順
  1. リードの課題を確認するアンケートの設計
  2. アンケートの実行(アンケートメール)
  3. アンケート回答の分析と課題蓄積
  4. リードの課題を解決するコンテンツを設計
  5. 設計したコンテンツをメルマガ配信&手順2へ戻る

上記の5つの手順を実行することで、コンテンツ設計の効率性を向上し、効果的なメールマーケティングが実行できる。

リードのニーズに合わせたメルマガコンテンツを作る5つの手順

MA活用のコツとは?「効果的なメールコンテンツの設計5手順」

2024年1月4日

MAツールのMAシナリオ(シナリオメール)とは?シナリオ設計の手順と成功のコツ

MAシナリオとは、ホットリードに育成するための育成手順(リードナーチャリングシナリオ)を決め、決めた育成手順にあわせてリードに情報提供する「メールのシナリオ」のことである。わかりやすく一言で言えば、リードを育成するためのメールの配信順序のようなものである。

MAシナリオの具体例としては、例えば、「製品Aのカタログ」を自社のWEBサイトで資料請求した「課題Bで悩むリード」に対して、「製品Aのデモやトライアルを案内するメール」、「製品Aを使った課題Bの解決方法に関する個別相談会の案内メール」、「製品Aによる課題Bの解決事例を紹介するメール」などを段階的に配信するなどである。

MAシナリオは、ステップメールやフォローアップメール、シナリオメールとも言われることがあるが、MAを活用する場合は、リードのニーズや行動によってシナリオを分岐させることが可能だ。上述の具体例のように、課題Bで悩むリードだからこそ、課題Bに関するメールが配信されており、これが課題Cであれば、別のメールが配信されることとなる。

このように、MAシナリオは、リードのニーズ(BtoBの場合は解決したい課題など)に合わせて、OneToOneで情報提供することができる。

MAシナリオとは?設計の仕方と成功のコツ

MAシナリオとは?マーケティングシナリオ設計の手順と成功のコツ

2024年1月4日

マーケティングのスコアリングとは?MAツールでリードとの関係性の深さを測る方法

スコアリングとは、自社の顧客やリードの企業情報(企業規模、年商、業種など)や個人情報(役職、権限の有無など)、行動(セミナー参加、問い合わせなど)に合わせて、スコア(点数)をつけ、購入の確度を数値化することをいう。

マーケティングや営業活動を展開すると、多くの企業の担当者が、さまざまな行動を起こし商談や案件が進行していく。その顧客やリード側の行動や各種情報に点数をつけて、購入の確度や、自社に対する興味度・価値を数値化するのがスコアリングだ。リードスコアリングや顧客スコアリングなどとも呼ばれている。

リードスコアリングはその名の通り、見込み客(リード)に対するスコアリングであり、顧客スコアリングは既存顧客に対するスコアリングとなる。

BtoBマーケティングにおいても、スコアリングを活用したリードナーチャリングが行われている。そして、MAツールには、スコアリング機能が実装されている。

MAツールのスコアリング機能をうまく活用できれば、リードとの関係性の深さを測る指標となりえる。下記のコラムでは、BtoBリードナーチャリングにおけるスコアリングを活用したリードとの関係性の深さを測る方法をご紹介している。

デジタルマーケティングにおけるMAのリードスコアリング活用法

マーケティングのスコアリングとは?MAでリードとの関係性の深さを測る方法

2024年1月10日

MAツールによるホットリード化のタイミング検知方法

BtoBのリードナーチャリングにおいて、リードがホットリード(購入確度が高くなったリード)化したタイミングを検知することは非常に重要だ。購入意欲や確度が高くなったタイミングを検知できれば、効果的な営業(クロージング)に繋げることが可能となるためだ。

下記のコラムでは、MAツールを活用したホットリード化のタイミング検知方法について解説している。スコアリング機能を中心とした検知方法であるので、MA活用のヒントにしていただけたら幸いだ。

マーケティングオートメーションによるホットリード化のタイミング検知方法

2022年12月3日

MAツールによるリードナーチャリングのKPIとは?KPIの具体例とその高め方

MAツールを活用して、メールマーケティングを展開する場合、よく活用されるKPIとしては、「開封率」「クリック率」などがある。こういったKPIをどのように高めていくのか?がMAツール活用では非常に重要になる。下記のコラムでは、MAツールによるリードナーチャリングのKPIとしてはどのようなKPIがあるのか、そしてそれらのKPIをどう高めていくのか?について解説している。
コンバージョン率、開封率、クリック率、解除率以外の重要なKPIとは?

マーケティングオートメーションによるリードナーチャリングのKPIとその高め方

2018年12月1日

リードナーチャリングのプロセス「営業案件や商談につながるリード育成手順の例」

休眠顧客や休眠リードを掘り起こすナーチャリングプロセスの具体例「おすすめの始め方の具体例」

BtoB企業でリードナーチャリングを始める時、「効果があるのか?」などのようなさまざまな指摘が社内関係者から入ることが多い。そういった場合に対処すべく、おすすめの進め方を1つご紹介する。初めて取り組むときに、比較的短期間で少ない工数で効果に繋げられる可能性があるプロセスだ。休眠顧客や休眠リードの掘り起こしに活用でき、アポイント獲得などにも繋げやすいプロセスである。

休眠顧客や休眠リードを掘り起こすおすすめプロセス
  1. 休眠顧客や休眠リードのリストを整理(売りたい商品を買ってくれそうな人を名刺データなどを整理してリストアップ)
  2. リストアップした見込み客リストのリードが解決したい課題を営業部門などと協議し明確化(アンケート調査などを行う余力があれば事前にやっておくとより確実)
  3. リードが解決したい課題を解決する方法をホワイトペーパーにまとめる
  4. 整理した見込み客リストにメルマガを配信しホワイトペーパーのCV(資料請求)を獲得

育成したい見込み客リストを整備し、その対象者が抱えていそうな課題を分析して、その上で、課題に合わせたホワイトペーパーを作成する。そして作成したホワイトペーパーを活用してリードナーチャリングに繋げていくという流れだ。ホワイトペーパーのCV(資料請求)を獲得できれば、その後、電話営業などを行い、アポイント獲得を狙う。

ホワイトペーパーを作成し、メルマガ配信するだけのプロセスであるため、比較的短期間で実現可能で、かつ、資料請求という成果に繋がりやすい。そのため、最初の取り組みとして社内に効果をアピールすることができる。しかも、休眠顧客や休眠リードからの資料請求となると、営業部門からも感謝される可能性もある。

リードナーチャリングの効果分析の仕方とナーチャリング指標とすべきKPI

効果分析の仕方とナーチャリングの3つのKPI

本ページでもご紹介している通り、BtoBリードナーチャリングには「短期戦」と「長期戦」がある。そしてこれらの戦略には、当然、案件や商談を創出するというKGIがある。このKGIを達成するためのKPIとして、弊社(ALUHA)では、下記の3つのKPIを推奨している。この3つのKPIを御社でも採用いただき、BtoBリードナーチャリング「短期戦」と「長期戦」の効果分析を行っていただけたらと思う。なお、この3つのKPIはリードナーチャリングをメールマーケティングにて行う場合のKPIである。

効果分析の仕方とナーチャリングの3つのKPI
KPI 概要 選定理由
返信率 メール(MAシナリオメールやメルマガ)を送付した時、リードから個別に返信(返事)が来るかどうか リードナーチャリングはリードとの関係構築を行う。そのためメールでの返事を受け取ることでメールのやり取りが発生し関係構築につながっていく。場合によってはそのメールやり取りからアポイントなどにつながることも。
回答率 メールで課題調査アンケートをお願いしそのアンケートの回答率 リードナーチャリングでは「リードの検討段階にあわせて有益な情報の提供」が必須である。そのため、どんなコンテンツが喜ばれるか?のニーズ調査は重要だ。これがなければ、思いついたコンテンツを送付してしまいリードナーチャリングがうまくいかない。
CVR メール経由でのコンバージョン率 メール経由で資料請求やセミナー申し込み、お問い合わせ、デモ依頼などのコンバージョンを獲得することで商談や案件創出のきっかけとなるため

この中でも受注や商談創出などを考えれば、「回答率」は重要なKPIとなる。リードが解決したい課題をアンケートで把握できれば、自社の解決事例などを強みとして商談や案件に繋げていくことができる。このため、弊社(ALUHA)では、回答率はリードナーチャリングの重要なKPIであると考えている。