- リードナーチャリングとは何か?
- リードナーチャリングの進め方手順
- リードナーチャリングの主な手法
- リードナーチャリングの成功事例
BtoBリードナーチャリングとは?
リードナーチャリングは、図「リードナーチャリングとは?」のように、ナーチャリング施策やプロセスが進むにつれ、徐々にリードの数は減っていく。BtoBの場合は、組織的に製品やサービスの選定や購入を検討するため、特にその傾向が強い。

図:リードナーチャリングとは?
BtoBでなぜリードナーチャリングが必要なのか?
- 見込み客から顧客への転換率を高めるため
- 比較検討中の顧客を囲い込むため
- 顧客と継続的な関係を構築するため
リードナーチャリングは、見込み客を競合企業に取られないように、見込み客を囲い込む。そして、継続的な接点を創出し、見込み客を顧客化する。こういった役割があるからこそ、BtoBマーケティングにおいて非常に重要なプロセスの1つとなっている。
見込み客から顧客への転換率を高めるため
リードナーチャリングは、見込み客から顧客への転換率を高めることができる。
なぜなら、リードとの継続的な接点づくりができるからだ。リードナーチャリングでは、リードに対して、継続的な情報提供を行う。例えば、セミナーの案内、ホワイトペーパーの提供、製品デモの提案、導入事例の紹介、課題解決方法の紹介などだ。こういった活動を続けることで、徐々に購買意欲を高めていくことができる。
こういった施策を継続し、リードナーチャリングを進めることで、競合に見込み客を奪われることを最小化し、営業機会を作り出すことができる。
比較検討中のリードを囲い込むため
リードナーチャリングは、製品やサービス導入を検討しているリードを囲い込むことができる。例えば、ある製品Aの導入を検討しており、製品比較をしているリードがいるとしよう。こういった場合、「比較表のフォーマット」や「比較の仕方」といった情報を提供することで囲い込むことができる。
製品導入を検討しているリード、比較中のリードを囲い込むことができれば、「売上に近いリード」「受注確度の高いリード」となり、営業に大きく貢献できる。
リードと継続的な関係を構築するため
BtoBの場合、商材によっては、購入まで数年かかるような商材も多く存在する。特に高額商材などはその傾向が強い。こういった場合において、リードナーチャリングは、リードとの継続的な関係を構築できる。
なぜなら、リードナーチャリングは、中長期的な視野で継続的な接点作りを行うからだ。たとえば、BtoBメルマガの配信などが具体的な施策の1つとなる。毎月継続的にメルマガを配信し、成功事例や課題解決の方法、セミナー案内などを行い続けることで、リードとの継続的な関係構築を実現することができる。
このような継続性のある施策を展開することで、見込み客の流出を防ぎ、「数年後の顧客創出」につなげることができる。
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リードナーチャリングとリードジェネレーションの違い
このため、リードジェネレーションとリードナーチャリングの違いは、目的が異なる。リードジェネレーションはリードの獲得やリード創出を、そして、リードナーチャリングは獲得や創出したリードの育成が目的となる。

リードナーチャリングとリードジェネレーションの違い
リードナーチャリングとリードクオリフィケーションの違い
このため、リードクオリフィケーションとリードナーチャリングの違いは、目的が異なる。リードクオリフィケーションは受注確度の高いリードを見極める・抽出することを、そして、リードナーチャリングは獲得や創出したリードの育成が目的となる。

リードナーチャリングとリードクオリフィケーションの違い
リードナーチャリングの4つのステップと具体例
- 対象事業や製品の見込み客をリストアップ
- 課題分析とターゲティング
- 見込み客をフェーズでセグメントする
- 見込み客の課題に合わせたコンテンツを作成
リードナーチャリングの具体的なステップは、見込み客のリストアップから始まる。その後、課題分析やターゲティングを行い、リードナーチャリングで活用するコンテンツを作成し、リードナーチャリングを行う。
ステップ1:対象事業や製品の見込み客をリストアップ
この2つを満たす条件でリスト化すると、BtoBリードナーチャリングに成功した時、社内評価や費用対効果が高くなる可能性がある。なぜなら、「売り込みたい製品」と「売り込みたい相手」を対象としているため、BtoBリードナーチャリングが成功した時のインパクトが大きくなるためだ。ちょっとしたコツなのでぜひヒントにして欲しい。
- 対象事業や製品が無数にある場合は、「売上単価の高い製品」や「会社が注力している事業や製品」を選ぶ
- 営業部門が特に売り込みをしたいと考えている企業を中心にリスト化する
ステップ2:課題分析とターゲティング
こういった調査・分析を行い、箇条書きで良いので、リードや顧客の課題・悩みを整理しよう。そして、どんな課題や悩みが多いのか?を分析しよう。複数のリードや顧客が共通で悩んでいる課題が見つかれば、それがターゲティングの軸(切り口)となる。
- 営業の成果の可視化ができていない
- 営業担当間でのノウハウ共有ができていない
- 営業活動が属人化している
この場合、具体例の3つの課題が、ターゲティングの切り口となる。
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ステップ3:見込み客をフェーズでセグメントする
カスタマージャーニーマップとは、リードが製品やサービスを認知してから購入に至るまでの行動や感情を時系列で図式化したものだ。カスタマージャーニーマップの具体例(SFAツールの購入を検討しているリードの例)を記載するので参考にして欲しい。エクセルで作ると楽に進められるだろう。
横軸がリードの購入プロセス(フェーズ)だ。このフェースを切り口に、どういった行動をするか、どんな接点が考えられるか、どんな思考を持っているかなどをまとめていく。
ポイントとしては、フェーズごとに課題を明確にしておくことだ。ステップ2で課題分析を行っているので、その結果を反映させていくと良い。
また、フェーズごとに、どんなコンテンツが必要か?も検討しておこう。ここで検討されたコンテンツは、リードナーチャリングの施策において、自社の武器になるコンテンツとなる。

カスタマージャーニーマップの具体例
ステップ4:見込み客の課題に合わせたコンテンツを作成
- SFAツールの製品概要資料(PDF資料)
- SFAで営業プロセスを改善する方法とは?(PDF資料)
- 営業プロセスを改善する製品デモ(デモ実施の準備)
- 属人化を解消する製品デモ(デモ実施の準備)
- SFA導入後の支援に関する資料(PDF資料)
こういったコンテンツは、リードのフェーズやニーズに合わせて準備しておく必要がある。リードに刺さる魅力的なコンテンツでなければ、リードナーチャリングを実施しても大きな成果は得られない。
コンテンツが完成したら、見込み客に対してメルマガなどを活用して情報配信する。メルマガ経由で資料請求やデモの申し込みを獲得できれば、リードナーチャリングの役割を果たしているということになる。
以上、BtoBリードナーチャリングの4つのステップをご紹介した。リードナーチャリングは、リードから資料請求やデモの申し込みなどを獲得する施策になるが、仮に獲得できたとしても、すぐに商談化するか?というと商材によっては難しいケースも多い。ただ、「特に売り込みをしたい企業」から資料請求やデモの申し込みがくれば、「営業機会」につながるよいきっかけになる可能性があるので、営業部門から喜ばれる可能性は高い。
リードナーチャリングの5つの施策
それでは、BtoBリードナーチャリングの育成計画の立て方について、その詳細を解説する。BtoBリードナーチャリング戦略の立案のヒントに活用して欲しい。
リードナーチャリングでは、主に以下の5つの施策を展開する。この5つの施策をどのような計画で実行するのか?がリードナーチャリングの育成計画となる。リードナーチャリングは中長期的な活動になるケースが多いため、継続性を意識した5つの施策となっている。
施策 | 内容 |
メモリー | 中長期的な時間がかかるため、リードに自社製品のことを「忘れないように」してもらうための施策。 |
リサーチ | リードに刺さる情報を提供するため、リードの課題やニーズを把握する施策 |
購入動機付け | リードに購入意識を高めてもらうための施策 |
信頼性向上 | リードが「誰かに相談しよう」と思った時、真っ先に自社を思い浮かべてもらうための施策 |
購入機会創出 | 導入を検討したい、デモをして欲しいなど、購入機会を創出するための施策 |
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リードナーチャリングの11の手法一覧
BtoBのリードナーチャリング手法(リード育成手法)には、メールなどのデジタル活用と、電話営業などのリアル活用の2種類の手法がある。ここでは、その両方の手法を一覧でご紹介する。
手法1:WEBコンテンツ
具体例としては、(1)継続的・定期的にWEBコンテンツを作成・公開、(2)メルマガなどで既存リードにWEBコンテンツを配信、といった流れだ。WEBコンテンツはメルマガのネタとなるため、WEBとメルマガを連動させることで、リードナーチャリングを実現できる。
例えば、情報収集段階のリードを対象にする場合、「ビジネスコラム(専門用語をわかりやすく解説したコラム)」や「課題解決の方法をまとめたホワイトペーパー」などをWEBコンテンツとして公開すると良い。情報収集段階のリードであるため、購入決定まではまだ時間がかかるため、こういったコンテンツを継続的に提供することで、メモリー施策や信頼性向上施策につながる。
注意点としては、まだ購入の意思決定をしていないため、売り込みが強いコンテンツだと嫌われてしまう可能性があることだ。そのため、「売り込みは控えめにしたコンテンツ」が重要になるだろう。
手法2:メルマガ
主に、WEBコンテンツ、セミナー、ホワイトペーパーといったコンテンツをメルマガで配信する。継続的に配信する必要があるため、継続的なメルマガのネタが必要になる。
メルマガは、カスタマージャーニーマップの各フェーズのどこでも活用できる手法だ。例えば、見込み客リストに対して、「課題解決する方法がわかる製品デモ」の案内をメルマガ配信したとしよう。検討段階のリードには有益なデモである可能性があるため、「デモの申し込み」を獲得できる可能性がある。
このように、カスタマージャーニーマップの各フェーズに合わせて、さまざまなコンテンツをメルマガで配信できる。タイムリーに配信できる上に、人間が訪問や電話して案内するよりも低コストなので便利な方法といえる。
その反面、便利だからといってターゲティングやリストの整理をせず、配信を継続していると、配信停止をくらう可能性が高くなる。そのため、リストの整理やターゲティングは非常に重要な要素だ。
手法3:シナリオメール(MAシナリオ)
資料請求や名刺交換といった「起点となる日」があるため、シナリオメールは、カスタマージャーニーマップにおけるフェーズを1段階上げたいときに活用できる。例えば、情報収集段階のリードから、製品Aのカタログの資料請求がきたら、以下のようなシナリオメールを配信することで、検討段階に育成できる可能性がある。
- 3日後に製品Aの導入事例のメールを送付
- 7日後に製品Aの特徴を伝えるメールを送付
- 10日後に製品Aのデモ案内のメールを送付
このような段階的なメール配信を自動化しておけば、自動的にカスタマージャーニーマップのフェーズを高めていくことができ、リードナーチャリングの自動化も実現できる。
ただし、リードや商材によって検討期間が異なるため、期間をどのくらいにするか?何回送付するか?など、設計・検討するのが難しい。
手法4:動画
動画を活用することで、営業訪問や営業説明の回数を減らし、営業工数(リード育成の工数)を削減できる可能性がある。また、営業属人化の防止や、製品提案の品質向上・底上げにもつながる可能性がある。
リードナーチャリングで動画を活用する場合、手法3でご紹介したシナリオメールで活用すると効果的だ。メールは文章や画像が中心になるが、動画は音声や映像で情報配信できるため、リードの製品理解もより深くなる。つまり購入意欲向上により貢献できる可能性がある。
ただし、動画は制作が大変で、修正なども難しい。コンテンツマネジメントが行いにくいため、情報の鮮度管理が困難になるケースが多い。
手法5:セミナー(オンラインセミナー・ウェビナーも含む)
セミナーはメルマガと相性が良い。例えば、12本のセミナーテーマを企画できれば、毎月1回、セミナーを実施できる。そうすることで、月1回はリードにセミナー案内を配信でき、セミナー経由での接点作りが実現する。
例えば、弊社では、毎月、BtoBマーケティングや営業戦略のセミナーを実施している。こういったことが実現できれば、セミナーページをメルマガで配信し、継続的なリードナーチャリングにつなげられる。
ただし、セミナーのネタがリードに刺さる内容であることや、個別セミナーにするのか、集合型セミナーにするのかなど、セミナーの企画とやり方は、工夫が必要だ。
手法6:ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは情報収集段階のリードと非常に相性が良い。さまざまなタイトルのPDF資料を作成し、メルマガなどで案内することで、情報収集段階のリードから継続的なCVを獲得できる。
リードナーチャリングにおけるホワイトペーパーのポイントは、「購入動機づけにつながるホワイトペーパーをどう作るか?」にある。売り込み色のつよいホワイトペーパーの場合、「興味を持ってくれない」可能性が高まり、CV件数が減る。しかし、売り込み色をゼロにしてしまうと、ただの情報提供資料になり、購買意欲はなかなか高まらない。このジレンマをどう解消するか?がリードナーチャリングにおけるホワイトペーパー作りの難しい点となる。
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手法7:アンケート
アンケートは、カスタマージャーニーマップのどのフェーズでも活用できる重要な手法だ。フェーズごとのリードの課題や悩みを聞き出せる可能性がり、そういった課題や悩みを分析し、リードナーチャリングのコンテンツを設計すると、より精度の高いリードナーチャリングが実現するだろう。
ただし、アンケートは回答がゼロといったケースもある。その場合は、データ分析ができないため、継続的なアンケートのお願いをし続けることが重要だ。1回やってダメだったからやらないと諦めていると、いつまでたっても、リードナーチャリングの精度向上ができない。
手法8:リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)
例えば、ホワイトペーパーを資料請求したリード(情報収集段階や検討段階)に対して、リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)を打つと、そのリードが他のメディアサイトを見て情報を集めているとき、再度、自社製品の広告が目に入ることになる。そのため、検討期間中、メディアなどを見るたびに、自社製品を思い出すことになり、リードナーチャリングのメモリー施策として活用できる。
ただし、広告なので当然費用がかかる。情報収集段階のリードは、まだ購入には程遠いため、費用の割には効果がないと判断されてしまう傾向がある。
手法9:ニュースレター
ニュースレターは、印刷物であるため、PDFに比べてコストがかかる(郵送・手渡しのため)。そのため、「営業が訪問を継続したいリード」、「特に重要視しているリード」や、「購入に近いフェーズのリード」に対して施策展開するとよい。数を打つというより、質重視の施策として活用するとよいだろう。
手法10:訪問営業・対面営業
営業人員のリソースが余っている場合は、カスタマージャーニーマップのどのフェーズでも展開するとよいだろう。しかし、リソースが足りない場合は、ニュースレター同様、特に重要視しているリードや、購入に近いフェーズのリードに対して施策展開するとよい。
とにかく訪問だ!といって、アポを取り続けていると、営業工数の増加につながるだけでなく、あまりにもしつこいと出入り禁止を通達されてしまう可能性もあるだろう。また営業活動が属人化しやすいという側面も持つことになる。
手法11:テレマーケティング(電話営業)
セミナー案内のようなイベント案内だけでなく、検討状況の確認、課題確認など電話では対話でいろいろ聞き出せるため、リードナーチャリングでは非常に重宝されている手法といえる。加えて、カスタマージャーニーマップのどのフェーズでも活用できる手法だ。
しかしその反面、あまりにもしつこく電話すると嫌われてしまう可能性が高い。リードも何かの業務を進めていることが多いため、その業務を電話で「邪魔をしている」ということになる。どのくらいの頻度で電話するのか?など、よく考えておく必要がある。
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リードナーチャリングを成功させる5つのポイント
- 初めて取り組む場合はインパクトのある施策から実施
- リードの課題や悩みの収集を怠らないこと
- リードナーチャリングの対象となるBtoBペルソナを定義すること
- リードナーチャリングのゴールを営業と一緒に決めること
- MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入する
初めて取り組む場合のポイントや、リードに刺さるコンテンツを作るためのコツ、そして、リードナーチャリング業務を効率化するためのツール導入など、成功につながるための5つのポイントを解説する。
初めて取り組む場合はインパクトのある施策から実施
初めてリードナーチャリングに取り組む時、インサイドセールスやマーケティング部門が担当するケースが多い。この時、やはり会社(経営層)や他部門(営業部門など)から期待されることは「成果(売上につながるのかどうか?)」である。
そのため、初めて取り組むときは、「インパクトのある施策」から展開するとよい。例えば、「営業部門が特に売り込みしたい企業」を対象にしたBtoBリードナーチャリング施策や、「客単価の高い商材」を対象にしたBtoBリードナーチャリング施策である。つまり、「商談創出の量よりも質を狙った施策」から始めるのだ。
このような施策は、狙い撃ちした施策であるため、「具体的な施策に落とし込みしやすい」というメリットがある。加えて、こういった施策に成功すると、「BtoBリードナーチャリングが売上や営業活動に貢献したという評価」も大きくなり、さらなるリード育成施策の展開がやりやすくなるのだ。
リードの課題や悩みの収集を怠らないこと
リードナーチャリングは、一方的に自社の情報をリードに配信するだけでは成功しない。リードとの関係性を深めて商談のきっかけを作っていく必要があるため、リードとの双方向コミュニケーションを意識しなければならない。
そのためには、リードが何に悩んでいるのか?の課題の収集は必須の活動だ。リードの課題を把握し、その課題に関連するコンテンツをメールなどで配信することで、リードにとって有益なコンテンツとなり、BtoBリードナーチャリングの成功の可能性を高めることにつながる。
リードの課題を収集するには、「リードに聞くしか方法がない」ため、アンケートメールなどの活用が必須である。最初は回答は0かもしれないが、継続的に実施し、リードの課題を継続的に把握できるようにしておこう。地道な作業であるが、これがBtoBリードナーチャリングの成功の秘訣と言える。
リードナーチャリングのゴールを営業と一緒に決めること
リードナーチャリングのゴールとは、リードナーチャリング施策の成功の指標を何にするか?を決めておくことだ。BtoBの場合、リードナーチャリング施策だけで、製品やサービスが売れるということは少ない。そのため、リードがある状態になったら営業部門に送客する必要がある。具体例としては以下の通りだ。
- 一定以上の規模感を持つリードから見積もり依頼がきた状態
- 一定以上の規模感を持つリードから導入相談がきた状態
- 一定以上の規模感を持つリードから製品デモ依頼がきた状態
- リードの規模感は問わず、見積もり依頼がきた状態
- リードの規模感は問わず、製品の資料請求がきた状態
このように、BtoBリードナーチャリング施策は何か?を決めておき、その状態を満たしたら、営業部門のフォローを依頼するというイメージだ。これを事前に決めておかなければ、「リードの質が悪い」「フォローしても商談化しない」などと営業部門からクレームが入ることになる。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入する
BtoBリードナーチャリングでは、MAシナリオ(シナリオメール)やメルマガ配信、そしてスコアリングなどによるホットリード抽出にMAツールを活用する。
MAシナリオ機能でリードナーチャリングする方法
MAシナリオとは、ホットリードに育成するための育成手順(リードナーチャリングシナリオ)を決め、決めた育成手順にあわせてリードに情報提供する「メールのシナリオ」のことである。わかりやすく言えば、リードを育成するためのメールの配信順序のようなものである。
MAシナリオの具体例としては、例えば、「製品Aのカタログ」を自社のWEBサイトで資料請求した「課題Bで悩むリード」に対して、「製品Aのデモやトライアルを案内するメール」、「製品Aを使った課題Bの解決方法に関する個別相談会の案内メール」、「製品Aによる課題Bの解決事例を紹介するメール」などを段階的に配信するなどである。
MAシナリオを活用することで、リードの課題に合わせたOnetoOneのメールを自動的に配信することができ、リードナーチャリングの工数削減に役立つ。
MAツールを使ったBtoBメルマガのコツ
MAツールは、MAシナリオだけでなく、メルマガ配信も可能だ。さまざまなリードジェネレーション施策で獲得したリードに対して、メルマガを一斉配信できる。BtoBメルマガの具体例としては以下のようなメールがある。
- ビジネスコラムなどのコラム更新案内のメール
- リードの課題を把握するアンケートメール
- 資料請求を獲得するホワイトペーパーの案内メール
- セミナー集客するセミナー案内メール
- 商談や案件のきっかけを作る製品デモ案内メール
BtoBメルマガの成功のコツは、「継続的なメール配信の実施」と「リードに刺さるネタの設計」の2つだ。詳細は下記のコラムでも解説しているので確認してほしい。
MAツールを使ったホットリード抽出のコツ
BtoBリードナーチャリングでは、MAシナリオやBtoBメルマガの配信を行うが、その最終目的は「ホットリードの抽出」だ。つまり、確度の高いリードを抽出することにある。MAツールを使って、ホットリードを抽出するには、2つの指標がある。1つ目は、「ある一定期間のスコア上昇数」、2つ目は「キーページ閲覧」である。詳しい内容は以下のコラムでまとめているので参照してほしい。
リードナーチャリングの成功事例
ここでは弊社のお客様の成功事例をご紹介する。下記の事例は、弊社のお客様事例で、デジタル(メールマーケティング)を活用したナーチャリングの成功事例である。
株式会社アシスト様の成功事例
WEBやメールでの情報収集が当たり前になってきている中、WEBでのCV獲得、メルマガ経由でのセミナー集客などに課題を抱えていたアシスト様。そんなアシスト様は、メルマガの件名や本文の書き方などを工夫し、1回のメールで70人の集客を実現している。
積水樹脂株式会社様の成功事例
コロナ禍で対面営業が困難になり、商談や案件のきっかけをメルマガで創出すべく活動を開始した積水樹脂様のリードナーチャリング事例。メルマガ配信で、「ホワイトスペース開拓」や「メール経由での問い合わせが12倍に増加」といった成果を達成した。
株式会社日立ソリューションズ東日本様の成功事例
日立ソリューションズ東日本様は、WEBサイト改善で、約8倍のPVと約10倍のCVを達成した。しかし、リードを獲得した後の「リード行動分析」や「成約前の商談に入るまでの流れ作り」が次の課題となった。
そこで、リードを獲得したあとは何をするの?どういうメールを送るの?どういう資料を提供するの?などを細部まで詰めて、MAを活用したリードナーチャリングシナリオを策定した。その結果、MAがリードに対してソリューション導入の検討を促進し、リード育成の業務が効率化しただけでなく、最終的な契約の確度が高まるという成果を獲得した。
株式会社アシスト様の成功事例(ABM)
「製品の提案ではなく価値を提案すること」と「次の優良顧客の育成と発掘」を目的に、メールを起点としたABM施策を展開した事例。以下のようなABMプロセスを実行し、メール起点でのCVが4.6倍に増加した。
- 今の優良顧客をリストアップ
- リストアップした優良顧客との取引に詳しい営業担当へ「顧客が解決できてよかった」と考える課題をヒアリング
- 顧客が解決できてよかった課題を元にソリューション提案のコンテンツを作成
- ソリューション提案のコンテンツをデジタル化して、ターゲットアカウントに対して提案し、営業案件化を狙う
富士フイルムホールディングス株式会社様の成功事例
BtoBデジタルマーケティングはMAだけではないと感じ、デジタルマーケティングの基礎を学ぶことを決めた富士フイルム様。弊社と一緒にWEB改善やMA活用を進めることで、WEBもMAも大きな成果を獲得。
MA活用に関しては、シナリオを継続的に実施することで、コンスタントなリード獲得と問い合せ発生があり、リード育成に成功。さらに、ある商材では、MAからセミナー案内のメールを配信することで、高額商材にもかかわらず商談や案件獲得にもつながっている。
こういった活動を継続的に実施するため、WEBを活用した新規リードの獲得、MAを活用したリード育成の戦略フレームワーク「FAMメソッド」も構築した。
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