BtoB、BtoCとは?違いやビジネスモデルの例、マーケティング戦略の立て方を解説

BtoBとは?BtoCとの違いや他のビジネスモデル形態について
Last Updated on 2024年11月19日 by 荻野永策

今回のコラムでは、BtoBとはなにか、BtoCとはどのような違いがあるのか、BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いは何か、BtoBのビジネスモデルにはどのようなものがあるのか、をわかりやすく説明する。後半では、BtoBやBtoC以外の形態も紹介しているため、ビジネスモデルについて理解を深めたい方は参考にしてほしい。

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BtoB(B2B)とは

BtoBとは「Business to Business」の略語であり、顧客である法人企業に対してサービスや製品を提供するビジネスモデルのことだ。読み方は「ビートゥービー」や「ビーツービー」であり、B2BやtoBと表記される場合もある。対象顧客が法人であることから、取り扱うサービス・製品の単価が高く、取引期間が長い点が特徴だ。

BtoB企業とは

BtoB企業とは、BtoBのビジネスを展開している企業のことだ。具体例としては、下記のような企業が該当する。

  • 企業のIT化を支援するIT企業
  • 部品や材料を製造業に納品する部品メーカー、材料メーカー
  • 企業の法務を支援する弁護士事務所
  • 企業のWEBサイトを制作するWEB制作会社

BtoBとBtoCの違い

BtoCとは

BtoCとは「Business to Consumer」の略語であり、顧客である一般消費者に対してサービスを提供するビジネスモデルのことだ。読み方は「ビートゥーシー」や「ビーツーシー」であり、B2CやtoCと表記される場合もある。

BtoBとBtoCの違い

BtoBとBtoCの主な違いは、以下の通りだ。

BtoBとBtoCの主な違い
  1. 取引する商材
  2. 取引の金額
  3. 購入の判断基準
  4. 購入の意思決定者
  5. 購入までの期間
  6. マーケティングの手法
BtoBBtoC
取引する商材企業が自社運営に必要なモノ・サービス個人がほしいモノ・サービス
取引の金額高い安い
購入の判断基準費用対効果を重視費用対効果や感情を重視
購入の意思決定者プロジェクトや部門の責任者。組織的に決定していく消費者自身
購入までの期間長期間短期間
マーケティングの手法OneToOneで深く長く付き合うためのマーケティングを行うメディアを活用し浅く広く付き合うマーケティングを行う

取引する商材

BtoBとBtoCの違いのひとつに、取引する商材が挙げられる。

BtoBで取引する商材は、製品を製造するために使用する原材料や部品、企業が社内で使うITツール、さらには、企業法務や社員研修、コンサルティングといったサービスなどが一般的だ。一言で言えば、企業運営に必要なモノ・サービスすべてがBtoBの商材となる。

原材料や部品の例としては、食料品や化粧品、医薬品などの原材料と自動車部品、産業機器部品などだ。ITツールの例としては、勤怠管理システムや生産管理システム、人事管理システムなどである。サービスの例としては、新入社員研修、コンプライアンス研修、マーケティングコンサルティングなどである。

BtoCで取引する商材は、個人がほしいモノ・サービスすべてである。具体的には、自動車やパソコン、食品、化粧品、医薬品、スマホゲームやアプリ、家族旅行、洋服などである。

取引の金額

取引の金額も、BtoBとBtoCの違いのひとつである。

BtoBで取引する金額は、高額である点が特徴だ。個人では購入できないほどの高額な費用の場合もある。BtoCで取引する金額は、BtoBに比べると比較的低価格である。住宅、車、子供の教育資金などを除外すれば比較的安いものが多い。

購入の判断基準

BtoBでは、費用対効果を重視した合理的な判断で、商品やサービスの購入を組織的に検討する。複数の担当者を介在して検討するため、衝動買いは少ないだろう。

BtoCでは、費用対効果の他に感情も重視して、商品やサービスの購入を検討する。流行や他者の口コミ、ブランドイメージの影響を受けやすく、衝動買いがおこなわれる可能性がある。

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購入の意思決定者

BtoBでは、商品やサービス購入の意思決定をプロジェクトや部門の責任者がおこなう。実務担当者が稟議書を作成して、プロジェクトや部門の責任者が承認するという流れが一般的だろう。

BtoCでは、商品やサービス購入の意思決定を消費者自身がおこなう。家族や友人に相談することはあるものの、基本的には自分の意思で決定する。

購入までの期間

BtoBでは、購入の意思決定がなされるまでに多くの担当者を介在する。稟議書を作成して承認してもらう必要があり、営業担当者が提案してから意思決定までの期間が長くなりやすい。

BtoCでは、消費者自身が意思決定をおこなう。インターネットやSNSで情報収集をおこなうものの、BtoBよりも購入までの期間は短い傾向にある。

マーケティングの手法

BtoBでは、顧客企業と深く・長く付き合うためのマーケティング手法をとることが多い。BtoC(一般消費者の数)に比べ企業数が少ないためOnetoOneよりのマーケティングや営業を展開することが多い。

BtoCでは、TVなどのメディアを使って広く浅く付き合うマーケティング手法をとることが多い。お客さまの数が多いためBtoBのようにOnetoOneのマーケティング手法が取りにくい。

BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティング(B2Bマーケティング)とは、BtoB企業のマーケティングのことで、「企業に対して顧客価値を創出する戦略や仕組み、そしてそのプロセス」のことである。BtoBマーケティングを4Pフレームワークに当てはめて定義すれば、BtoBマーケティングとは「企業に対して、売れる商品を作る、売れる場所で売る、売れる値段で売る、売れる売り方で売る」ための戦略やプロセス・活動となる。

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BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの最大の違いは、ターゲットである。BtoBマーケティングでは、主に企業をターゲット(各種団体なども含む)とするが、BtoCマーケティングは個人(一般消費者)をターゲットとする。その他の細かい違いについては、下記の表にまとめているので参考にして欲しい。ただし、商材によっては違いがないこともあるので、あくまで「概ね下記のような違いがある」と考えていただければいいだろう。

項目BtoCBtoB
購入決定の早さ比較的早い時間がかかる
購入決定者購入者本人組織的に決定
ニーズ調査定量的定性的
顧客関係構築浅い付き合い深い付き合い
市場規模大きい小さい
取引金額少額高額
ブランドスイッチ容易困難
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BtoBのビジネスモデルの種類と例

BtoBビジネスモデルにはさまざまな種類があるが、収益の観点から分類すると、ストック型ビジネスモデルとフロー型ビジネスモデルがある。

ストック型ビジネスモデル

ストック型ビジネスモデルとは、毎月、継続的に顧客から収益を得て売上を安定させるビジネスモデル。BtoBのストック型ビジネスモデルの例としては、毎月定額で使える「会計システム」「勤怠管理システム」といったITツールや、毎月定額の「印刷サブスク」などがある。比較的低コストであることが多く、長期間、顧客と付き合うことで売上・利益が安定するのが特徴のビジネスモデルだ。

フロー型ビジネスモデル

フロー型ビジネスモデルとは、顧客からある業務を受託しその業務を完了させることで収益を得るビジネスモデル。BtoBのフロー型ビジネスモデルの例としては、「WEBサイト制作」「システムの受託開発」「建設工事の請負」などがある。継続性が少ない反面、取引単価が高くなる傾向がある。

「BtoBtoC」とは

BtoBとBtoCを合わせた、BtoBtoCというものがある。BtoBtoCとは「Business to Business to Consumer」の略語であり、法人企業と一般消費者の取引の間に法人企業が存在しているビジネスモデルのことだ。B2B2Cと表記される場合もある。

法人企業が間に入って取引の成立をサポートするビジネスモデルであり、代表的なものには不動産仲介業や人材紹介などがある。出品したい企業と購入したい消費者を結びつけるECサイトも、わかりやすい例だろう。

BtoB・BtoC以外の形態

ビジネスモデルはBtoBやBtoC以外にも、以下のような形態が存在する。

CtoC(Consumer to Consumer)

消費者が消費者に商品やサービスを販売するビジネスモデルである。代表的なものには、「ヤフオク」や「メルカリ」といったフリーマーケットサービスが挙げられる。

BtoE(Business to Employee)

企業が従業員に商品やサービスを提供するビジネスモデルである。福利厚生を充実できる点が魅力で、代表的なものには「ベネフィットステーション」といった福利厚生サービスが挙げられる。

BtoG(Business to Government)

企業が行政機関に商品やサービスを提供するビジネスモデルである。具体的には、建設工事や行政マガジンの発行などがある。

DtoC(Direct to Consumer)

自社のECサイトで直接消費者に商品やサービスを販売するビジネスモデルである。店舗や企業を介在させないため、利益率が高かったり、消費者の意見を収集できたりする点が魅力だ。

GtoC(Government to Consumer)

政府や自治体が一般消費者に対して商品やサービスを提供するビジネスモデルである。代表的なものには、ふるさと納税サイト「さとふる」がある。

まとめ

以上、BtoBとはどのようなものか概要やビジネスモデルの例をご紹介した。

BtoB と混同されやすいものにBtoCがあるが、取引する商材や金額・購入の判断基準などが異なる。BtoBやBtoC以外にもさまざまなビジネス形態があるため、それぞれどのようなものか把握したうえで、BtoBやBtoBマーケティングの理解を深めていただけたら幸いである。

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BtoBマーケティングの基礎コラム


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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績