このコラムでは、BtoBマーケティングの6つの始め方についてご紹介する。「こういう考え方で始めるのか」とBtoBマーケティングの立ち上げのヒントにしていただけたら幸いである。
資料名:BtoBマーケティング戦略の立て方
この資料で学べること
- BtoBマーケティング戦略の立案手順(戦略俯瞰図のパワポテンプレート付き)
- マーケティング計画の立て方(計画立案エクセルのサンプル付き)
- KPI可視化のやり方(KPI可視化エクセルのサンプル付き)
- PDCAの回し方(PDCAレポートのエクセルサンプル付き)
その他の関連資料
BtoBマーケティングとは?
BtoBマーケティング(B2Bマーケティング)とは、企業対企業(企業間取引、B2B)に特化したマーケティングのことで、「企業に対して顧客価値を創出する戦略や仕組み、そしてそのプロセス」のことである。BtoBマーケティングの基礎・基本については下記のコラムを参照いただきたい。
BtoBマーケティングは何からはじめるか?「重要な2つの観点」
BtoBマーケティングの始め方は、大きく2つの観点があると弊社は考えている。
数値(KGIやKPI)の悪い箇所から始める
1つ目は、「数値の悪い箇所から始める」だ。自社のマーケティング・営業の現状を数値化し全体を俯瞰した上で、数値の悪いところから始めるというのはリソースを効率よく使うという意味では鉄則である。マーケティング・営業のKGI・KPIを適切に設定し、適切な方法で数値化することで、的確な判断が可能となる。
デジタルシフトして効率化したい箇所から始める
2つ目は、「デジタルシフトして効率化したい箇所から始める」だ。下記のコラムでも解説しているように、BtoBマーケティングのデジタル化(DX推進、デジタルマーケティングの活用)は今後非常に重要だ。
そのため、自社商材と顧客特性を見極めた上で、デジタル化したい・すべき箇所からBtoBマーケティングを始めるのが良いだろう。デジタル活用を強化することで、BtoBマーケティングの活動を効率化できるため、「わざわざ人が動かなくても、デジタル活用で十分」といったマーケティング施策はどんどんデジタル化して効率化していくと良い。
この2つの観点をもって、あなたなりに「何から始めるか?」を決断いただけたらと思う。
資料名:BtoBマーケティング戦略の立て方
この資料で学べること
- BtoBマーケティング戦略の立案手順(戦略俯瞰図のパワポテンプレート付き)
- マーケティング計画の立て方(計画立案エクセルのサンプル付き)
- KPI可視化のやり方(KPI可視化エクセルのサンプル付き)
- PDCAの回し方(PDCAレポートのエクセルサンプル付き)
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BtoBマーケティングの6つの始め方
それでは、BtoBマーケティングの具体的な6つの始め方をご紹介する。上述した2つの観点と照らし合わせながら、御社にとってどの始め方が良いか、選定していただけたらと思う。
またご紹介する6つの始め方は、下記図の「BtoBマーケティングサイクル」をベースにした始め方である。弊社では、BtoBマーケティングの施策・活動内容を「BtoBマーケティングサイクル」として定義している。このため、ご紹介する始め方も「BtoBマーケティングサイクル」がベースとなっている。
- 戦略と計画立案から始める場合の始め方とプロセス
- 「顧客満足度調査」「顧客ニーズを知る」「売れる商品を作る」から始める場合のプロセス
- 「見込み客を獲得する」から始める場合のプロセス
- 「見込み客を育成する」から始める場合のプロセス
- 「案件化・商談化」「受注」から始める場合のプロセス
- 「顧客維持」から始める場合のプロセス
それでは、各始め方のプロセスの概要をご紹介しよう。
戦略と計画立案から始める場合の始め方とプロセス
BtoBマーケティングの戦略立案、計画立案から始める場合は、BtoBマーケティング戦略の立案と、マーケティングアクションプラン(年間計画)の立案が重要だ。加えて、BtoBマーケティングサイクルの各施策に対して、デジタル活用を進めるのか、人を活用するのか?などの戦術選定も行わなければならない。
BtoBマーケティング戦略・計画の立案プロセスについては、下記のコラムで詳細に解説している。ぜひ参考にしてほしい。
この始め方の場合は、マーケティング戦略の立案となるため、営業部門、事業部門や開発部門、インサイドセールスといった関係者を巻き込み、戦略の方針や方向性の合意と取った上で推進しなければならない。そのため、それなりのマーケティング体制が必要となる。
戦略立案だけでそれなりの労力もかかるが、KGIやKPIが明確になる上に、デジタル活用といったリソースの効率化も検討できるため、2つの観点をマーケティング戦略全体に取り入れることが可能だ。マーケティング戦略そのものを見直ししたい、しっかり立案して全社で進めたいという場合はおすすめの始め方である。
「顧客満足度調査」「顧客ニーズを知る」「売れる商品を作る」から始める場合のプロセス
「差別化戦略が弱い」「見積もり提案後の失注が高い」といった課題がある場合におすすめの始め方だ。このプロセスの目指すべきゴールは「差別化戦略の具体化」である。
最初にやるべきはニーズ調査(課題調査)だ。既存顧客リストや既存リードリストが整理されているという前提が必要であるが、既存顧客や既存リードに「課題調査」を行い「どういう課題があるのか?」を把握しよう。
課題を調査したら、回答内容の分析(課題分析・アンケート分析)を行い、顧客ニーズは何か?を把握する。そしてそのニーズを叶えるべく、どういう商品(ソリューション)にすべきか?を検討し、差別化のポイントを明確にしよう。
差別化のポイントを明確化したら、他のBtoBマーケティング施策に展開し、見込み獲得、育成、受注などの効果が高められるかどうかを検証すれば良い。
「見込み客を獲得する」から始める場合のプロセス
コロナなどの影響で見込み獲得の件数が少なくなったといった場合は、「見込み客を獲得する(リードジェネレーション)」から始めると良い。BtoBの見込み客の獲得にはさまざまな手法がある。その手法を下記コラムで詳細にまとめているので参照してほしい
こういったリードジェネレーションの手法の中でも、WEB活用がBtoBでも盛んであるため、自社のWEBサイトを活用した見込み獲得ができないか検討しよう。
WEB活用の主なプロセスとしては、下記表の通りだ。
プロセス | 概要 |
アクセス数の強化 | SEO対策のキーワードを選定し、SEOコンテンツを自社サイトで継続的に公開。アクセス数が増加しているかを継続的に確認する。 |
フォーム誘導 | アクセス数が増加したらフォームへの誘導を強化。サイト導線を設置する。 |
CV獲得 | フォームへの誘導ができたら、ホワイトペーパーなどを活用してCVを獲得する。 |
資料名:BtoBマーケティング戦略の立て方
この資料で学べること
- BtoBマーケティング戦略の立案手順(戦略俯瞰図のパワポテンプレート付き)
- マーケティング計画の立て方(計画立案エクセルのサンプル付き)
- KPI可視化のやり方(KPI可視化エクセルのサンプル付き)
- PDCAの回し方(PDCAレポートのエクセルサンプル付き)
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「見込み客を育成する」から始める場合のプロセス
見込み獲得後の「関係作り」に課題があるという場合は、「見込み客を育成する(リードナーチャリング)」から始めると効果的だ。例えば、「展示会に出てもフォローが継続しない」「WEBサイトでCVは十分獲得できているのにフォローが継続しない」「過去の見込み客の名刺データを十分に活用できていない」といったような場合だ。
このような場合、主に下記の2つを具体的な施策として落とし込んでいくと効果的だ。
プロセス | 概要 |
見込み獲得後のシナリオ具体化 | 展示会、セミナー、WEBサイトなどさまざまな施策でリードを獲得したら、獲得後、どのような施策で育成すべきか?のフォローシナリオを具体化する。デジタル化するのであればMAのステップメールシナリオの具体化、インサイドセールスを活用するのであればインサイドセールスのコールシナリオを具体化することになる。 |
継続的なフォロー計画の具体化 | 見込み獲得後のシナリオを具体化しても、全てのリードが案件化・商談化していくわけではない。そのため中長期的なフォロー計画が必要だ。デジタル活用するならばメルマガ配信計画を具体化することとなる。 |
この中でも、特に「継続的なフォロー計画の具体化」については、見込み客が放置状態になっていることもBtoB企業では多々あるため、継続的なフォローができるようにした方が良い。下記のPDF資料で「ほったらかしの名刺」に対して継続的なフォローを行い、案件や商談を作った製造業の事例をご紹介している。ぜひ参考にしていただけたらと思う。
タイトル
BtoBリードナーチャリング3つの成功事例
獲得した名刺からメルマガで商談を作るためのヒント
「メルマガの企画検討フォーマット付き」
- (製造業)休眠リード(過去に名刺交換したリード)からの案件再創出の事例
- (IT企業)無料ユーザーへの有料製品提案と休眠リードの掘り起こしを狙ったアンケートメルマガの事例
- (製造業)リードに刺さるオンラインセミナーを起点にホワイトスペース開拓した事例
どんな企業が、誰に、どんな内容のメールを、どんな目的で、どういうタイミングでメールを送信し、どんな成果が得られているのか?を簡潔にまとめてご紹介していますので、御社のメルマガ活用の検討や見直しにご参照ください。
「案件化・商談化」「受注」から始める場合のプロセス
「商談作り」に課題があるという場合は、「案件化・商談化」「受注」から始めるとよい。BtoBの場合、受注に関しては「ネットショップ」のように完全にWEB完結することは難しいため、このプロセスのゴールは「既存の見込み客から商談を作り出す(商談創出)」となることが多い。
商談創出するプロセスとしては、下記表のようなプロセスが考えられる。
プロセス | 概要 |
見込み客の課題把握 | 既存の見込み客の課題を把握し、どういった課題を持つリードが多いのか分析する |
ソリューション化 | 見込み客の課題に対して、自社製品でどう解決できるのか?を検討し、ソリューション化する。また既存顧客で課題解決できた事例がないかも調査 |
ソリューション提案 | ソリューション内容や事例を見込み客に提案し商談化する |
上記手法の具体例を1つご紹介すると、弊社のお客さまで下記のようなオンラインセミナーを実施し、継続的な商談創出に成功している。
プロセス | 概要 |
見込み客の課題把握 | 検索キーワードから検索ニーズを分析し、見込み客の課題感を把握 |
ソリューション化 | 見込み客の課題から、その課題を解決する方法を説明する「オンラインセミナー」を設計。オンラインセミナーをメルマガで案内し申し込みを獲得。 |
ソリューション提案 | オンラインセミナーで課題解決の方法を紹介後、具体的な個別相談を行い商談創出 |
上記プロセスの詳細は下記のPDF資料にまとめているので、ぜひご確認いただけたらと思う。
〜個別相談・デモ・見積依頼につながるセミナー実施方法〜
https://btobmarketing.aluha.net/contact/white-paper/#r24
「顧客維持」から始める場合のプロセス
「顧客流出」「LTVが向上しない(優良顧客化しない)」といった場合は、「顧客維持」から始めるとよい。このプロセスのゴールは、アップセル・クロスセルによるLTVの向上となる。
このプロセスは商材・顧客特性によってさまざまな手法があるが、1つ具体例をご紹介しよう。下記の例はグループウェアを開発・販売するIT企業の例だ。
プロセス | 概要 |
既存ユーザーの課題調査 | 自社製品を活用している既存ユーザーに対して製品の使い勝手に関するアンケート調査を実施 |
回答分析 | アンケート調査の結果を集計し、クロスセル・アップセルにつながりそうな回答をピックアップ |
追加購入提案 | 追加購入につながりそうな回答をした既存顧客に、有料オプションの提案(クロスセル)や上位プランの提案(アップセル)を行い、30件程度の見積もり獲得に成功 |
このように、LTVを高めるための施策としては、自社製品の使い勝手に関する調査を行うことが効果的だ。そこから、クロスセルやアップセルにつながるきっかけを掴むことができる。
BtoBマーケティングの始め方まとめ
以上、BtoBマーケティングの6つの始め方について解説した。
- 戦略と計画立案から始める場合の始め方とプロセス
- 「顧客満足度調査」「顧客ニーズを知る」「売れる商品を作る」から始める場合のプロセス
- 「見込み客を獲得する」から始める場合のプロセス
- 「見込み客を育成する」から始める場合のプロセス
- 「案件化・商談化」「受注」から始める場合のプロセス
- 「顧客維持」から始める場合のプロセス
この6つの始め方は、どれが正しいのか?というわけでもないため、下記の2つの観点をベースに最適な始め方を選定してほしい。
- 数値(KGIやKPI)の悪い箇所から始める
- デジタルシフトして効率化したい箇所から始める
当然、顧客特性や商材特性により、上記以外の始め方もあると考えられるが、弊社のお客さまのご相談内容を見ていると、上記6つに当てはまることが多い。ぜひ御社でも6つの始め方を参考に、BtoBマーケティングに取り組んでいただけたら思う。そしてデジタル活用を推進し、効率化・効果向上を実現していただけたら幸いだ。
資料名:BtoBマーケティング戦略の立て方
この資料で学べること
- BtoBマーケティング戦略の立案手順(戦略俯瞰図のパワポテンプレート付き)
- マーケティング計画の立て方(計画立案エクセルのサンプル付き)
- KPI可視化のやり方(KPI可視化エクセルのサンプル付き)
- PDCAの回し方(PDCAレポートのエクセルサンプル付き)
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