BtoBデジタルマーケティングとは?具体的な施策から戦略立案や手法・成功事例を解説

BtoB製造業やIT企業のBtoBデジタルマーケティングとは?基礎や手法、戦略の立て方などを解説
Last Updated on 2026年2月19日 by 荻野永策

BtoBデジタルマーケティングとは?

BtoBデジタルマーケティングとは、企業向け商材・サービスを対象に、Webサイトや広告、コンテンツ、MAなどのデジタル手法を用いて、見込み顧客との接点を作り、関係を深め、商談・受注へつなげていく一連の取り組みである。

単にWebで集客することではなく、営業活動を前提に、BtoBマーケティングサイクル全体をデジタル上で支援・加速させることが本質だ。

BtoBマーケティングサイクル

図:BtoBマーケティングサイクル

BtoBでデジタルマーケティングが必要とされる背景には、購買行動の変化がある。担当者は営業に会う前からWebで情報収集を行い、比較・検討を進めるようになった。展示会や紹介だけに依存していると、検討の初期段階で候補にすら入らない。

デジタルマーケティングは、こうした「営業接触前」のフェーズから関係を築くために欠かせない手段になっている。

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BtoBとBtoCデジタルマーケティングの違い

BtoBとBtoCのデジタルマーケティングの大きな違いは、購買の構造にある。BtoCは個人の意思決定が中心で、感情や即時性が重視されやすい。一方BtoBは、複数人が関与し、検討期間も長く、合理性や社内説明のしやすさが重視される。

そのためBtoBでは、「今すぐ買ってもらう」施策よりも、課題整理・比較材料・導入判断を支援する情報提供が重要になる。

比較軸BtoBBtoC
購買決定期間長い(数週間〜数か月、場合によっては半年以上)短い(即日〜数日、長くても数週間程度が多い)
意思決定者複数(担当者+上長+決裁者)原則1人(購入者本人)
ステークホルダー多い(利用部門・情シス・法務・経理などが関与)少ない(家族が関与する程度で完結しやすい)
決裁金額高い(数十万〜数千万円など)比較的低い(数千円〜数十万円が中心)
情報収集行動合理性重視。比較表・事例・導入手順・ROIなどを深掘りし、稟議資料としても使う。直感・口コミ・SNS・レビュー重視。短い比較や評判で意思決定しやすい。

BtoBは購買決定までの期間が長く、担当者が「良さそう」と思っても、上長や決裁者の承認が必要になる。そのため、途中で情シスがセキュリティ要件を確認したり、法務が契約条件を見たり、経理が予算枠を確認したりと、関与者が増えやすい。結果として、意思決定は合理性・再現性が求められ、デジタルマーケティングにおいても「事例」「費用対効果」「導入手順」など“社内説明できる情報”が重視される。

一方BtoCは、購入者本人が決められるケースが多く、決裁金額も相対的に小さいため、比較検討は短期間で終わりやすい。情報収集もSNSやレビュー、口コミなどの“体験談”が判断材料になりやすく、短い時間で「欲しい」と思わせる訴求が効きやすい。

つまり、BtoBのデジタルマーケティングは「検討を前に進める情報提供」と「社内合意を取りやすくする材料作り」が中核になる点で大きな違いがある。

BtoBデジタルマーケティングのメリット

BtoBデジタルマーケティングのメリットとしては下記の3つがある。

  • デジタルコンテンツがマーケティングの資産になる
  • KPIを可視化しやすく、PDCAを回しやすい
  • 営業の生産性向上

BtoBデジタルマーケティングは、施策が一過性で終わらず、継続的な成果につながりやすい。Webサイトやホワイトペーパー、事例といったデジタルコンテンツは、蓄積されるほど集客やリード獲得に寄与し、マーケティングの資産として機能するためだ。

また、流入数やCV数、商談化率などの数値をデータで蓄積できるため、感覚に頼らず改善を重ねやすい。さらに、見込み顧客の行動や関心を営業が事前に把握できることで、初回接触の質が高まり、営業活動全体の生産性向上にもつながる。

デジタルコンテンツがマーケティングの資産になる

1つ目のメリットは「デジタルコンテンツがマーケティングの資産になる」である。

例えば、御社のWebサイトにおいて、継続的にデジタルコンテンツ(ビジネルコラムやソリューションページ、ホワイトペーパー、動画など)を公開したとしよう。公開されたコンテンツは蓄積され、コンテンツ資産となる。

そして蓄積されたコンテンツ資産をきっかけに、新規リード獲得や商談創出が可能となり、マーケティングや営業活動に安定感をもたらす。

展示会やセミナー、日々の訪問営業などは、資産になりにくいが、BtoBデジタルマーケティングはデジタルコンテンツをマーケティングの武器にしていくため、資産になりやすい。

KPIを可視化しやすく、PDCAを回しやすい

2つ目のメリットは「KPIの可視化とPDCA」だ。

BtoBデジタルマーケティングでは、WEB解析ツールやMA、SFA、CRMといったITツールを活用するため、成果(KPI)を数値で把握しやすくなる。その結果、マーケティングや営業活動において、どこがネックになっているのか?を数値で把握できるようになる。加えて、継続的にKPIを測定することで、KPIが改善しているのかどうか?などの観測も可能でPDCAも回しやすくなる。

営業の生産性向上

3つ目のメリットは「営業の生産性向上」である。

BtoBデジタルマーケティングでは、自社のWEBサイトなどを活用して安定した新規リード獲得を実現したり、自社の見込み客リストに対してメルマガを配信し、継続的な営業案件の創出を行う。こういった活動により、営業部門は商談化と受注に集中できるようになり、生産性が改善される。

BtoBデジタルマーケティングにおける4つのフェーズ

BtoBのデジタルマーケティングは、見込み顧客が「知る→比較する→社内で合意する→導入する」という購買プロセスを段階的に進む前提で設計する必要がある。BtoCのように短期で購入が完結しにくく、関与者も多いため、施策は一発勝負ではなく“フェーズごとの役割分担”で成果が決まる。

全体像は、リードを増やす「リードジェネレーション」、検討を前に進める「リードナーチャリング」、営業が追うべき状態へ整える「リードクオリフィケーション」、そして「商談化・クロージング」の4ステージで整理できる。

フェーズ目的主要施策主要KPI
リードジェネレーション認知を取り、見込み顧客との接点を作り、リードを獲得する。SEO、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS、ホワイトペーパー、ウェビナー集客流入数、CV数、CVR、CPL、資料DL数、セミナー申込数
リードナーチャリング獲得したリードの理解を深め、検討度を高める。メルマガ、ステップメール、事例配信、ウェビナー、リターゲティング、コンテンツ回遊設計開封率、クリック率、再訪率、資料閲覧、ウェビナー参加率
リードクオリフィケーション営業が追うべきリードを見極め、商談へつなぐ。スコアリング、フォーム設計(BANT等)、インサイドセールス、SFA/CRM連携商談化率、リード→商談転換率、商談単価
商談化・クロージング提案・合意形成を支援し、受注に結びつける。デモ、個別相談、提案資料、ROI試算、稟議資料、導入計画の提示受注率、案件化率、成約単価、CAC、受注までのリードタイム

たとえば「勤怠管理ツール」を例にすると、リードジェネレーションでは「勤怠管理 クラウド」などの検索から記事やLPに誘導し、ホワイトペーパーなどの資料のDLでリードを獲得する。続いてリードナーチャリングでは、導入手順や失敗例、事例を段階的にステップメールなどの手法を用いて届け検討を進めてもらう。

リードクオリフィケーションでは、予算や導入時期、役職などを確認し、商談化すべきリードを抽出する。最後に営業がデモやROI試算で稟議を後押しし、クロージングへ持ち込む流れになる。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、見込み顧客に自社を見つけてもらい、問い合わせや資料ダウンロードなどを通じて連絡先を獲得するフェーズである。ここでは「どれだけ集めたか」だけでなく、「誰を集めたか」が重要になる。

BtoBはターゲットが限定されるため、母数を増やすよりも“欲しい企業に刺さる入口”を作る発想が欠かせない。

【リードジェネレーションで有効なデジタルマーケティング施策】
  • SEO
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS
  • ホワイトペーパー
  • ウェビナー

注意点は、入口と出口の整合性だ。たとえば「比較」を求める検索から入ってきたのに、出口が「問い合わせ」だけだと離脱が増える。課題認知ならチェックリスト、情報収集ならノウハウ集や製品概要資料、比較検討なら比較表や事例集といった形で、検討段階に合わせてコンバージョンを用意しないと、流入は増えてもリードが増えないだろう。

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リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して継続的に情報を提供し、顧客の検討度を高めていく(育成していく)フェーズだ。BtoBでは、リードを獲得した時点で即商談になるケースは少なく、検討途中で止まることも多い。そのため、接点を維持しながら「次に何を判断すればよいか」を示す役割が重要になる。

BtoBのナーチャリングでは、売り込みではなく、検討を前に進めるための情報提供が軸になる。相手の関心や検討段階に合わせて内容を変えることで、押し付け感を減らし、自然に比較・検討へ導こう。

【リードナーチャリングで有効なデジタルマーケティング施策】
  • メルマガ配信
  • ステップメール
  • ウェビナー
  • リターゲティング広告

育成=多く接点を持つことだと解釈して、全顧客に一律で配信するのはNGだ。すべてのリードに同じ情報を送ると、「自社に最適な情報が送られてくるわけではない」と感じられ関心の低下や配信停止につながりやすい。

閲覧ページや資料ダウンロード履歴などの行動をもとに、基礎情報・比較材料・判断材料を出し分けることで、検討フェーズに合った育成が可能になる。

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リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは、獲得・育成したリードの中から、営業が優先して対応すべきリードを見極めるフェーズである。BtoBでは、資料をダウンロードしただけのリードと、導入を具体的に検討しているリードとでは、価値が大きく異なる。すべてを営業に渡すのではなく、商談化の確度で仕分けることが欠かせない。

このフェーズでは、「今すぐ商談に進めるべきか」「もう少しナーチャリングすべきか」を判断し、営業リソースを最適に使うことが目的となる。

リードクオリフィケーションでは、営業部門との合意を前提とした設計が大切になる。営業に渡す条件が曖昧だと、「追っても成果が出ないリード」が増え、追客が形骸化する。

どの状態になったら営業へ渡すのかを明確にし、渡す際には潜在顧客が関心を持っているテーマなどの背景情報をセットで共有する必要と効果的だ。

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2021年12月25日

商談化・クロージング

最後は、営業活動と連動しながら提案と合意形成を支援し、受注に結びつけるフェーズだ。BtoBの意思決定は合理性が重視され、社内稟議や比較検討が必ず発生する。そのため、マーケティングの役割は商談を増やすだけでなく、商談の質と勝率を上げることにある。

営業が毎回ゼロから説明していては、商談率・受注率は効率的に上げにくい。そのため、デモや個別相談の設計、提案資料・事例資料など標準化された資料を用意し、顧客が社内説明しやすい状態を作ることが重要だ。

注意点は、マーケと営業の分業で途切れさせないことだ。商談前に閲覧したコンテンツや興味のあるテーマが見えていれば、それを元に提案は考えやすくなる。

逆に、商談で得た顧客課題や勝ちパターンをマーケが回収できれば、上流施策の精度が上がる。商談化・クロージングは営業だけの領域ではなく、デジタルマーケティング全体の成果を確定させる最終工程だと認識しておこう。

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BtoBデジタルマーケティングの施策・手法

それでは、BtoBデジタルマーケティングの具体的な手法をご紹介する。

SEO対策

SEO対策とは、検索エンジンからの自社サイトへの訪問者を増やすための手法で、検索順位を上げるためのさまざまな対策のことを言う。自社のWEBサイトに特定のキーワードで検索している検索者を誘導し、WEBサイトのアクセス数を増やすことができる。自社のWEBサイトを活用したリードジェネレーションでは必須の手法だ。

SEOが効果を発揮しやすいのは、「自社の強みが特定の課題領域に紐づいている場合」や「検討期間が長く、情報収集が重視される商材」である。例えば、業務システム、SaaS、専門性の高い製品・サービスなどだ。

購買のもっと手前の段階から認知を得られることで、ニーズが顕在化したときに選ばれやすくなるため、SEOを含めたコンテンツによるマーケティングは、BtoBのデジタルマーケティングでも重要とされている。

一方で、成果が出るまでに時間がかかる点は理解しておく必要がある。短期でリード数を増やしたい場合には、広告施策との併用が前提になるだろう。

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2025年12月14日

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、見込み顧客の課題や疑問に対して有益な情報を提供し、信頼関係を築きながらリード獲得や商談化につなげる手法だ。広告のように即時の獲得を狙うのではなく、情報提供を通じて検討プロセスに入り込む点が特徴となる。

コンテンツマーケティングが特に有効なのは、「検討前に調べられやすい課題が明確な商材」や「専門性・ノウハウで差別化できる企業」である。選び方、失敗例、導入プロセスなどを整理できる場合、指名検索や相談につながりやすい。一方で、SEOと同じく成果が出るまで時間がかかるため、短期成果だけを求める目的には向かない。

実施にあたっては、購買フェーズごとにテーマを分け、SEO・ホワイトペーパーなどと連動させることが重要だ。単発の記事ではなく、全体設計の中で役割を持たせることで成果につながる。

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2025年12月14日

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、特定テーマのノウハウや調査結果、導入手順、比較資料などをまとめ、資料ダウンロードの形で提供するコンテンツである。BtoBでは、連絡先取得と引き換えに提供することで、リード獲得の主要な手段として使われることが多い。単なる製品紹介ではなく、判断材料として使える内容ほど成果につながりやすい。

メリットは、検討度の高いリードを獲得しやすく、営業が提案しやすい共通資料にもなる点だ。一方で、内容が薄いとダウンロードされにくく、作成コストも比較的高い点には注意が必要である。

実施方法としては、記事コンテンツや広告から自然に誘導し、フォーム項目は最小限にする。ダウンロード後は、関連資料や事例の提供へつなげ、必ず追いかけるなど放置しない運用設計が欠かせない。

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2024年1月25日

LPO(ランディングページ最適化)

LPOとは、広告や検索から遷移するランディングページを改善し、問い合わせや資料請求などへの転換率を高める取り組みだ。流入後の受け皿を最適化する施策であり、せっかくのページへの流入を無駄にしないための手法となる。

まず着手されやすいのが、ファーストビューの見直しだ。ページを開いて最初に表示されるエリアで、「誰向けのサービスか」「何が解決できるのか」「次に何をすればいいのか」が一目で伝わらないと、スクロールされずに離脱される。

BtoBでは、情報量が多すぎて判断しづらいケースも多く、整理された構成かどうかが成果に直結する。そのため、訴求軸の明確化、導線の整理、不要な情報の削減などを綿密に行おう。営業現場の声や失注理由を反映させると、精度が高まりやすくおすすめだ。

フォームの改善もLPOの代表例である。入力項目が多すぎる場合は削減し、必須項目を最小限にする。BtoBでは会社名や役職が必要なケースもあるが、「本当に初回で必要か」を見直すだけでCV率が上がることがある。

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CRO(コンバージョン最適化)

CROとは、Webサイト全体を対象に、コンバージョン率を高めるための取り組みを指す。LPOが特定ページの改善であるのに対し、CROはサイト全体の導線や行動設計を含めて最適化する点が特徴だ。

CROが必要になるのは、複数の流入経路やコンテンツを持ち、ユーザー行動が複雑化しているサイトだ。BtoBでは、流入経路ごとに最適な出口を用意できているかが成果を左右する。

一方でCROを仮説なしに着手すると、逆効果になるどころか全体の一貫性が崩れてしまう。実施する際は、アクセス解析やヒートマップを用いて課題を追求しよう。

Web広告

Web広告とは、検索広告やディスプレイ広告などを活用し、短期間で認知やリードを獲得する手法である。出稿後すぐに露出できる即効性が最大の特徴だ。

新規施策の立ち上げ時や、短期でリード数を確保したい場合に有効となる。またSEOやコンテンツマーケティングと組み合わせることで、全体の成果が安定しやすい。

メリットは、ターゲットや訴求を細かく調整でき、効果測定もしやすい点だ。デメリットは、出稿を止めると流入が止まり、運用を誤るとコストが膨らみやすい点である。

ターゲットの検討フェーズに合わせたキーワード・クリエイティブ設計を行い、広告単体で完結させず、ホワイトペーパーやナーチャリング施策へ接続することも重要になるだろう。

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SNSマーケティング

SNS(インスタ、X、FaceBookなど)は、自社製品の未開拓リードがSNSを使用している可能性が高い場合に活用する手法だ。たとえば、業界ニュースへのコメント、ノウハウの共有、導入事例の一部紹介などを通じて、接点を増やしていくことで、広告や営業とは異なる「双方向のコミュニケーション」を構築できる。

たとえば、小規模事業者や店舗経営者、個人事業主が主なターゲットの場合、業務時間中や移動時間にSNSを閲覧しているケースも多く、接点創出の手段として有効に機能しやすい。一方で、大手企業では、業務用PCからSNSへのアクセスが制限されていることもあり、SNS経由での接触自体が成立しにくい場合がある。

そのため、SNSマーケティングは「流行っているから使う」のではなく、自社製品・サービスのターゲット企業や担当者が、実際にSNSを利用して情報収集しているかを見極めたうえで活用を判断する必要がある。ターゲットとの利用環境の相性を誤ると、工数の割に成果が出にくい施策になりやすい。

メールマーケティング(メルマガ)

メルマガは、過去に獲得したリードの中で放置状態になっているリード(休眠リード)を掘り起こしたい場合(関係を再構築したい場合)に活用する手法だ。今まで取得したリードの名刺をエクセルや名刺管理ツールなどでデジタル化し、メルマガ配信できるようにする。その上で、継続的にメルマガを配信し、リードジェネレーションにつなげていく。

注意点は、一度の配信で成果を求めないことだ。BtoBでは検討期間が長いため、継続的な情報提供によって想起される状態を作ることが重要になる。適切に運用すれば、放置されていたリードが再び動き出し、リードジェネレーションや商談創出につながるだろう。

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MA(マーケティングオートメーション)活用

MA(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客の情報や行動データを管理し、適切なタイミングで情報提供やフォローを実行するための仕組みだ。

繰り返しになるが、BtoBはリード獲得から商談までの検討期間が長く、手作業だけで追い続けるのは難しい。そのため、MAは「人がやらなくてよい作業を仕組みで回し、判断が必要な部分に集中する」ための基盤として使われる。

具体的に行うのは、まずリード情報の一元管理だ。資料ダウンロード、メール開封、ページ閲覧といった行動を蓄積し、どのリードが何に関心を持っているかを可視化する。これにより、「誰が、どの段階にいるのか」が把握できるようになる。

さらに、スコアリングによる優先順位付けもMAの重要な役割だ。行動や属性に点数を付け、一定の基準を超えたリードを営業へ連携することで、営業は確度の高いリードに集中できるようになる。

もちろん、MAを導入しただけで成果が出るわけではない。目的を決めずに使うと、単なるメール配信ツールで終わってしまうだろう。どの行動を評価し、どの状態で営業に渡すのかを事前に定義し、営業と連
携した運用設計を行うことが、MA活用を成果につなげるポイントである。

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BtoBデジタルマーケティング戦略の立て方

BtoBデジタルマーケティング戦略の立案では、BtoBマーケティングにおいて「どのようにデジタルを活用するか?」を考え、自社のリソースを効率よく活用する方策を具体化することとなる。

そのため、戦略を立てる際は次の3ステップを実践してほしい。

  • デジタルで「やらなければならないこと」を設定する
  • KPIを具体化する
  • マーケティング計画に落とし込みPDCAを回す

単に施策を並べるのではなく、「自社はどのフェーズを、どの手段で強化すべきか」を明確にすることが重要になる。限られた人員や予算の中で成果を出すためには、デジタルを万能な打ち手として扱うのではなく、営業活動や既存施策との役割分担を前提に設計する必要がある。

とはいえ、ゼロから組み上げていくのは難しいだろう。そこでデジタル活用を含めたBtoBマーケティング戦略の立案のプロセスを以下の動画にまとめた。さらに、御社のBtoBデジタルマーケティング戦略の立案を進めるため、4つのパワーポイントやエクセルテンプレート・見本を準備している。動画を参照する前に、ぜひダウンロードして活用してほしい。

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BtoBデジタルマーケティングの成功事例

それでは、最後に、BtoBデジタルマーケティングの成功事例をご紹介する。BtoB製造業やIT企業において、どのような取り組みを行い、どんな成果がでたのか、成功している企業にヒヤリングを行っているので参照してほしい。

株式会社アシスト様:コンテンツ改善でリード数2倍。月100件超の獲得を実現

同社は「顧客創造課」の設置からWEB活用を強化し、自社サイトからのリード獲得に課題を抱えていた。そこで、当社のBtoBマーケティング支援を受け、重点KPIを「PV数」から「コンバージョン(CV)」へと転換。

ユーザー導線や離脱箇所を分析し、月1回のアジャイル型コンサルティングで改善策を即実行した結果、リード獲得数が月100件規模で安定し、CVRが2倍に改善。

さらに、1部門から始まった施策が3部門に横展開され、社内にデジタルマーケティングへの理解と協力体制が醸成された。

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フジモリ産業株式会社様:CVR改善で問い合わせが急増し、商談直結へ

従来はWebサイトを使わず営業活動中心で顧客を獲得していたが、タイミングに左右されることや、ニッチ商材ゆえに代表電話経由で製品理解を得にくい課題があった。そこでWebサイトを改良し、「サイト上で製品のサンプル請求ができる」導線を用意、デザイン・文章・写真もワイヤーフレームに沿って刷新した。

結果、リニューアル前は月1〜2件だった問い合わせが、11月5件、12月8件へ増え、翌年10月までの1年間で約60件に伸びた。さらに「ほぼすべて商談につながった」「問い合わせの質が上がった」という変化も起きた。

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キヤノンマーケティングジャパン株式会社様:コンテンツ起点でPV5〜6倍、CV前年比2.6倍を実現

取扱製品の増加により、営業だけでの顧客対応に限界が見え始めていた。Webサイトは存在していたものの、問い合わせはほとんど発生せず、デジタル経由のリード獲得は機能不全に近い状態だった。

そこで実施したのが、検索・情報収集段階のユーザーを意識したコンテンツ整備。製品や課題に紐づく情報を継続的に発信し、Web上で比較・理解が進む導線を構築していった。

その結果、PVは5〜6倍へ拡大。問い合わせは「ほぼゼロ」から「毎日発生する」状態へ変化し、CV数は前年比2.6倍。自社ECサイトの売上増加にも波及し、BtoBデジタルマーケティングが営業効率と成果の両立に寄与した。

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BtoBデジタルマーケティングやデジタルセールスの社内啓蒙・浸透のやり方と成功事例

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山洋電気株式会社様:Web起点の獲得体制へ転換、CV8〜10倍・新規案件金額5倍

従来の新規顧客獲得は展示会中心。名刺獲得に依存した体制が続く中、展示会開催が困難となり、Webを軸としたBtoBデジタルマーケティングへの転換が急務となった。

そこで、資料ダウンロードを中心としたWebサイト改修を実施。検討段階で必要とされる情報を整理し、比較・理解が進む構成へ変更した結果、コンバージョン件数は8〜10倍へ増加。

新規案件はすべてWebからの資料ダウンロード起点となり、UPSの新規案件創出金額は5倍に拡大。Webが主要な獲得チャネルへと位置づけられた。

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株式会社日立ソリューションズ東日本様:Web×MAで5年10倍成長、継続改善型のデジタル基盤

Web活用の重要性は認識していたもののリード獲得は伸び悩んでおり、単発の施策ではなく、改善を前提としたBtoBデジタルマーケティング体制の構築が課題となっていた。

そこで、Webサイトを再設計し、成果を見ながら改善を回す運用へ移行。さらに2018年以降はMAを導入し、獲得後のリード育成と業務効率化にも着手した。

結果、製品全体のリード獲得数は5年で約10倍。MA活用による契約確度の向上も実現し、BtoBデジタルマーケティングを長期成長の基盤として定着させることに成功した。

詳しく見る

富士フイルムホールディングス株式会社様:UU約4倍、サンプル請求が1桁から3桁へ

BtoBデジタルマーケティング推進にあたり、Webからのリード獲得とMA活用を一体で進める必要性が顕在化。施策が部分最適に陥らない全体設計が求められた。

Webサイトへの流入拡大と導線整理、獲得後のフォロー体制を段階的に整備。その結果、WebサイトのUU数は約4倍に増加し、製品サンプル請求数は1桁から3桁へ急伸した。

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積水樹脂株式会社様:リード獲得1.8倍、CV7倍、商談率約60%を実現

Webサイトは以前から運用していたものの、デジタル施策が断片的で、リード獲得や商談創出に十分つながっていない嬢だった。アクセスはある程度ある一方で、「誰に・何を・どう伝えるか」が整理されておらず、成果が見えにくい状態が続いていた。

そこで着手したのが、BtoBデジタルマーケティングとしての全体設計の見直し。ターゲット企業を明確にし、検討段階に応じた情報提供へ切り替えることで、Webサイトを単なる情報掲載の場から「検討を前に進める導線」へ再構築した。あわせて、問い合わせ・資料ダウンロードなどのコンバージョン設計も整理し、流入後の行動を明確化していった。

その結果、リード獲得は1.8倍に増加。問い合わせ件数は12倍、全体のCV数は7倍へと拡大した。さらに、案件化(商談)率が約60%に増加。単なる数の増加ではなく、商談につながる質の高いリード獲得へと転換したことで、デジタルマーケティングの効果を実感できた。

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BtoBデジタルマーケティングの社内啓蒙と実行計画の立て方

以下のようなPDF資料が無料でダウンロードできます。御社のデジタルマーケティングやデジタルセールス推進のヒントになるかもしれないのでお気軽にお申し込みください。

BtoBデジタルマーケティングの実行計画の立て方「5段階プロセス」

BtoBデジタルマーケティングの進め方と計画立案方法についてわかりやすくまとめたPDF資料。計画立案、PDCAに必要なエクセルやパワーポイントのテンプレートも

デジタルマーケティングの実行計画テンプレート
BtoBデジタルマーケティングやデジタルセールスの社内啓蒙・浸透のやり方と成功事例

BtoB企業向けに、デジタルマーケティングやデジタルセールスの社内啓蒙や社内浸透のやり方をまとめたPDF資料

まとめ

BtoBデジタルマーケティングは、単にWeb施策を実行することではなく、企業の購買プロセス全体を理解したうえで、営業活動と連動させながら成果を積み上げていく取り組みである。SEOや広告といった集客施策だけでなく、獲得後のナーチャリングやクオリフィケーション、商談化までを一気通貫で設計しなければ、数字は伸びない。

重要なのは、すべてを一度にやろうとしないことだ。自社の課題に直結するフェーズを見極め、KPIを設定し、改善を積み重ねていく。その積み上げが、BtoBデジタルマーケティングを「一時的な施策」ではなく、「商談と受注を生み続ける仕組み」へと変えていく。

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役社長。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年3月に修士課程を修了。同年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。2025年7月に顧客の質と量のバランスを重視するBBM(バランスベースドマーケティング)を考案。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つ。→セミナー講演実績→コンサル実績