ホットリードとは?意味や定義、作り方とMAによる抽出方法、営業フォローの方法を解説

ホットリードとは?作る方法、抽出方法、フォロー方法
Last Updated on 2024年9月9日 by 荻野永策

ホットリードとは何か?

マーケティングや営業におけるホットリードの意味と定義

BtoBマーケティングにおけるホットリード(英語:hotlead)とは、自社製品・サービスの概要・料金をよく理解し、予算確保の目処や導入時期もある程度明確で、受注確度が非常に高い見込み客のことを言う。営業部門が適切な営業提案をするとそれなりの受注率で受注につながるリードである。言い換えれば「今すぐ客」「もうすぐ客」といった言い方もできるだろう。

BtoBのホットリード定義で重要な観点

BtoBの場合に限られるが、ホットリードには「担当者個人がホットリードかどうかではなく、会社・組織がホットリードかどうか」という観点が必要だ。なぜなら、担当者本人がいくら買うといっても、社内申請でNGを出されてしまえば受注にならないからである。

そのため、会社・組織として本格的に検討している状態かどうか?を見極めることがBtoBでは非常に重要となる。(ただし、BtoBでも担当者本人に意思決定権がある場合は話はかわる。)

BtoBで発生するマーケティング・インサイドセールス・営業部門のコンフリクト

この観点が抜け落ちていると、部門間コンフリクトが発生するケースがある。例えば下記のようなケースだ。

マーケティング部門何らかの施策で新規リードを獲得。リードから製品のデモ依頼がきたので営業部門にホットリードとして送客。この時、ホットリードとして送客した理由は「デモ依頼がきたので確度が高いのではないか?」の判断のみ。会社・組織がホットリードかどうかの確認はしていない。
営業部門デモの準備を行い、デモを実施する。デモ完了後、購入の確認を行うと、「興味本位でデモ依頼しただけで会社としては導入検討していなかった」ことが発覚。当然商談が進まず、デモの工数が無駄になる。

このようなケースが頻発すると、「マーケティング部門やインサイドセールスの獲得するホットリードはホットではない」と判断され、部門間コンフリクトの要因になってしまう。

だからこそ、部門間でホットリードの定義をどうするか?は連携する際に必ず決めておかねばならない。

ウォームリードとコールドリードの違いは何か?

コールドリードとの違い

コールドリード(英語:coldlead)とは、自社製品・サービスに多少興味がある程度で、受注確度も低く、購入時期も未定のリードのことだ。言い換えれば、「まだまだ客」といえるだろう。

しかし、将来的に購入する可能性があるため、継続的な接点を時間をかけて作っていく必要があるリードだ。ホットリードとは対極的なリードであり、コールドリードをリードナーチャリングしてホットリードに育成していくこととなる。

ウォームリードとの違い

ウォームリード(英語:warmlead)とは、ある一定の購入の意思が見受けられるが、もう少し時間がかかりそうなリードのことだ。言い換えれば、「あとひと押し客」といえるだろう。

購入検討が何らかの理由・事情で進んでいない可能性があるため、中期的にフォローしていくことが重要だ。なかなか踏み込めないケースも多く、うまくいけばホットリードになるが、失敗するとコールドリードになる。

ホットリードを作るリードナーチャリングにはどのような方法があるか?

それでは、ホットリードをどのようにして作っていくのか、その具体的な方法を2つご紹介する。

ホットリードを作るリードナーチャリング手法
  1. 質を重視する方法「個別相談会」
  2. ある程度の量を重視する方法「アンケート」

リードの課題を解決する個別相談会の実施提案

ホットリードの質を重視する方法が「個別相談会」だ。リードが抱える課題をどのように解決できるか?を個別にディスカッションすることで、課題や不安を解消し、ホットリード化する。個別相談会のポイントは2つある。

1つ目は、「リードが抱える課題」の重要度と緊急度だ。この2つが高ければ高いほど、その課題に対しての解決方法を個別相談会で事例を交えながら説明しアドバイスすることで、購入の可能性が非常に高くなる。そのため個別相談会を実施するときは、「課題の内容と重要度、緊急度」を事前に確認できると効果的な個別相談会が実施できる。

2つ目は、「自社の強みとの相性」だ。「自社の製品やサービスで解決できる課題」と「リードが抱える課題」が一致していなければ、いくら個別相談会を実施してもホットリードにならない。そのため、個別相談会を実施する場合は、「自社の製品やサービスで解決できる課題は何か?」を過去の実績から把握しておく必要がある。

この2つを事前に把握しておくことで、非常に質の高い個別相談会が展開できる。ただし、質重視であるため、仮に毎月実施していたとしても、申し込みがないといったことも十分に考えられる。

アンケートメールで課題把握後のソリューション提案

ホットリードの量を重視する方法が「アンケート活用」だ。リードがどんな課題を持っているのか?を把握するアンケートフォームを設計し、それをメルマガなどで配信する。

配信後、アンケートフォームの回答を集計・分析し、そこからリードが抱える課題に対してソリューションを提案する。例えば、「課題Aを解決する方法」といった提案書を作成し、「課題Aが課題だ」と回答したリードに送付する。送付すると、その提案書をリードがダウンロードする(100%ではないが)ので、ダウンロードしたリードに対してフォローを開始し、ホットリード化のきっかけにする。こうすることでアンケート回答からホットリード化の起点を作り出すことができる。回答が多ければ量も期待できる。

保有しているリードの数にもよるが、弊社の過去のさまざまな案件では、おおむね5%から10%程度の回答率が期待できるため、ホットリードを作るきっかけになると弊社では考えている。

マーケティングオートメーション(MA)でホットリード抽出するには?

ホットリードを作るリードナーチャリングの方法を2つご紹介したが、マーケティングオートメーション(MA)のスコアリング機能などを活用すれば、ホットリードの抽出も可能だ。

ホットリードの抽出には、下記の2つの指標が重要であると考えている。下記の2つの指標を使うことで、ホットリードになったタイミングを検知できる可能性があるためだ。

ある一定期間のスコア上昇数ある一定期間に、ある一定以上のスコア上昇があったかどうか?の指標
キーページ閲覧製品やサービスを購入する前に確認するであろうWEBページを見たかどうかの指標

上記2つの指標の詳細と具体的なマーケティングオートメーション(MA)の活用方法とプロセスについては下記のコラムで詳細を解説している。

マーケティングオートメーションによるホットリード化のタイミング検知方法

2022年12月3日

ホットリードをフォローする方法は何か?

ホットリードを作る、抽出する方法を解説したが、その後のフォローについても具体策をご紹介する。具体的には、下記のような方法が主流となるだろう。

ホットリードをフォローする方法
  1. フィールドセールスによるフォロー
  2. インサイドセールスによるフォロー

フィールドセールスによるフォロー

ホットリードの中でも「会社・組織がホットリード」になっているかなり確度が高い場合は、いわずもがな、フィールドセールスに個別対応してもらうのが最も効果的である。見積もり、納期など具体的な受注に向けて個別提案や調整を進めなければならず、人間によるフォローが最も確実だ。

インサイドセールスによるフォロー

逆に、ホットリードでも、ウォームリードに近いような場合は、インサイドセールスによる個別対応が効果的であろう。デジタルを活用して個別相談会を継続して行い、いよいよ具体的になってきたら、フィールドセールスに引き渡すイメージである。

このフォローは中期的な継続が重要だ。個別対応なので、手間がかかるが、放置してしまうと、せっかくホットリードになったのにまたコールドリードに戻ってしまう可能性がある。最悪の場合、競合企業に取られ失注ということもあり得るだろう。

まとめ

ホットリードについて解説した。

ホットリードを作り出したいなら、個別相談会やソリューション提案を実施できる準備を進めよう。特に個別相談会のような仕掛けはホットリードを作り出すよいきっかけになる。ただし、「自社で解決できる課題」と「リードが解決したい課題」の「合致」が非常に重要だ。

ホットリードをMAで抽出したいなら、「ある一定期間のスコア上昇数」「キーページ閲覧」の2つの指標をつかって、タイミング検知できるように仕掛けておこう。

この2つを継続的に展開することで継続的にホットリードを獲得できる。ぜひ御社でも挑戦してみてほしい。


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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績