BtoBマーケティングや営業戦略においては、営業の人手不足や高齢化、コロナ、営業DX推進などの影響で、デジタル活用の重要性が向上している。しかし、BtoB業界では、事業特性(顧客や商材の特性)により、マーケティングや営業のデジタルシフトは非常に難しい側面もある。
そこで、弊社では、「BtoB企業のマーケティングや営業活動におけるデジタル活用の意識調査」を行った。このページでは年別の意識変化とコロナの影響について解説する。
年別のデジタル活用の意識変化【売り手側の意識調査】
まずはBtoB企業の売り手側のデジタル活用に関する意識調査結果を報告する。売り手側であるため、「自社製品やサービスを売る時にデジタルを活用するかどうか?」の意識調査となる。
| 調査期間 | 2019年6月17日から2025年12月31日 |
| 調査方法 | 弊社WEBサイトによるアンケート調査。社名、名前、連絡先などの記入を必須としたため、BtoB企業以外(個人や個人事業主も含む)の回答は全て除外済み |
| 質問内容 | 「営業やマーケティング施策の効率化・効果改善のために「デジタル活用」を検討されていますか?」と質問 |
| 回答人数 | 2197名 |
| 主な回答者 | BtoB企業の営業やマーケティングの担当者、責任者(主に、IT企業、製造業が中心) |
| 調査実施企業 | 株式会社ALUHA(ALUHAのBtoBマーケティングコンサルティングサービスの概要ページ) |
- 弊社の社名「株式会社ALUHA」と弊社のサービス名「BtoBマーケティングコンサルティング「THREE-VIEW」」の記載
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2025年の数値を見ると、「デジタル活用に興味がある程度で何もきめていない」が激増し、WEBやメールを活用したリード獲得・育成が減少している。特にメール活用の減少が大きい。また「デジタル活用するつもりはない」や「デジタル活用の有効性を調査・検討したい」はほぼ横ばいとなった。
コロナ禍でデジタル活用の意識が向上したが、コロナ後はリアル営業に戻っている可能性が高い。しかし、各社デジタル活用の可能性や重要性を意識していないわけではなく、興味は残っているようだ。
年別のデジタル活用の意識変化【買い手側の意識調査】
次にBtoBの「買い手側(顧客側)」の意識の変化をみてみよう。
BtoB企業の買い手側(顧客側)が、製品やサービスを導入検討する際に、何を情報源にするのか?の調査レポートが公開されている。「トライベック・ブランド戦略研究所のBtoBサイト調査」の調査結果データを弊社にてグラフ化すると以下のような結果となった。
「トライベック・ブランド戦略研究所のBtoBサイト調査」の調査結果データの中から、「企業のWEBサイト」「営業員・技術員の説明(オンラインとオフライン)」「研修・セミナー・展示会(オンラインとオフライン)」「メルマガ」の項目に絞って集計している。年によって質問の項目が異なっているため、この4つの項目に絞って集計を行った。
「買い手側(顧客側)」の意識は、毎年、WEBサイトを情報源にしている企業が多いことがわかる。そして、2022年以降、営業員・技術員の説明(オンライン・オフライン合計)が徐々に減ってきている。逆に研修・セミナー・展示会(オンライン・オフライン合計)が増加している。
このことから、「買い手側(顧客側)」は営業員・技術員の個別の説明を受けるよりも、WEBで調査する、研修・セミナー・展示会で理解を深めるといった点を重要視している傾向がうかがえる。
BtoBマーケティングの2026年の最新動向
以上の結果から、2026年のBtoBマーケティングの動向を考察してみよう。概要をまとめると以下の通りだ。
- デジタル活用の様子見企業が増加(デジタル活用に興味がある程度と回答した売り手企業がコロナ前の水準)
- WEBを活用したリード獲得は引き続き非常に重要で売り手側は社内意識改革をしていく必要がある(58%程度の買い手側企業が重要視するなか、売り手側のWEB活用意識が低下)
- メールを活用したリード育成は危機的状況(売り手側も買い手側もメール活用の意識が低下)
- 研修・セミナー・展示会の重要性が増加(買い手側の重要性が約50%まで増加)
デジタル活用の様子見企業が増加
「デジタル活用に興味がある程度でなにも決めていない」と回答した売り手企業がコロナ前の水準に一気に戻っている。そして「WEBやメール活用」の意識は下がっている。このデータは、コロナ禍でデジタル活用を進めたものの、うまくいかなかった企業が多数存在していることを示している可能性がある。
そのため、2026年はコロナ前のように、「デジタル活用はできるのか?」と様子見をしながら、リアル活動を中心にマーケティング施策を展開すると考えられる。
また、「コロナ禍でデジタル活用に挑戦し残念ながら失敗したけど、再度、チャレンジして大成功した」といったBtoBの売り手企業が多数出現する可能性も秘めている。そういった売り手企業の活動内容に注目が集まる可能性が高い。
WEB活用の重要性は変わらない
買い手側は変わらずWEBサイトを重要視しているため、BtoBマーケティングにおいてWEBサイト活用によるリード獲得の重要性は高いままだ。しかし、売り手側のWEB活用の意識は低下傾向にある。そのため、売り手側の社内意識改革が必要になる。経営層や営業部門などがデジタル活用に懐疑的である場合は、どのようにして意識を変えていくかが2026年は求められるだろう。
メールによるリード育成の危機
メールを活用したリード育成については、売り手も買い手も意識が低くなっている。特に売り手側において、メールによるリード育成の意識低下が顕著である。考えられる要因は、2つある。
1つ目は、売り手がメールよりも電話の方が良いと判断した可能性だ。「コロナ禍は在宅勤務が増加し電話がつながらない」といったケースが多発した可能性があり、その結果メールが活用されたが、現在は電話もつながるようになり、メールよりも電話でフォローする方がいいと判断している可能性が考えられる。
2つ目は、MAツールがBtoB企業に導入され、メールが溢れるようになったことだ。「買い手」からみれば、「毎日、山のようにメールが来る状況」で、すべてのメールを見ることができない。逆に売り手からみれば、「メールを送っても見てくれているのだろうか?」と悩んでいる可能性がある。実際に弊社にも以下のような相談がきている。

このため、リード育成は今後は電話が主流になる可能性が高くなっている。
しかし、この状況を打開する可能性があるのが、AIだ。業務にAIが浸透しているため、たとえば、買い手側が「●●を導入したいのだけど、おすすめの製品を教えて」とAIに聞いた時、過去に受け取ったメールの中から候補の会社を探す可能性もある。電話でリード育成をすると、こういったAI対策が難しくなるため、書い手側のAI活用の動向によっては、メールでのリード育成の重要性は大きく変わる可能性がある。「メールを配信しなければ、AIにおすすめしてもらえない」というような事態が判明すれば、メールの重要性は一気に高まるだろう。
研修・セミナー・展示会の重要性が増加
「研修・セミナー・展示会を情報源にする」と回答した買い手側が増加しているため、2026年は研修・セミナー・展示会の重要性が増加する可能性がある。セミナーや展示会は派手に実施(著名人を講師に呼ぶなど)すれば、それなりのリード獲得も可能であるため、リード獲得の量(件数)を重視する場合は効果的な戦術となる可能性が高い。
しかし、リードの質も重視したいという場合は、研修・セミナー・展示会で「狙ったターゲットをどれだけ獲得できたか?」「実際に商談や受注になったのか?」といった分析を行い、質の高いリードが獲得できたかどうかを把握する必要があるだろう。質が低い場合は、いくら量が多かったとしても、研修・セミナー・展示会を見直しし続ける必要がある。

















メールがたくさんくる中でほとんど見られない可能性がある中、そもそもメールが活用できるのかも知りたい(IT企業B社)