今回のコラムでは、BtoBマーケティング向けにBtoBペルソナを設定する目的や設定例を「BtoBペルソナシートのエクセルサンプル」を交えながら紹介する。
BtoBペルソナマーケティングに必要な情報の集め方や注意点も説明するので、営業戦略の立案にもぜひ役立ててほしい。
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BtoBペルソナとは?
BtoBペルソナとは、自社製品・サービスのターゲット像を具体的に描いた人物像・人物モデルのことであり、年齢や性別、役職、部門といった個人像(個人ペルソナ)や、業種、年商、従業員数などの企業像(企業ペルソナ)を具体的に設定する。
個人像(個人ペルソナ)の項目例としては、BtoBのペルソナであるため、名前、年齢、性別などの項目以外にも、所属企業名、部門、役職、普段の業務内容などの項目が必要になる。
企業像(企業ペルソナ)は、自社製品やサービスを売りたい企業の企業像となるため、社名、事業所数、年間売上、従業員数、代表者名など、企業の情報がペルソナ項目化される。
BtoBペルソナとBtoCペルソナの違い
BtoBペルソナとBtoCペルソナの違いは、2つある。
1つ目は、BtoCペルソナは「個人」を対象としているためペルソナも個人のみだ。しかし、BtoBペルソナは企業と個人(その企業に所属する製品を購入する担当者個人)の両方のペルソナが必要になる。どんな企業のどんな人に売るのか?を具体化するため、2つ必要になるのである。
| 比較軸 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 購買決定の主体 | 複数人(組織、部署) | 個人、または家族 |
| 検討期間 | 長期(数ヶ月〜1年超) | 短期(即日〜数週間) |
| 意思決定基準 | 論理的、費用対効果(ROI)、課題解決 | 感情的、価格、ブランド、個人的な欲求 |
| 購買動機 | 業務改善、売上向上、リスク回避 | 娯楽、利便性、所有欲 |
2つ目は、個人ペルソナの項目に違いが出てくる。BtoCの場合は、名前、性別、年齢、趣味、家族構成、よくみるTV番組など個人に焦点を当てたペルソナになるが、BtoBの個人ペルソナでは、部門、役職、普段の業務内容など、職場に対応した項目が追加される。
ペルソナとターゲットの違い
「ターゲット」と「ペルソナ」はしばしば混同されがちだが、両者は粒度と具体性の点で明確に異なる。BtoBマーケティングにおけるターゲットとは、「どの業種・規模・属性の企業にアプローチしたいか」という大枠の定義であり、いわば“狙う市場の輪郭”を示すものである。一方のペルソナは、そのターゲットをさらに具体化し、実際に購買判断に関わる人物像・企業像を詳細に描いたモデルである。つまり、ターゲットを基礎とし、現場の課題・心理・意思決定構造にまで落とし込んだのがペルソナだといえる。
| 項目 | ターゲット | ペルソナ |
|---|---|---|
| 定義 | 売りたい相手企業の大まかな属性や業界像 | 実際に購買に関わる人物像や組織構造を具体化したモデル |
| 粒度・具体性 | 抽象的(「製造業の中堅企業」「IT部門」など) | 具体的(「部品メーカーの在庫管理担当・課長・45歳」など) |
| 設定の目的 | 戦略の方向性を決める | 顧客の課題・心理・行動を深く理解し、訴求を最適化する |
| 対象 | 企業単位のイメージ(法人) | 企業+個人の両軸(経営者・担当者など) |
| 活用場面 | 戦略策定、施策策定 | コンテンツ企画、営業トーク、リードナーチャリング・リードジェネレーション設計 |
| BtoBでの位置づけ | 「どの市場を狙うか」を定義するマーケ戦略の起点 | 「誰にどう刺さるメッセージを届けるか」を決める戦術設計 |
BtoBでは、「企業が抱える経営課題」と「担当者が直面する業務課題」は必ずしも一致しない。たとえば、経営層は「コスト削減」や「業務改革」を重視する一方で、現場担当者は「作業効率」や「業務負荷軽減」を優先する。
そのため、両者をセットで描くことが、実効性のあるコンテンツ戦略・営業戦略を構築する第一歩となる。
BtoBペルソナを設定するメリット
BtoBペルソナ作成のメリットは、主に以下の2つだ。
- 顧客像と課題意識の社内共有・統一できる
- 狙ったターゲット層からのリードを効率的に獲得・育成できる
BtoBマーケティングにおいて、ペルソナ設計は単なる顧客イメージの共有手段ではない。質(受注確度)の高いリードを効率的に獲得し、営業活動全体を最適化するための施策である。
ターゲットが市場全体を俯瞰する“方向性”を示すのに対し、ペルソナは購買に関与する個人・組織の課題や動機を明確にする“設計図”だ。これにより、顧客の意思決定構造を可視化し、マーケティングから営業までの一貫性を生み出すことができる。
顧客像と課題意識の社内共有・統一できる
BtoBペルソナは、年齢や性別、役職、部門といった個人像や、業種、年商、従業員数などの企業像を具体的に設定する。これにより、BtoBペルソナを共有した関係者の間での顧客像のズレを防ぎ、顧客像を統一できる。
例えば「食品製造業の生産計画を立案している35歳の男性」と聞いても、Aさんは「エクセルで生産計画を立案するエクセルの達人」を想像し、Bさんは「生産管理システムを使いこなす人」と別々のことを想像するかもしれない。このように、ターゲットイメージをざっくりした内容だけで共有すると、認識の齟齬が発生する。こういった齟齬を最小限にするためにBtoBペルソナを作成する。
組織内で顧客像を共有・統一すれば、マーケティングチームや製品開発チーム、営業チーム、カスタマーサポートチームなどが同じ顧客をイメージした状態で、それぞれの業務を遂行することが可能だ。これは、コミュニケーションやプロジェクトの進行の円滑化につながる。
逆に、顧客像を共有できていない状態でプロジェクトを進めると、開発やマーケティングの方向性にぶれが生じるリスクがある。部門をまたいでコミュニケーションする際に話が進みづらいこともあるだろう。これは、社内合意をとるときに大きな弊害となり、製品・サービスを開発する時間の長期化と機会損失にもつながる。
こういった事態を防止するためにも、BtoBペルソナを設定し、社内や関係各所で顧客像を共有・統一することは非常に重要なのだ。
ペルソナが「共通言語」として機能すれば、以下のような組織的メリットが得られるだろう。
- 部門間で顧客理解のズレがなくなり、意思決定が速くなる
- 営業・マーケティング・開発が共通の顧客目線を持てる
- 顧客対応の一貫性が増し、ブランド信頼度が向上する
- 社内合意形成が容易になり、施策実行のスピードが上がる
こうした一貫した顧客理解は、最終的に「顧客満足度の向上」と「長期的な関係構築」につながる。
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狙ったターゲット層からのリードを効率的に獲得・育成できる
BtoBペルソナ設定のもう一つの大きなメリットは、「誰に何を届けるべきか」が明確になり、狙ったターゲット層へのリード獲得や育成が効率よく行えるようになることだ。ペルソナがあいまいな状態では、 発信する内容やコンテンツが“誰にでも当てはまる一般的な情報”になりやすい。
一方で、具体的なペルソナを設定すると、ターゲットが抱える課題や意思決定プロセスなどを踏まえたコンテンツ制作(また製品開発)が可能になり、例えば「課題意識が強く、検討段階が進んだユーザー」との接点を増やしやすくなる。これは、広告配信の精度が上がるのと同じ構造で、不要な層への無駄打ちを避けながら、商談につながりやすい質の高いリードだけを効率的に獲得・育成することにもつながる。
| 項目 | ペルソナを設定しなかった場合 | ペルソナを設定した場合 |
|---|---|---|
| マーケティングや営業で訴求する内容 | 抽象度高く一般的になりやすい | ターゲットの課題解決に直結した具体的な訴求 |
| リードの質 | 確度が低いリードも含まれやすい | 商談化しやすいリードが増える |
BtoBマーケティングでは、リード件数だけを追うのではなく、「どの層から問い合わせが来るか」が事業成果を大きく左右する。ペルソナ設定は、そのターゲット選定を明確化し、マーケティングの精度を高め、質の高いリードを安定的に獲得するための基盤となる。
BtoBでは「企業ペルソナ」と「個人ペルソナ」を設定する
BtoBマーケティングでは、購買の意思決定が「組織」と「個人」の2つのレイヤーで行われる。このため、BtoBペルソナ設計は単に“顧客像を描く”作業ではなく、企業ペルソナ(組織構造や経営課題の定義)と個人ペルソナ(担当者や意思決定者の人物像)という2軸の理解を前提とする必要がある。
企業ペルソナは「どのような課題を持つ組織が、なぜソリューションを求めているのか」という論理的構造を定義し、一方で個人ペルソナは「その課題を実際にどう感じ、どう行動する人物が意思決定に関わっているか」という感情的・行動的側面を可視化する。
| ペルソナの種類 | 定義されるもの | マーケティングにおける役割 |
|---|---|---|
| 企業ペルソナ | 業種、規模、事業モデル、経営課題など、組織単位での構造的要素 | 経営課題や市場環境に基づき「なぜソリューションが必要か」を定義し、ROIやコンテンツ設計に貢献 |
| 個人ペルソナ | 担当者の役職、KPI、意思決定プロセス、感情的な課題 | 「どう導入を決定するか」「どのような不安・期待を持つか」を明確化し、記事のトーンや訴求ポイント設計に貢献 |
この2軸を正しく設計することで、単なる業界分析にとどまらず、「なぜ今、その企業が検討を進めているのか」「誰がどんな動機で導入を提案するのか」といった“課題の深度”を深く分析・把握できるようになる。
企業ペルソナで設定すべき必須項目
企業ペルソナは、「どのような企業が、どんな背景でソリューションを検討しているのか」を定義する設計図である。以下の項目を設定することで、企業の意思決定構造や購買要因を体系的に理解できる。
- 企業規模・事業フェーズ:従業員数や年商、上場・非上場など
- 経営課題・投資方針:直近の経営課題(例:業務効率化、デジタル化、コスト削減)
これらを網羅することで、「組織全体としての購買意志」を定量的に把握でき、セグメントごとの戦略設計が容易になる。
個人ペルソナで設定すべき必須項目
個人ペルソナは、実際に購買に関わる“人の心理と行動”を理解するための設計要素である。
特にBtoBでは、「業務上のKPI」「感情的な不安」「導入に対する障壁」など、担当者自身の動機を深掘りすることで、より刺さるコンテンツを設計できる。
- 役職・部署・職務範囲:担当者がどの部門に属し、どの範囲で意思決定に関与しているか
- 職務上のKGI/KPI:担当者が何を成果指標として求められているか
- 抱える課題(ペイン):現場で感じている悩み・制約・非効率なプロセス
- 感情的要素・心理的障壁:導入への不安、上司への説明負担、失敗リスクなど
- 情報収集チャネル・意思決定スタイル:Web検索、セミナー、社内紹介など
- 意思決定プロセス:購買決定までのステップや稟議フロー
最低限、この6つを明確にすることで、担当者が「自分のことだ」と感じるコンテンツを制作でき、商談率・成約率ともに向上するはずだ。
企業ペルソナと個人ペルソナを組み合わせることで得られるメリット
企業ペルソナと個人ペルソナを別々に捉えるのではなく、両者の関係性を「交差点」で設計することで、BtoBマーケティングはより戦略的になる。
たとえば、「企業全体の課題(売上向上・業務効率化)」と「担当者の個人的課題(昇進・評価・負担軽減)」は異なるが、購買の現場ではこれらが交差するポイントで意思決定が行われる。この“交点”を把握することで、「組織的な合理性」と「個人の納得感」を同時に満たす訴求が可能になる。
企業軸が「論理(Why/What)」を、個人軸が「感情(How/Why Me)」を担うと考えるとよいだろう。両者を組み合わせることこそが、商談化率を高めるBtoBペルソナ戦略の完成形である。
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BtoBペルソナの作成手順
BtoBペルソナの作成手順には、さまざまな方法がある。最も王道の手法が、「セグメンテーションとターゲティング」を行い、ターゲティングしたターゲットのペルソナを作るという方法であるが、BtoBの場合、非常に高度で工数(時間)のかかるニーズデータの収集と分析が必要となるため、ここでは簡易的な方法を1つご紹介する。その手順が下記の3手順だ。
1. 既存の顧客リストを作成する
2. 顧客分析をする
3. 分析結果からBtoBペルソナを設定する
既存顧客を分析してBtoBペルソナを設計するという、エビデンスもしっかりした作り方なので、ぜひ参考にして欲しい。
手順1:既存の顧客リストを作成する
この手順では、まずは顧客リストを作成することから始まる。BtoBペルソナのイメージを具体化しやすいような項目を作り、既存顧客のリストを作成してみよう。例えば下記のようなリストだ。

BtoBペルソナ作成の準備「顧客リストのサンプル」
上記のリストを作ったら、顧客ごとのある期間(例えば1年間など)の取引金額(自社と顧客の取引金額)を計算し、記入しよう。そして取引金額の多い順に並べ替えてみよう。そうすると、優良顧客は表の上に、一般顧客は表の下に表示されることとなる。
手順2:顧客分析をする
顧客リストができたら、次はそこから「自社にとって価値の高い顧客はどのような属性なのか」を読み解く。
例えば、「どういう業種でどのくらいの規模(年商や従業員数)の企業を狙うべきか?」「役職はどのレベルがよいか?」「どんな課題を持っている企業がよいか?」といったデータを既存顧客リストから分析する。こういった顧客分析をすることで、BtoBペルソナ設計の基準を作り上げることができる。
- 優良顧客はどの業種・規模が多いのか
- 自社のサービスを最も評価してくれている役職・担当者はどこか
- 商談化しやすい企業はどんな課題を持っているか
この分析によって、「どのような企業・役職を狙うべきか?」という基準を作ることができる。BtoBペルソナ設計の基準は、下記のようなイメージでまとめるとわかりやすいだろう。

BtoBのペルソナ設定の基準表のサンプル
これが次のステップでペルソナを具体化するための“設計図”となる。
手順3:分析結果からBtoBペルソナを設定する
BtoBペルソナ設計の基準を作成したら、この内容をベースに具体的な人物像へと肉付けしていく。まずは企業像から肉付けしていこう。業種、従業員数、年商などの基準データがあるので、そこからより具体的な企業イメージを作り上げていく。実在する既存顧客を思い浮かべながら進めるとよい。
下記は弊社にて肉付けした企業像のサンプルである。社名や代表者名は本コラムでは、便宜上「●」で記載しているが、架空の社名・人物名を入れてもよい。

BtoBのペルソナ作成のサンプル「企業像のサンプル」
次に、人物像を同様に肉付けしていく。課題や部門、役職などの基準データがあるので、そこからより具体的な個人イメージを作り上げていく。実在する既存顧客の担当者を思い浮かべながら進めるとよい。下記は弊社にて肉付けした個人像のサンプルである。

BtoBのペルソナ作成のサンプル「個人像のサンプル」
このように、既存顧客のデータを基準にBtoBペルソナを設定していくと具体性のあるBtoBペルソナを作成できる。
【無料サンプルあり】BtoBペルソナの作成とテンプレート
下記は、業務システムを開発・販売するIT企業が、ターゲット顧客を具体化するために作成したBtoBペルソナの例だ。社内の情報システムの担当者をモデル化したBtoBペルソナ設定シートとなっている。BtoBペルソナシートのサンプルもダウンロードできるので、ダウンロードしたエクセルを見ながら下記、読み進めて欲しい。

BtoBのペルソナシートの例
上記はBtoBマーケティングで活用できるよう、弊社にて作成したサンプルのBtoBペルソナシートである。これを参考にしながら、御社の商材に合わせて項目などを自由にカスタマイズしてもらえたらと思う。
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戦略と計画の立て方、施策と手法選定の仕方、KPIの可視化の仕方、PDCAの回し方などについてわかりやすくまとめたPDF資料

BtoBマーケティング戦略立案の4つのパワポ・エクセルテンプレート
質の高いリードを獲得するためのターゲティングとペルソナ設計プロセスをまとめた資料
BtoBペルソナ作成で重要な情報の集め方
では、BtoBペルソナ作成に必要な情報の集め方について説明する。具体性・信憑性のあるBtoBペルソナを作成するために、どれも必要な情報収集方法であるため、できる限り実施してほしい。
- 自社の顧客データ
- カスタマーサポートの対応履歴
- 既存顧客の担当者へのヒアリング
- アンケート調査
自社の顧客データ
BtoBペルソナ作成で最も需要な情報源は、自社の顧客データだ。どのような企業・個人像の顧客が多いのか?の分析に活用できる。さらに、商談履歴や名刺データをしっかり残していれば、どういう課題を持っている顧客が多いか?どんな部門のどんな役職の方が多いかなども具体的に分析が可能だ。そのため、自社の顧客データ(顧客リストや名刺情報、過去の商談記録など)をできる限り収集し、BtoBペルソナ作成に活用しよう。
カスタマーサポートの対応履歴
カスタマーサポートの対応履歴もBtoBペルソナ作成で活用できる。どんな問い合わせが多いか、何に悩んでいるのかなど具体的なデータが蓄積されているため、そのデータを確認することで、具体性のあるBtoBペルソナを作成できる。
「顧客の声」を直接吸い上げているカスタマーサポートのデータは非常に貴重である。BtoBペルソナは実在するかのように人物を設定するため、カスタマーサポートの対応履歴があるかないかで解像度は大きく異なるだろう。
既存顧客の担当者へのヒアリング
BtoBペルソナは実在するかのように人物を設定するため、実在する人物(既存顧客の担当者)に直接話を聞いて、情報を集めると、具体性と信憑性が高くなり、精度の高いBtoBペルソナが作成できる。
普段の業務内容、課題、これからやりたいこと、主な情報収集方法など、聞けることはたくさんあるので、ヒヤリングできる関係性が構築できている場合は、BtoBペルソナ作成の前にヒヤリングをしておこう。
アンケート調査
ヒヤリング調査が難しい場合はアンケート調査も効果的である。アンケートフォームをWEB上に作り、そこで普段の業務内容、課題、これからやりたいこと、主な情報収集方法などを調査する。ヒヤリング同様、具体性・信憑性のあるデータが収集できるため、アンケート調査はぜひ実施することをお勧めする。
BtoBペルソナ作成の注意点
BtoBペルソナ作成では、以下の3点に注意する必要がある。
- 自社目線で都合の良いBtoBペルソナを作成しない
- データに基づいて作成する
- 少数の意見を強く反映させない
- 一度作ったら終わりではなく、定期的に「見直し」を行う
自社目線で都合の良いBtoBペルソナを作成したり、少数の意見を強く反映させたりすると、実際の顧客像からかけ離れたBtoBペルソナを作成してしまう。そのようなBtoBペルソナをもとにBtoBマーケティング施策を実施しても効果は見込めないため、なるべくデータに基づいてBtoBペルソナを作成しよう。
自社目線で都合の良いBtoBペルソナを作成しない
BtoBペルソナを作成する時は、自社の製品・サービスに都合の良いBtoBペルソナを作成することは避けるべきだ。都合の良いBtoBペルソナは、自社にとって「こういう人がいてほしい」といった願望が含まれることとなる。
極論ではあるが、「自社製品は課題Aを解決できるので、課題Aを持つ人をBtoBペルソナにしよう」という具合だ。この場合、BtoBペルソナが実際のターゲット像と乖離し、真の顧客ニーズを見落とす可能性がある。
BtoBペルソナを作成する過程では、詳細を作りこむあまり「こういう人なら都合が良い」と気付かぬうちに考えてしまうことが少なくない。BtoBペルソナは、あくまで顧客のニーズを起点にしなければならない。
製品・サービスから逆算したBtoBペルソナを使用すると、自社の製品・サービスが顧客にとって本当に価値のあるものか評価できず、結果的に受注に至らないという事態を招きかねない。そのため、顧客はこうあるべきという先入観は捨てる必要がある。
データに基づいて作成する
BtoBペルソナでは、データに基づいてBtoBペルソナを作成することは非常に重要だ。主観や推測だけではなく、実際の顧客データや意見などを根拠として、信頼性の高い顧客像を作成すべきである。
データに基づかないBtoBペルソナを作成すると、実際の顧客像と乖離したターゲット像を作成してしまう。自社起点で都合の良いBtoBペルソナを作成してしまう可能性も高めやすい。
先述した通り、下記の4つのデータを中心にBtoBペルソナ作成を進めよう。
- 自社の顧客データ
- カスタマーサポートの対応履歴
- 既存顧客の担当者へのヒアリング
- アンケート調査
少数の意見を強く反映させない
BtoBペルソナを作成するときに、組織内で権力を持つ個人の意見をBtoBペルソナに強く反映させてはいけない。少数の意見を強く反映させると、仮にその者の仮説が大きく乖離していた場合は、成果につながらないことになる。
もちろん、根拠や意見があって声が大きくなっていることもあるだろう。しかし、ある意見の声が大きいからといって、他のどんな意見もふさぐ必要はない。BtoBペルソナは、議論の余地が多いほど最終的には全員が納得できるものに仕上がる。
直接コミュニケーションをとっている分、むしろ現場の人間の方が顧客について理解している場合も多いだろう。営業戦略を立てる人間と、より顧客に近い立場で業務している人間でディスカッションできることが理想だ。
一度作ったら終わりではなく、定期的に「見直し」を行う
BtoBペルソナは、一度作成したら終わりではなく、継続的に見直しと更新を行うことが前提である。市場環境や競合状況、製品・サービスの進化により、顧客の課題や意思決定構造は常に変化していこう。
古いペルソナを使い続けると、実態との乖離が発生し、マーケティング施策の精度が下がるリスクがある。特にBtoBでは、担当者の異動や組織改編などによって「購買プロセス」自体が変わるケースも多く、定期的な検証が欠かせない。
見直しのタイミングは、半期に一度の定期レビューを基本とし、以下のようなイベントが発生した際にも再検討するのが望ましい。
- サービス内容・料金体系を変更したとき
- 新しい主要顧客層(業界・規模)が増えたとき
- 営業現場で失注理由が変化したとき
- コンテンツの反応率が低下し始めたとき
見直しの際は、営業ヒアリングやアクセス解析などの現場データを活用し、「どのような顧客層が今もっとも反応しているか」を定量的に確認しよう。さらに、ペルソナが社内全体に共有され、意思決定の基準として機能しているかどうかも定性的にチェックすることが重要である。
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まとめ
BtoBペルソナを設定すると、顧客像を組織内で共通・統一できる。また、顧客ニーズを明確にできるため、顧客に強く訴求できる製品・サービスがどのようなものかわかる。
自社起点で都合の良いBtoBペルソナを作成したり、少数の意見を強く反映させたりすると、実際のターゲット像からかけ離れたBtoBペルソナを作成してしまい、BtoBペルソナを作成した意味はなくなる。そのため、顧客データやカスタマーサポートの対応履歴などの情報を収集し、データに基づいてBtoBペルソナを設定することが重要だ。
本コラムで紹介したBtoBマーケティング向けのBtoBペルソナシートのエクセルサンプル
を参考に、御社のBtoBペルソナを作成し、BtoBペルソナマーケティングを進めていただけたらと思う。














