「差別化」はBtoBマーケティングや営業戦略において、非常に重要な要素の1つである。これはいうまでもないことであるが、具体的に「どうやって差別化するか?」となると、「やり方がわからない」という方も多いだろう。
そこで、今回のコラムでは、差別化のやり方の1つの方法を具体例を交えながらご紹介したい。
前回は「用途限定による差別化の具体例」だったが、今回は、カスタマイズによる差別化の具体例である。一味違う差別化なので、前回の記事と合わせてぜひご覧いただきたい。
カスタマイズ力で差別化した具体例
ご紹介する具体例は、「スイーツ感覚で「枕」選べる専門店」である。まずは下記の参考記事をご覧いただきたい(このブログは、BtoBマーケティングやBtoBの営業戦略をテーマにしたブログですが、枕を例にしているのはわかりやすさを重視するためです)。
参考記事:スイーツ感覚で「枕」選べる専門店
参考URL: http://www.j-cast.com/trend/2011/08/16104358.html
「Pillowy Cafe」は、スイーツを選ぶように楽しくパーツを選び、その場でオリジナル枕を作れるショップで、2010年から首都圏を中心に期間限定で展開してきた。カフェをイメージした店内には、ドーナツ型の素材サンプルなどが並び、その中からカラー、素材、お気に入りの香りを選択。その組み合わせ数は1000種以上にも及ぶそうだ。また、組み合わせを選んだ後には、眠りの専門家がそれぞれの睡眠に対する悩みを聞いて最適な高さに調整してくれるので、自分にぴったりフィットする枕が完成する。
カスタマイズ力で差別化
参考記事でご紹介した選べる枕の専門店は、「商品のカスタマイズ力」で差別化している。前回ご紹介した「用途限定した差別化」とは一味違う差別化の方向性だ。
ただ、差別化できているといっても、カスタムメイドできない枕店と比べて差別化できているのであって、同様にカスタムメイドできる枕のお店は他にも沢山ある。ではそのようなお店とどう差別化するか?を考えれば、「Pillowy Cafe」は、「カスタムの方向性」で差別化していると言える。
カスタムの方向性で差別化
参考記事にもあるように、「Pillowy Cafe」はその名の通り、カフェでスイーツを選ぶように楽しく枕のパーツを選ぶことができること、さらに、選べる内容も、色、香り、素材となっていることが大きな特徴だ。
一方で、他のカスタムメイドの枕店は、下記のようなカスタムメイドが可能なようである。例として、山田朱織枕研究所と比較してみよう。
山田朱織枕研究所
https://makura.co.jp/
このお店の場合、整形外科枕という名前の通り、整形外科医によるヒヤリングから枕をオーダーメイドするという、かなり寝姿勢にこだわったオーダーメイドと言える。これはこれで1つのカスタムの方向性であり差別化である。
これに比べて、「Pillowy Cafe」はカフェのように楽しく選べる上に、選べるパーツが、色、香り、素材であるため、寝姿勢にこだわるというよりも、「私だけの可愛い愛着の持てる枕作り」にこだわっている。
このように、同じカスタムメイドでも、「選べる内容」、「選んだ結果の方向性」が違えば、大きな差別化の要因となりえるのである。
まとめ
今回は、差別化の具体例として、カスタマイズによる差別化をご紹介した。カスタマイズで重要なのは、「カスタムの方向性」である。カスタマイズできることが「当たり前」であるならば、その方向性で差別化し、それに連動して選べる内容を工夫してみよう。さらに選ばせ方も工夫してみよう(「Pillowy Cafe」の場合はカフェのように選べるという選ばせ方をしている)。あなたの商品の場合はどうだろうか?