このコラムでは、BtoBの営業戦術(営業手法や方法)に関して、具体的な39の手法を一覧化してご紹介する。営業戦略の立案において、どの営業戦術が自社に最適なのか?を選定するヒントに活用してほしい。
営業戦略の立て方動画
最初に、BtoBの営業戦略の立て方についてご紹介する。下記の動画で戦略立案のプロセスを詳しくご紹介している。営業戦略から見直ししたいという場合は、ぜひ一度ご覧いただけたらと思う。
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BtoB営業の範囲の定義
営業手法や方法をご紹介する前に、BtoB営業の範囲について明確化する。ALUHAでは、BtoBマーケティングを「図:BtoBマーケティングサイクル」のとおり「8つの施策」として定義している。その上で、本コラムにおいて、BtoB営業の範囲は、「見込み客を獲得する」「見込み客を育成する」「案件化・商談化」「受注(クロージング)」「顧客維持」の5つとする。昨今では、「見込み客を獲得する」「見込み客を育成する」の2つはマーケティング部門の役割といった流れもあるが、本コラムでは「見込み客を獲得する」から「顧客維持」までをBtoB営業の範囲としている。
見込み客を獲得する営業手法(リードジェネレーション/リード獲得手法)
見込み客を獲得する手法(リードジェネレーション/リード獲得手法)には、WEBサイトを使った手法(一般的にはWEB営業などと言われている)などのデジタル活用と、展示会などのリアル活用の2種類の手法がある。ここでは、その両方の手法を一覧でご紹介する。
手法名 | KPI例 | メリット | デメリット |
WEB営業に関する手法 | |||
SEO対策 | アクセス数 | 安定したアクセス数を確保できる、費用対効果が高い | 定期的なメンテナンスが必要、成果が出るまで時間がかかる |
オンライン広告 | アクセス数 | 安定したアクセス数を確保できる、すぐにアクセス数を増やせる | 継続的に費用がかかる |
SNS | アクセス数、フォロワー数 | ファン(フォロワー)が増えることで安定したアクセス数を確保できる | SNSの運用工数がかかる、日本では大手企業を狙いにくい、ファン・フォロワーが増えるまで時間がかかる |
メルマガ | アクセス数、CV件数 | 休眠見込み客リストからの掘り起こしなので、比較的早く成果が出せる | ホワイトペーパーやLPといったコンテンツを作る必要がある、メルマガ配信システムの準備が必要 |
オウンドメディア | アクセス数 | 安定したアクセス数を確保できる、費用対効果が高い、やればやるほど効果がでてくる | 定期的なメンテナンスが必要、成果が出るまで時間がかかる、SEO対策のコンテンツを継続的に作成しなければならない |
SP(ソリューションページ) | CV件数 | 課題解決から入るWEBページとなるため、課題の数だけページ作成が可能で、さまざまな切り口で見込み客獲得が可能 | 見込み客が解決したい課題を的確に掴む必要がある |
ホワイトペーパー | CV件数 | CV件数増加につながる | 作り方を間違えると工数が無駄になる、継続的な改善や作成が必要 |
その他の営業手法 | |||
リードジェネレーションサイト・マッチングサイト | 見込み客件数 | 成果保証などのプランがある、自社のリソースを最小化できる | 質が悪い傾向がある |
展示会(WEB展示会・バーチャル展示会も含む) | 見込み客件数 | その場で商談になることがある | 集客が課題になることが多い、興味本位の見込み客が多い |
セミナー(ウェビナー・オンラインセミナーも含む) | 見込み客件数 | セミナー終了後、すぐに商談になることがある | 集客が課題になることが多い、興味本位の見込み客が多い |
営業問い合わせ(自動・手動) | 見込み客件数 | 電話・訪問より気軽、AIを使って自動化も可能 | 迷惑がられることが多い、担当部門に直接アプローチできない |
リアル広告 | 認知度 | デジタルではリーチできない見込み客にアプローチ可能 | 費用がかかる(比較的高め) |
DM(FAX・郵送) | 見込み客件数 | 狙い撃ちできる | 手間と費用がかかる、担当者に届かないことが多い、在宅ワークの多い企業だと効果が薄い |
電話営業 | 見込み客件数 | 狙い撃ちできる、すぐにできる | 手間と費用がかかる、ストレスが溜まる、在宅ワークの多い企業だと効果が薄い |
飛込営業 | 見込み客件数 | 狙い撃ちできる、すぐにできる | 手間と費用がかかる、ストレスが溜まる、在宅ワークの多い企業だと効果が薄い、企業の受付を突破できないことが多い |
紹介営業 | 見込み客件数 | 商談化率が高い、費用対効果が最も高いと言える | 自社で誘発できない(紹介を強制できない) |
ビジネス交流会 | 名刺枚数 | コネクションがなくてもできる、さまざまな人に出会える | 見込み客の質が悪いことが多い(相手も同じ営業目的であるため) |
見込み客獲得代行・営業代行サービス | 見込み客件数 | 見込み客獲得をお金で解決できる、成果保証などもある | 質が悪いことがある、常にお金がかかる |
手法1:SEO対策
SEO対策とは、検索エンジンからの自社サイトへの訪問者を増やすための手法で、検索順位を上げるためのさまざまな対策のことを言う。自社のWEBサイトに特定のキーワードで検索している検索者を誘導し、WEBサイトのアクセス数を増やすことができる。WEB営業を実現するには、必須の手法だ。
手法2:オンライン広告
オンライン広告は、自社製品やサービスをデジタル上の広告を使って認知拡大させていく営業手法である。BtoBの場合、SEO対策のキーワードが見つからないケースも多々あるため、そういった場合は、業界専門サイト・メディアにて広告を出稿し自社サイトへ見込み客を誘導する。
手法3:SNS(インスタ、Twitter、FaceBookなど)
SNS(インスタ、Twitter、FaceBookなど)は、未開拓の見込み客がSNSを使用している可能性が高い場合に活用する手法だ。たとえば、小規模な飲食店の経営者といった企業を狙うような場合が挙げられる。自席PCからSNSへのアクセスを禁止しているような大手企業を狙う場合は、相性の悪い手法となる。
手法4:メルマガ
メルマガは、過去に獲得した見込み客の中で放置状態になっている見込み客(休眠見込み客)を掘り起こしたい場合(関係を再構築したい場合)に活用する手法だ。今まで取得した見込み客の名刺をエクセルや名刺管理ツールなどでデジタル化し、メルマガ配信できるようにする。
手法5:オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社のWEBサイトやメルマガなど、自社が管理・運営するメディアのことだ。オウンドメディアの中心となるのは自社のWEBサイトとなることが多く、SEO対策やホワイトペーパーなどを多数公開し、見込み獲得件数を安定化させていく。やればやるほど成果につながるといったケースも多い。
手法6:SP(ソリューションページ)
SP(ソリューションページ)とは、自社製品で見込み客の抱える課題をどのように解決できるかについて提案しているWebページであり、LPの一種だ。見込み客の抱える課題関連のワードで集客し、そこからCVを獲得したい場合に活用する。
手法7:ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、見込み客にとって有益な情報をPDFにまとめた資料のことだ。自社のWebサイトのCVRを改善(CV件数を増加)したい場合に活用する。見込み客獲得につながるホワイトペーパーの作り方については、「見込み客がCVしたくなる「ホワイトペーパー」の作り方手順書「CVの量を重視する手順と質を重視する手順とは?」」というPDF資料にまとめている。ぜひ参照してほしい。
手法8:リードジェネレーションサイト・マッチングサイト
リードジェネレーションサイトとは、Webサイトやメールを活用して見込み客獲得を代行するWEB上のサービスのことだ。また、マッチングサイトとは、「自社製品を購入してくれる顧客を探している企業」と「新しい仕入れ先を探したい企業」の出会いの場を提供しているWebサイトのことだ。自社サイトの管理体制やリソースに余裕がなく、外部サイトで見込み客を獲得したい場合に活用できる。
手法9:展示会(WEB展示会・バーチャル展示会も含む)
展示会は、BtoB企業の見込み獲得の代表的な手法の1つといってもよいくらい、盛んに活用されている。自社ブースに来場した見込み客の名刺を獲得し、そこから商談や案件創出に繋げていく。残念ながら、全ての名刺が案件や商談につながるケースはなく、その可能性は非常に低いことが多い。
手法10:セミナー(ウェビナー・オンラインセミナーも含む)
セミナーもBtoB企業の多くが採用している見込み獲得手法の1つだ。自社製品の導入事例のセミナーや、ある課題を解決する方法を解説するセミナーなど、さまざまなセミナーが実施されている。オンラインセミナーを活用すれば、全国各地の見込み客を獲得できる可能性が高くなる。
手法11:営業問い合わせ(自動・手動)
営業問い合わせとは、企業のWebサイトの問い合わせフォームから、自社製品・サービスの営業問い合わせを行い、アプローチする手法だ。この企業と取引したいという、狙い撃ちで見込み客を獲得したい場合の活用に向いている。最近では、AIで営業問い合わせ業務を自動化するサービスもあるため、工数削減が実現している。しかしながら、こういった売り込み問い合わせは、見込み客からすればたくさん来ているので、無視される可能性も高い。
手法12:リアル広告
リアル広告は、自社製品の認知を拡大したい場合や、特定の市場に特化して認知度を高めたい場合に活用する手法だ。デジタルではリーチできない見込み客にアプローチできる。最近では、タクシー広告、電車や駅のサイネージ広告、TVCMなど、BtoB企業の広告も多く見られるようになってきている。
手法13:DM(FAX・郵送)
DM(FAX・郵送)は、この企業と取引したいという、狙い撃ちで見込み客を獲得したい場合に活用する手法だ。顧客リストデータを作成すれば一斉に送れるため、一度に多くの見込み客にアプローチできる。しかしながら、FAX・郵送は「見てくれない」という問題が常にあり、一定の確率以上の成果を出すことは難しい可能性が高い。特に大企業を狙う場合は可能性は低いと言える。
手法14:電話営業
電話営業は、この企業と取引したいという、狙い撃ちで見込み客を獲得したい場合に活用する手法だ。訪問営業のような移動時間がかからないため、1日で多くの見込み客にアプローチできる。BtoB企業のインサイドセールスがよく活用する営業手法の1つだ。
手法15:飛込営業
飛込営業は、この企業と取引したいという、狙い撃ちで見込み客を獲得したい場合に活用する手法だ。対面でのコミュニケーションによって、見込み客と信頼関係を構築しやすい。しかし、アプローチする企業が在宅勤務を実施している場合、訪問をしても担当者は不在だ。そのため、移動にかかる時間や費用が無駄となる。昨今ではセキュリティの観点からも飛込営業は断られるケースが多いため、成果は出にくいと言える。
手法16:紹介営業
紹介営業は、既存の顧客に紹介してもらって見込み客を獲得する手法だ。大企業の他部門や他事業所、子会社、グループ会社への横展開を狙う場合は効果的な営業手法だ。商談化率・受注率が高く、費用対効果がもっとも高い手法だ。
手法17:ビジネス交流会
ビジネス交流会は、新規事業を立ち上げる場合や創業時に見込み客を獲得したい場合に活用する手法だ。各地域でおこなわれる交流会に参加して、同席している相手と名刺交換して見込み客を獲得する。
手法18:見込み客獲得代行・営業代行サービス
見込み客獲得代行・営業代行サービスとは、自社製品の営業部門の人員が少なく、外部に営業活動を外注したい場合に活用する手法だ。営業代行会社によって、得意な営業方法は異なっている。営業活動を外注する際は、どのような営業方法が得意なのかを把握して、その方法と自社製品・ターゲットの相性が良いかも確認することが重要だ。
具体的なやり方・プロセスをまとめたPDF資料
見込み客を獲得する手法(リードジェネレーション/リード獲得手法)の具体的なやり方については、特にWEB活用を中心に以下のようなPDF資料がダウンロードできる。具体的なやり方をまとめているので、気になる資料があれば、ぜひ参照してほしい。
見込み客を育成する営業手法(リードナーチャリング/リード育成手法)
見込み客を育成する手法(リードナーチャリング/リード育成手法)には、メールなどのデジタル活用と、電話営業などのリアル活用の2種類の手法がある。ここでは、その両方の手法を一覧でご紹介する。
手法名 | KPI例 | メリット | デメリット |
WEBコンテンツ | CV件数 | コンテンツが営業資産になる、継続的な活動ができる | スキルが必要、コンテンツ作成の継続性が必要 |
メルマガ | CV件数 | タイムリーな活動が可能、大量の見込み客でも対応可能 | スキルが必要、コンテンツ作成の継続性が必要 |
シナリオメール(MAシナリオ) | CV件数 | 短期間での見込み育成が可能 | スキルが必要、MAなどのツール導入が必要 |
動画 | 再生数 | コンテンツが営業資産になる | 作成や管理が大変 |
セミナー(オンラインセミナー・ウェビナーも含む) | 申込数 | 継続的に実施できる、商談化・案件化につながる | 準備が大変、集客に困ることも多い |
ホワイトペーパー | CV件数 | コンテンツが営業資産になる、継続的な活動ができる | コンテンツ作りが大変、管理が大変 |
アンケート | 回答数 | ニーズが把握できる、商談・案件につながる | 有効回答が少ないこともある |
リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告) | クリック数 | 機会損失を防止できる | 費用がかかる |
ニュースレター | レスポンス数 | 営業訪問の理由にできる、メルマガより読んでくれる可能性がある | 印刷や配布が大変、コンテンツ作りが大変 |
訪問営業・対面営業 | 商談・案件数 | 臨機応変に対応可能、関係構築をより深められる | 営業工数が最も大きい |
テレマーケティング(電話営業) | アポイント数 | 数をこなせる、対話で商談を進められる | 工数がかかる、しつこいなどと言われることも |
手法1:WEBコンテンツ
見込み客の育成にWEBコンテンツ(コラムやソリューションページなど)を活用することができる。具体例としては、(1)継続的・定期的にWEBコンテンツを作成・公開、(2)メルマガなどで既存見込み客にWEBコンテンツを配信、といった流れだ。
WEBコンテンツはメルマガのネタとなるため、WEBとメルマガを連動させることで、見込み客を育成できる。
手法2:メルマガ
見込み客リストを作成し、そのリストに対して定期的・継続的にメールを配信して、見込み客育成する手法。BtoBの場合、見込み客は業務でメールを活用しているため、BtoCに比べてメールを見る可能性は高い。
主に、WEBコンテンツ、セミナー、ホワイトペーパーといったコンテンツをメルマガで配信する。継続的に配信する必要があるため、継続的なメルマガのネタが必要になる。
手法3:シナリオメール(MAシナリオ)
シナリオメール(MAシナリオ)とは、段階的にメールを送付し見込み客育成する手法のことだ。例えば、製品Aのカタログの資料請求がきたら、その日時を起点に、3日後に製品Aの導入事例のメールを、7日後に製品Aの特徴を伝えるメールを、10日後に製品Aのデモ案内のメールを配信する、といった具合に、段階的にメールを配信する。
資料請求や名刺交換といった「起点となる日」があるため、見込み客の育成につながりやすい。
手法4:動画
見込み客が解決したい課題に合わせて製品の使い方、サービスの活用方法などを動画化し、そういった動画を継続的に公開することで見込み客育成する。
動画を活用することで、営業訪問や営業説明の回数を減らし、営業工数(見込み客育成の工数)を削減できる可能性がある。また、営業属人化の防止や、製品提案の品質向上・底上げにもつながる可能性がある。
手法5:セミナー(オンラインセミナー・ウェビナーも含む)
自社の見込み客に対して、継続的にセミナーを実施し、見込み客育成する。自社製品の最新技術の紹介や、最新の課題解決事例などをセミナーで話することで、見込み客育成に繋げていくことができる。
手法6:ホワイトペーパー
見込み客が興味のあるネタ、解決したい課題に合わせたホワイトペーパーを作成し、そのホワイトペーパーをメルマガで案内する。その後、ホワイトペーパーのCVを獲得して見込み客育成する。
手法7:アンケート
見込み客育成におけるアンケートとは、見込み客に対して課題調査を行うことだ。アンケートフォームを作成し、「解決したい課題は何か?」を回答してもらう。その回答内容を分析し、ホワイトペーパーやセミナーのテーマに落とし込んでいくことで、効果的な見込み客育成が実現する。
手法8:リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)
リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)とは、製品AのWEBページを閲覧した見込み客に対して、ニュースサイトなど他のメディアで製品Aの広告を掲載するという、WEB広告の一種だ。自社サイトのどのページを見たか?に合わせて、さまざまなメディアで広告を出稿できる。継続的に出稿することで、見込み客との接点を広告を経由して増やしていくことができる。
手法9:ニュースレター
ニュースレターとは、印刷物を継続的に見込み客に送付する手法のことだ。メルマガと似ているが、メルマガはメールを使うが、ニュースレターは印刷物を使う。メルマガ同様、セミナー、ホワイトペーパーなどを案内するだけでなく、担当営業の自己紹介などを入れることも多い。
手法10:訪問営業・対面営業
訪問営業・対面営業はその名の通り、定期的に見込み客に訪問し雑談なども含めて打ち合わせすることだ。見込み客育成において、対面に勝る手法はないため、最も効果的と言える。対面営業で見込み客の課題や近況を聞き出し、そこから商談を作り出すことが可能だ。
手法11:テレマーケティング(電話営業)
見込み客に対して定期的に電話をかけて状況確認し、アポイントにつなげる手法だ。電話で見込み客の課題や近況を聞き出し、そこからアポイントを獲得し、商談を作り出す。見込み客育成で最も代表的な手法の1つといえる。訪問営業・対面営業ほどの工数はかからない上に、対話ができるため、機会損失を最小限にできる。そういった理由でBtoB営業では重要視されている。
具体的なやり方・プロセスをまとめたPDF資料
見込み客を育成する営業手法(リードナーチャリング/リード育成手法)の具体的なやり方については、以下のPDF資料で詳細をまとめている。具体的なやり方をまとめているので、気になる資料があれば、ぜひ参照してほしい。
案件化・商談化の営業手法
BtoB企業の案件化・商談化の営業手法としては、以下の4つの手法が考えられる。まずは各手法のKPIやメリット・デメリットを一覧表でご紹介しよう。
手法名 | KPI例 | メリット | デメリット |
スコアリング | 抽出数 | 見込み客の案件化のタイミングを掴む判断材料になる | MAなどのITツールが必要、必ずしも確度が高いとは言い難い |
ソリューション提案 | 案件化・商談化数 | 課題解決の提案により見込み客の興味喚起が可能 | 見込み客が解決したい課題を掴まなければならない、解決方法に具体性が必要 |
事例紹介営業 | 案件化・商談化数 | 説得力があり案件化・商談化しやすい | 紹介できる事例がないと実現できない |
個別相談・製品デモなどの営業オファー | 案件化・商談化数 | 確度が高い | 継続的に数を確保するのが難しい |
手法1:スコアリング
「スコアリング」とは、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用して「見込み客の確度」や「興味のある製品」「購入検討時期のタイミング」などを把握する仕組みのことだ。
例えば製品Aの導入事例のWEBページをよく見ている見込み客がいれば、「導入検討のタイミング」の可能性があり、商談化のタイミングを把握することができる。このように、見込み客の行動を可視化することで、商談や案件のタイミングを掴み、商談創出につなげていくことができる。
確度の高い見込み客を抽出する「リードクオリフィケーション」で活用できる手法の1つだ。
手法2:ソリューション提案
ソリューション提案とは、見込み客が解決したい課題に対して、どうすれば解決できるか?を提案する営業手法だ。ソリューション提案により、商談や案件のきっかけを創出できる。見込み客が解決したい課題ごとに、ソリューション提案を行うことで、さまざまな切り口で商談や案件のきっかけを創出できるようになる。
「リードが解決したい課題」に対して、「自社製品やサービスを使ってどう解決するか?」を提案しなければならないため、「課題を解決する方法・手段として自社製品やサービスがどう使えるか?」を具体化しなければならない。ソリューション提案では、「自社製品やサービスを売り込む」のではなく、「課題解決の方法を売り込む」ことになる。
手法3:事例紹介営業
事例紹介営業とは、自社製品の導入事例・採用事例を切り口とする営業手法だ。実際に自社製品やサービスを導入した他の顧客が「どんな課題を解決できたか?」「どんな成果を得られたか?」を営業提案書としてまとめ、営業に活用する。
実際の事例をベースにしているため、営業の説得力が向上し、見込み客が興味を持つ可能性が高くなる。ただし、事例として他者に紹介しても良いかどうか?の事前の許可が必要となるので注意が必要だ。
手法4:個別相談・製品デモなどの営業オファー
BtoB営業では、自社製品のデモや導入相談を行わなければ、商談が進まないケースが多い。そのため、個別相談会や製品デモが営業からのオファーとして活用される。
こういった営業オファーを継続的に実施することで、商談や案件のきっかけを創出できる。個別相談・製品デモなどの営業オファーは、「見込み客から依頼されて実施するケース」と「自社から提案して実施するケース」の2パターンがある。この両方を増やすことができれば、継続的な案件・商談創出につながっていく。
具体的なやり方・プロセスをまとめたPDF資料
案件や商談創出、および受注獲得の具体的なやり方については、以下のPDF資料で詳細をまとめている。このPDF資料は、オンラインセミナーを活用して継続的に個別相談・製品デモなどを創出する方法をまとめている。継続的な商談創出・案件創出の手法を具体化したい場合は、ぜひ参照してほしい。
PDF資料名:商談や案件につながるオンラインセミナーの設計・実施方法とその成功事例
- リードに刺さるオンラインセミナーの企画の仕方
- 商談を作るための4種類のオンラインセミナーとは?
- 商談を作り出すためのセミナー実施方法
- 製造業A社の事例
顧客維持(クロスセル・アップセル)に関する営業手法
BtoB企業の顧客維持とは、既存顧客に対してクロスセル・アップセルを行い、LTV(生涯顧客価値)を高めていく営業活動を指す。主に以下のような営業手法がある。
手法名 | KPI例 | メリット | デメリット |
メルマガ | CV件数 | 大量の顧客でも対応可能、OneToOneメールなども可能、手軽で工数も低い | メールを読まない可能性がある、CRMなどの顧客管理や配信システムが必要 |
ニュースレター | レスポンス数 | 訪問する理由になる、読んでくれる可能性が高い | 印刷や配布に工数がかかる |
定期訪問 | 案件化・商談化数 | 対面での接点創出が可能で最も確実 | 最も営業工数がかかる、数がこなせない |
課題調査 | 回答数 | 顧客の課題を把握できる、案件化・商談化のきっかけになる | 有効回答がない場合がある、クレームを言われることもある |
レコメンド | CV件数 | 購買点数の増加が見込める | レコメンドのシステム導入が必要、関連製品の管理が大変 |
会員サイト | CV件数 | 顧客を囲い込みできる | 会員管理システムが必要、運用が大変 |
手法1:メルマガ
既存顧客が購入した製品やサービスの活用方法や他社の活用事例をメルマガで配信し、クロスセル・アップセルの機会を作っていく営業手法だ。自社製品の有効な使い方を継続的に配信することで、顧客流出を防止し、クロスセル・アップセルの機会創出に繋げることができる。
手法2:ニュースレター
1つ目の手法(メルマガ)と同じであるが、メールではなく、印刷物で実行するのがニュースレターだ。印刷物にすることで、既存顧客への定期訪問の理由を作り出すことができる(郵送でも良いが手渡しもできるため)。
手法3:定期訪問
定期訪問とは、既存顧客に定期的に製品の活用状況などを確認する訪問を行い、新しい課題などがあれば、解決方法を提案(ソリューション提案)してクロスセル・アップセルを実現する。ルート営業(担当顧客に定期的に訪問する営業)のようなイメージである。
常に人が対応するため臨機応変に対処できる反面、営業工数がもっともかかる。そのため、取引金額の大きな顧客のみ実施するなど、戦略的な工夫が必要だ。
手法4:課題調査
課題調査とは、既存顧客に対して、製品活用に関する課題はないかを確認する調査のことだ。顧客満足度調査や顧客貢献度調査などともいう。
既存顧客が解決できていない課題や解決したい新たな課題などがある場合、そこからソリューション提案を行うことで、クロスセル・アップセルを実現できる。
手法5:レコメンド
レコメンドとは、既存顧客の課題や購入した製品に合わせて別製品(関連製品)を提案する営業手法のことだ。顧客の購入点数増加が期待できる。自社のWEBサイトなどで、「この製品を買った人におすすめ」といったコーナーを作り、関連する製品をレコメンドする。ECサイトなどでは良く活用されている手法だ。
自社製品をカタログのように掲載するのではなく、関連する製品も一緒に掲載することで、購入点数の向上に寄与する可能性がある。
手法6:会員サイト
既存顧客を会員化し、会員サイトで受発注、レコメンドなどの情報提供、課題調査などを行う営業手法。顧客はログインしてサイトを閲覧するため、どの製品に興味があるか?なども分析しやすい。
また、顧客別に見積もり単価を調整するなど、BtoBならではの価格微調整も可能だ。既存顧客からのリピート購入の効率化などに活用できる。
まとめ
以上、BtoBで活用できる営業手法・方法の一覧をご紹介した。御社でも採用できる手法・方法がないかぜひ参照し検討してほしい。
以下のようなPDFが無料でダウンロードできます。御社の戦略立案のヒントになるかもしれないのでお気軽にお申し込みください。
BtoBの営業戦略や計画の立て方、営業KPIの設定の仕方、PDCAの回し方、KPIツリーによる可視化の仕方などについてわかりやすくまとめたPDF資料です。戦略立案に必要なパワポ・エクセルテンプレートもついています。
営業KPIを改善し、営業の軸となる「セールスメッセージ」をどのように決めていくべきか、その手順や考え方をまとめたPDF資料です。営業を根本から見直ししたい時に参考になります。
株式会社ALUHAのBtoB営業・マーケティングコンサル(伴走支援)の内容や進め方、強み、成功事例、費用感がわかる資料です。戦略立案で困った時のためにお気軽にご請求ください。
他のBtoB企業が営業やマーケティングにおいて、どのようにデジタル活用しているのか、デジタル営業でどんな成果が得られたのか?などをまとめた資料です。デジタル営業を始めるときのヒントに活用できる資料です。