このコラムでは、BtoBの営業戦略から営業計画(営業アクションプラン)を立案するプロセスをご紹介する。営業計画(営業アクションプラン)は営業戦略を具体的な行動へと落とし込むものだ。営業計画(営業アクションプラン)のサンプルテンプレートフォーマットもご紹介するので是非役立ててほしい。
営業計画(営業アクションプラン)とは?
営業計画(営業アクションプラン、営業行動計画)とは、営業戦術をいつまでにやるのか?具体的にどう展開するのか?を決めることである。いきなり成功するとも限らないため、PDCAをどう回していくか?も考えなければならない。主に下記アクションプランのサンプル画像のように、縦軸が営業のTODO、横軸が時間軸のような計画表を、営業戦術ごとに作成し進行管理する。

営業計画(営業アクションプラン)のサンプル
BtoB企業向けに営業戦略を体系的に立案する手順書です。ALUHA独自の戦略立案シートでKGIからKPI、計画、PDCAまでを具体化し戦略を俯瞰できます。戦略立案の具体例もご紹介しています。

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なぜ営業計画(アクションプラン)が必要なのか?
営業計画(アクションプラン)が必要な理由は、次の通りだ。
- 営業戦略を「実行できる形」に落とし込むため
- 誰が・いつ・何をやるのかを明確にするため
- 営業活動を定量的に管理・改善するため
営業戦略が「方針」だとすれば、営業計画は「実行手順」である。戦略だけでは現場は動かず、責任も曖昧になり、成果が出た、出ないの原因も分からない。実行内容と担当、期限、KPIを計画として具体化することで、組織として再現性のある営業活動を回せるようになる。
営業戦略を「実行できる形」に落とし込むため
営業戦略は、どの市場を狙うか、誰に何をどう売るかといった方針・考え方を示すものである。しかし戦略はあくまで“方向性”にすぎず、それだけでは現場で何をすべきかが具体的にならない。たとえば「製造業の新規開拓を強化する」と決めても、ターゲットリストの作成、初回接触の方法、提案する内容、商談化までの導線が決まっていなければ、日々の行動は属人的になり、成果は安定しないだろう。
営業計画(アクションプラン)は、戦略を実行レベルに落とすための設計図である。施策をタスクに分解し、期限と数値目標を置き、運用ルールまで決めて初めて、戦略が“実行可能なもの”になる。成果を出すためには、戦略を計画に変換する工程が不可欠である。
誰が・いつ・何をやるのかを明確にするため
計画書がない状態では、会議で方針を決めたつもりでも「結局、誰がやるのか」が曖昧になりやすい。結果として、重要な施策ほど手が付かず、現場は既存のやり方に戻り、戦略が実行されない。責任の所在が曖昧なままだと、遅れが起きても修正ができず、期末に帳尻合わせが発生する可能性も高まる。
営業計画には、担当、期限、行動内容を明記する必要がある。これにより、タスクが“誰かの仕事”ではなく“自分の仕事”になり、実行率が上がる。さらに、担当者が明確であれば進捗確認もしやすく、遅れが出た時点で支援やリカバリーができる。
営業活動を定量的に管理・改善するため
「受注した」「失注した」という結果だけでは、次に提案における再現性を図ることができない。特にBtoB営業はリード獲得から受注までの期間が長く、営業のプロセスを管理しなければ成果を上げることも難しい。
営業計画では、KGIに至るまでのKPIとサブKPI(KPIをさらに細分化し具体的な施策や行動レベルに落とし込んだ指標)を設定し、活動を定量的に追える状態にする。たとえば「商談数」「提案数」「受注率」「平均単価」などに分解しておけば、未達の原因が“商談が足りないのか”、“提案の質なのか”、“単価設計なのか”を切り分けられる。
数値で管理できれば、週次で打ち手を調整し、改善を回すことが可能になる。営業計画は、管理と改善を成立させ、成果を安定させるために必要なのだ。
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営業計画(アクションプラン)に必要な戦略の立て方
営業計画(営業アクションプラン)を立案するには、営業戦術の実行責任者が、営業戦略の全容を見ながら、自分がやるべきこと(作戦・使命(KPI))を理解し、営業計画(営業アクションプラン)へと落とし込まなければならない。このため、営業戦略を立案してから営業計画(営業アクションプラン)を立案しなければならない。
営業戦略の立案から営業計画(営業アクションプラン)立案までの主なプロセスは下記の通りだ。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 営業計画(アクションプラン) | 戦術を実行するための具体的な行動計画 |
| 営業戦術 | 営業戦略を実現するための手法 |
| 営業戦略 | 営業目標を実現するための方策 |
| 作戦(KPI) | 最終目標に向かって適切に行動できているかを確認するための指標 |
- 営業目標を決める(KGIとKPI)
- 営業戦略に必要な事前分析を行う
- BtoBの営業戦術・営業方法として何があるのかを理解する
- 戦略立案フレームワークを使って営業戦略を立案する
- 営業戦略を作戦に分解する
- 作戦毎に戦術を選定する
- 営業計画(営業アクションプラン)を立案し実行する
営業戦略を立てるには、営業目標を立てた後に、精度の高い営業戦略を立てるための分析を行う。そのうえで、営業目標を達成するための営業戦略を立てる。
下記のコラムで営業戦略の立て方について詳しく説明しているため、参考にしてほしい。
営業計画(営業アクションプラン)の立案プロセス
では営業計画の立案について解説する、営業計画(営業アクションプラン)は以下の流れで立案する。
- 営業戦術の作戦(KPI)からサブKPIを設定
- サブKPIから営業行動を具体化
- 営業行動に「いつ」「誰」を加えて計画表にする
実行責任者のすべき行動を明確にするために、作戦(KPI)の細分化によってサブKPIを設定し、サブKPIから営業行動を具体化していく。
営業行動を具体化してTODOリストを作成したら、「いつ」「誰」を加えて計画表を作成する。その際、営業戦術は成功するとは限らないため、TODOリストにPDCAを加えて、短いサイクルで回すことが重要だ。
営業戦術の作戦(KPI)からサブKPIを設定
営業計画(営業アクションプラン)の実行責任者には、作戦(KPI)が与えられる。例えば、下記の営業戦略例であれば、営業戦術「WEB」の作戦(KPI)は、アクセス数とCV件数だ。このため、WEBの責任者には、「アクセス数とCV件数を向上する」という使命が与えられることになる。

BtoBの営業戦略の戦術に合わせたKPI設定
この時、「アクセス数とCV件数を向上する」という具体的な使命(KPI)があっても、「行動」に落とし込むには何をすべきか?が明確にならない。そのため、「アクセス数とCV件数」というKPIをさらに細分化するサブKPIを決めていくとよい。
サブKPIは、使命(KPI)を達成するために必要な細かいKPIのことだ。今回の例で言えば、「アクセス数とCV件数」が使命(KPI)であるため、サブKPIとしては、「SEO対策すべき検索キーワード数」「上位表示取得済みキーワード数」「導線誘導率」「フォームからのCV率」がサブKPIとして必要になる。
このように、使命(KPI)をさらにサブKPIに分解することから始めよう。サブKPIに分解することで、やるべきことをより明確にできるからだ。サブKPIの概念を図解化すると下記図のようになる。

使命(KPI)をさらにサブKPIに分解する例
サブKPIから営業行動を具体化
サブKPIに分解したら、サブKPIからやるべきこと(TODO)を明確化する。より具体的なKPIになっているため、TODOも明確化しやすい。上述したサブKPIの例からTODOを具体化すると下記のようなTODOリストとなる。
| TODO | 概要 |
|---|---|
| SEO対策すべき検索キーワードの調査 | SEO対策すべき検索キーワードをリストアップし、サブKPI「SEO対策すべき検索キーワード数」を増やしていく。 |
| 上位表示取得済みキーワードの確認 | 実際にSEO対策が成功しているキーワードを把握し、SEO対策の効果を計測する。 |
| 導線設置 | 問い合わせフォームに誘導する導線をWEBサイトに設置し、サブKPI「導線誘導率」を高める。 |
| 導線誘導率の確認 | 実際にフォームへの誘導率がどのくらい上がったのかを確認する。 |
| フォームからのCV率確認 | CV率を改善するためホワイトペーパーなどを制作し、サブKPI「フォームからのCV率」を高める。 |
| フォームからのCV率向上 | 実際にサブKPI「フォームからのCV率」が改善したかを確認する。 |
営業行動に「いつ」「誰」を加えて計画表にする
TODOリストは「営業の行動」そのものであるため、その各行動に対して、「いつまでに」「誰がやるか?(誰とやるか?)」を決めていく。「いつまでに」「誰がやるか?(誰とやるか?)」を決めていく際には、下記のような計画表を作り、うめていくとよいだろう。

営業アクションプラン(営業計画)のサンプル
営業計画(営業アクションプラン)を作る際には、かならずPDCAもTODOに入れておこう。営業戦術は上述した通り、具体的なノウハウが必要となり、成功するとも限らない。そのため、特に不安な営業戦術については、PDCAサイクルのタイミングを早くし、素早く成果につながるように計画立てておくことが重要だ。
このような営業計画(営業アクションプラン)を営業戦術の実行責任者が作成し、戦略立案した担当者が集約すると、営業戦略全体のアクションプランとなる。
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【無料DL】営業計画(営業アクションプラン)のテンプレート・フォーマット(エクセル)

営業アクションプラン(営業計画)のサンプル
上記でご紹介した営業計画(営業アクションプラン)のエクセルを下記からダウンロードできるので、簡単なフォーマットであるが参考にしていただけたら幸いである。
使い方は、まず使命(KPI)を定めよう。例では「アクセス数とCV件数」を指標にしている。続いて、そのKPIを進捗させるために必要なアクション(TODO)をできるだけ書き出す。そして、その各アクションにおけるKPI、つまりサブとしてのKPIを記載していく。
最後に、そのアクションを誰がやるかを決めたら、あとはスケジュールを策定する。こうすることで、ざっくりしたイメージではなく誰が見ても共通認識を持てる営業計画(アクションプラン)を作れる。
営業計画(アクションプラン)の具体例
ここからは、営業計画(アクションプラン)の具体例を紹介していく。自身が関わる部門の参考にしてみてほしい。
新規営業のアクションプラン例
| 使命(KPI) | TODO | サブKPI | 誰が・誰とやるか |
|---|---|---|---|
| 新規商談を月間20件創出する | 認知拡大の広告施策を実行する |
|
|
| リード獲得用のホワイトペーパーを制作し導線を整備する |
| マーケ | |
| 展示会・ウェビナーでリード獲得を行う |
|
| |
| 獲得リードを即時フォローし商談化する |
|
|
新規営業のアクションプランは、認知拡大→リード獲得→即時フォロー→商談化までの流れを一気通貫で設計するのが要である。例にある広告・ホワイトペーパー・展示会は「実施した」だけでは成果にならないため、サブKPIで詰まり箇所を特定できる形にしておくとよいだろう。
ルート営業のアクションプラン例
| 使命(KPI) | TODO | サブKPI | 誰が・誰とやるか |
|---|---|---|---|
| 既存売上の前年比110%を達成する | 新規課題の調査を実施する |
| ルート営業担当 |
| クロスセル・アップセル提案を行う |
| ルート営業担当 | |
| 解約の兆候を検知し、更新・継続の障害を潰す |
| ルート営業担当 |
ルート営業は、いきなり提案を増やすのではなく、新規課題の調査と状況把握を優先する。顧客の現状が見えると、提案が押し売りにならず、アップセルの受注率が上がるためだ。
一方で、アップセルやクロスセルによる売上だけを追うと顧客が抱える課題の調査が薄くなり、無理な提案によって関係性が悪化する危険性がある点には注意しよう。
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インサイドセールスのアクションプラン例
| 使命(KPI) | TODO | サブKPI | 誰が・誰とやるか |
|---|---|---|---|
| ホットリードを月間25件創出する | 電話フォロー営業を実施する |
| インサイドセールス |
| メルマガ配信で接点を増やし反応を取る |
|
| |
| 課題ヒヤリングを行い商談化できるか判断をする |
| インサイドセールス | |
| 商談の質を担保するための情報連携を徹底する |
| インサイドセールス |
インサイドセールスの計画は「量(接点回数)」と「質(商談の深さ)」を両立させる必要がある。電話とメールの活動量だけを追うと、形だけのアポが増えてフィールド側で失速しやすいので、差し戻し率などの指標をサブKPIとして必ず置くのがポイントになる。
広告部門のアクションプラン例
| 使命(KPI) | TODO | サブKPI | 誰が・誰とやるか |
|---|---|---|---|
| CVを月間100件獲得する | 主要キーワード・訴求軸を設計し広告キャンペーンを構成する |
|
|
| LPと広告文の整合性を高め、CV導線を最適化する |
|
| |
| クリエイティブのABテストを回す | CVR |
| |
| 無効CVを減らすための条件設計・除外設定を行う |
|
|
広告部門の計画で重要なのは「CV数」だけでなく「有効なCV(営業につながるCV)」を使命に置くことである。良い計画は、キーワード設計、LP最適化、ABテスト、無効CV対策がセットになっており、数字を見て改善を回せる。特にBtoBは「資料請求は多いが商談にならない」が起きやすいので、無効CV率や有効リード率をサブKPIとして必ず管理したい。
成果につながらない悪い例は、クリック数やCTRだけを追い、フォームやCV後の質を見ないことだ。また、予算消化が目的化し、検索語句の除外やLP改善など地道な最適化が計画から抜けると、CVが増えても営業負荷だけが上がってしまうだろう。
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営業計画(営業アクションプラン)立案後のチェックポイント
営業計画(営業アクションプラン)を立案しても、実際に活用できるものでなければ立案する意味がない。営業計画(営業アクションプラン)を立案したら、下記のポイントを押さえられているか確認してほしい。
- 実現できる計画になっているか
- 定量的な目標になっているか
- PDCAを回せているか
営業計画(営業アクションプラン)に実現性がなかったり、定量的な目標を立てられていなかったりすると、遂行したところで成果は期待できない。営業担当のモチベーションが下がる可能性もあるため、実現できる計画か、定量的な目標か確認することが重要だ。また、最初に立てた営業計画(営業アクションプラン)で成果が出るとは限らないため、PDCAを回しながら改善していく必要がある。
実現できる計画になっているか
営業計画(営業アクションプラン)に実現の見込みがなければ、実施しても成果を期待できない。実現性のない計画の代表例には、欲望のままに高い売上目標を設定しまうことが挙げられる。例えば、自社のスキルやリソースを大幅に上回る目標を設定したり、目標を達成するために必要な顧客数がそもそも国内では満たせない場合だ。
高い成果を出したいがために実現の難しい計画を立てた場合、計画が失敗に終わるだけではなく、営業担当のモチベーションが下がってしまう場合がある。そのため、営業計画(営業アクションプラン)を立案した後は現実的な目標か、自社のリソースで行えるものか、それだけの数値を達成するだけの顧客数(市場規模)があるか?について確認してほしい。
定量的な目標になっているか
立案した営業計画(営業アクションプラン)の目標が定量的でないと、実行責任者は何をどれだけすればよいのか判断できない。例えば、「商談数を増やす」という目標の場合、いつまでにどれだけの商談数を増やせばよいのか明確になっていないため、目標を達成するために必要な行動も曖昧になっている。
営業計画(営業アクションプラン)の目標を設定する際は、最終的なゴールであるKGIから逆算してKPIの目標値を明らかにしてほしい。なお、KPIを設定する際は、定量化だけではなく、「SMART」を意識することが重要だ。「SMART」は以下の頭文字を取ったものである。
- Specific(明確性)
- Measurabe(測定可能)
- Achievable(達成可能)
- Related(関連性)
- Time-bounded(適時性)
PDCAを回せているか
営業計画(営業アクションプラン)を遂行して、KPIを効率的に達成するために、PDCAを回すことが重要だ。PDCAとは、「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」といったサイクルを繰り返すことで、継続的に改善する手法である。
営業計画(営業アクションプラン)を遂行しても、すぐに成果が出るわけではない。計画を実行した後は、目標達成の度合いを分析して、改善すべKPIや具体策を検討する必要がある。PDCAを怠った場合は、成果の出ない営業計画(営業アクションプラン)を遂行し続けることとなるため、必ずPDCAをおこなってほしい。
PDCAの具体的な回し方については、下記のコラムを参照いただけたらと思う。
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営業計画(アクションプラン)を立てられない原因
営業計画(アクションプラン)を立てられない原因は、次の通りである。
- 営業戦略と営業計画の違いを理解できていない
- KPIが曖昧で、行動に分解できていない
- 営業戦術ごとの役割・実行責任者が不明確
- PDCAを前提にした計画になっていない
営業計画が作れないときは、能力の問題ではなく「何を、どのように策定すればいいか」の前提がわかっていない場合が多い。
営業戦略と営業計画の違いを理解できていない
第一に、営業戦略と営業計画の違いを理解することは必須条件だ。典型例は「営業戦略=営業計画」だと思い込み、方針や目標を作った段階で“やることは決まった”と錯覚してしまうケースである。
例えば「製造業の新規開拓を強化する」「既存顧客からの売上を伸ばす」といった言葉は方向性としては正しいが、これだけでは現場が具体的に何をやるべきかが決まらない。目標を決めた人の頭の中にはあるのだろうが、大事なのはアクションを実行する担当者と同期することだ。
営業計画に必要なのは、行動と責任と期限の具体化である。戦略は「どこで勝つか」を決めるもの、計画は「どう実行するか」を決めるものだ。この区別がないと、資料だけ立派で、実行できない状態になる。
KPIが曖昧で、行動に分解できていない
KPIが曖昧だと、やるべきことを分解できず、結果として計画が作れない。「売上を上げる」「商談を増やす」で止まっている状態では、何をどれだけやればよいかが決まらないだろう。そうなると進捗の判断もできず、計画が“気合いと根性”になってしまう。
KPIは、行動に落としこめる粒度まで具体化して初めて意味を持つ。例えば「商談を増やす」を「月間新規商談20件」のように数値化し、そこからやるべきことをブレストすれば、「有効リード数」「初回接触48時間以内率」「商談化率」などのサブKPIが柔軟に設定できる。
営業戦術ごとの役割・実行責任者が不明確
営業戦術ごとの役割や実行責任者が不明確だと、「誰が何をやるのか」が決まらず、計画は立てられない。特に多いのが「営業部全体で頑張る」という状態である。この状態では、タスクが宙に浮き、優先順位も決まらず、結局は各自が自分のやりやすいことだけをやる。結果として、重要な施策ほど手付かずになる。
営業計画では、戦術ごとに実行責任者を置く必要がある。例えば、認知拡大は誰、リード獲得は誰、フォローは誰、既存の掘り起こしは誰、といったように“誰のタスクか”を明確にしなければならない。
PDCAを前提にした計画になっていない
PDCAを前提にしない営業計画は形骸化しやすい。一度作った計画を修正しないまま走ると、ズレが出ても軌道修正が難しいためだ。「やってみて、改善する」という認識がないと、「意味を感じないが達成しないといけない」感覚になり帳尻合わせになりやすい。そもそも営業活動は外部要因(市場や競合など)で想定通りにいかないのが普通であり、失敗することを考えていない計画は破綻しやすい。
重要なのは「できなかったから目標を下げる」ではなく、「より正しい打ち手に変える」ことである。数値を見て、どこが詰まっているのかを判断し、TODOの順番や量、担当、手段を調整する前提で設計すれば、計画は“形骸化された形だけの仕組み”ではなく“会社の売上を増やすための仕組み”になる。
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まとめ
以上、営業計画(営業アクションプラン)の立案プロセスについてサンプルフォーマットを交えながらご紹介した。営業計画(営業アクションプラン)は、営業戦略が立案されていないと策定できないため、まずは営業戦略立案から始める必要がある。その戦略立案の過程で、営業計画(営業アクションプラン)を立案する。全体の流れをまとめると下記のようになる。
- 営業目標を決める(KGIとKPI)
- 営業戦略に必要な事前分析を行う
- BtoBの営業戦術・営業方法として何があるのかを理解する
- 戦略立案フレームワークを使って営業戦略を立案する
- 営業戦略を作戦に分解する
- 作戦毎に戦術を選定する
- 営業計画(営業アクションプラン)を立案し実行する
上記の「営業計画(営業アクションプラン)を立案し実行する」のプロセスは下記の通りだ。
- 営業戦術の作戦(KPI)からサブKPIを設定
- サブKPIから営業行動を具体化
- 営業行動に「いつ」「誰」を加えて計画表にする
このプロセスを進めることで、下記のような営業計画書が埋まっていき、具体的な行動として落とし込める。

営業アクションプラン(営業計画)のサンプル
ただ、営業計画(営業アクションプラン)を立てたからといって、必ず成果が出るわけではない。立案した後は短いサイクルでPDCAを回しながら、改善策を検討することで改善を目指す必要がある。
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