営業目標の立て方|具体例から目標設定方法(KGIとKPI)まで実践的に解説

営業目標の立て方。KGIを決める方法とKPIを設定する方法
Last Updated on 2026年3月12日 by 荻野永策

このコラムでは、営業戦略の立案に必要な営業目標(KGIとKPI)の決め方について解説する。営業にはKGIとKPIがあり適切な目標数値を設定しなければならない。そのためにはどのような考え方でKGIとKPIを営業目標として設定するのかを解説する。

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営業のKGIとは

KGIとは、プロジェクトの最終的な目標を定量的に示した指標のことだ。「Key Goal Indicator」の頭文字を取ったもので、重要目標達成指標とも呼ばれる。最終目標を数値化しない場合、目標を達成できたのか判断することが難しいうえに、達成度合いも判断できずに非効率な活動となってしまう。そのため、数値を用いて具体的に設定することが重要だ。

営業戦略のKGIは、営業活動における最終目標のことだ。売上(金額や件数)、シェア率が設定されることが多い。

営業戦略におけるKGIの項目例
  • 年間売上 10億円 を達成する
  • 四半期ごとの売上 2億5,000万円 を達成する
  • 年間の新規契約件数 500件 を獲得する
  • 特定商材の市場シェアを 25% まで拡大する

営業のKPIとは

KPIとは、最終目標に向かって適切に行動できているかを確認するための指標だ。「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったもので、重要業績評価指標とも呼ばれる。「KGIを達成するために必要な評価指標」と考えればわかりやすいだろう。

KPIを設定すると定期的に活動を振り返りやすくなるため、PDCAを回しながら業務を改善することが可能だ。

営業戦略のKPIは、営業活動の過程を評価するために設けられる中間目標のことだ。新規リードの獲得件数や新規顧客数が設定されることが多い。たとえば、「年間の新規契約件数 500件 を獲得する」というKGIの達成のためには、そもそも新規のリードが絶対に必要になる。加えて、リードを契約につなげるためには訪問回数も重要になってくるだろう。

営業戦略におけるKPIの項目例
  1. 新規リードの獲得件数
  2. 平均客単価
  3. 営業訪問回数
  4. 商談獲得件数
  5. 受注率

このように、KPIは一つではなく複数の評価指標からなる場合が多い。これらの中間的な数字目標を達成することで、結果的にKGIが達成されるというわけだ。

営業KPIとは?102個の営業活動KPI例と設定方法、指標の決め方

2026年3月12日

営業目標の立て方

KGIは営業の最終目標であるため、「売ってくること」「新規顧客を見つけること」といった努力目標では意味がない。具体的な数値で目標を設定する必要がある。

営業目標、つまりKGIの数値目標は自社内で自由に決めることができ、その決め方は大きく3つの方法がある。1つは「自社目線で決める」、もう1つは「過去実績から決める」。最後に「市場目線で決める」方法だ。

自社目線で決める

「自社目線で決める」のは、その名の通り、ほしい売上を経営者や営業責任者、事業責任者が決めてしまうという決め方だ。弊社のお客様でも、「上層部から年間100件の売上が目標と設定された」「年間10億円を売ることが目標と設定された」といった話をよく聞くが、「なんでその数値なんですか?」と聞き返すと、「製品開発費用を回収したいから」「競合に負けたくないから」のような理由となっていた。

少し乱暴なケースになると、「とにかく儲けたいから」といった理由で欲望のままに設定されることもあるようだ。こうなると正直目標値はキリがない。

このように、自社の事情や欲望をベースに営業戦略のKGIを設定すると、ひどい場合は実現不可能な数値(自社のリソースでは不可能、もしくは市場規模で不可能)が設定されてしまうことになる。そもそもの目標が不可能であるため、いつまでたっても目標達成はできず、担当者も評価されない。

過去実績から決める

「自社目線で決める」と似た決め方として、自社の過去実績をベースにKGIを設定する方法もある。これは「昨年は売上8億円だったから、今年は10億円を目指そう」「前期の契約件数が80件だったから、今期は100件にしよう」といったように、これまでの結果を起点に目標を組み立てる考え方だ。

過去実績から決めるメリットは、現実離れしにくく、社内の納得感が得やすい点にある。すでに達成してきた水準やその延長線上で考えるため、「自社のリソースで本当に実行できるのか」という観点で見たときに破綻しづらい。また、前年(前期)との比較もしやすく、改善の方向性も見えやすい。

一方で、過去実績をそのまま当てはめるだけだと、市場など外部環境の変化を無視しがちだ。市場が伸びているのか縮小しているのか、競合の状況や商材の成熟度などの条件が変わっていれば、同じ伸び率が再現できるとは限らない。

市場目線で決める

「市場目線で決める」というのは、自社の製品・サービスを購入してくれそうな企業がターゲット市場(例えば国内など)において、総母数としてどのくらいあるのか?を調査し、そこから売上目標を決めていく決め方だ。

ある特定業種・業界を狙った商材・サービスであれば、市場目線で決めないと、無謀な目標値になってしまう。例えば「従業員100名以上の印刷会社」を対象に、「印刷設備を売る」ことを考える場合、自社の商圏において、そもそも「従業員100名以上の印刷会社」がどのくらいあるのか?を調査する。その上で、母数から逆算して目標を設定する。

実現性はより高くなるが、事業の採算性が取れないといったジレンマを抱えることがある。上述したように製品開発費用がかかっているため、この目標だと開発費を回収できないといったことが発生する可能性がある。

このため、自社目線での決め方も考慮しながら、市場目線で決めていく必要がある。

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営業目標を可視化するKPIツリーとは

いずれかの方法で営業目標のKGIを決めたら、次はKPIである。KPIはKGIを達成するために必要となる中間指標であるため、「このKPIさえ達成できればKGIは達成できる」というKPIを設定し、その各KPIに対して数値目標を決めなければならない。そのため、まずはKPIの設定から始める。

KPIの設定は、KGIを達成するために「やらなければならないこと」をリストアップし、その「やらなければならないこと」別にKPIを設定するとよい。イメージ図にすると下記図のようになる。

KGIからKPIを設定する

KGIからKPIを設定する

KPIが設定できたら、さらに各KPIに対して「やらなければならないこと」をリストアップしKPIを細分化していく。イメージ図にすると下記図のようになる。

KGIからKPIをさらに細分化する

KGIからKPIをさらに細分化する

上記図のように、KGIをTOPにして、KPI、サブKPI、サブサブKPIという具合に、KPIは階層構造を持ちながら設定されていく。これをKPIツリー(ロジックツリー)という。

KPIツリー(ロジックツリー)の例
KPI例サブKPI例
KPI①顧客数 サブKPI①新規顧客
サブKPI②既存顧客
KPI②顧客の平均単価 サブKPI①平均の購入個数
サブKPI②商品単価
KPI③アクセス数 サブKPI①SEOにおける検索結果10位以内のキーワード数
サブKPI②SEOにおける対策キーワード数

上記表のように、KPIは細かく分解していくことができる。例えば、顧客数は新規顧客と既存顧客に分解できるため、それぞれをサブKPIとして設定する。そうすると、サブKPIが増加すれば、KPI「顧客数」も増加することになる。このようにKPIを細かく分解してくことで、具体的なKPIが設定できるようになる。

KPIツリー(ロジックツリー)を作るには、「やるべきことは何か?を分解する能力」が必要になる。これができなければ、最適なKPIを設定することができず、KPIを改善してもKGIが向上しないというジレンマを抱えることになる。要するに無駄なリソースを使うことにつながってしまう。

営業の中間目標(KPI)の決め方

営業戦略のKPIツリー(ロジックツリー)が完成したら、各KPIの目標値(目安)を決める。各KPIの目標値(目安)は、その目標値をすべて達成したらKGIも達成しているという目標値(目安)にしなければならない。そのため、目標値(目安)の決め方としては、下記2つの方法がある。

営業戦略のKPIの目標の決め方
  1. KGIから逆算して決める決め方
  2. KPIの目標値(目安)を社内調査・デスクリサーチして決める決め方

KGIから逆算して決める方法

1つ目の決め方は、KGIから逆算して決めていく方法だ。最終目標値であるKGIが決まっているため、そこから逆算して、必要なKPIを埋めていくのである。KPIツリー(ロジックツリー)の上位階層から下位階層へ向かって計算しながら数値を埋めていくのだ。

例えば、KGIを売上1000万円としよう。このKGIから逆算してKPIを決めていくことになるため、客単価は10万円、顧客数は100社という具合に決めていく。売上=客単価×顧客数となるため、合計で1000万円となる。さらに、顧客数は100社であるが、既存顧客を60社、新規顧客を40社という具合にさらに細分化して決めていく。これが、逆算して決める方法だ。

このとき、あるKPIに負荷が大きくかからないようにバランスを考慮するのと、自社のリソースを考慮すると良い。あるKPIに負荷をかけすぎると、そのKPIを実現するために時間がかかりKGI達成にも時間がかかる。加えて、あるKPIの改善や向上施策に詳しい自社のリソース(担当者)がいる場合は、あえてそのKPIに期待を込めて大きな目標値を設定するのもありだ。そのかわり、予算や人員配分はしっかり割り当てることも重要だろう。

実現性のあるKPIを設定しながら全体を最適化していく作業になるだろう。

KPIの目標値(目安)を社内調査・デスクリサーチして決める方法

2つ目の決め方は、KPIの目標値(目安)を社内調査・デスクリサーチして決める方法だ。

社内調査とは、過去の自社データを調査する方法だ。例えば、DM送付の経験があるなら、その時の反応率などを過去の担当者に確認し、KPIとしてどのくらいの数値が現実的なのか?を把握するのである。

KPIツリー(ロジックツリー)を細分化していくと、だんだん現場に近いKPIになるため、階層が深くなればなるほど、DMの反応率、電話のアポイント率といったKPIが出てくる。そういった数値の目標値(目安)が自社内にあるなら現実的な数値として目標値化するといいだろう。

デスクリサーチとは、既存の文献や資料、WEBサイトから必要な情報をリサーチすることをいう。社内調査してもデータがない場合は、効果的である。特にネット上にはさまざまなデータがホームページ上で公開されているため、目標値(目安)の参考になるデータが見つかる可能性が高い。生成AIにデータをまとめてもらうといった方法も有効である。

この2つの決め方をベースに、KPIツリー(ロジックツリー)の各KPIの目標を決定するとよい。最終的にどうしても判断がつかない場合は、「このくらいを目指そう」と決断するのも1つの方法である。実際にやってみれば、実現性があったのかなかったのか、判断もできるようになるからだ。

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営業の目標設定に含めたい項目

会社や組織としての営業目標を達成するための仕組みとして、目標設定シートなどを作成して個人の評価を行う場合が多いだろう。営業担当者それぞれに設定された目標が達成されれば、最終的に会社としての営業目標も達成される。

営業の目標設定で含めたい項目は次の4つだ。

  • 会社の利益に直結する項目
  • 定量だけではなく定性的な数字以外の項目
  • 行動を評価する項目
  • 個人が自ら設定する項目

「営業=売上を追う」という主軸だけではなく、直接的に売上を高めるものではないが間接的にそれを実現する項目を軽んじてはならない。

これらを組み合わせることで、会社としての成果(数字)と、成果を生むための行動(プロセス)、さらに個人の成長までを一体で設計できる。結果として、目標が「やらされ感のあるノルマ」ではなく、達成までの道筋が見える「実行可能な目標」になりやすい。

会社の売上に直結する項目

会社の売上に直結する項目とは、営業活動の最終成果として会社の売上・利益に直接影響する指標のことだ。たとえば受注金額や契約件数、粗利などが該当する。これらは会社の経営そのものに直結するため、営業目標の“軸”として外せない。

  • 受注金額(年間5,000万円を受注する等)
  • 契約件数(月間20件の新規契約を獲得する等)
  • 粗利率(粗利率35%を維持する等)
  • 既存顧客のアップセル・クロスセル売上(既存顧客売上を月1,000万円まで伸ばす等)

会社の売上に直結する項目を含めた方がよい理由は、評価基準が明確になり、組織として同じ方向を向きやすくなるからだ。最終的に会社が求めているのは「売上・利益の創出」であり、そこに結びつく目標が設定されていないと、成果の判断が曖昧になったり、活動が自己満足で終わったりするリスクがある。

定量だけではなく定性的な数字以外の項目

定性的な数字以外の項目とは、数値として厳密に測りにくいものの、営業の成果に影響する「品質」や「状態」を評価する項目だ。営業は人が動かす仕事であり、提案の質、顧客理解、信頼関係の構築など、数字だけでは捉えきれない要素が成果を左右する。

  • 顧客課題の解像度(提案資料のテンプレートを作成する)
  • 関係性の構築(意思決定者や決裁者を全案件で把握する)
  • ナレッジの共有(失注理由と学びをチームに共有し、再発防止策まで落とし込む)

定性的な項目を含めた方がよい理由は、短期の数字に表れない“成果の種まき”を正しく評価できるからだ。数字だけを追うと、安易な値引きや無理なクロージングなど、長期的に見るとマイナスになる行動が増えやすい。一方、定性的項目があると、営業活動の質を高める方向にチームが進みやすくなる。

行動を評価する項目

行動を評価する項目とは、成果に至るまでのプロセスを可視化し、日々の営業活動そのものを評価対象にする指標だ。たとえば「商談数」や「提案数」などの活動量はもちろんのこと、それにつながる「架電数」も当てはまる。

  • 新規アプローチ数(週50件のターゲット企業にアプローチする)
  • 商談数(月15件の初回商談を創出する)
  • 架電数(デイリー(日)100件の架電を行う)

行動目標を含めた方がよい理由は、結果が出るまでの期間にブレがあっても、改善ポイントを特定できるからだ。売上は最終結果であり、達成できない理由が「商談が少ない」のか「成約率が低い」のか判断できないと、次の打ち手が見えない。行動目標があることで、営業活動を継続的に改善できる。

また、必ずしも努力した量が成果には結びつかないため、売上や契約数だけが目標になってしまうと日々の行動におけるモチベーションが生まれづらくなる人もいる。「なんでもアクションすればOK」というわけではないが、「成果に関わらず、その姿勢や動きは評価に値する」ことを示せる意味でも行動目標は重要となる。

個人が自ら設定する項目

個人が自ら設定する項目とは、会社や組織から与えられる目標とは別に、営業担当者自身が「自分の成長」や「強みづくり」のために設定する目標だ。スキル、専門性、習慣化など、本人が納得して取り組めるテーマを入れるのがポイントになる。

  • 商談スキル(ロープレの実施回数等)
  • 商品理解(商材知識の習得率、自社商材の導入事例を月5本提案トークに反映する等)
  • 生産性(毎日終業前に15分で案件の棚卸しと翌日の最優先タスク3件を決める)

これを含めた方がよい理由は、目標が“やらされ”から“自分ごと”に変わり、主体性が生まれやすいからだ。営業は成果が出るまでに試行錯誤が必要な仕事のため、本人が納得して改善を続けられる状態をつくることが重要になる。結果として、個人の成長がチーム全体の成果にもつながっていく。

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営業目標の具体例

ここからは、営業目標を「実際にどう決めればよいのか」がイメージできるように、チーム(部署)と個人それぞれの目標例を紹介する。

営業目標は、チームでは「会社の成果に直結する数字(KGI)を軸に、主要KPIと運用ルールまで落とす」ことが重要だ。一方で個人は、チーム目標に紐づけつつ、「自分が担当する範囲でコントロールできる指標」と「成長につながる項目」を組み合わせると、成果と再現性の両方を作りやすい。

チーム(部署)の目標例

新規営業チームルート営業チーム
  • 1Qの新規受注金額:8,000万円
  • 1Qの新規契約件数:40件
  • 平均受注単価:200万円以上
  • 受注率:20%以上
  • 初回商談数:月120件
  • 提案提出数:月60件
  • 1Qの既存顧客売上:四半期1.6億円
  • 既存顧客の契約更新率:90%以上
  • 1Qのアップセル売上:月1,000万円
  • 解約率:月1.0%未満
  • 優良顧客(上位30社)の定期訪問:月1回以上

チーム(部署)の営業目標を立てるときは、「商談数×受注率×単価」のように構造化し、どの要素をどれだけ伸ばすのかを明確にする。

加えて、新規営業と既存営業では追うべきKPIを変える必要がある。新規営業は商談創出から提案、受注までのプロセスが中心になる一方、ルート営業は更新・解約抑止・アップセルといった維持と拡大が主戦場になるためだ。

一方で、「売上だけ」「契約件数だけ」を目標にして、商談数や単価、受注率などへの分解がないと、プロセスを見直すことができない。また「架電数」や「訪問数」だけを追う目標は、ターゲットの条件や有効な商談の定義が曖昧な場合に数稼ぎになりがちで、成果に直結しにくい。さらに目標を詰め込みすぎて週次で追えない状態になると、結局は月末に帳尻合わせになるだけで、日々の改善が回らなくなる点には注意が必要だ。

個人の目標例

個人の営業目標は、チームで達成したい数字を各人に割り振った数字にするのがわかりやすい。もちろん、営業担当者によって役職やスキルセットは異なるため一律ではなく、たとえば「リーダーは月500万円」「一般職は月300万円」「新入社員は月100万円」のように設定する。

加えて、リーダーよりも一般職の方がスキルセットが乏しいとした場合、受注率も低いことが想定されるため「初回訪問数」や「架電数」など行動量で受注数をカバーできる目標の数字を多めに設定するといった調整も必要になるだろう。

新規営業の目標例

  • 新規受注金額:月500万円
  • 新規受注件数:月5件
  • 初回商談数:週30件
  • 案件化数:月10件
  • 受注率:20%以上

新規営業は「案件創出→提案→受注」を分解して、それぞれを目標化するのが基本だ。売上・受注件数などの最終的な指標に加え、初回商談数、提案数、案件化率、受注率、平均単価などのプロセスとなる指標をセットにする。

一方で、「架電◯件」「訪問◯件」ばかりの目標は、モチベーションが低い営業担当者を生み出す可能性を高める。無差別なアポで現場の工数を浪費する設計は典型的な失敗例だ。そうならないよう、足元の行動量が成果に結びつくロジックをもって営業目標を設定しよう。

ルート営業の目標例

  • 既存売上:月2,300万円
  • 契約更新率:92%以上
  • アップセル・クロスセル売上:月400万円
  • 上位顧客20社の定例訪問実施:月1回以上

ルート営業は「維持(更新・解約抑止)」と「拡大(アップセル・クロスセル)」を分けて設計する。売上だけでなく更新率、解約率、課題の更新など、将来の売上を守り伸ばす指標を置くのが重要だ。訪問数ばかりではなく、顧客の状態変化を捉えられる項目にすると成果につながりやすい。

「訪問回数を増やす」だけだと目的が曖昧で、会って終わりになりやすい。更新率や解約の兆候の把握・管理がないまま売上だけを追うと、値引きや無理な追加提案で不満を生み、長期では逆効果になる。

インサイドセールスの目標例

  • 商談機会の創出:月30件
  • 商談化率:15%以上
  • ナーチャリング件数:月50件
  • 引き継ぎ情報の必須項目記入率:100%

インサイドセールスは「商談の量」より「商談の質」を担保する設計が鍵だ。フィールドセールスが受注しやすい状態で渡せているかを基準にしよう。

商談の定義が曖昧なまま“数を作る”運用になると、受注に結びつかない案件が溜まりやすい。また、引き継ぎ情報が薄いまま渡すのも悪手で、現場の手戻りが増え、成約率の低下につながってしまう。

そのため、有効な商談(ホットリード)をきちんと定義し、いたずらにパスすることのない目標設定にできるかが重要となる。

営業アシスタントの目標例

  • 見積作成のリードタイム:平均1営業日以内
  • 受注処理のミス率:1%以下
  • CRM必須項目の入力率:100%
  • 定型業務の改善(自動化・標準化):月1件

営業アシスタントは売上ではなく「営業の生産性を上げる」観点で設計する。見積・契約処理のリードタイム、ミス率、CRM入力の欠損率など、品質に加えて作業速度に紐づく指標が中心になる。

「サポートを頑張る」「迅速に対応する」など曖昧な目標は、評価も改善もできず形骸化しやすい。作業の早さや対応件数ばかりを追うと、ミスや手戻りが増えて逆に営業の負担になることもある。

営業アシスタントの目標には、「言われたことをやる」ではなく「自身の目標達成のために、自ら営業担当者に働きかける」仕掛けがあるとよい。たとえば「CRM必須項目の入力率:100%」を達成するためには、自分から営業担当者に確認したり情報取得を急くなど、積極的に関わっていく必要性が生まれる。

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営業の目標設定におけるポイント

営業目標は「高ければよい」ものではなく、達成までの道筋が描けて、行動と改善が回る形になっていることが重要だ。ここでは、営業の目標設定で押さえたいポイントを整理する。

  • 現実的に達成可能な目標を設定する
  • 目標ごとの設定理由を数字で説明する
  • 会社全体だけではなく個人の成長も促す
  • 新人営業は行動目標を中心にする

これらはそれぞれ独立しているようで、実はつながっている。現実的な目標であることでモチベーションを保つことができ、数字で根拠を示すことで納得感が生まれる。さらに、個人の成長目標を組み合わせることで、短期的な成果だけでなく中長期の成果も出せるようになる。

現実的に達成可能な目標を設定する

現実的に達成可能な目標とは、単に「低い目標」ではなく、自社のリソース(人員・時間・予算)と市場環境(顧客数・競合状況など)を踏まえたうえで、達成の筋道が立たてられる目標のことだ。たとえば「売上10億円」という数字が、商談数・受注率・単価から逆算して到達可能であれば現実的だが、そもそも市場規模や営業人数から見て不可能なら非現実的になる。

現実的な目標を設定すべき理由は、未達が続く状態を避けるためであることはもちろん、従業員の士気を下げないためだ。達成不可能な目標は、現場が「どうせ無理」と判断して行動の質が落ちやすくなる。結果として担当者のモチベーションが下がり、離職や組織疲弊につながることもある。

反対に、現実的な目標は「何を変えれば届くか」が見えるため、各々が「どうすればいいか」を自ら考えやすくもなる

目標ごとの設定理由を数字で説明する

目標の設定理由を数字で説明するべき理由は、目標が「願望」ではなく「計画」になるからだ。数字で説明できると、達成に必要な条件が明確になり、現場は納得して動ける。また、未達になった場合でも「商談数が足りなかったのか」「受注率が落ちたのか」など、原因を特定して改善につなげられる。

たとえば「四半期売上9,000万円」を目標にする場合、

平均単価:200万円
受注率:20%
必要な受注件数:45件(9,000万円÷200万円)
必要な提案件数:225件(45件÷20%)

のように逆算し、「月あたり提案○○件が必要だから、初回商談は月○○件を作る」と落とし込める。こうすると“やるべきこと”が明確になる。

反対に「競合に勝ちたいから売上10億円」「前年より気合いを入れるから契約100件」など、数値の根拠が説明されない目標は、達成までの道筋が描けない。未達でも原因が分からず、月末に無理な値引きや強引なクロージングに走るなど、悪循環を生みやすい。

会社全体だけではなく個人の成長も促す

会社全体の成果だけを追うと、短期的な数字は上がっても、個人のスキルが積み上がらず、結果として組織力は弱くなる。営業は「属人化しやすい仕事」でもあるため、個人の成長を目標として組み込み、成果が出る型を作っていくことが重要だ。個人の成長が進めば、成果のブレが小さくなり、チームとして安定して目標達成しやすくなる。

新人営業は行動目標を中心にする

新人営業は、経験や案件数が不足しているため、いきなり売上や受注件数などの結果目標だけを背負うと、運や環境に左右されやすくなる。結果として「何が悪いのか分からない」「自信を失う」という状態になりがちだ。

だからこそ新人は、まず成果につながる行動を積み上げるために、行動目標を中心に設計するのが効果的だ。

【新人営業の行動目標の例】
  • ターゲット企業のリストを毎日50件作成
  • 毎日50件のターゲットに一次アプローチを行う
  • 初回商談の議事録を当日中に作成し、上司レビューを受ける
  • 商談後24時間以内にフォロー連絡を必ず入れる
  • ロープレを週2回実施し、想定質問への回答を改善する

自走するためには何より経験が必要だ。まずは自身のアクションで増やせる経験から場数を踏み、そのプロセスを通じて知識を付けていく。最初から最終的な成果(売上など)を求めても、どうすればいいかを考えること自体が難しいため、早期離職などにつながりかねない。

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営業目標(KGI・KPI)は適切な数値に決めよう

以上、営業戦略の目標(KGIやKPI)の設定・決め方について解説した。営業戦略を立案しても営業目標が適切な数値になっていなければ、いつまで経っても達成されない(もしくは達成できない)といったことになる。このため、営業目標の設定は非常に重要だ。現実的な数値目標を設定し、現場に浸透させていこう。

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役社長。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年3月に修士課程を修了。同年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。2025年7月に顧客の質と量のバランスを重視するBBM(バランスベースドマーケティング)を考案。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つ。→セミナー講演実績→コンサル実績