営業資料の作り方と必須項目|今すぐ使えるテンプレートや作る際のポイントを解説

営業資料の作り方と必要項目とは?雛形(テンプレート)を用いて解説
Last Updated on 2024年4月24日 by 荻野永策

営業資料は、商談やテレアポ後のフォローアップ、社内稟議などさまざまなシーンで使用される。精度の高い営業資料を用意し標準提案資料(標準営業資料)として営業部内で共有活用することで、営業力の底上げにもつながる。そのため、営業戦略においても非常に重要なツールの1つと言える。今回のコラムでは、営業資料を作成するポイントや項目について紹介する。すぐに使えるテンプレートや営業資料を無料で作成できるツールも紹介するので、参考にしてほしい。

営業戦略や営業計画の立案に役立つ資料・テンプレート
営業戦略や計画の立て方、PDCAの回し方、分析の仕方などについてわかりやすくまとめたPDF資料が無料でダウンロードできます。戦略や計画立案、PDCAに必要なテンプレートもついています。

営業戦略のテンプレート集

PDF資料の主な内容

  1. 営業目標(KGI・KPI)の決め方
  2. 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
  3. 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
  4. デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
  5. アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
  6. PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
  7. デジタルを活用した戦略立案の具体例
  8. 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例

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営業資料を作る際のポイント

営業資料の主な使用シーンはさまざまである。対面営業の際の説明資料、メール営業での添付資料、見込み顧客が社内承認を得るときなどだ。見込み顧客の視点を考慮して営業資料を作成すれば、顧客側の自社商品・サービスへの理解が深まり、結果的に成約につながりやすくなる。

効果的な営業資料を作成するポイントは、以下の通りだ。

  • 2つの独自性を持たせる
  • 「読む」ではなく「見る」ことを意識する
  • 社内で共有されることを前提に料金や導入効果・事例を記載する
  • 1スライド1メッセージ
  • フォントサイズやカラーにルールを設ける

2つの独自性を持たせる

営業資料を作成する際、最も重要と言えるポイントは、独自性だ。なぜなら、いわずもがな、BtoBの場合、競合他社と比較検討されることが多いからだ。

営業資料における独自性には、主に2つの独自性がある。1つ目は、「伝わりやすさ」の独自性だ。読みやすい、わかりやすい構成とデザインで独自性を強化していく。そして、2つ目は、「コンテンツ」の独自性だ。BtoBでは、特に「課題解決のプロセスや方法、課題を解決できる理由に独自性があるかどうか?」が重要となるだろう。見込み顧客が解決したいと考えている課題に対して、「こういうプロセスや方法で解決する」「こんな理由で解決できる」というプロセスや理由に特長を持たせていくことで、独自性を訴求できることとなる。

この2つは両方とも重要な要素ではあるが、BtoBの場合は「コンテンツ」の独自性が最も重要で、その次に、「伝わりやすさ」となる。なぜなら、「伝わりやすい資料だったから買う」という企業は、言わずもがな少なく、やはり「課題解決に貢献できそうかどうか?」で判断するためだ。

「読む」ではなく「見る」ことを意識する

営業資料の作成において、資料が見込み顧客に“読まれる”ものではなく、“見られるものであることを意識することが重要だ。特に商談時には、営業資料は口頭での説明を補強する役割を担っており、その場で読み込んでもらうものではない。

例えば、コスト削減の成果を説明する際、資料に「当社サービスを導入することで、●●円のコスト削済を実現しました」という文章を記載しているだけでは、口頭での説明を補強できない。しかし、グラフやチャートを使用して視覚的に成果を示せば、すぐにどの程度の効果があるのかを把握できる。

これらのことから、限られた時間内で直感的に内容を理解できるように、一目で理解しやすいデザインにする必要がある。

社内で共有されることを前提に料金や導入効果・事例を記載する

商品やサービスの魅力が担当者にどれだけ伝わっても、最終的な承認は社内の決裁者が行う。決裁者が導入価値を感じることが受注には必須だ。担当者が稟議に回す際に営業資料を使うことが多いため、決裁者に興味を持ってもらえるように工夫する必要がある。

料金は決裁時の重要な判断基準であるため、料金体系を明瞭に記載しよう。また、導入効果も重要であるため、数値を用いて具体的に説明すると、決裁者に価値が伝わりやすい。BtoBの場合の導入効果については、下記のような具体例が考えられる。

  • コスト削減(例:当社の製品で●●円(または%)のコスト削減に成功)
  • 利益向上(例:当社の製品で●●円(または%)の利益増加に成功)
  • 時間削減(例:当社の製品で●●業務の時間が●●時間(または%)削減に成功)
  • 品質や精度向上(例:当社の製品で不良品の発生率が●●%低下)

数値で導入効果を記載する場合は、効果の指標を明確にし、導入・購入前後での比較を行うことで、導入効果として記載ができる。嘘の記載をすると、大変な問題になる可能性もあるため、数値的な効果については、お客様に確認して確証を得ておくことが重要だ。

また、数値での導入効果の記載が難しい場合は、「導入事例」として、お客様インタビューを行い、そのインタビュー記事のサマリーを営業資料に掲載することも効果的だ。例えば下記のような内容をお客様にヒヤリングしその内容を掲載する。

  • 製品・サービスを導入された理由・選んだ理由
  • 製品・サービスを導入後、解決できた課題

このように、営業資料を作成する際は、決裁者の視点も意識して、具体的にわかりやすく料金体系や導入事例を提示することが重要だ。資料の説得力を高め、決裁者に価値を感じてもらいやすくなる。

1スライド1メッセージ

「1スライド1メッセージ」を原則として、営業資料を作成することがおすすめだ。1枚のスライドに情報が多い場合、内容が複雑となり、受け手が理解しにくくなってしまう。

営業資料では、サービスの機能や導入効果、料金表など、複数のポイントを説明する。これらを一つのページに詰め込むと、文字がごちゃごちゃして見にくいうえに、それぞれについて説明するスペースも限られる。そのため、サービスの機能は1ページ、導入効果も1ページといったように、ポイントごとにページを割り当てよう。紙芝居のように説明するといったイメージを持つとわかりやすいだろう。

もしスライドの数が多くなりすぎる場合には、一旦、ページ数が多くなってもよいので、伝えたいことを伝える営業資料を作成しよう。その上で、後で全体を見直し、「同じようなことを伝えているページ」「1ページにまとめられるページ」などがあればページ削減をしよう。

フォントサイズやカラーにルールを設ける

感覚に頼ってフォントサイズやカラーを選ぶと、資料全体に統一感がなくなり、また、受け手にとって重要な情報が何かがわかりにくくなる恐れがある。例えば、あるページでは強調したい部分を赤色にしているのに、別のページでは青色や黄色を使うと、受け手はどの情報が特に重要なのかわからず混乱しやすい。

「中見出しのフォントは○ポイント、本文は○ポイント」といった形で、見出しや本文のフォントサイズをあらかじめ決めておくとよい。使用するカラーは数色(3色程度)以内にとどめ、通常のテキストには黒色やグレー、強調したい箇所には赤色を用いるなどして、情報の重要度を視覚的に区別しやすいようにしよう。

資料作成のルールとしてフォントサイズやカラーについて定めておくと、見やすい資料作成につながる。作成時にフォントサイズやカラーに悩むこともなくなり、作成時の負担も減るので、ルールはあらかじめ決めておくとよい。

営業戦略や営業計画の立案に役立つ資料・テンプレート
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営業戦略のテンプレート集

PDF資料の主な内容

  1. 営業目標(KGI・KPI)の決め方
  2. 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
  3. 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
  4. デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
  5. アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
  6. PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
  7. デジタルを活用した戦略立案の具体例
  8. 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例

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営業資料の項目と作り方

営業資料の主な項目は、以下の通りだ。下記の項目を最低限押さえつつ、自社製品・サービスの特性に併せて、項目を追加・修正しよう。

営業資料の主な必要項目
表紙 資料の内容が明確にわかるタイトルをつける。
会社紹介 自社紹介のページ。会社名や代表者名などを記載。
解決したい課題と
実現したいことの整理
顧客が解決したい課題や実現したいことをまとめたページ。よく発生する課題として課題を整理する。
製品・サービスの概要 製品やサービスの概要(機能や仕様、全体像など)を説明するページ。製品の場合は「モノ」があるため製品画像を入れる。サービスの場合はサービスの全体像を作図する。
特長・強み 機能、仕様、スペック、過去の経験(実績)などから、強みや特長を明確に説明する。
課題解決できる理由 最初に定義した課題をどのように解決するのか、なぜ解決できるのか?を解説したページ。こういった機能や特長があるため、こういう理由やプロセスで解決できるという具合に紹介する。
導入事例や効果 課題解決できた実際の事例があれば記載する。複数ある場合は別途「事例集」を作成し営業資料の附属資料として使う。具体的な会社名を事例として記載できる効果的。社名記載ができない場合は匿名記載も検討すると良い。
料金や費用 製品・サービスの料金体系や概算費用について紹介
契約・導入までの流れ 契約や導入までの流れを表などでわかりやすく説明

中でも最も重要なのは、「解決したい課題と実現したいことの整理」と「課題解決できる理由とその事例」だ。顧客は自社の課題がどのように解決につながるのか?に興味があるため、この2つの項目は必ず記載するようにしよう。

なお、ここ以降、具体的に営業資料に記載する項目のイメージを実際のテンプレートを用いて解説する。テンプレートはパワーポイントで作成されているので、下記よりダウンロードしてテンプレートを見ながらコラムをご覧いただけたらと思う。

営業資料のテンプレートをダウンロード

表紙

営業資料の項目「表紙の例」

営業資料の項目「表紙の例」

営業資料の顔である表紙には、営業資料のタイトルや自社名を入れる。個別の提案書(ある特定の企業のための営業提案書)の場合は顧客企業名も入れる。一目で資料の内容がわかるように、「●●●の課題を解決する」など、顧客のどんな課題を解決する商材なのか?がわかるように工夫すると良い。

また、自社のブランドカラーを使用したり、サービスをイメージできるように画像(ロゴマークやイメージ画像)を入れたりすることも有効だ。表紙が会社の第一印象に影響する可能性があるため、影響力があることを意識して作成する必要がある。

良い例
  1. 資料の内容が明確にわかるタイトルがついている
  2. ブランドカラーを用いることで自社の商品・サービスを想起しやすい
悪い例
  1. 装飾が多すぎて見にくい
  2. 情報が多すぎて何を伝えたい資料なのかわかりにくい
  3. 専門用語を使用している

装飾が多すぎたり、情報が多すぎたりすると、資料の内容が伝わりにくい。例えば、デザインに工夫を凝らしていても、表紙に「サービスのご提案」とだけ記されたタイトルでは、資料の具体的な内容が不明瞭だ。また、専門用語を使用している場合も伝わらない可能性があるので、専門用語の使用は避け、相手が理解しやすい言葉を使用しよう。

会社紹介

営業資料の項目「会社紹介の例」

営業資料の項目「会社紹介の例」

会社紹介ページでは、どのような会社が商品・サービスを提供しているのかについて説明する。最低限、以下の項目を記載しよう。また会社の外観写真や代表者の写真などもあるとよいだろう。

  1. 会社名
  2. 所在地
  3. 代表者名
  4. ミッション
  5. 事業内容
  6. 設立年月日
  7. 従業員数
  8. 資本金
  9. 主な取引先
  10. Webサイト

上記項目にある「ミッション」とは、「会社の夢」のことだ。例えば、弊社(株式会社ALUHA)は、BtoBマーケティングのコンサルティング事業を展開しているが、そのミッションは「営業しない会社を作る」こととしている。つまり、「売り込まずに売るにはどうすればいいか?」を考え抜く、追求しているということだ。

このような会社としてのミッションがあると、何を目指している会社なのか?がイメージしやすくなり、顧客から共感を得られやすくなる。

良い例
  1. 会社名や所在地、事業内容など必要な情報が網羅されている
  2. ミッションが具体的に記載されている
  3. 代表者の写真やオフィスの写真を入れている
悪い例
  1. ミッションや事業内容が抜けているなど、必要な情報が揃っていない、もしくは記載があってもよくわからない

解決したい課題と実現したいことの整理

営業資料の項目「解決したい課題と実現したいことの整理の例」

営業資料の項目「解決したい課題と実現したいことの整理の例」

このページでは、顧客が実現したいことと、その実現したいことができない理由(課題)について整理する。ある特定の企業向けの営業資料(営業提案書)の場合は、その特定企業向けに整理すれば良い。具体的に提案する相手企業が明確なため、その企業が「実現したいこと」と「それができない理由」をヒヤリングして記載すればOKだ。

逆に、ある特定の企業向けの営業資料ではない場合は、「既存顧客からヒヤリングした課題」や「過去の商談記録」から「どういう課題を持つ企業が多いのか?」を分析し、共通課題などを記載すると良い。そうすると、営業資料の精度・確度が向上する。

もっともやりがちなことは、「こういう課題があるだろう」という思い込みだ。その思い込みがたまたま当たっていると問題はないが、はずれていたら、いくら営業資料を作成しても、「そんな課題はない」といわれて商談が進まない。

良い例
  1. 顧客が実現したいことと、それができない理由(課題)が記載されている
  2. 過去の商談や既存顧客へのヒヤリングがベースとなった内容になっている
悪い例
  1. こういう課題を持っているだろうという思い込み
  2. 自社製品やサービスから逆引きした課題(こういう課題解決ならできるからその課題を記載する)

製品・サービスの概要

製品・サービスの概要ページでは、どのような企業に向けた、どのような製品・サービスなのかについて説明する。生産設備や部品のような有形商材であれば、製品画像や製品サイズ、重さ、仕様(スペック)などを記載しなければならない。逆にIT製品やコンサルティングサービスなどのような無形商材であれば、全体像、機能(仕様)、支援体制などを記載すると良い。IT製品の画面サンプルや、コンサルタントの写真なども画像としてあるとよいだろう。

例えば、弊社であれば、BtoBマーケティングコンサルティング、営業戦略のコンサルティングを行なっているため、下記(右側)のような「サービスの概念図」を作成し、営業資料やWEBサイトで活用している。

営業資料の項目「製品・サービス紹介の例」

営業資料の項目「製品・サービス紹介の例」

こういった概念図なども活用しながら、どういった企業向けの製品・サービスなのか、どういう目的があるのか?などを詳しく記載し、製品・サービスの全体像が理解できるページにしなければならない。

BtoB企業の製品・サービス概要のコンテンツで、たまに見かける悪い例が1つある。それは、「自社の社内用語」を使ってしまうことだ。製品・サービスの開発過程では、社内の関係者間でコミュニケーションするためにさまざまな「言葉」を生み出すことがある。その言葉は社内用語であるにもかかわらず、知らず知らずのうちに、製品・サービスの概要ページに記載してしまうと、読んでいる顧客は「この言葉の意味がわからない」となってしまう。この点は注意しよう。

良い例
  1. 誰向けの、どのようなサービスなのか明記されている
  2. 製品・サービスの写真や画像があり、全体像がイメージできること
  3. 仕様、機能、性能などがわかりやすく記載されていること
悪い例
  1. 自社の社内用語を使って説明されている
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営業戦略のテンプレート集

PDF資料の主な内容

  1. 営業目標(KGI・KPI)の決め方
  2. 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
  3. 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
  4. デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
  5. アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
  6. PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
  7. デジタルを活用した戦略立案の具体例
  8. 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例

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特長・強み

営業資料の項目「特長・強みの例」

営業資料の項目「特長・強みの例」

特長・強みページでは、製品・サービスの機能などから生まれる特長をまずは整理しよう。この機能のここに特長があるなど、自社でこだわっている点などを特長化する。唯一無二の特長などはなかなか存在しないので、自社製品・サービスのアピールポイントとしての特長を打ち出すと良い。

そしてそれらの特長が集合体となり生み出されるのが強みだ。「こういう特長があるからこそ、こういったことができる」という理屈で、強みを明確にしよう。ここは顧客へのアピールページであるため、特長・強みが複数ある場合は、複数ページでしっかり説明しよう。

注意点としては、表現が抽象的にならないようにすることだ。例えば、「サービス体制が万全」「いつでも駆けつけます」「専門家が対応します」のような3つの特長から、強みを「お客様の満足度を高められます」としたとしよう。

このとき、一見、特長・強みのように見えるが、「中身がない」状態で、結局よくわからないことになってしまう。このため、下記のように具体的な数値などを盛り込みながら、抽象的な表現を少なくしよう。

特長の記載例
  1. サポートセンターの体制は常時●名で24時間365日受付
  2. 全国の*拠点から御社にすぐに駆けつけ可能
  3. 社内認定制度導入で専門知識の深い担当者が対応
良い例
  1. どのような特長があり、それによりどのような強みが生まれているのかわかりやすい
悪い例
  1. 抽象的な内容になり、中身がない状態になっている

課題解決できる理由と導入事例や効果

課題解決できる理由は、前述した「解決したい課題と実現したいことの整理」ページの内容に対して、「なぜ解決できるのか?」を説明するページだ。実際に解決できた事例や解決により得られた効果のページとセットで作っていくとよい。

なぜ解決できるのか、その仕組みやプロセス、理由を紹介する。具体的には、「こういう機能をこういうふうに使う」、「こういう特長があるので、こんなふうに解決できる」といった具合に説明する。さらに、導入事例(お客様のインタビュー)なども一緒に紹介されていると「信憑性」が高くなり、製品・サービス購入への期待感が高まるだろう。

できるだけ具体的な解決プロセスを示すことができれば、顧客側も理解が深まり購入検討が進む可能性がある。さらに、その解決プロセスに「ここが自社の独自性だ」といったポイントがあれば必ず記載しよう。それこそが差別化につながるポイントになるだろう。

営業資料の項目「課題を解決できる理由の例」

営業資料の項目「課題を解決できる理由の例」

解決できる理由とセットで紹介すると良いのが、導入事例(解決事例)だ。実際の事例があれば、説得力が増加し、製品やサービスに対する興味も深くなる可能性がある。お客様の社名や担当者名を公開できる場合は、導入事例インタビューの内容を掲載すると良い。難しい場合は、匿名化して事例紹介できないか検討しよう。

営業資料の項目「課題解決事例の例」

営業資料の項目「課題解決事例の例」

注意点としては、「解決する」と言い切れるかどうか?だ。例えば、このコラムで紹介している「営業資料」であるが、この通りに作れば「必ず売れる」と言い切ることはできない。これと同様だ。極論であるが、どんなことであっても100%はないと考え、「解決を支援する」といった表現を使うのも検討しよう。

良い例
  1. なぜ解決できるのか?のプロセスができる限り具体的に記載されている
  2. 解決のプロセスに独自性があるとなおよい
  3. 実際に解決した事例や解決により得られた効果とセットで記載されている
注意点
  1. 「解決できる」といいきるか、「解決を支援する」にするかが悩ましい

導入効果

営業資料の項目「導入効果の例」

営業資料の項目「導入効果の例」

導入効果を具体的な数値で示せる場合は、上記のようにグラフなどを使うとわかりやすく、かつ、インパクトを与えることができる。エクセルなどでグラフを作り、文章だけでなくグラフなどを使ってしっかり訴求しよう。

グラフ化・数値化が難しい場合は、お客様の声を掲載すると良い。実際に導入・購入したお客様に感想を聞き、その声を「お客様の声」として紹介する。その際に、「社名だけでも掲載していいですか?」など確認をとり、「社名公開OK」か、「株式会社S社様」のように「イニシャルならOK」など確認しておこう。

注意点としては、「効果を保証する」といった誤解を与えないようにすることだ。いわずもがな、必ず成功するということは保証できないため、あくまで「ある企業の成果の一例を紹介している」というスタンスを貫かなければならない。

料金や費用

営業資料の項目「費用や料金の例」

営業資料の項目「費用や料金の例」

料金や費用ページでは、導入や利用にかかる費用をわかりやすく紹介する。料金体系と具体的な価格を掲載しよう。料金体系は、「初期費用、ランニング費用」のような料金の種類と、ライトプラン、エンタープライズプランなどのようなプランのことだ。こういった料金体系と金額が明確な製品・サービスの場合は、記載すると良い。

毎回見積もりをして金額が変わるというような場合は、可能であればモデルケースの費用感を記載するとよい。だいたいこのくらいの費用がかかるというイメージが共有できるため、予算が合わないのに商談を進めてしまうというようなことがなくなる。モデルケースでの費用掲載も難しい場合は、「こういった項目をヒヤリングさせていただければ見積もりします」というように、見積もりに必要なデータ(ヒヤリング項目)などを記載すると良いだろう。

注意点としては、営業資料は競合他社にも見られる可能性があるということだ。また価格が一人歩きして価格改訂しにくくなるなどの弊害もある。

良い例
  1. 初期費用、ランニング費用、プラン別に料金が明確に記載されている
  2. 記載できなくてもモデルケースなどで費用感がわかるようにする
  3. 見積もりに必要なヒヤリング項目などが記載されている
注意点
  1. 競合に見られることや価格が一人歩きすることもある

契約・導入までの流れ

営業資料の項目「契約・導入までの流れの例」

営業資料の項目「契約・導入までの流れの例」

契約・導入までの流れページでは、今後導入・購入するにあたり、どういう流れで進めるのか?を記載する。顧客は他社とも比較検討する可能性があるため、選ばれるために、今後どういった支援ができるか?をわかりやすくまとめると良い。上記例では、社内説明会の実施、トライアルの実施、試作品づくりといった例をあげているが、こういった支援ができるのも「売り方で差別化する」ことにつながっていくため、できることがあれば検討しよう。

当然、すべて無料で実施する必要もないため、費用がかかる場合は値段をつけても良いだろう。

良い例
  1. 契約・購入までに支援できることがわかりやすくまとまっている
  2. 有料・無料なのかもわかりやすく記載されている
悪い例
  1. 購入検討を進めるにあたり、何も支援してくれない状況になっていること/li>
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PDF資料の主な内容

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  5. アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
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  7. デジタルを活用した戦略立案の具体例
  8. 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例

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営業資料の使い方のコツ

以上、営業資料の項目と作り方をご紹介した。営業資料は同じ製品・サービスであっても複数つくってみるとよい。そして複数の営業担当者に使ってもらい、「どれが説明しやすいか?」「どれが見積もり提案につながりやすいか?」などを検証しよう。

そうすれば、もっとも説明しやすい資料、もっとも見積りなどにつながりやすい資料が明確になり、営業力を強化するための標準提案書に進化していくだろう。

【すぐ使える】営業資料のテンプレート

本コラムで紹介した営業資料の項目を参考に、御社なりの営業資料を作成してみよう。その際、ぜひ下記の営業資料のテンプレートも参考にしてほしい。

営業資料のテンプレート(雛形)をダウンロード

上記はパワーポイントで作成した営業資料の雛形なので、ぜひ御社の営業資料の作成に活用して欲しい。

営業資料の作成に使える無料ツール

営業資料を作成する際に利用できる無料ツールは複数ある。これらの無料ツールやプランは、有料版と比較すると機能が限定されている場合があるが、利用できる機能は非常に充実しており、高品質な営業資料の作成に十分対応できる。

パワーポイント

パワーポイントは、多くの企業で導入されているツールだ。有料のソフトであるが、ワードやエクセルなどとセットで購入されているケースも多いため、新たに契約して導入するケースは少ないだろう。

パワーポイントの魅力のひとつは、多様なテンプレートが用意されている点である。「テンプレートから新規作成」を選択することで、テンプレートを活用して、デザインの知識がなくてもおしゃれな営業資料を作成できる。基本的な操作方法を知っていれば、新たに難しい操作方法を覚える必要はなく、すぐに作成に取りかかることが可能だ。

CANVA

CANVAには無料プランと有料プランが存在しているが、無料プランでも営業資料を作成できる。無料プランは有料プランよりも使用できるテンプレートや素材の数が少ないものの、無料で使用できるものには魅力的なものも多い。デザインツールに慣れていない人でも直感的に操作できるため、誰でも簡単に営業資料を作成できる。

CANVAはクラウドサービスであることから、インターネット環境がどこからでも作業を行えるため、パワーポイントのようにデータを手元で管理しておく必要はない。

まとめ

営業資料は「顧客が解決したい課題」を「どのように解決できるか?」をどう伝えるか?を意識して作ることが重要だ。その上で、見やすく、わかりやすく、おしゃれに作ることができれば最高である。

複数の営業資料を作成し、最も効果のある営業資料を社内の標準提案書とすれば、営業部門全体の底上げにもつながる。ぜひ、このコラムのテンプレートも参考に、御社の営業資料作りを強化していただけたらと思う。

営業資料のテンプレートをダウンロード

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  2. 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
  3. 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
  4. デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
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BtoBデジタルマーケティング・営業戦略のノウハウ資料

BtoBデジタルマーケティング・営業戦略に関するノウハウ資料

BtoBに特化したデジタルマーケティングや営業戦略の立て方に関するノウハウ資料が無料でダウンロードできます。

・BtoB向けの営業戦略の立て方・WEB戦略の立て方
・営業DX・マーケティングDXのメリットと他社の11の取組事例
・MAとオンラインセミナーで商談を生み出す方法
・BtoBメルマガの開封率・クリック率を高める7つの法則
・BtoBデジタルマーケティングの成功事例
・見込み客を振り向かせるための4つのコンテンツとその作り方

このほかたくさんの資料がダウンロードできます。