先日、「営業戦略で重要な差別化のやり方がわからない!?用途限定で差別化を強化した具体例」という記事を公開したが、今回はその第2弾である。
「用途を特化させる」ことでどのような差別化が実現し、どんな効果が得られているのかを「”うらない”商店街」を具体例にしてご紹介したい。BtoBマーケティングや営業戦略の強化のヒントにしていただけたらと思う。
用途を限定した差別化戦略の具体例
ご紹介する具体例は、大阪市にある”うらない”商店街として有名な「福島聖天通商店街」である。
”うらない”商店街というと「どういうこと?」となりそうであるが、詳細は下記の福島聖天通商店街の公式サイトをご覧いただければその中身がよくわかる。
「買い物をする商店街」というのは「当たり前」であるため、「占い」という用途を追加し、それに特化していくことで差別化を実現している。
ではこの仕掛け、どのくらい成功しているのか?というと、中小企業庁のがんばる商店街77選に選定されているくらい効果が出ているようだ。
参考記事:中小企業庁:がんばる商店街77選:福島聖天通商店街より引用
占いイベントは一過性で始まったが、今では占い館を常設するまでに発展し、毎日占いデーを開催するが、特に第4金曜日は占い師20から30人規模で商店街の路上で街占いを行う。
個店でも占いに因んだオリジナル商品開発に取り組み、また店独自のおみくじを発行し大吉と出たらビールを無料とする酒屋など、自店の売上増進を図る積極的な店舗が現れてきた。
占いを目当てに来街する女性をターゲットにする飲食店等が空き店舗に出店するようになった。組合新会員が増え、この2年間で20店舗以上にも上る。廃業する店舗ができるのは避けられないが、新規に開店する店舗が多く、それをカバーし、かつ盛況であることは素直に喜んでいる。
差別化戦略のポイント
この福島聖天通商店街の差別化のポイントは、占いに特化させたことだけでなく、商店街の全組合員が足並みをそろえていることだろう。これがこの商店街の大きな強みであり、その結果、占いに特化できたという差別化を生み出している。
当然、「占いに特化すると占いに興味がない人がこなくなるのでは?」というような反対意見もでただろう。しかしそれでも、足並みをそろえて、差別化を進めたのである。
この「足並みを揃える」という行為は、商店街の最大の敵とも言える郊外型の大型ショッピングセンターにはできない(やりにくい)ことでもあるため、競合も真似がしにくい。それがさらなる差別化として特徴を際立たせている。
差別化は決断をすることが重要
差別化を具体的に進めるには、必ず「決断」が必要になる。
先日公開した、下記の2つの差別化の具体例や今回の具体例でも、用途やカスタムの方向性を「決断」し、そこに特化させているのだ。
営業戦略で重要な差別化のやり方がわからない!?用途限定で差別化を強化した具体例
営業戦略で重要な差別化のやり方がわからない!カスタマイズで差別化した具体例
この決断ができるかどうか?が差別化を行うにはとても重要なのである。あなたも用途を絞る決断をして差別化の方向性を見出してみてはいかがだろうか?