弱みを活かして差別化を具体化する!?弱みで差別化した差別化戦略の具体例

弱みがあるからこそできる差別化戦略
Last Updated on 2023年2月18日 by 荻野永策

BtoBの新規開拓において、見込み客が自社の競合と比較検討するケースは非常に多い。あなたがBtoBの営業担当者であれば、そのような経験は幾度となくあるはずだ。

この見込み客の比較検討の際には、企画提案書に自社の強みや特徴、魅力といったコンテンツを記載し、競合に勝てるように自社をアピールする。これは競合も当然同じようなことを考えていて、互いに魅力をアピールするアピール合戦のようになる。

しかしながら、様々な魅力を考え、事例を掲載し、少しでも魅力的に見せようと努力をするも、必ずぶち当たる壁がある。それが「自社の弱み」だ。

強みと弱みは表裏一体で、強みがあれば弱みがあるので、その弱みを競合につかれると失注ということにもなりかねない。さらに顧客からその弱みを突っ込まれると、これも失注になりかねない。

「おたくは、これ、できないの?」という突っ込みに対して返す言葉がないという状況になってしまう。

そこで、今回のコラムでは、この弱みに対してどう立ち向かっていくか?弱みを活かす方法はないのか?を具体例を交えながらご説明したい。あなたの弱みも「活かす方法」があるかもしれないので、ぜひ最後までご覧いただければと思う。

弱みを活かした差別化戦略の具体例

それでは早速「弱みを活かした差別化戦略の具体例」をご紹介しよう。少し古い記事であるが、すごくわかりやすいので具体例として取り上げている。

参考記事:ノー万人受け! 「100人中99人に嫌われる」部屋を埼玉の不動産屋がリリース

記事から引用(2011年10月の記事)

「100人中99人に嫌われる」という部屋を、埼玉の不動産会社・松堀不動産が10月4日にリリースした。ターゲットを絞り込んだ特徴のある部屋を用意することで、駅から遠いなど多少条件が悪くても「住みたい」と思ってもらおう――という狙いだ。

今回用意した“万人受けしない”部屋は2件。壁紙やベッド、テーブルなどがミニーマウス仕様になっている「ミニーちゃん部屋」と、ブラックライトをつけると星空が出現する「星が見える部屋」だ。

ミニーちゃん部屋は、徒歩の場合に駅から遠いなど条件に恵まれていないが、ディズニー好きの女性をターゲットに展開していく。星が見える部屋は、星が見たい男性がターゲットで、モノトーンでコーディネートした家具も付いている。

10月中には「マンガにふける部屋」も用意する予定。同社では「100人中99人に嫌われる」部屋を「感動部屋プロジェクト」と名付けて今後も展開していく計画だ。

弱みを活かすと強みになる?

参考記事の不動産会社の取り組みにおいて、弱みをどのように活かして差別化しているのか、具体的に掘り下げてみよう。まず、状況を整理すると、この取り組みは参考記事から下記ような内容であることがわかる。

(1)駅から遠いなど条件に恵まれていない物件が存在すること
(2)「1」のような物件でも住みたいと思ってもらえるように工夫すること

(1)は条件の悪さという弱みそのものである。この弱みをそのまま放置しておくと、なかなか部屋は埋まらない。弱みを活かすこともできず、時間ばかり経過することになる。そうなると競合に顧客を取られてしまう。

しかし、この不動産会社は「弱みを活かす」ことを考えた。それが、(2)の「部屋が埋まらないからこそできる特徴づけ」である。これはまさに「部屋が埋まらないからこそできる差別化戦略」である。なぜ、部屋が埋まらないからできるのか?その理由は2つある。

1つはオーナーの決断のしやすさである。部屋が埋まっていないのでオーナーも決断しやすい。オーナーは「空き部屋にするくらいなら」という決断をする可能性がある。

そしてもう1つは、競合の物件にはできない決断だからだ。競合物件が好立地の場合、部屋は埋まってしまうため、こういった特徴づけがやりにくい。逆に特徴づけてしまうとせっかく好立地なのに入居できないというようなことにもなりかねない。

この2つの理由から、「部屋が埋まらないからこそできる差別化戦略」といえる。まさに弱みを活かした差別化戦略であり、弱みを見事に強みに変換している。

そしてさらに、このような取り組みそのものが「売れない物件でも取り扱える不動産会社」として強みにつながっていくだろう。「物件の差別化」と「自社の差別化」を「弱みを活かして同時に行っている」といえる。

まとめ

弱みを工夫する方法としては、下記のように思考を整理してみよう。()内は参考記事で取り上げた具体例の場合である。

(1)まずは弱みを整理する思考
弱み=あなたができないこと→その結果どうなる?
(弱み=駅からすぐ帰れない→部屋が埋まらない)

(2)整理した弱みから差別化を生み出す思考
その結果があるからこそできることは?=弱みを活かす
(部屋が埋まらないからこそできること→部屋の特徴づけ→物件の差別化)

この思考で、あなたの弱みがあるからこそ、できることが見つかるかもしれない。それは顧客にとって大きな強みになる可能性が十分にあるのだ。(平成27年10月19日 BtoBのWEBコンサルティング「THREE-VIEW」 荻野永策)

この記事は私が2011年10月6日書いた記事をリライトしたものです。


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