今回のコラムでは、BtoB営業とは何か?その流れや手法、きつい理由や対処するコツ、営業戦略の立て方、最新トレンドについて解説する。
PDF資料の主な内容
- 営業目標(KGI・KPI)の決め方
- 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
- 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
- デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
- アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
- PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
- デジタルを活用した戦略立案の具体例
- 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例
BtoB営業(法人営業)とは
BtoB営業とは、法人(企業・会社)に対して自社の製品やサービスを販売・提案する行為のことだ。法人営業やB2B営業と言われることもある。営業の対象者は、法人だけでなく、個人事業主や組合などの団体も含まれることもある。言わずもがな、その目的は、売上である。
BtoB営業の特徴
BtoB営業には、「組織的に検討し、購入までに時間がかかる」という特徴がある。このため、すぐに売れることは少なく、マメな営業活動を継続しなければならない。
BtoC営業との違い
BtoC営業は、一般個人(主婦や学生、子供など)に対しての営業活動のことだ。BtoC営業とBtoB営業の最大の違いは「営業する相手が異なる」ことだ。BtoC営業は一般個人に対しての営業であるが、BtoB営業は法人に対しての営業となる。
この違いがあるため、営業手法にも違いが出てくる。
例えば、BtoCは来店型の営業(店舗に来てもらって営業する)の傾向が強いが、BtoBは訪問型の営業(相手先に伺って営業する)という傾向が強い。
BtoCは個人相手の営業活動であるため、市場の規模が大きく1人1人回ることが難しい。人数が多いため物理的に難しいのである。そのため、来店型となる傾向が強い。逆にBtoBは法人相手であるため、BtoCに比べ市場規模が小さい(数が少ない)。その結果、相手先に訪問することができ、客先にて営業が可能となる。
BtoB営業の流れ・やり方
BtoB営業は、概ね、商材に関係なく、下記の4つの流れが営業の基本となる。
- 新規リード獲得(見込み客の獲得)
- リード育成(見込み客との関係構築・育成)
- クロージング(受注獲得)
- 顧客維持(LTV最大化)
新規リード獲得(見込み客の獲得)
新規リード獲得(見込み客の獲得)とは、自社製品・サービスを購入してくれそうな企業の担当者の個人情報(名刺など)を獲得する営業活動のこと。リードジェネレーションと言われている。展示会、セミナー、電話営業、飛込営業といったリアルの営業手法や、WEBサイト活用、オンラインセミナーといったデジタルの営業手法がある。
リード育成(見込み客との関係構築・育成)
リード育成(見込み客との関係構築・育成)とは、獲得した見込み客を育成する営業活動のこと。見込み客と継続的に接点を作り、案件や商談を作り出す活動を行う。リードナーチャリングと言われている。継続的な接点を作り出す必要があるため、定期的な訪問営業、電話営業といったリアルの活動や、メルマガ配信といったデジタルの活動が重要となる。
クロージング(受注獲得)
クロージング(受注獲得)とは、実際に売り込みを行い、受注・契約を獲得する営業活動のこと。BtoB営業では、オンラインショップを活用することが難しいケースが多いため、営業担当者によるクロージング力が非常に重要となる。そのため、受注率向上につながるクロージングシナリオの明確化と全営業担当者でのシナリオ共有が重要な要素となる。
顧客維持(LTV最大化)
顧客維持(LTV最大化)とは、受注獲得できた顧客の競合への流出を防ぎ、その顧客からの売上を最大化する営業活動のこと。クロスセルやアップセルを行い、既存顧客の購入回数や購入点数、購入単価を向上させ、顧客からの年間売上を最大化する。最優良顧客へと成長させることで、自社の売上を最大化していくことになる。
このように、BtoB営業は、新規リード獲得から顧客維持までの4つの段階があり、この流れにそって営業活動を展開する。
PDF資料の主な内容
- 営業目標(KGI・KPI)の決め方
- 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
- 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
- デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
- アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
- PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
- デジタルを活用した戦略立案の具体例
- 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例
BtoB営業の方法・手法と種類
では実際に、新規リード獲得から顧客維持までの4つの段階をどのように実行するのか?その具体的な方法とやり方の種類を解説しよう。BtoB営業には主にデジタルを活用する方法とリアルの方法の2種類の営業方法が存在する。
デジタルを活用する方法
デジタル活用とは、WEBサイト、メール、SNS、オンラインメディア、スマートフォン、タブレットといったデジタルコンテンツやデジタルデバイス、デジタルメディアを使ってBtoB営業の活動を効率化する手法だ。デジタルコンテンツが人間の代わりに営業活動を展開するといったイメージである。
顧客側は今まで、「営業担当者に説明してもらう」ことで購入検討を進めていたが、最近では、WEBをつかって情報収集するようになり、顧客の購買行動が変化している。そのため、デジタルを使った手法が重要視されている。主に、「新規リード獲得(見込み客の獲得)」「リード育成(見込み客との関係構築・育成)」「顧客維持(LTV最大化)」で活用されることが多い。
デジタル活用の主な手法・方法は下記のとおりである。
- 自社のWEBサイト活用(SEO対策、ホワイトペーパーなど)
- オンライン広告、ランディングページ
- SNS活用
- オンラインメディア活用
- バーチャル展示会・オンラインセミナー
- メールマガジン・メールマーケティング
SFAやMA、CRMといったITツールを活用し、デジタルを活用したBtoB営業の効率化を図る。
リアルを活用する方法
リアル活用とは、電話営業、飛込営業、訪問営業といった人間が中心となるBtoB営業のことだ。BtoB営業では、クロージングは特にデジタル活用が難しいため、リアルを活用されるケースが多い。
リアル活用の主な手法・方法は下記のとおりである。
- 電話営業
- DM送付・FAXDM
- 飛込営業
- 訪問営業(ルート営業)
- セミナー・展示会
このようにデジタルとリアルをうまく活用し、連携させながらBtoB営業の効率化を図り、効果を改善してくことが重要となる。
PDF資料の主な内容
- 営業目標(KGI・KPI)の決め方
- 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
- 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
- デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
- アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
- PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
- デジタルを活用した戦略立案の具体例
- 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例
BtoB営業が難しい・きつい2つの理由
BtoBでもBtoCでも「営業」は難しい仕事である。購入するのかどうか?どこから買うか?予算はいくらにするか?などを決める権利は顧客側にある以上、必ず成功するという法則はないのである。だから非常に難しいのだ。
BtoB営業はこれに加えて、「組織的に検討し、購入までに時間がかかる」という特徴を持つため、その難易度がさらに向上する。その理由は下記の2つだ。
- 購入を決定できる担当者になかなか会えない
- 継続的な接点を作り出すネタ・理由がない
購入を決定できる担当者になかなか会えない
BtoB営業は、「組織的に検討し、購入までに時間がかかる」ので、購入を決定できる担当者(意思決定権者)に直接売り込みをし、時間短縮を狙うと効果的である。しかし、その意思決定権者にはなかなか会えない。役職的に上位層であることが多く、アポイントが取れないのである。
継続的な接点を作り出すネタ・理由がない
BtoB営業は、「組織的に検討し、購入までに時間がかかる」ので、「継続的な接点」を作り、継続的にフォロー営業をしなければならない。しかし、「継続的な接点を作り出すネタ・理由がない」ため、自然消滅してしまうのである。
継続的なフォロー営業をするには、コンタクトするためのネタや理由が必要だ。例えばセミナーをする、新商品が出た、新しい事例があるなどである。こういったネタ・理由を継続的に作り出さなければ、フォロー営業が継続しないのである。
BtoB営業のコツ
このように、BtoB営業には難易度が高くなる理由が2つも存在し、これがなかなか解決できない。しかし、難しくなる理由が2つあるとわかっているため、その解決策を事前に考えておくことで、ある程度対処できる。そこで、2つの理由を解決するためのコツをご紹介しよう。
意思決定権者と接点が作れる営業戦術を事前に作っておく
1つ目のコツは、「意思決定権者と接点が作れる営業戦術を事前に作っておく」である。
例えば「意思決定権者が興味を持つようなセミナー」を事前に企画しておき、そのセミナーを案内するなどだ。
この「意思決定権者が興味を持つようなセミナー」が具体化できていれば、全営業が意思決定権者と会いたいと考えたタイミングで、このセミナーをネタにして接点を作り出すようにすればよい。こういった戦術を事前に企画し、営業の武器として営業担当者に持たせておくことが重要だ。
デジタル活用で楽をする
2つ目のコツは「デジタル活用で楽をする」だ。
BtoB営業の特徴は「組織的に検討し、購入までに時間がかかる」だ。そのため、継続的なフォローが必要になる。継続的なフォローを実現する方法としては、電話・訪問などで人間がやる方法と、メルマガでデジタルがやる方法の2つがある。
どちらの方法にしても、「継続的にネタを作り連絡すること」と「もう連絡しなくていい」といわれるリスクは同じだ。違うとすれば効率的かどうか?と効果が期待できるかどうか?である。
人間がやる場合、臨機応変に動けるため、効果は期待できるが、その分、数をこなせず、効果の可視化がしにくい。加えてコストがかかる。デジタルがやる場合、臨機応変さは無くなるが、数がこなせる上に、効果を数値で確認できる。
双方、一長一短あるのだ。そこで、お互いのいいとこ取りをして、確度が低い見込み客にはデジタルで継続的な接点を作り、確度がある程度高くなると人間が動くといったデジタルとリアルの連携を作るのである。
こうすると、継続的なフォローを全て人間がする必要がなくなり、楽ができるのだ。
この2つのコツを事前に準備しておくことで、BtoB営業の難しさ、厳しさを少しは緩和できる可能性がある。
BtoB営業戦略の立て方
この2つのコツを踏まえて、BtoB営業の戦略の立て方をご紹介する。ここでご紹介する方法は、BtoBの営業戦略を「作戦・戦術・計画」の3つに分解し立案するフレームワークを活用した立案手順である。デジタルをいかに活用するか?を考慮しながらこのフレームワークを使って立案していただけると幸いである。詳しい立案の手順については下記のコラムを参照してほしい。
PDF資料の主な内容
- 営業目標(KGI・KPI)の決め方
- 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
- 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
- デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
- アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
- PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
- デジタルを活用した戦略立案の具体例
- 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例
BtoB営業の最新トレンド「営業DX」「デジタルマーケティング」
BtoB営業においては、コロナの影響、人材不足、働き方改革、顧客の購買行動の変化といった要因から、「デジタル化」、「デジタルマーケティング」の活用が盛んに行われている。営業DX(営業部門のデジタルトランスフォーメーション)も加速し、デジタルという営業戦術を使った営業戦略の立案が活発に行われている。
営業DXについては下記のコラムで、営業DXとは何か、営業DXでやるべき2つの営業変革、営業DXを支援する主なツール、BtoB企業の営業DXの取組事例・成功事例、営業DXのメリットなどについて解説している。