リードナーチャリングとは?
BtoBマーケティングや営業戦略では、「新規の見込み開拓」と並んで大きな営業課題となるのが、「リードナーチャリング(見込み客の育成)」である。
リードナーチャリングとは、「見込み客を育成するプロセスや仕組み」のことで、長期的な育成に重点を置いている。そのため、顧客との接点を長期的に作り出し、その期間中に信頼関係を構築し、顧客にあったソリューションを提案して、購入へと誘導していくことが重要となる。
しかし、このようなリードナーチャリングを効率良く効果的に実現することは非常に難しい。特に、「営業任せ」というような属人的なリードナーチャリングとなると、なかなかうまくいかない。
そこで、今回は「コンテンツを活用したリードナーチャリング」に焦点を当て、効率的かつ効果的なリードナーチャリングの方法とその仕組みの作り方についてご紹介しよう。
リードナーチャリングが必要な3つの理由とは?
リードナーチャリングは、長期的な関係づくりであるため、なかなか売れないというジレンマがある。しかし、それでもBtoBの営業戦略においては重要視されている。その理由は主に3つある。
リードナーチャリングが必要な理由1「すぐに買わないから」
そもそも、商取引きにおいては、「そもそも買うのか」「買うならいつか」「いくらまで出すか」「どこから買うか」の決定権や選択権は顧客にある。そのため、「すぐに売れる」ということはそうそうない。特にBtoBの場合は、高額な商材が多いため、それが顕著である。
社内調整、製品比較など、購入を決めるために多数の人間が関わるため、購入までには時間がかかるのである。その結果、長期的なフォローが重要となり、リードナーチャリングが必要となるのだ。
リードナーチャリングが必要な理由2「商談の状況が変わるから」
次に、BtoBでは、商談の状況がコロコロ変わる。例えば、「来年早々に買う予定なんだけど、見積もり・提案書ちょうだい」といわれ、着々と準備を進めていたら、「来年早々ではなく、事情が変わって、ちょっと延期になった」というような具合だ。
あなたにも経験があるだろう。これらは、顧客側の事情によるものが多いため、打ち手がなくなる。その結果、時間が経過してしまい、結果、長期的なフォローが必要になる。
リードナーチャリングが必要な理由3「休眠、失注による放置顧客が発生するから」
最後は、「放置顧客の発生」である。BtoBにおいては、すべての見込み客が必ず「商談」できるというわけではない。たとえば、「展示会で名刺交換した顧客」がそうだ。全員と商談できるだろうか?おそらく、ほとんどが商談すらできないというような状況になる。
このように、名刺交換したとしても商談すらできないというケースが多い。そうなると、営業担当者としては、フォロー営業自体ができないため、結果、「放置・ほったらかし」という状態になる。
しかし、こういった見込み客も、あなたの知らない間に、「どこか競合他社から購入している」可能性があるのだ。これは機会損失でしかない。そのため、この機会損失を防ぐためにも、長期的なフォロー、つまり、リードナーチャリングが必要となるのである。
リードナーチャリングの2つの課題とは?
では、実際に、長期的な接点を作るリードナーチャリングを実行しようとすると、いくつか課題が出てくる。その課題の中でもよくある2つの課題についてご紹介しよう。
リードナーチャリングの課題1「接点の理由作りの課題(しつこいと言われる)」
1つ目のリードナーチャリングの課題は、「接点の理由づくり」である。
上述したように、リードナーチャリングは長期的な顧客との接点づくりが重要である。そこで、例えば、月に1回、訪問するとしよう。毎月フォローできるので良いように見える。
しかし、顧客も忙しい身である。毎月のように来られても、迷惑なだけである。そのうち、「いや、買うときになったらこっちから連絡するから来なくていいよ」などと言われることになる。こうなると、「訪問する理由」がなくなる。つまり、接点がなくなってしまう。
このように、長期的な接点を作ろうとすると、「もういい」と言われて、フォローする理由がなくなっていく。理由がなくなると、フォローできないため、リードナーチャリングが機能しなくなる。これが課題の1つ目である。
リードナーチャリングの課題2「リソースの課題(後回しにしてしまう)」
2つ目のリードナーチャリングの課題は、「リソース(特に時間)の課題」である。
リードナーチャリングを継続するには、定期的なフォローを行うための時間を作り出さなければならない。訪問や電話、メールをするにしても、時間が必要になる。
しかし、上述したように、リードナーチャリングは長期的なフォローなので、すぐに売れるというわけではない。その結果、営業の優先順位がどうしても下がってしまう傾向がある。
営業担当者から見れば、毎月売上目標(もしくはノルマ)があり、それを達成しなければならない。そうなると、当然、目先の商談案件にどうしても時間を割いてしまう。その結果、「明日でいいや」となって、ずるずるとのびのびになり、気がついたら忘れていたというようなことになる。
これが課題の2つ目である。
リードナーチャリングの2つの課題を解決する「コンテンツ活用」
このように、リードナーチャリングには2つの課題がある。そこで、この2つの課題を解決する具体的な方法をご紹介しよう。それが、人を活用したリードナーチャリングではなく、コンテンツ中心のリードナーチャリングである。
コンテンツを活用したリードナーチャリングとは?
コンテンツを活用したリードナーチャリングとは、読んで字のごとく、人ではなく、「コンテンツ」を中心にしたリードナーチャリングの方法である。
ここでいう、コンテンツとは、「見込み客にとって有益な情報・役立つ情報」のことだ。それを人が伝えるのではなく、「メール、FAX、ニュースレター」といった「人以外の媒体」を通して伝え、リードナーチャリングを実現していくのである。
見込み客にとって有益な情報(コンテンツ)を提供し、継続的な接点を作り続け信頼関係を高めていく。その上で、購入の確度が高まった段階で売り込みを行う。これがコンテンツを活用したリードナーチャリングである。
コンテンツを活用したリードナーチャリングのポイント
コンテンツを活用したリードナーチャリングは、上述の2つの課題を解決する具体策である。そのため、下記のようなポイントを押さえておく必要がある。
ポイント1「見込み客にとっての有益な情報とは何かを明確化する」
1つ目は、「しつこい」といわれないための「有益な情報の明確化」だ。見込み客にとって役立つ情報を提供すると、「しつこい」ではなく「いつも良い情報をありがとう」となり、感謝されることになる。
これが継続できれば、「しつこい」から「ありがとう」になり、長期的なフォローが実現する。当然、「ありがとう」が繰り返されることで、「信頼関係」も深まっていく。
ポイント2「コンテンツの配信を仕組み化する」
2つ目は、リソースの課題を解決するための「コンテンツ配信の仕組み化」だ。
どんなコンテンツをどういうタイミングで配信し、そのコンテンツを誰が作るのか?などを明確化(計画化)しておくのである。継続性が重要であるため、定型業務にして、毎月の必須業務として回せる体制を作るのである。
当然、役割分担を決め、最小限のリソース(時間)でできる体制にしなければならない。これが結構難しいが、外部のライターを活用するなど、時間と予算のバランスを見て体制を作り上げていこう。
コンテンツを活用したリードナーチャリングの課題
この2つのポイントを抑えることで、下記のリードナーチャリングの2つの課題を解決できる。
課題1「接点の理由作りの課題(しつこいと言われる)」→有益なコンテンツを配信し解決する
課題2「リソースの課題(後回しにしてしまう)」→コンテンツの配信を定型化する
しかし、もうお気づきかと思うが、「コンテンツを活用したリードナーチャリング」にも、別な課題があるのだ。
課題1「見込み客にとっての有益なコンテンツの定義が難しい」
課題の1つ目は、まさしく、「有益なコンテンツの定義が難しい」である。どんなコンテンツを配信すれば、見込み客に感謝されるのか?である。見込み客が増えれば増えるほど、その定義は難しく、複雑化する。
この課題を解決するには、顧客の悩み・課題を知ることが非常に重要で、そこから、「どんなコンテンツを欲しがっているのか」の「コンテンツニーズ」を明確にしていく必要がある。そのためには、コンテンツニーズの仮説を立て、そして改善していく「PDCA」が必要になる。
課題2「コンテンツを作り続けることが難しい」
課題の2つ目は、見込み客にとっての有益なコンテンツの定義ができたとしても、そのコンテンツを誰が作るのか?作り続けられるのか?という課題である。コンテンツのライティングや編集、そして知識武装に時間を必要とする。これが非常に難しい。
コンテンツを活用したリードナーチャリングの課題を解決する「6の手順」とPDCAの回し方
では、この課題を解決するにはどうすべきか?そのための手順として、6つの手順がある。この6つの手順は、PDCAを回しながら、有益なコンテンツを明確化し、リードナーチャリングを実現していく手順である。
6つの手順については、非常に長い説明になるため、下記のPDFにその詳細をまとめてある。現在、リードナーチャリングが課題で、何か良い手立てがないかヒントを探している方向けに作成したPDFの資料である。
PDF資料(無料)
コンテンツを活用したリードナーチャリング「6の手順」とPDCAの回し方
主な目次
(手順1)見込み客のリストを作る
(手順2)有益なコンテンツ(コンテンツニーズ)の仮説を立てる
(手順3)コンテンツの骨子を決めコンテンツを作る
(手順4)配信媒体を選択する
(手順5)コンテンツニーズを聞く仕組み・仕掛けを作る
(手順6)配信を開始して効果やニーズを分析しながらPDCAを回す
なお、弊社と競合するような企業、所在不明の企業、個人事業主、個人名からのお申し込みは固くお断りしている。お申し込みいただいてもプレゼントはしないので予めご了承いただきたい。