マーケティングオートメーションによるリードナーチャリングのKPIとその高め方

コンバージョン率、開封率、クリック率、解除率以外の重要なKPIとは?
Last Updated on 2024年9月7日 by 荻野永策

マーケティングオートメーションによるリードナーチャリングでは、ステップメールやメールマガジンが活用されている。BtoBマーケティングのリード育成業務を効率化することができ、多くのBtoB企業が活発にメールマーケティングを展開している。

しかし、当然のことながら、メールコンテンツを設計し作成するという工数もかかるため、リードナーチャリングとしての効果も問われる業務だ。

このため、マーケティングオートメーションを活用したリードナーチャリングでは、メール経由でのコンバージョン率や、開封率、クリック率、継続率(解除率・オプトアウト率)をKPIとして設定することが多い。特にメール経由でのコンバージョン率はリードナーチャリングでは重要なKPIとなろう。

しかし、実はもう1つ、重要なKPIがあることをご存知だろうか?

今回のコラムではもう1つある重要なKPIについてご紹介する。そして、コラムの最後では、各KPIをどのようにすれば高めることができるのか?についてもご紹介する。

また、各KPIの一般的な数字も記載するが、当然、配信するターゲット数やターゲットリストの質、メールの内容や配信タイミングによって大きく変わるので、ご注意いただきたい。

マーケティングオートメーションによるリードナーチャリング「4つのKPI」

重要なKPIをご紹介する前に、よく使われる4つのKPIについてご紹介しよう。

マーケティングオートメーションによるリードナーチャリングのKPI「開封率」

最初のKPIは「開封率」だ。メールを配信したリードの母数に対して、何人が開封したか?の割合が開封率である。開封率の計測は、HTML形式のメールを配信することで開封率を計測することが可能だ。逆に、テキスト形式のメールの場合は開封率の計測はできない。

開封率は当然高い方がよく、BtoBの場合、低い場合は数%で平均的には20%前後であることが多い。もしあなたのメールの開封率が数%であれば、だいぶ低いと考えた方がよいだろう。

マーケティングオートメーションによるリードナーチャリングのKPI「クリック率」

次のKPIは「クリック率」だ。メール配信したメールの本文にURLを記載し、そのURLをクリックした割合がクリック率である。メール配信の総数とクリックしたリード数でクリック率を算出する(マーケティングオートメーションによっては、開封した人数を母数にすることもあるようだ)。

マーケティングオートメーションがメール本文内のURLを特殊なURLに自動変換してメール配信することで、クリック率の計測が可能となる。そのため、クリック率は、HTMLメールでもテキストメールでも計測することが可能だ。

BtoBの場合、クリック率は5%から10%程度が平均だろう。そのため、5%以下の場合はクリック率がかなり低いと考えた方が良い。

マーケティングオートメーションによるリードナーチャリングのKPI「継続率(解除率・オプトアウト率)」

次のKPIは、「継続率(解除率・オプトアウト率)」だ。メール配信の総数に対して、メールの配信停止件数の割合が、「解除率・オプトアウト率」となる。継続率はその逆の割合だ。

メール配信の解除は、リードナーチャリングにおいては最大のネックで、解除されてしまうとメールによる接点づくりができなくなる。そのため、継続率は高い方が良いし、解除率・オプトアウト率は低い方が良い。

弊社の自社メルマガの解除率・オプトアウト率は、過去半年で最低0%、最高0.4%くらいだ。そのため、1%以上あるような場合は少し高いと考えて良いだろう。

マーケティングオートメーションによるリードナーチャリングのKPI「コンバージョン率」

次のKPIは、「コンバージョン率」だ。メール配信してセミナーの申し込み、資料のダウンロードなど、何かしらのコンバージョンがあった割合が、コンバージョン率だ。当然高い方がよく、コンバージョンが発生すると、そこから商談発生にもつながる可能性もあり、最重要のKPIとして設定されることが多い。

BtoBの場合、コンバージョン率は、コンバージョンの内容にもよるだろう。資料ダウンロードであれば、数%のコンバージョン率が出ることも多く、セミナーなどの場合は、1%を切ることもあるだろう。場合によっては何の反応もないということもありえる。

そして、もう1つのKPI

ご紹介した「開封率」、「クリック率」、「継続率(解除率・オプトアウト率)」、「コンバージョン率」はマーケティングオートメーションのリードナーチャリングでよく使われる4つのKPIである。これらは当然、重要であるが、もう1つ重要なKPIがある。

それは、メールの返信率だ。

返信率とは、マーケティングオートメーションから配信したメールに対して、リードから個別にメールの返事が来る割合のことだ。特に毎月定期的に配信しているメルマガの返信率は重要であると考えている。

KPIとして返信率が重要な2つの理由

マーケティングオートメーションのリードナーチャリングのKPIとして、返信率が重要な理由は、2つある。

1つ目の理由は、開封率、クリック率よりも、リードのメールに対する興味度合いを計測できるKPIだからだ。リードがメルマガの返事をするということは、「メールを開封し中身を読み、返信したくなるほどの興味深い内容だった」ということである。そのため、リードにとって非常に興味深い内容のメールだったといえるのだ。

2つ目の理由は、接点の継続性が高いことだ。返信がくると、その返信に対してさらに個別にメールで返信をすることになる。その結果、しばらくの間、メールベースでのやりとりが発生するのだ。その中でリードの課題を確認することができれば、そこから商談を発生させることもできるだろう。つまり、接点が継続することで、信頼関係を作りながら商談の発生まで狙えるのだ。

そしてこの2つの理由から、リードナーチャリングの本来の目的である「リードとの関係づくり・接点づくり」をより強固に実現できるようになる。だからこそ、マーケティングオートメーションのリードナーチャリングのKPIとして、返信率は重要なのだ。

御社のメルマガ、あなたが担当しているメルマガでも、返信率はどうだろうか?リードから関係をさらに深められるような返信がきているだろうか??

返信率を高める工夫

では、BtoBのメルマガで返信率を高めるにはどうすればよいだろうか?いくつか方法があるが、もっとも重要なポイントは、「議論するメール」を心がけることだ。

あくまで弊社の実験結果であるが、過去、弊社のメルマガで返信が来たメールはすべて、「議論するメール」であった。

「議論するメール」とは、あるテーマに対して自社の意見を述べ、メールの最後で「あなたはどう思うか?」と問いかけるような内容のメールのことだ。

これを実現するには、メールのテーマ(議題)を1つに絞ること、そして、そのテーマ(議題)に対して自社の考えや意見を述べることが重要となる。その上で、最後に「私はこう思うがあなたはどうか?」と問いかけるのだ。

こういったメールにすると、「勉強になります。私はこう思うんですがどうでしょうか?」のような、議論の返信メールが来る。そしてそれが起点となって、メールで議論が継続し、関係を深めることができるのだ。

この方法を活用すれば、ターゲットアカウント(自社にとって最大の利益をもたらす可能性の高いリード)との関係性を深めるようなリードナーチャリングも実現できるようになるだろう。

KPIを高める方法

それでは、最後にマーケティングオートメーションによるリードナーチャリングのKPI(開封率、クリック率、継続率、コンバージョン率、返信率)を高める方法をご紹介しよう。

KPIを高めるには、「いつメール配信するか?」「誰にメール配信するか?」「何をメール配信するか?」の3つが重要である。欲しいタイミングで、欲しい情報が、欲しいリードに届くと、KPIは間違いなく向上する。

具体的な方法については、下記のPDF資料でまとめている。実際に弊社が自社で発行しているメルマガの実験結果を交えながら、「こうすれば開封率が上がった」など、具体的な方法を説明している資料だ。ぜひお申込みいただければと思う。

返信率についても紹介しているのでぜひご確認いただければと思う。

BtoBメルマガの開封率・クリック率を高める7つの法則
〜MA活用の効果を高めるメールマーケティングテクニック〜
https://btobmarketing.aluha.net/contact/white-paper/#r18

BtoBリードナーチャリングの基礎コラム


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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績