休眠顧客や休眠リードを掘り起こす4つの方法とメールを活用した2つの具体例

休眠顧客や休眠リードを掘り起こす4つの方法とメール活用例
Last Updated on 2024年9月7日 by 荻野永策

BtoBマーケティング営業戦略を展開すると、「休眠顧客」「休眠リード」が随時発生する。「休眠顧客」「休眠リード」は、顧客・リードとの接点を継続できなかったことにより発生するケースが多く、マーケターや営業部門の悩みの1つと言える。実際に弊社にも下記のようなご相談をいただいた。

蓄積された「埋まっているリード」のナーチャリング方法(R社W氏)
WEBやメールコンテンツがうまく作れなく、リードナーチャリングができず休眠リードが多い。 (I社M氏)
休眠顧客の掘り起こし方(F社Y氏)

そこで今回のコラムでは、BtoBにおける「休眠顧客」「休眠リード」の「掘り起こしのやり方」について4つの方法を解説する。さらにメールを活用した2つの具体例もご紹介する。

休眠顧客・休眠リードとは?

休眠顧客とは?定義と主な発生要因

休眠顧客とは、過去に取引していたが、その後一定期間、取引がない状態の既存顧客のことをいう。休眠顧客化してしまう最大の要因は、一言で言えば、「売りっぱなし」である。自社製品やサービスを購入した後、購入後のフォローを行わず、放置していると「売りっぱなし状態」となり、時間が経てば経つほど、休眠顧客化する可能性が高くなる。

休眠リードとは?定義と主な発生要因

休眠リードとは、過去に商談を進めていたなどの接点があったが、その後一定期間、何の接点もない状態の見込み客のことを言う。休眠リード化してしまう最大の要因は、一言で言えば、「見込み客のほったらかし」である。「商談が進まない」「検討中から自然消滅した」などさまざまな理由で接点が継続できなくなるが、その状態が一定期間続くと休眠リードとなってしまう。

休眠顧客・休眠リードの掘り起こしの仕方「4つの方法」

このような休眠顧客・休眠リードを掘り起こすにはどのようにすればよいだろうか?休眠顧客・休眠リードは少なくとも相手の社名、名前などの連絡先はわかっているため、主に下記のような4つの方法が考えられる。それぞれの方法はメリット・デメリットもあるので、御社の状況に合わせて方法を使い分けていただけたらと思う。

休眠顧客・休眠リードの掘り起こしの仕方「4つの方法」
  1. メールで掘り起こす
  2. 電話で掘り起こす
  3. 手紙で掘り起こす
  4. 年賀状など季節の挨拶で掘り起こす

メールで掘り起こす

概要休眠顧客・休眠リードのメールアドレスに対して、メルマガを配信し、掘り起こしを狙う方法。主に、ホワイトペーパー、アンケート、セミナーなどを案内して掘り起こしを狙う。
どのようなシーンで使えるか ・休眠顧客・休眠リードのメールアドレスが判明している場合
・少人数で掘り起こしを実現したい場合
・休眠顧客・休眠リードがコロナなどの影響で在宅ワークしている場合など
メリット ・少人数で大量の休眠顧客・休眠リードにアプローチ可能
・コストが安く抑えられる
・タイムリーに施策展開できる
・メルマガのネタさえあれば、継続的に掘り起こし活動ができる
デメリット ・メールなので訴求力が弱い
・継続的にメルマガのコンテンツを作らなければならない
・メルマガの配信停止を受けることが多く、休眠顧客・休眠リードのリストが減っていく
成功のコツ休眠顧客・休眠リードに対して、有益なコンテンツをメルマガで配信し続けることが重要。そのためには、アンケートなどを行い休眠顧客・休眠リードの興味に合わせてメルマガのネタを設計する必要がある。

電話で掘り起こす

概要休眠顧客・休眠リードに対して継続的に電話フォローを行い、今の状況や課題を聞き出して掘り起こしを行う。メール同様にセミナーやホワイトペーパーの案内をするのも効果的。
どのようなシーンで使えるか ・休眠顧客・休眠リードの電話番号が判明している場合
・臨機応変な対応を行い着実に掘り起こししたい場合など
メリット ・人間が行うため臨機応変な掘り起こしが可能
・リードと対話できるため課題・現状確認がやりやすい(双方向性がある)
デメリット ・在宅勤務であればつながりにくい
・電話する理由がないと電話しにくい
・迷惑がられることもあり、ストレスが溜まる
成功のコツ電話をするタイミングの見極めと電話する理由(ネタ)の検討が成功のコツ。

手紙で掘り起こす

概要休眠顧客・休眠リードに対して、手書きもしくはWORDで作成した手紙を郵送し、掘り起こしを狙う。ご無沙汰していますと言うご挨拶とともに、自社の近況、自分自身の近況を報告し、関係再構築を狙う
どのようなシーンで使えるか 長期間接点がない休眠顧客・休眠リードや、他の方法で掘り起こしするもなかなか反応がない場合などに活用
メリット気持ちを込めた手紙にすることで、関係再構築が狙える
デメリット手間がかかり、手紙を作文するのが大変
成功のコツ手紙のネタを何にするのか?がポイント。ネタの具体例の1つに周年記念の手紙がある。例えば、弊社では、10周年記念のタイミングで「10周年感謝の手紙」を休眠顧客・休眠リードに送付し、応援メッセージやお祝いメッセージをもらうことで、関係の再構築を実現した。「周年記念の手紙」は乱発ができないが、他の方法で掘り起こしが難しい場合などでも効果を発揮することがある。

年賀状など季節の挨拶で掘り起こす

概要年賀状、暑中見舞いなどを送付し、一言メッセージを添えて掘り起こしを狙う。
どのようなシーンで使えるかメルマガ、電話がやりにくく、手紙も出せないといった場合に、活用するケースが多い。年賀状と暑中見舞いを送付すれば年2回(半年に1回)、接点を作り出せる可能性がある。
メリット季節の挨拶なので、気軽に実現可能
デメリット ・手間がかかる
・売り込みがやりにくい
成功のコツご無沙汰していますなどのメッセージを記載し、近況報告するなどして関係再構築を狙う。休眠顧客・休眠リードの数が多い場合は、特に重要な相手だけに絞ると言うやり方もあり。

メールを活用した掘り起こし2つの方法とメール見本例

4つの休眠顧客・休眠リードの掘り起こし方法をご紹介したが、どの方法もメリット・デメリットがあるが、最近はメールを活用するケースが多い。最大の理由は「大量の休眠顧客・休眠リードでも対応可能」といった点にある。

そこで、ここからは、メールを活用した掘り起こし方法の具体例を2つ紹介する。またその各具体例において、どのようなメールを配信すればよいか?のメールの見本もご紹介しよう。

ホワイトペーパーの活用とメール例文

1つ目の具体例は、ホワイトペーパーだ。「ホワイトペーパー」とは、休眠顧客・休眠リードにとって有益な情報(課題解決の方法、何かを学べる情報、他社の事例など)をPDFにまとめた資料のことを言う。例えば弊社であれば、弊社の資料請求ページで下記のようなホワイトペーパーを合計で30本(2022年11月時点)配布している。

弊社のホワイトペーパー例
BtoBメルマガで重要な3つのKPIと改善するための具体策
BtoBメルマガの開封率・クリック率を高める7つの法則
商談や案件につながるオンラインセミナーの設計・実施方法とその成功事例

こういったホワイトペーパーを作成し、休眠顧客・休眠リードにメールで案内することで、資料請求という接点を作り出すことができる。

BtoBメルマガで重要な3つのKPIと改善するための具体策」のホワイトペーパーを案内するときのメールの具体例は下記のようなイメージだ。なおメール内の「**」には、休眠顧客・休眠リードの苗字をいれて配信する。

**様

お世話になります。
株式会社ALUHAです。

先日、弊社のWEBサイトで、BtoBのメルマガに関する
PDF資料を作成し公開しました。
もしかしたら、**様の普段の業務の参考になるかも?と思い、ご連絡いたしました。

PDF資料のタイトル
「BtoBメルマガで重要な3つのKPIと改善するための具体策」

主な内容
この資料は、BtoBのメルマガのKPIについて解説しています。
メルマガのKPIとしてよく「開封率やクリック率」が設定されますが、
弊社では「開封率やクリック率」はメインのKPIにならないと考えています。

この資料では、
・KPIを何に設定すべきか?
・なぜそのKPIが重要なのか?
・どのように改善していくのか?
について解説します。

ぜひ御社のメルマガ運用にお役立てください。

資料の詳細は下記のURLから確認できますので、
ぜひご確認いただけたらと思います。

●●ここに資料の詳細URLを記載●●

**様のお役に立てればと思い作成しました。
ぜひお気軽にお申し込みください。

メールの冒頭で相手の関係性に合わせて、季節の挨拶やご無沙汰していますなどの文章を入れるのもOKだ。上記をベースに相手との関係性に合わせて作文してみよう。

セミナーの活用とメール例文

2つ目の具体例はセミナーだ。休眠顧客・休眠リードに対して、セミナーを企画し、メールで案内する。セミナーはオンラインセミナーでもよく、送付する相手との関係性をみながらオンラインで実施するかどうかを検討しよう。

例えは弊社であれば、毎月さまざまなオンラインセミナーを実施している。例えば、2022年9月に実施したセミナーは「オンラインセミナーでリード獲得や商談創出できない時の対処法」をテーマにしたオンラインセミナーだ。こういったセミナーを企画し、メールで休眠顧客・休眠リードに案内する。案内メールの具体例としては下記の通りだ。

**様

お世話になります。
株式会社ALUHAです。

2022年9月に、
「オンラインセミナーでリード獲得や商談創出できない時の対処法」をテーマに、
「BtoBデジタルマーケティングセミナー」を実施します。

もしかしたら、**様にとって、
有益なテーマのセミナーかも?と思い、ご連絡させていただきました。

今回のセミナーでは、BtoB企業向けにオンラインセミナーの
企画立案の手法・手順について詳しくお話しします。

オンラインセミナーを実施しているがリード獲得につながらない、
商談に繋がらないといった課題の解決策のヒントが得られます。

下記のような実践的な内容を立案例もお見せしながらお話ししますので、非常に良いヒントが得られるかと思います。

ぜひこの機会にお申し込みください。

<セミナーの内容>

(1)多くのリードを獲得したい時のオンラインセミナーの企画立案プロセス
・どういうプロセスで立案するのか?手順
・なぜこのプロセスが効果的なのか?の理由
・実際の企画立案例

(2)数よりも質重視(商談創出重視)したい時のオンラインセミナーの企画立案プロセス
・どういうプロセスで立案するのか?手順
・なぜこのプロセスが効果的なのか?の理由
・実際の企画立案例

(3)オンラインセミナーのPDCAの回し方

セミナーの詳細・日時については下記のURLをご参照ください。
(いつもすぐに埋まってしまいますので、早めにご確認ください。)

●●ここにセミナーの詳細URLを記載●●

**様のお役に立てればと思いご連絡いたしました。
ぜひお気軽にお申し込みください。

こちらも、ホワイトペーパー同様、相手の関係性に合わせて、メールの冒頭に季節の挨拶やご無沙汰していますなどの文章を入れるのもOKだ。

休眠顧客・休眠リードの掘り起こしまとめ

以上、休眠顧客・休眠リードの掘り起こし方法を4つ、そしてメールを活用した具体例を2つご紹介した。掘り起こし方法は相手との関係性にあわせて、4つの中から最適な方法を選択するとよい。

ただし、どの方法にしても、「継続的に実行する」と言うのが重要だ。そうしなければ、結局「売りっぱなし状態」「ほったらかし状態」から脱却できない。そのため、休眠顧客・休眠リードの掘り起こしは、どのような方法にせよ、継続的に実行することが重要と言える。

BtoBリードナーチャリングの基礎コラム


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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績