BtoB企業の新規事業・新製品開発において、販売開始時点でのBtoBマーケティング活動や営業の立ち回りは、短期的な商談や案件創出において非常に重要な局面である。特に既存顧客や既存リードへの新商品提案は、BtoBマーケティングや営業活動の初動として非常に重要だ。この初動に失敗すると、なかなか売り上げを作ることができず、新製品や新規事業が軌道に乗りにくくなる。
弊社にも新製品や新規事業に関して、さまざまな相談をいただくが、先日、以下のようなご相談をいただいた。

そこで本コラムでは、新製品におけるBtoBマーケティングや営業活動のやり方について、解説する。特に販売開始直後の初動に焦点を当てて、最初に商談や案件を作るために何をすべきか?をご紹介する。
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新製品や新規事業のBtoBマーケティングのやり方
新製品や新規事業におけるBtoBマーケティングの役割としては、「リードジェネレーション(新規リード獲得)」や「デマンドジェネレーション(新規の需要創出)」の役割が強い。
つまり、何らかの方法で、新製品の新規リードを獲得したり、既存リードや既存顧客から新製品の新しい需要を創出し、営業案件や商談のきっかけを作り出すことが求められる。
こういった状況下でどのようなやり方があるのか、3つのやり方をご紹介する。
- 既存のリードに対する課題調査
- ソリューション提案書の作成
- ソリューション提案書をホワイトペーパー化してWEBでリード獲得
既存のリードに対する課題調査
1つ目のやり方は、「既存のリードに対する課題調査」を行い、その課題調査をきっかけにデマンドジェネレーションするというやり方だ。この活動の主なプロセスは以下のようになる。
新製品のターゲットリストを作成 | 自社の既存顧客や既存の見込み客の中から、新製品のターゲットとなる企業をリストアップする。既存顧客・既存見込み客であるため、社名、担当者名、連絡先(メールアドレスなど)は全て判明済みだ。そのため、個人情報も含めてリスト化しよう。 |
課題調査アンケートの設計 | ターゲットリストに対して、どんな課題や悩みがあるのか?を聞き出すアンケートを設計する。アンケートの内容は課題調査だ。新製品の詳細にもよるが、基本的に顧客は「すでに何か別の製品を使っている」可能性が高い。そしてその別製品の活用によって何らかの課題や悩みを抱えている可能性がある。その課題や悩みをアンケートで聞き出すのである。 |
アンケートメールの作文と配信 | アンケート設計ができたら、アンケートフォームをWEB上に作成し、アンケートメールを作文する。アンケートメールは、アンケートのお願いという内容にし、少しでも課題解決のお役に立ちたいという理由でアンケート協力をお願いしてみよう。可能であれば、メーラーから1通1通配信すると回答率は非常に高くなるだろう。特に回答が欲しい企業に対しては個別に配信し、そうでない企業は一斉配信するなど、効率と成果のバランスを考えて施策展開すると良い。 |
回答集計とリマインド | メール配信後、しばらく様子見して、もし回答が少ないようであれば再度リマインドメールを送付しよう。そして回答が得られたら、どんな課題を抱えている企業が多いのかを分析する。 |
回答に対して返信し新製品提案する | 回答分析を進めると、「新製品で解決の支援ができる課題」で悩んでいる顧客や既存リードが見つかることがある。そういった顧客やリードに対して、新製品の案内を個別に行い、製品紹介のアポイントを取る。顧客やリードが抱えている課題や悩みに対して、新製品で応えることができる可能性があるため、興味を持って聞いてくれる可能性が高い |
このように、顧客や既存リードの課題調査を行い、そこから商談や案件のきっかけを作り出すというやり方がある。顧客や既存リードの課題に合わせて新製品の提案ができるため、商談化や案件化する可能性を高めることができる。比較的短期間で実行もできるため、初動としては効果的だろう。
ソリューション提案書の作成
2つ目のやり方は、「ソリューション提案書の作成」だ。その主なプロセスは以下のようになる。
新製品で解決できる課題を整理 | まずは新製品でどんな課題を解決できるのか(解決支援ができるのか?)を整理する。この時、新製品の代替品となる製品が市場に出回っている場合は、その代替品と比べてどう違うのか?何の課題をどう解決できるのか?を具体化しておこう。 |
ソリューション提案書を作成 | 解決できる課題を整理できたら、その課題の詳細とその課題をどのように新製品で解決できるのか?をまとめたPDF資料を作成しよう。これをソリューション提案書という。主な資料の構成案は以下の通りだ。 ・代替品における課題 ・その課題を解決する新製品の概要 ・課題を解決できる理由(もしくは解決のためのプロセス) ・解決事例・実績(あれば) |
見込み客リストの作成 | 自社の既存顧客や既存の見込み客の中から、新製品のターゲットとなる企業をリストアップする。既存顧客・既存見込み客であるため、社名、担当者名、連絡先(メールアドレスなど)は全て判明済みだ。そのため、個人情報も含めてリスト化しよう。 |
見込み客リストにソリューション提案書を配布 | 見込み客リストができたら、そのリストに対してソリューション提案書をメルマガなどで配布する。資料請求フォームをつくり、ソリューション提案書の資料請求をメルマガ経由で獲得できるようにしよう。 |
資料請求した企業にアプローチ | メルマガ配信後、資料請求が獲得できたら、その企業に営業フォローし案件や商談のきっかけを作っていく。 |
1つ目の方法では、アンケート回答が必須であったが、この方法の場合だと、回答がなくても実現可能である。アンケート施策に自信がない場合は2つ目の方法がおすすめだ。この方法は、アンケートがないため、1つ目のよりも短期間で実行可能だ。
ソリューション提案書をホワイトペーパー化してWEBでリード獲得
3つ目の方法は、2つ目の方法で作成したソリューション提案書を活用し、WEBサイトで新規リードを獲得するという方法だ。主なプロセスは以下の通りだ。
ソリューション提案書の資料請求フォームの作成 | 2つ目の方法で作成したソリューション提案書を資料請求できるフォームを作成し公開する |
WEBサイトへの集客施策 | ソリューション提案書に記載されているさまざまなキーワードを起点に、SEO対策やリスティング広告などを展開し、WEBサイトへの来訪者を増やす |
フォーム誘導して資料請求獲得 | 来訪者を資料請求フォームに誘導する導線をWEBサイトに設置し、資料請求獲得を狙う |
3つ目の方法は、WEB経由での新規リード獲得の施策だ。1つ目、2つ目に比べると時間のかかる施策であるが、軌道に乗ると毎月WEB経由での新規リード獲得が可能になる。新規事業や新製品のリード獲得を安定化させたい場合は、おすすめの方法だ。
新製品や新規事業の営業担当者の立ち回り方
次に、新規事業や新製品の営業を担当する営業担当者の活動について解説する。BtoBマーケティングの3つのやり方をこのコラムの前半でご紹介しているが、そこで獲得できた案件や商談のフォローだけでなく、営業担当者ならではの個別の活動が求められる。
既存顧客への提案活動
1つ目は、既存顧客への提案活動だ。最もわかりやすい活動であろう。自分が担当している既存顧客に対して、新製品を紹介する。日々、接点のある顧客企業であるためアポイントも取りやすいはずだ。ただ、自分自身が担当する顧客企業の数には限界があるため、一定期間が経過すると訪問先がなくなってしまうのが難点である。
だからこそ、BtoBマーケティングの活動で訪問先を継続的に補充しなければならない。
特に売り込みたい優先度の高い見込み客に個別営業
2つ目は、自社の既存顧客ではない見込み客の中で、特に売り込みたい優先度の高い見込み客を絞り込み、その企業に対して個別対応していくというやり方だ。自社の既存見込み客であるため、社名、担当者名、連絡先などは判明しているのでメールを個別に送付することは可能だ。
新製品ではどういう課題を解決できるのか?などの特徴や強みをメールにまとめて、ご紹介させて欲しいと連絡してみよう。1件でも反応があれば、営業案件化する可能性がある。
ただし、既存顧客ではないため、日々の接点は少なく、メールしても反応がないということは多々ある。そのため、1つ目の活用よりは成果には繋がりにくい可能性がある。
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まとめ
以上、新規事業や新製品に関するBtoBマーケティングや営業のやり方について概要をご紹介した。営業活動については、すでに実行している企業も多いと考えられるが、BtoBマーケティングの活動については、手薄になっている可能性はないだろうか?もしそうであれば、ぜひ一度御社内で取り組みできないか、営業会議の議題にしていただけたらと思う。