ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?ターゲットアカウントの決め方とツールや手法、成功事例を解説

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは何か?どうやってやるのか?成功事例も合わせてご紹介
Last Updated on 2025年7月21日 by 荻野永策

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング、英語:Account Based Marketing)とは、ターゲットとなる企業(ターゲットアカウント)に対して、よりOneToOneのマーケティング活動を展開するBtoBマーケティング手法のことだ。狙い澄ましたABM顧客企業に対して、重点的なマーケティング施策を展開することで、営業部門との連携を強化し、営業フォロー率の向上やLTV向上を狙う。

今回のコラムでは、ABMの基礎や手順、そして最も重要なABM顧客(ターゲットアカウントをどのように定義するのか?)など、ABMの基礎についてわかりやすく解説する。狙いすました顧客企業を獲得する営業戦略の立案のヒントにもなるので、ぜひ最後までご覧いただきたい。

ICP(理想的な顧客像)を軸にした効率的なABMプロセス

ICP(理想的な顧客像)を軸にしたABMの進め方をわかりやすくPDF資料にまとめています。ICPをどのように定義するのかを具体的に解説していますので、アカウント営業やABM推進のヒントにお役立てください。

ICP定義書のサンプル

ICP定義書のサンプル

  1. ABMとは何か?
  2. ICPを軸にしたABMとターゲットアカウントを軸にしたABMの違い
  3. エビデンスのあるICPを定義する方法
  4. ICPを軸にしたABMの進め方

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ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?

ABM(Account Based Marketing)とは?意味や定義をわかりやすく解説

ABMとは、ターゲットとなる企業(ターゲットアカウント)に対して、よりOneToOneのマーケティング活動を展開するBtoBマーケティング手法のことだ。

BtoBマーケティング(デマンドジェネレーション)とABMの違い

BtoBマーケティング(デマンドジェネレーション)とABMの違い

上記図のように、一般的なBtoBマーケティング(図左側)は、リード獲得を行い、育成して、受注を狙うという流れであるのに対し、ABM(図右側)は「最初の段階で狙うべき企業」を確定させ、その企業に対して接点をマーケティング活動で創出し、信頼関係を深め、企業ごとの売り上げを最大化していくという流れだ。

ABMは顧客1社あたりの売り上げを最大化する(LTVを向上させる)ことを重要視するのに対し、一般的なBtoBマーケティングでは、「購入企業数を増やす」ということを重要視する。

これら2つは正誤の問題ではなく、戦略的な観点から、自社の商材やリソース、顧客特性を判断材料に、どのようなバランスでどう進めていくか?が重要となる。

デマンドジェネレーションとABMの違い

デマンドジェネレーションとは、日本語で言えば、「需要の創出」であり、その名の通り、リードや顧客から需要を創出していく活動のことだ。ABMのように「狙うべき企業」を決めるのではなく、スコアリングなどを活用して確度の高いリードや顧客を見つけて絞り込んでいく。漁業に例えると、デマンドジェネレーションは投網のような方式で、ABMは狙った魚を釣り上げるための一本釣りといったイメージである。

デマンドジェネレーションは、認知を広げてリードジェネレーションを行い、そこからリードナーチャリング(リード育成)リードクオリフィケーション(リード抽出)を行なって、商談や案件を作っていく。量中心のマーケティングや営業と言えるだろう。

逆にABMは、最初から狙うべき企業が決まっているため、その企業との関係性をどう深めていくか、そしてどのように受注獲得し、LTVを高めていくか?を考える。そのため、質中心のマーケティングや営業と言えるだろう。

リードジェネレーションとは?リード獲得のやり方と手法や成功事例などを動画でわかりやすく解説。

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アカウント営業(アカウントセールス)とABMの違い

アカウント営業とは、アプローチする顧客を絞り込み、特定の顧客との関係性を深めて商談を作っていく営業手法のこと、もしくは、そういった営業を行なっている営業担当者のことだ。ABMを実現する営業手法の1つと言える。概念としては非常に似ている。

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ABMのメリットや目的

ABMのメリットや目的をまとめると下記のようになる。

LTVと利益貢献度の向上

ABMを実施し成果を出していくと、1社あたりの売り上げが向上し、LTVが高くなる。特定企業との取引継続年数や金額が増大し、売り上げや利益に大きく貢献する。そのため、ABMは優良顧客を増やすというような目的がある。取引が継続する限り、安定した大きな売り上げを確保でき、営業や経営に安定感をもたらす。

営業リソースの集約

ABMは特定企業を狙うため、営業やマーケティングリソースをそこに集中できる。さらに、多少無駄な工数がかかっても、受注となれば大きな成果が期待できるため、よりじっくり、確実に営業やマーケティング施策を展開できる。営業部門の人員不足や高齢化なども加速していくため、今後の営業体制の再構築にも役立つ。

営業とマーケティングの連携強化

ABMは売れると成果の大きな企業を対象とするため、営業部門から見れば、「大口顧客」になる。そのため、マーケティング活動で獲得した顧客接点が重要視され、営業とマーケティングの連携力が強力(営業フォロー率の向上)になる。言い換えれば、ほったらかしにされたり、営業対応を後回しにされるというようなことが最小化される。

ABMのデメリットや課題

ABMはよいことばかりではない。当然、デメリットや課題もある。

売上の依存性向上

ABM施策を重要視しすぎると、ある特定企業に売り上げが依存してしまい、万が一、顧客流出のようなことが発生すると、事業の売り上げが急激に激減する。事業戦略や経営戦略から見れば顧客流出が命取りになる可能性すらある。営業担当が変更になり引き継ぎなどに失敗すると、顧客流出のリスクが高まるため、引き継ぎの重要性が高く、かつ、普段のうっかりミスなどは注意しなければならない。

営業・マーケティング工数の増大と武器の準備

特定企業を狙った営業やマーケティングを展開するため、やればやるほどOneToOne化していく。その結果、工数が増大する。加えて、大口顧客は競合企業も狙っているため、競争が激しく、「強みの明確化」「成功事例の創出」といった営業やマーケティングの具体的な武器が必須だ。具体的な武器がなければ、なかなか入り込むこともできず、時間がかかり成果に繋がらない。

ICP(理想的な顧客像)を軸にした効率的なABMプロセス

ICP(理想的な顧客像)を軸にしたABMの進め方をわかりやすくPDF資料にまとめています。ICPをどのように定義するのかを具体的に解説していますので、アカウント営業やABM推進のヒントにお役立てください。

ICP定義書のサンプル

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  1. ABMとは何か?
  2. ICPを軸にしたABMとターゲットアカウントを軸にしたABMの違い
  3. エビデンスのあるICPを定義する方法
  4. ICPを軸にしたABMの進め方

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ABMのターゲットアカウントとICPとは?

ターゲットアカウントとは?

ターゲットアカウントとは、ABMの活動において、具体的にターゲットとなる企業名リストのことだ。企業名リストであるため、具体的なターゲットの社名がリストアップされる。自社にとってLTVの向上が期待できる企業リストとなるため、「なぜLTV向上が期待できるのか?」の理由や、「LTV向上のポテンシャルがあるのか?」を分析し、ターゲットアカウントリストを作成しなければならない。「なぜLTV向上が期待できるのか?」や「LTV向上のポテンシャルがあるのか?」を全く考慮せずに、リストを作ってしまうと、「売れてもLTVが上がるとは限らない」という結果につながり、ABM施策はうまくいかない。そのため、ターゲットアカウントリストの作成はABMにおいて非常に重要だ。

ICPとは?

ICPとは、理想的な顧客像のことだ。理想的な顧客像とは、「自社事業と相性が良く、受注になれば高いLTVが期待できるリードや顧客のこと」で、「次の優良顧客の候補となるリードや顧客像」ともいえる。ターゲットアカウントは「社名リスト」を作成するのに対し、ICPは「社名リストは作成しない」。代わりに、「ABM施策のターゲットとなる企業の条件」を定義する。ターゲットアカウントリストは社名リストになるため、具体性がある反面、「ターゲットに抜け漏れ」が発生する可能性がある。そのため、ターゲットアカウントを絞りきれないという場合は、ICPを定義すると良い。以下表は、ICP定義の具体例だ。わかりやすくするため、最小限の内容しか記載していないが、LTV向上につながるための条件を細かく分析し決めていく。

ICPの条件定義例
条件項目例条件定義
業種製造業
年商年商500億円以上
従業員数***人以上
拠点数国内5拠点以上
部門生産部門、設計部門
役職課長以上
解決したい課題課題Aと課題D
取り組みたいこと***と***

上記の表は弊社で作成したサンプルであるが、このように、どんな企業像をターゲットにするか?を決めるのがICPだ。ICPの条件を決める際のポイントは「LTV向上につながるかどうか?」「自社事業と相性がよいかどうか?」の2つであり、この2つがあるからこそ理想的な顧客像と言える。仮に、「LTV向上につながるかどうか?」が抜け落ちたICPを定義してしまうと、LTV最大化の施策をいくら展開してもLTVは最大化しない。つまり、「売れてもLTVが低くなる可能性がある」ということだ。そのような状況では、ABMとはいえず、デマンドジェネレーションと代わりない。

ICP(理想的な顧客像)を軸にした効率的なABMプロセス

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ICP定義書のサンプル

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  1. ABMとは何か?
  2. ICPを軸にしたABMとターゲットアカウントを軸にしたABMの違い
  3. エビデンスのあるICPを定義する方法
  4. ICPを軸にしたABMの進め方

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ABMの進め方手順

それでは、ABMを具体的に進める手順をご紹介する。ここでは、ALUHAが得意とする「ICPの定義」を決めてからABM施策に展開する手順の概要をご紹介しよう。

ICPを確定する

ABMで最初にやるべきことは、ICPを確定することだ。これがなければ何もできない。具体的には企業条件を決めることになるが、どのように決めればよいだろうか?

最もわかりやすいプロセスの1つは、「優良顧客分析」だ。既存顧客の中でも売り上げの多い優良顧客をピックアップし、その優良顧客の企業規模や課題を分析し、共通項目を見出していくのである。そうすることで、ICPの企業条件を具体化できる。実際の優良顧客のデータを活用しているのでエビデンスもしっかりしており、精度の高いICPを設定できる。

「優良顧客分析」は、最初に、企業規模の共通点を分析することから始めよう。優良顧客の社名はわかっているはずなので、WEBサイトや企業データベースなどの情報を確認しながら、従業員数、年商、事業所数など、企業の属性情報を具体化しよう。

次に優良顧客の課題分析だ。これはSFAなど商談管理ツールやCRMなどの顧客管理ツールが導入されていれば、そこに優良顧客の日々のやりとりが記録されているので、その中に課題の情報が眠っている可能性がある。そういった社内の情報を1箇所に集約し分析すると良い。

分析が難しい場合は、残念ながら優良顧客といえども課題が明確にできないため、満足度調査などを行い、ヒヤリング調査するしかないだろう。

ICPへのリード獲得・育成の施策を具体化する

ICPの「企業条件」が具体化できたら、リード獲得や育成の施策を検討する。「企業条件」の中には、「課題」のデータがあるので、その課題に合わせて、マーケティングコンテンツや営業提案書を作成すると良い。

具体的には、下記のようなイメージだ。

ICPへのリード獲得・育成の施策例
  1. 明確化した課題を解決するプロセスをまとめたホワイトペーパーの作成
  2. 明確化した課題を解決するプロセスをまとめたビジネスコラムの公開
  3. 明確化した課題を解決するプロセスを紹介するメルマガの配信
  4. 明確化した課題を解決するプロセスを紹介するセミナー
  5. 明確化した課題を解決できた成功事例コンテンツの作成
  6. 明確化した課題を解決するプロセスをまとめた営業提案書の作成

    このように、ICPの定義で明確になった課題に関連する各種コンテンツを準備し、ABMの武器にしていくのである。こういった武器がたくさん揃うと、さまざまなABM施策を展開することができる。

    ICPにABM施策を展開

    ABM施策の武器が準備できたら、ABM施策を展開しよう。ICPに該当する名刺データがあれば、それらの名刺データをリスト化し、メルマガでコンテンツ配信することや、WEBサイトでホワイトペーパーを公開し、CV獲得を狙うといったことが可能だ。

    ABMの成功事例「顧客貢献度調査からのアカウントベースドマーケティング事例」

    それでは、ABMの成功事例を1つご紹介する。

    顧客貢献度調査からのABM(アカウントベースドマーケティング)事例
    企業名IT企業「株式会社アシスト様」
    主な内容強みを活かした価値提案と案件創出の成功事例
    活動概要ABMの成功事例インタンビュー

    上記の例は、優良顧客への貢献度調査を実施してABM施策を展開した成功事例だ。実際のプロセスや成果も紹介しているのでぜひ参照して欲しい。

    ICP(理想的な顧客像)を軸にした効率的なABMプロセス

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    ICP定義書のサンプル

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    1. ABMとは何か?
    2. ICPを軸にしたABMとターゲットアカウントを軸にしたABMの違い
    3. エビデンスのあるICPを定義する方法
    4. ICPを軸にしたABMの進め方

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    ABM戦略の立案

    ABMは戦略的に実行する必要がある。そのため、弊社ではABMとデジタルマーケティングの融合を提唱している。ABMは人間が実施すると臨機応変な活動ができる反面、工数増大を伴うため、デジタルとの融合は今後必須となるだろう。そこで、ABM戦略を立案する上で、重要なポイントを2つご紹介する。

    デジタル化する

    1つ目は、やはりデジタル活用だ。ICPを狙った新規接点の創出(リード獲得)とリード育成が必要になるが、OneToOneの活動になるため、人間での活動には限界がでてくる。そのため、ABMで必要なマーケティングコンテンツをデジタルコンテンツ化し、デジタルマーケティングと融合させていくことが重要だ。

    デジタルコンテンツ化すれば、そのコンテンツがWEBサイトなどに蓄積され、ABM活動の資産となる。やればやるほど資産となるので、中長期的なABM戦略として効果が向上していくだろう。

    ただし、ジレンマもある。ABMは1社1社、関係を深めていくことが重要であるため、やはり、「対面に勝るものなし」で、デジタルだけだとどうしても関係作りが弱くなる。人中心にして工数の限界を感じつつもABMを進めるか、デジタルシフトしながら、徐々に工数削減するか、それが今後のABM戦略の大きな分岐点になるだろう。

    ICPの課題把握を継続的に

    2つ目は、ICPの課題把握だ。デジタル活用しようが、人間が活動しようが、ICPの課題を定期的に把握できていなければ、どのような施策も効果が下がってしまう。ICPにグサっとささるアプローチが必要だ。

    そのためには、ICPの継続的な課題調査が必要だ。担当者レベルでの課題(業務課題やその部門の課題、事業の課題)のヒヤリングやアンケート調査で継続的に確認することも重要だ。アンケートメールなどを送付し、課題や悩みを確認して、関係性を深める切り口を見つけ出そう。仮説や思い込みでABMの施策展開しても、なかなか成果が出ない。戦略を具体化し成果に繋げるには、継続的な課題把握は必須なのである。

    ICP(理想的な顧客像)を軸にした効率的なABMプロセス

    ICP(理想的な顧客像)を軸にしたABMの進め方をわかりやすくPDF資料にまとめています。ICPをどのように定義するのかを具体的に解説していますので、アカウント営業やABM推進のヒントにお役立てください。

    ICP定義書のサンプル

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    2. ICPを軸にしたABMとターゲットアカウントを軸にしたABMの違い
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    4. ICPを軸にしたABMの進め方

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    ABMの主な手法

    ICPを軸にしたABMで主に活用される手法をご紹介する。

    個別セミナー、個別デモ、個別勉強会

    ICPに該当するリードや顧客に対して展開するのが個別セミナー、個別デモ、個別勉強会である。個別に実施するため、ホワイトスペース開拓や、バイインググループとの接点創出などが可能となる。ICPが解決したい課題に特化した内容のセミナーや勉強会、デモを実施し、顧客やリードに入り込んでいく。

    ソリューションコンテンツ

    ソリューションコンテンツとは、ICPが解決したい課題に対して、その解決方法や解決事例をまとめたコンテンツのことだ。ホワイトペーパーにすれば、ICPとの新規接点創出が可能になる。またセミナーにすれば、ICPに対する関係構築や関係深耕が可能だ。ICPを狙い撃ちした課題に特化したコンテンツとなるため、非常にマニアックな内容になることも多い。

    ICP(理想的な顧客像)を軸にした効率的なABMプロセス

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    ICP定義書のサンプル

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    2. ICPを軸にしたABMとターゲットアカウントを軸にしたABMの違い
    3. エビデンスのあるICPを定義する方法
    4. ICPを軸にしたABMの進め方

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    ABMで活用するツールやサービス

    それでは、最後にABMで活用する4つのツールをご紹介する。

    企業データベース

    企業データベースとは、国内の企業情報がデータベース化されているサービスやツールのことだ。企業名、従業員数、業種など、法人情報の細かい属性が最新情報として整理されているため、ICPに該当する顧客やリードの最新情報を入手する際に役立つ。

    SFA

    過去の営業や商談の記録を残すことができるツールだ。顧客の課題や要望がSFAに登録されていれば、課題分析・把握の際の良い情報源になる。ABMでは課題把握が非常に重要と上述したが、SFAには課題情報が眠っている可能性があるため、必ず活用すると良い。

    CRM

    既存顧客との関係を管理するのがCRMだ。既存顧客からの問い合わせ対応などの記録が残っているため、SFA同様、課題や要望を把握する情報源に活用できる可能性がある。

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    MA(マーケティングオートメーション)

    MA(マーケティングオートメーション)は、主に、見込み客との関係構築や商談創出を目的に開発されたITツールだ。ICPに該当するリードや顧客のクッキーと個人情報がMA上で紐づいていれば、自社サイトのアクセス履歴などを確認でき、営業やマーケティング施策と連動させることができる。例えば、ICPに該当する企業のAさんが、製品Aの「料金ページ」を見たとしよう。すると、その情報がMAからアラートされるため、Aさんに対して何かしらのフォロー営業を実施することができる。

    ABMは、OneToOneの細かなフォローが必要になるため、こういったタイミングを逃さないようにするためにもMA活用は重要だ。

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    ABMまとめ

    以上、ABMの基礎ややり方、ICPの決め方、成功事例について解説した。ABMは自社にとって有益な顧客をどう獲得していくか?のマーケティング手法であるため、売り上げの最大化を実現するマーケティング手法といえる。

    実現するには様々なハードルもあるが、工夫次第ではスモールスタートでコツコツ始めることも可能だ。実際に、弊社のような小規模企業でもデジタルを駆使してABMを展開しており、成果を出している。今後、営業部門の高齢化、人手不足が深刻化する中、営業強化の策の1つとして、ABMの考え方を取り入れていくのは1つの選択肢だと言える。ぜひ御社でも挑戦してほしい。

    ICP(理想的な顧客像)を軸にした効率的なABMプロセス

    ICP(理想的な顧客像)を軸にしたABMの進め方をわかりやすくPDF資料にまとめています。ICPをどのように定義するのかを具体的に解説していますので、アカウント営業やABM推進のヒントにお役立てください。

    ICP定義書のサンプル

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    BtoBマーケティングの基礎コラム

    ABOUTこの記事をかいた人

    株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績