BtoBマーケティングや営業戦略のPDCAを回したくても、その回し方がわからないという方もいるだろう。成果を出すためには、適切な手順で運用することが必要だ。そこで、本記事では細かい手順に分けながら、営業戦略のPDCAの回し方について解説する。後半では失敗事例についても紹介しているため、参考にしてほしい。
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営業戦略のPDCAとは
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったものである。業務改善によって生産性を向上させることを目的としている考え方だ。Plan、Do、Checkの順にステップを踏み、最後のステップであるActionが完了したら、再度最初のPlanに戻る流れを繰り返すことから、PDCAサイクルとも呼ばれている。
PDCAはさまざまなジャンルで活用されており、営業戦略も例外ではない。適切でない営業戦略を実践し続けても、いつまで経ってもKPIを達成できない。何がうまくいったのか、何がうまくいかなかったのか、またはそれらの理由を分析して、新しい仮説を立てて営業戦略を練り直すことにより、着実にKPI・KGIの達成に近づく。そのため、営業戦略においてPDCAを回すことは重要だ。
PDCAサイクルの基礎については下記のコラムで詳しく解説している。
営業戦略のPDCAの回し方とその手順
営業戦略のPDCAサイクルは営業計画(営業アクションプラン)を遂行し達成すべきKPIを効率よく達成するために回す。そのため、営業計画(営業アクションプラン)が具体的でなければ、PDCAサイクルを回すことはできない。営業計画(営業アクションプラン)の立案がまだの場合は、本コラムを読む前に下記のコラムをご覧いただきたい。
PDCAサイクルは営業戦術のKPIを継続的に前後比較し改善することでサイクルとして回るため、主に下記のようなプロセスとなる。
- PDCAレポートのフォーマットを作成
- KPIの計算方法をルール化
- ベースKPIを算出
- 営業計画(営業アクションプラン)に従い営業活動を展開
- 再度KPIを測定しベースKPIと比較
- 改善すべきKPIを選定し具体策を検討
- やるべきことを実行し再度KPIの計測へ
PDCAレポートのフォーマットを作成
PDCAレポートとは、継続的に測定すべきKPIを可視化するレポートのことで、KPIツリー(ロジックツリー)とも呼ばれている。営業戦略のKPIダッシュボードのようなものであり、計測すべき数値を俯瞰することが可能だ。PDCAレポートにより、営業戦略全体のKPIを俯瞰しながら、どのKPIを優先的に改善すべきか?を判断できるようになる。そのため、PDCAを回すのにPDCAレポートのフォーマット作成は重要といえる。PDCAレポートは、エクセルやBIツールを使って作成されることが多い。最初は手作業でエクセルで作成するとよいだろう。
例えば、下記の営業計画(営業アクションプラン)の場合で、PDCAレポートを考えてみよう。下記はWEBを活用した新規リード獲得に焦点を当てた計画なので、KPIもWEB活用を中心としたKPIとなる。
上記の営業計画(営業アクションプラン)のPDCAレポートのフォーマットは下記のようなイメージだ。
上記のサンプルフォーマットはエクセルで作成しているので下記よりダウンロード可能だ。
このようなフォーマットを最初に作る必要がある。上記の例は説明をわかりやすくするためにWEB活用の範囲に絞ったKPIとなっている。本来は、新規リード獲得から、リード育成、受注、顧客維持など「営業全体」を俯瞰できるようなPDCAレポートにしなければならない。「営業全体」を俯瞰できるようなPDCAレポートは、営業戦略の立案時に選定した戦術によって全く異なるものになる。
弊社の顧客においても、各企業、共通するようなPDCAレポートもあれば、全く異なるKPIでレポートを作成している企業もある。各社それぞれであるため、御社の営業戦略に合わせて作成しよう。
KPIの計算方法をルール化
PDCAレポートのフォーマットを作成したら、次は、KPIの計算・算出方法のルール化だ。KPIは数値化される必要があるため、数値の算出方法(どんなツールを使って、どのような条件・ルールで計算するか?)を細かく決めなければならない。例えば、上記サンプルにある「アクセス数」は、単位をPVにするのかUUにするのか、国内のみのアクセスにするのか、海外も含めるのかなどを決める。さらに、アクセス数といってもURLが無数にある場合はどの範囲のURLを計算対象にするのか?も決めていく。そういった細かいルールを決めなければ、毎回同じ計算方法でKPIを算出できなくなり、PDCAサイクルを正確に回せなくなるのだ。
このため、KPIの内容に合わせて、どんなツールを使ってどのような計算方法・ルールで計算するのか?を明確にして手順化しておこう。ルールはPDCAレポートのフォーマットにメモとして記載しておくと業務標準化をしやすくなる。
下記からPDCAレポートのフォーマットエクセルのサンプルがダウンロードできるので、御社でも活用できそうであれば活用いただけたらと思う。なおKPIについてはここで紹介しているKPIを入れてあるため、御社のKPIに合わせて自由に変更してほしい。
ベースKPIを算出
ここまでできたら、ベースKPIの算出だ。ベースKPIとは、PDCAサイクルのベースとなるKPIのことで、わかりやすく言えば、「現段階のKPIの実測値」のことである。PDCAサイクルは改善を繰り返すサイクルであるため、今のKPIを基準値にすることで、改善できているかどうか?営業活動に効果があるかどうか?を数値で確認できようになる。PDCAレポートのフォーマットに計算ルールに従い今の数値を入れておこう。それがベースKPIとなる。例えば下記のようなイメージである。
上記が今の実力値ということになる。これでPDCAサイクルを回す準備が整った。
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営業計画(営業アクションプラン)に従い営業活動を展開
PDCAレポートのフォーマットとベースKPIの算出が完了したら、営業計画(営業アクションプラン)に従い営業活動を展開しよう。実際に活動するのである。各KPIを高めるためにやるべきことを実行する段階だ。営業活動を展開しながら、次にKPIを測定する日時を決めておくと良いだろう。
再度KPIを測定しベースKPIと比較
営業活動を展開したら再度、PDCAレポートのフォーマットと計算ルールに従いKPIを算出する。ベースKPIと比較してどうなっているか?を計測するのである。例えば下記のようなイメージで比較する。
上記の例だと、アクセス数のKPIは向上している。サブKPIとしてSEO対策が成功しているためだ。しかし、サブKPIの誘導率が下がっているため結果的にCV件数も下がっている。
このように、ベースKPIがあると、活動の結果どうなったか?がよくわかるのだ。
改善すべきKPIを選定し具体策を検討
ベースKPIと比較したら「次何するか?」を決める。ここで、判断が3つに分かれることがよくある。
1つ目の判断は、悪化しているKPI(上記例だと誘導率やCV件数)を無視して、もともと計画している営業計画(営業アクションプラン)に従うという判断だ。当初計画を重視する場合はこの判断が採用される。
2つ目の判断は、悪化しているKPI(上記例だと誘導率やCV件数)の改善を重視するという判断だ。当初計画した営業計画(営業アクションプラン)を変えてしまうという判断になる。
3つ目の判断は、1つ目と2つ目の合体で当初計画した営業計画(営業アクションプラン)の実行と、悪化しているKPIの改善を同時並行で行う。両方同時に進める理想的な判断だ。
自社のリソースやKPIの重要度をもとに、上記のいずれの判断をくだすかについて決定し、すべきことに優先順位をつける必要がある。営業リソースを効率よく活用する場合は、KPIを見ながら優先すべきTODOを明確にし、リソースを集中させよう。
やるべきことを実行し再度KPIの計測へ
3つの判断からやるべきことを明確化したら、やるべきことを実際にやる。そして再度、日時を決めてKPIを測定し、ベースKPIや前回KPIとの比較を行う。これを繰り返すことで、営業戦略のPDCAサイクルを効果的・効率的に回すことができる。
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営業戦略のPDCAの失敗事例・対策
営業戦略のPDCAサイクルを回す際、よくある失敗事例には下記のものが挙げられる。
- PDCAサイクルを継続できない
- PDCAサイクルを何周しても改善しない
PDCAサイクルを継続できない
PDCAサイクルが継続できないというケースは非常に多い。その要因として代表的なのが、「改善業務の負荷集中」だ。
営業戦略のPDCAでは、改善すべきKPIを見極めた上で、どのように改善するか?を具体化しなければならない。この時、KPIを改善するための具体策の検討を進めると、具体的なタスクが各担当者に割り当てられる。しかし、担当者のリソースに余力がないと、「先送りにする」や「時間がなくやれない」というような発言が飛び交うのだ。
例えば「このKPIを改善するために、こういう改善をしてみましょう。担当のAさん、この改善を進めるのにこういう資料が必要だけど制作できます?」というと「今、前回のPDCAの改善活動を進めているのでこの業務はできません」などである。
上記例の場合、担当のAさんに改善業務が集中して、キャパオーバーを起こしていることになる。その結果、あの改善も、この改善も全部Aさんということになり、Aさんの負荷が限界を超え、回せなくなるのである。こういったケースは、「この製品の営業戦術に詳しいのはAさんしかいない」というような場合に発生することが多い。
この要因の対応策としては、ある担当者に負荷が集中しないようにタスクの割り振りを検討することだ。これはPDCAの責任者の仕事になるだろう。
この他にも、「改善ネタ切れ」が理由で継続できないことがある。「改善ネタ切れ」とは、KPIの改善策を検討しても、「何らかの理由(さまざまな社内事情)でできない」となってしまい、それが積み重なると、「改善する方法が八方塞がり」になるのだ。極端な言い方になるが、どんな方法を考えても、何らかの理由でできないとなってしまい、改善が進まないという状況だ。
この要因の対応策としては、アイディアに対する視野の広さを広げることだ。具体策のネタが尽きてしまっている可能性があるので、別の営業戦術を検討したり、別の切り口(商品提案ではなくソリューション提案にするや、課題Aから提案するのではなく、課題Bから提案するなど)からの営業アプローチを検討するとよい。
このように、「負荷集中」や「改善ネタ切れ」のような状況に陥ると、PDCAは先に進まない。このため、PDCAサイクルを継続するには、「継続的な改善案のアイディアだしとその実行力」が重要で、これがなければ、PDCAサイクルは途中で終わってしまう。
PDCAサイクルを何周しても改善しない
PDCAサイクルを継続し、何周もサイクルを回せたとしても、改善しないこともある。その要因は大きく3つだ。
- 現場のスキル・経験不足
- 数値目標そのものに問題がある
- 商品に問題がある
現場のスキル・経験不足
一番、要因として考えやすいのがスキル不足・経験不足だ。KPIを改善するには、営業戦術(電話営業やWEB活用、訪問営業など)に対する正しいやり方を習得していなければならない。しかし、難しいのは、「正しいやり方って何?」である。どんな戦術を使うにしても、「こうすれば絶対に成功する」というような法則は存在しないため、こうすればいいというような方法を確立するのは非常に難しい。しかも、誰でもできるようにするとなると、非常に困難である。だからこそ、KPIで数値を見ながら改善したかどうか?を確認し、自社なりのやり方を確立していくことが重要だ。
どうしても難しい場合は、その営業手法に特化したコンサルティングを受けることや、その手法そのものをプロにアウトソースするといった方法もあるので、スキル不足が否めないという場合は、外部の力をかりることも検討しよう。そうしないと、スキル育成が完了するまで改善できないということになってしまう。
数値目標そのものに問題がある
営業戦略の各KPIには目標(目安)が設定される。そのため、PDCAサイクルは目標(目安)を達成するために回されることになる。しかし、この目標(目安)がそもそも「達成不可能」な目標(目安)だった場合はどうなるだろうか?
結果は明白だ。PDCAを何度回しても、決して達成できないということになる。つまり、何周まわしても数値は改善しないということにつながってしまう。
そのため、PDCAを長期間やってきたのに改善しない場合は、目標(目安)に無理があるのでは?と考える視点も重要だ。そもそも、その目標(目安)はどのように決められたのだろうか?そこから見直すことも考えよう。
商品に問題がある
この最後の要因が最も悲惨な結果だ。要因1「現場のスキル・経験不足」でもなく、要因2「数値目標そのものに問題がある」でもない場合において、何度PDCAを回しても改善しないとなると、いよいよ「商品の問題」を考えざるをえなくなる。
要するに、「商品力(差別化戦略など)」に問題があるということだ。これは営業戦略の範疇を越え、商品戦略の話になることが多く、営業側からは商品改善の要求を出すことしかできない。しかし、商品開発側が頑なに「営業の仕方が悪い」というような反応をしていると、永遠に対立は埋まらず、売上にもつながらない。
営業戦略としてここまでやったのに売れないということを商品開発側に説明し、理解してもらい、その上で、お互いにどうするかを検討することが重要となるだろう。
まとめ
以上、営業戦略のPDCAサイクルの回し方をご紹介した。PDCAの回す手順は、以下の通りである。
- PDCAレポートのフォーマットを作成
- KPIの計算方法をルール化
- ベースKPIを算出
- 営業計画(営業アクションプラン)に従い営業活動を展開
- 再度KPIを測定しベースKPIと比較
- 改善すべきKPIを選定し具体策を検討
- やるべきことを実行し再度KPIの計測へ
PDCAを回すことで、悪化しているKPIをいち早く発見することができる。その上で、自社のリソースやKPIの重要性から、改善をどう進めるか?を検討し、TODOに落とし込んでいこう。PDCAサイクルが継続しないことや、何度回しても改善しないこともあるので、注意しながら、PDCAサイクルを回していただけたらと思う。
本コラムでご紹介したサンプルのPDCAレポートフォーマットは下記からダウンロードできるので、参考にしながら御社のPDCAサイクルに活用してほしい。
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