製造業のデジタルマーケティング成功事例「デジタル活用の社内啓蒙と社内意識改革」

根性論の営業を打破し社内意識を改革した第一歩とは何か?
Last Updated on 2024年9月7日 by 荻野永策

BtoBの製造業において、デジタルを活用したBtoBマーケティング営業戦略の効率化は非常に難しい側面がある。ニッチな製品であるがゆえのWEB活用の難しさや、パートナー・展示会などリアルのチャネル活用が重視されることによるリソース(予算、時間、人)不足、本当に効果が出るのかどうかの不安や疑念が主な要因だ。

このような要因によって、BtoBの製造業においては、営業、イコール、根性といった営業論が根強く残っている。その結果、デジタルマーケティングに対しての社内理解・活用意識が低くなっているというのが実情である。

実際に、弊社のアンケート調査でも下記のようなご回答をいただいている。

  • 悪い意味で昔からの日本企業の為、根性論が根強く残っており、直ぐに結果を出すことが会社として求められます。WEB戦略の重要性が会社として把握できておりません。個人的にはすぐにでも投資をし、営業として効率的に売上UPを目指したいと考えております。

(2019年4月10日 製造業 Hさんからの回答)

そこで今回のコラムでは、Hさんのような課題を持つBtoBの製造業のデジタルマーケティング担当者のために、デジタルマーケティングを推し進めるきっかけ作りについて、成功事例を交えながらご紹介しよう。

成功した企業では何を行なったのか、きっかけはなんだったのか、うまくいったポイントはなんだったのか、その詳細をご紹介しよう。

BtoB製造業のデジタルマーケティングの課題「社内意識・社内啓蒙」

上述したように、BtoBの製造業では、営業の根性論が根強く残っている。そのため、営業部や事業部、技術部といったマーケティングに関わる部門に対して意識改革を行なっていかなければならない。また、予算を確保するためには経営陣の意識改革も必要だ。

しかしこれが非常に難しい。

なぜなら、Hさんの回答にもあるように「直ぐに結果を出すことが求められる」からだ。すぐに結果が求められると、「WEB活用が重要だ」と様々なデータを社内に展開しても効果は薄い。

例えば、トライベックブランド研究所のBtoBサイト調査2018のデータでは、約65%の企業が「製品・サービスを購入する際に最も参考にする情報源はWEBサイト」と回答している。こういったデータを社内に展開した場合、そのデータは理解できたとしても、「すぐに結果がでるのか?」といわれると、「出ます」とは明言できない。

様々なデータで重要性は理解できたとしても、実際に実行できるかどうかは別問題であり、これがネックとなってなかなかデジタルマーケティングが進まないのである。

製造業のデジタルマーケティングの成功事例

それでは、社内啓蒙や社内意識を変えたきっかけを作った成功事例を2つご紹介しよう。

製造業のデジタルマーケティングの成功事例「製造業F社のWEB活用事例」

最初にご紹介するのは東京にある製造業F社だ。化成品を製造しており、WEBからの年間問い合わせは数件程度だった。そのため、WEB活用を行う前は、F社から下記のようなご意見をいただいていた。

F社からのご意見
「デジタルマーケティングを実行する事は知識の面、費用の面、そして何よりやったことのないものへの疑念で躊躇しておりました」

しかし、社内意識を改革した後は、F社から下記のようなご意見をいただいている。

社内意識改革後のご意見
「Web活用の味を占めたので、 今期から専門チームを結成し更なるWebページの改良に取り組んでいます。」

製造業のデジタルマーケティングの成功事例「製造業A社のマーケティングオートメーション活用事例」

次にご紹介するのは同じく東京にある製造業A社だ。A社は数万件のリードを保有しており、マーケティングオートメーションでの案件再創出を行なっていたが良い結果が得られていなかった。事業部の協力体制・協力意識も低くその影響もあり思うようなコンテンツが作れていなかった。

しかし、社内意識を改革した後は、A社から下記のようなご意見をいただいている。

社内意識改革後のご意見
「今回のPJ によるリード獲得件数の大幅な増加、PJ前と後の差を数字で示すことにより、営業チームのデジマに対する見方が大幅に変わりました。今では、担当者同士でサイト集客施策やコンテンツ制作に関して、定期的に話し合いを行うようになり、本格的にデジマ活動が動き始めたと実感しております。」

製造業のデジタルマーケティングの成功事例から学ぶ2つのポイント

ご紹介したF社とA社はそれぞれ、WEBを活用したリードジェネレーションと、マーケティングオートメーションを活用したリードナーチャリングの成功事例だ。しかし共通しているのは、どちらも「社内意識を大きく変えたこと」だ。その結果、デジタルマーケティングを推し進めることができるようになっている。

では、この2社が社内意識改革に成功したポイントはなんだったのだろうか?そして具体的にどのような施策を打ったのだろうか?その詳細をご紹介しよう。

社内意識改革に成功したポイント1「少人数・低予算・短期間で効果のでるデジタルマーケティング施策を打ったこと」

F社、A社が成功したポイントの1つ目は「少人数・低予算・短期間で効果のでるデジタルマーケティング施策を打ったこと」だ。F社はたった2ヶ月でWEBを改善した。A社は4ヶ月弱くらいの施策だ。関わった人数も1名ないし2名程度である。これだけなのでかかった予算も最小限だ。

特にF社は「まずはやってみよう」という規模感での施策(WEBページを1ページ追加しただけ)だ。このくらいの改善ならすぐにできそうだなというレベル感で改善を行なっているのだ。

社内意識改革に成功したポイント2「効果を数字で実証しデジタルマーケティングの可能性を示したこと」

F社、A社が成功したポイントの2つ目は「効果を数字で実証しデジタルマーケティングの可能性を示したこと」だ。例えばF社については、下記のような効果が出ている。

デジタルマーケティング活用の社内意識を変えたF社の成果グラフ

2017年の10月にWEBを改善しているが、その前後で問い合わせ件数の差は明らかである。このデータを社内に示したのだ。

数字で効果を実証することにより、「デジタルマーケティングの可能性」に気がつき、説得力が増す。F社の場合だと、売上という数字にもつながっているため、その効果は絶大である。

根性論の営業を打破し社内意識を改革する第一歩とは?

このようにF社、A社は、少ないリソース(時間、予算、人)でデジタルマーケティングの効果を数字で示したのである。これが社内意識を変えたきっかけになったのだ。「効果を数字で示す」まさにこれがデジタルマーケティング促進の第一歩なのである。

製造業のデジタルマーケティングの成功事例「具体的に何をやったのか?」

では、このF社、A社は一体何を実施したのだろうか?その詳細については、コラムでは書ききれないため、下記のPDF資料にまとめた。このPDF資料ではF社については許可をいただき、実際の社名、どのような製品なのかの製品名まで具体的に記載している。

PDF資料ではF社、A社の課題などを整理しながら、具体的な施策についてご紹介している。御社の社内意識改革のきっかけを作ることができるノウハウかもしれないので、ぜひご参考にしていただければ幸いだ。

PDF資料の主な内容
  • F社様の事例紹介
  • WEB活用を行なったF社様の製品の概要
  • F社様のWEB活用の課題
  • 課題解決のための施策
  • 改善した結果「CVが激増!!」
  • F社様のご担当者様のご意見「WEB活用専門チームが結成」
  • F社様の成功のポイント
  • A社様の事例紹介
  • A社様のリード育成の課題
  • 課題解決のための施策
  • 改善した結果「メール配信で47件の案件を獲得」
  • A様のご担当者様のご意見「事業部とのコンテンツ作りが本格化」
  • A社様の成功のポイント
PDF資料のダウンロード
BtoBデジタルマーケティング「社内啓蒙の成功事例」
〜効果を数字で実証し他部門や社内の意識を変えた製造業の事例〜
https://btobmarketing.aluha.net/contact/white-paper/#r20

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績