BtoBマーケティングにおいては、WEB、セミナー、展示会などさまざまな施策でリード獲得を行う。1件でも多く、そして少しでも質の高いリードを獲得するには、施策の精度を高めることが重要だ。
そこで、今回のコラムでは、「BtoBマーケティングのリード獲得施策チェックリスト」をご紹介する。リード獲得の「量(件数)」と「質」の観点から施策の精度を確認できるチェックリストであるため、リード獲得施策に関わる関係者全員でチェックしていただけたら幸いだ。
このコラムの使い方と対象読者
本コラムの想定読者は、技術系BtoB商材を扱う製造業・IT企業において、リード獲得施策の企画・推進に関わる担当者である。Web施策、展示会、セミナーなど複数のチャネルを組み合わせながら、営業やインサイドセールスとすり合わせを行い、施策の精度向上を求められる立場の方に向けた内容となっている。
特に、「リードの質を重視するか」「量を重視するか」という認識が社内で揃っておらず、その調整に時間を要しているケースにおいて、本コラムは有効に活用できる。
本コラムでは、リード獲得施策を検討する際に確認すべきポイントを「リードの質」と「量」の2軸で整理している。そのため、施策立案時の個人検討にとどまらず、営業・インサイドセールス・マーケティングなど関係者との打ち合わせの場にそのまま持ち込み、チェックリストとして活用することができる。
会議の中で本チェックリストを使うことで、
- 議論の前提(質か量か)のズレを可視化する
- 抜け漏れなく論点を整理する
- 合意形成をスムーズに進める
といった効果が期待できる。単なる知識として読むのではなく、実際の施策検討会議で使うことを前提に、本チェックリストを活用してほしい。
リード獲得施策の精度を高める事前チェックリスト【リードの量を重視】
最初にご紹介するチェックリストは、リードの獲得件数(量)を重視した施策を展開するときのチェックリストだ。リードの量を重視するため、幅広いターゲットに刺さる施策を検討しなければならい。主に以下の6カテゴリに関してチェックを行う。
| チェックカテゴリ | 概要 |
|---|---|
| 目的・前提 | リード獲得の件数や「量重視にする理由」などを関係者間でチェック |
| ターゲット設計 | どんなターゲットを狙うのかを関係者間でチェック |
| コンテンツ設計 | どんなテーマ・コンテンツでリード獲得を狙うのかを関係者間でチェック |
| 検討段階・タイミング | どの検討プロセスのリードを狙うのかを関係者間でチェック |
| チャネル設計 | どんなチャネルを使うのかを関係者間でチェック |
| 運用・連携 | 獲得後の連携について関係者間でチェック |
それでは実際のチェックリストをご紹介する。以下の表を使ってチェックしてみて欲しい。関係者間ですり合わせの抜け漏れがあれば、施策を展開する前に再度検討するとよいだろう。
また、社内でエクセルチェックシートとして使いたい場合は、「リード獲得施策の精度を高める事前チェックシート【リードの量を重視するときの項目】」をダウンロードしてご活用いただけたらと思う。エクセルシートには、チェック時の議事録メモやタスク管理欄があるので、チェックで発生したタスクや気がついたことなどをメモして管理することができる。
| カテゴリ | チェック項目 | 項目の詳細 |
|---|---|---|
| 目的・前提 | リード獲得件数の目標が数値で定義されているか | 施策の成功基準として、獲得すべきリード件数が具体的な数値で合意されているかを確認する |
| 目的・前提 | 今、リードの件数増加が必要な理由や背景が整理されているか | 案件母数不足、新市場開拓など、今件数を増やす理由が説明できるかを確認する |
| 目的・前提 | 件数目標と売上・受注との関係が整理されているか | 獲得したリードがどのように商談・売上に寄与する想定かを整理する(○%以上の商談化を狙うなど) |
| ターゲット設計 | 狙う企業の業種・規模が明確か | どの業界・企業規模を主な対象とするかが定義されているか(件数重視のため絞り込みしすぎないことも重要) |
| ターゲット設計 | 製品・技術の想定用途が明確か | どの業務・用途で使われる前提かが整理されているか(もしくはどんな課題を持つリードを狙うかが整理されているか) |
| ターゲット設計 | 関与する役職・職種が整理されているか | 技術、企画、購買など、検討に関与するリードの役職や立場を想定できているか |
| コンテンツ設計 | 技術的な判断材料や学びが得られるか | 読むことで技術理解や意思決定に役立つ情報が得られるか |
| コンテンツ設計 | 知識が浅い担当者でも理解できる内容か | 専門知識がなくても接点の入り口として理解できる内容か |
| コンテンツ設計 | 複数の関与者に回覧・共有されやすいか | 社内説明資料としても使いやすい内容か(バイインググループ攻略につながるか) |
| コンテンツ設計 | 一般的な情報と明確に差別化できているか | ネット上の一般論と比べて独自性があるか(自社の一次情報や独自情報が含まれているか) |
| コンテンツ設計 | 大量接点を生みやすい形式になっているか | ホワイトペーパー、動画など件数を出しやすいコンテンツ形式か |
| 検討段階・タイミング | 検討初期段階のリード獲得を主眼に置いているか | 件数増加を重視するため、情報収集・課題整理段階を主な対象にしているか |
| 検討段階・タイミング | 中長期の検討期間を前提にしているか | 数か月以上の検討プロセスを想定した設計か |
| 検討段階・タイミング | 今実施する意味のあるタイミングか | 市場環境・自社状況を踏まえて適切な時期か |
| チャネル設計 | ターゲットが日常的に情報収集するチャネルか | ターゲットが集まるチャネルかを事前分析できているか |
| チャネル設計 | リード件数を伸ばしやすいチャネルか | 1回実施して終わりなのか、継続性・安定感のあるリード獲得のチャネルか |
| チャネル設計 | KPIの算出が容易なチャネルか | 設定したKPIの算出が容易か(算出に時間がかかると改善にも時間がかかる) |
| チャネル設計 | 他の担当者が同じような施策をしていないか | 例えば、同じキーワードでSEO対策やリスティング広告などを他の担当者がしていないか |
| 運用・連携 | 営業に引き渡す条件が明確か | どの段階で営業連携するか定義されているか(営業やISと合意できているか) |
| 運用・連携 | 獲得後の短期的な営業フォロー方法が整理されているか | 獲得後の短期的なフォローシナリオが整理できているか(MAシナリオやISのフォロー電話シナリオなどが準備できているか) |
| 運用・連携 | 獲得後の中長期的な営業フォロー方法が整理されているか | すぐ商談化しないリードの扱いと継続的な育成プロセスが整理できているか(メルマガ配信計画など) |
| 運用・連携 | リード獲得時にリードの課題を把握できるようにしているか | リード獲得時に、リードの課題を把握し、その課題を営業やISに連携できるか |
| 運用・連携 | 既存リード、既存顧客から反応が合った場合、その対応は明確か | 既存リードや既存顧客から反応があった場合の対応方法が明確か |
リード獲得施策の精度を高める事前チェックシート【リードの量を重視するときの項目】をエクセルでダウンロードする
リード獲得施策の精度を高める事前チェックリスト【リードの質を重視】
リード獲得施策の精度を高める事前チェックシートや施策を振り返る振り返りシート。社内会議の際のチェック観点としてご活用ください。
リード育成施策の精度を高める事前チェックシートや施策を振り返る振り返りシート。社内会議の際のチェック観点としてご活用ください。
次にご紹介するチェックリストは、リードの「質」を重視した施策を展開するときのチェックリストだ。リードの質を重視するため、自社の強み・ポジショニングとターゲティングの整合性が重要になる。主に以下の8カテゴリに関してチェックを行う。
| チェックカテゴリ | 概要 |
|---|---|
| 品質の定義・合意(前提) | 質の高いリードとは何かを関係者間でチェック |
| 高LTV期待(アカウント価値) | 高いLTVが期待できるリード像を関係者間でチェック |
| 受注距離(購買の近接度) | 受注までの近さの定義を関係者間でチェック |
| 課題適合(解決領域の一致) | 自社の強みとリードが解決したい課題を関係者間でチェック |
| 質を引き寄せる訴求・コンテンツ | 質の高いリードが反応するテーマ・コンテンツを関係者間でチェック |
| 取得データ設計(フォーム/同意/識別) | CV獲得時にリードの質を判断できる項目があるかを関係者間でチェック |
| チャネル設計(高品質リードの獲得) | 質の高いリードを狙えるチャネルかどうかを関係者間でチェック |
| 受け皿・連携・改善(運用) | 獲得後の連携について関係者間でチェック |
それでは実際のチェックリストをご紹介する。以下の表を使ってチェックしてみて欲しい。関係者間ですり合わせの抜け漏れがあれば、施策を展開する前に再度検討するとよいだろう。
また、社内でエクセルチェックシートとして使いたい場合は、「リード獲得施策の精度を高める事前チェックシート【リードの質を重視するときの項目】」をダウンロードしてご活用いただけたらと思う。エクセルシートには、チェック時の議事録メモやタスク管理欄があるので、チェックで発生したタスクや気がついたことなどをメモして管理することができる。
| カテゴリ | チェック項目 | 項目の詳細 |
|---|---|---|
| 品質の定義・合意(前提) | 「質」の定義(LTV条件)が文書化されているか | 高いLTVが期待できる企業像(業種、規模感など)が定義され、関係者間で合意が取れているか |
| 品質の定義・合意(前提) | 「質」の定義(確度条件)が文書化されているか | 受注までの距離が近い状態が定義され、関係者間で合意が取れているか |
| 品質の定義・合意(前提) | 「質」の定義(相性条件)が文書化されているか | 自社と相性が良い「リードが解決したい課題」が明確化され、関係者間で合意が取れているか |
| 品質の定義・合意(前提) | 質が高いリード像(ICP該当リード)が定義されているか | 3条件(LTV条件、確度条件、相性条件)を軸に「どんなリードが質が高いのか?」が定義されているか |
| 品質の定義・合意(前提) | 質の定義にエビデンスはあるか | 3条件(LTV条件、確度条件、相性条件)を軸にした質の定義に「エビデンス」があるか |
| 高LTV期待(アカウント価値) | 狙う業界・用途がLTVの高い領域に寄っているか | LTVが高くなりやすい用途(継続運用、横展開、保守・追加提案余地など)を優先しているか。 |
| 高LTV期待(アカウント価値) | 企業規模・導入規模の仮説があるか | 想定される導入規模(拠点数、ライン数、ユーザー数等)が一定以上のアカウントを狙っているか。 |
| 高LTV期待(アカウント価値) | 長期供給・継続性が見込める産業特性か | 長期運用が前提の業界(製造、インフラ等)など、継続性が高いセグメントを優先しているか。 |
| 高LTV期待(アカウント価値) | アップセル/クロスセルの余地があるアカウント条件か | 周辺課題の広さ、関連製品の追加余地、標準化・横展開の可能性を見込める条件でターゲット化しているか。 |
| 受注距離(購買の近接度) | 検討フェーズ(比較・稟議・要件化)を見極められる設計か | 「比較中」「要件定義中」「稟議予定」など、受注が近いシグナルを取得・判定できる設計になっているか。 |
| 受注距離(購買の近接度) | 緊急度・導入時期を確認できるか | 導入希望時期(例:3ヶ月以内/6ヶ月以内)やプロジェクト期限など、時期情報を取れるか。 |
| 受注距離(購買の近接度) | 予算の有無・予算レンジを確認できるか | 予算感を確認できるタイミングを設計しているか(もしくは早期に予算感を伝え、予算が合わないリードを除外できる設計か) |
| 受注距離(購買の近接度) | 意思決定権の有無を把握できるか | 問い合わせ者が決裁者/推薦者/調査担当のどれかを把握できる設計(役割選択など)になっているか。 |
| 課題適合(解決領域の一致) | リードが解決したい課題を取得できるか | 自由記述または選択式でリードの課題を確認できるか |
| 課題適合(解決領域の一致) | 自社が解決できる課題範囲(対象/対象外)が明文化されているか | 「得意領域」「対応可能」「対象外」を整理し、営業対応の判断基準として共有しているか。 |
| 課題適合(解決領域の一致) | 適合判断のための必須情報(前提条件)が取れているか | 仕様条件(環境、規格、性能要求、既存設備等)など、適合判断に必要な前提情報を最小限取得できるか。 |
| 課題適合(解決領域の一致) | ミスマッチが起こりやすいパターンを事前に除外できるか | よくある不適合(用途違い、性能要件不一致、対応不可規格等)をフォーム/導線/注意書きで除外できているか。 |
| 課題適合(解決領域の一致) | 課題の深さ(痛み)を把握できるか | 影響度(停止損失、品質事故、工数増)など、課題の深刻度を把握できる質問/ヒアリング項目があるか。 |
| 質を引き寄せる訴求・コンテンツ | 高LTV層が反応するテーマ・切り口になっているか | 単発のHowToではなく、標準化・全社展開・長期運用・品質保証など高LTV層が重視するテーマで設計しているか。 |
| 質を引き寄せる訴求・コンテンツ | 受注距離が近い層向けの「比較・選定」コンテンツがあるか | 選定基準、比較表、RFP雛形、導入手順、稟議資料など、後期フェーズの意思決定に直結するコンテンツが用意されているか。 |
| 質を引き寄せる訴求・コンテンツ | 課題適合を促す自己診断・チェック要素があるか | 「適合する条件/しない条件」を提示し、リード自身がミスマッチを自覚できる構成になっているか。 |
| 質を引き寄せる訴求・コンテンツ | バイインググループ別の資料(技術/購買/上長)を用意しているか | 同じテーマでも立場別に刺さる論点が異なる。複数関与者に回覧されやすい資料セットになっているか。 |
| 取得データ設計(フォーム/同意/識別) | フォーム項目が「質判定の3条件」をカバーしているか | 3条件(LTV条件、確度条件、相性条件)を、CVRを落とさず取得できるフォームを設計しているか。 |
| チャネル設計(高品質リードの獲得) | 高LTV層に強いチャネルを優先できているか | 業界専門媒体、特定テーマの技術セミナー、パートナー経由など、LTVが高い層が集まりやすいチャネルを選んでいるか。 |
| チャネル設計(高品質リードの獲得) | 後期フェーズ層が集まるチャネル/面を用意できているか | 比較・選定段階の層が来るチャネル(指名検索、比較記事等)を確保できているか。 |
| チャネル設計(高品質リードの獲得) | チャネルごとに「質KPI」が追える計測設計になっているか | チャネル別にSQL率/商談化率/ICP率などを計測し、質の良いチャネルへ投資を寄せられるか。 |
| 受け皿・連携・改善(運用) | リードの優先順位付けルール(スコア/区分)があるか | 3条件(LTV条件、確度条件、相性条件)に基づき、A/B/Cなどの優先度区分と対応方針が決まっているか。 |
| 受け皿・連携・改善(運用) | 営業/ISとのSLA(初動時間・接触回数)が合意されているか | 高品質リードは初動が重要。初動時間、接触回数、失注/保留時の扱いなど運用ルールが決まっているか。 |
| 受け皿・連携・改善(運用) | 不適合リードの処理(除外・育成・パートナー紹介)が定義されているか | 課題不一致など不適合時の対応(除外・ナーチャリング・別サービス紹介)が決まっており、現場が迷わないか。 |
| 受け皿・連携・改善(運用) | 後追いで質を高めるナーチャリング設計があるか | 初回は情報不足でも、メール/セミナー/事例などで3条件の情報を段階的に集め、成熟させる設計があるか。 |
「リード獲得施策の精度を高める事前チェックシート【リードの質を重視するときの項目】」をエクセルでダウンロード
まとめ
以上、BtoBマーケティングにおけるリード獲得施策の事前チェックリストをご紹介した。質と量の観点でチェック項目を整理しているので、施策を検討するときに社内のチェックリストとして活用して欲しい。















