BtoB企業でマーケティング組織を立ち上げる動きが活発化している。営業部門の高齢化や人手不足、営業DXの推進、営業やマーケティング領域におけるAI活用の拡大など、さまざまな要因でマーケティング組織の重要性が広がってきている。しかしながら、どう立ち上げていくのかがわからないといった声も多い。実際に弊社にも以下のような相談をいただいている。
そこで、今回のコラムでは、BtoBマーケティング組織の作り方について、やっておくべき5つのことについてご紹介する。
BtoBマーケティング組織を立ち上げる時にやっておくべき5つのこと
BtoBマーケティングの組織を立ち上げるときには、以下の5つのことをやっておくとよい。最も重要なことは、BtoBマーケティング組織の存在意義を明確にし、会社に貢献できる組織になることだ。そこを事前に固めておく必要がある。
- なぜマーケティングが重要なのか?を定義する
- マーケティングで何をするのか?を明確にする
- マーケティングの対象事業(製品と顧客)の理解を深める
- 誰とやるか?を決める
- どうやるか、何からやるかを決める
なぜマーケティングが重要なのか?を定義する
主な活動内容とその目的
やることの1つ目は「なぜマーケティングが重要なのか?を定義する」である。これは5つの中で、最も重要といっても過言ではない。自社にとって、BtoBマーケティングとは何なのか、なぜ必要なのか?を整理し明確にしておく必要がある。そして、明確にした内容を社内(特に経営層・上層部)にプレゼンし、ある一定の理解を得ておく必要がある。
マーケティングは営業部門や製造部門など、複数の部門が関わる業務であるため、各部門(もしくは人)によってマーケティングの定義が異なる。その結果、「マーケティングって結局なにやってるの?」「コストセンターになっていないか?」と判断されてしまうケースあるのだ。だからこそ、「なぜマーケティングが重要なのか?を定義する」ことは必要なのである。
例えば以下のように定義が異なっているとどうなるだろうか?
- 営業部Aさん「マーケティングって営業の支援でしょ」
- 営業部Bさん「マーケティングって差別化戦略を考えるんでしょ」
- 開発部Cさん「マーケティングって市場の調査をするんでしょ」
このような状態で、BtoBマーケティング組織を立ち上げると、「何をする組織なのか?」が曖昧なまま立ち上がってしまう。そして、その結果、正当な判断がなされない。
具体例
ではここで、弊社(ALUHA)における「なぜマーケティングが重要なのか?を定義する」の具体例をご紹介しよう。具体例があるとイメージしやすいだろう。
ALUHAでは、「BtoBマーケティングとは何なのか」の定義は、図:BtoBマーケティングサイクルとして定義している。
「顧客ニーズを知る」から「顧客満足度調査」まで、合計8つの施策があり、これらを実行し続けることがBtoBマーケティングであると弊社では考えている。
御社の場合はどうだろうか?BtoBマーケティングサイクルすべてなのか、もしくはその一部なのか・・・。一度、整理してみて欲しい。
そして、「なぜ必要なのか?」については、弊社には2つの理由がある。
1つ目は、「営業への貢献」だ。弊社では、BtoB営業を「見込み客の獲得」「見込み客の育成」「案件化・商談化」「受注」「顧客維持」の5つと定義しており、その営業活動を効率化するためにBtoBマーケティングが必要であると考えている。最終的には「営業しない会社」を作りたいとまで考えている。今後、人手不足や高齢化によって営業の人員が減少する可能性は高い。だからこそ、BtoB営業を効率化するためにBtoBマーケティングが重要であると考えている。
2つ目は、「自社の強みと価値の具体化」だ。自社の強みと価値が具体化されていなければ、価格競争に陥る可能性があり、利益が最大化しない。さらに、ニーズに合わないサービスを市場に展開してしまうと、営業工数は悪化し続けることになる(売れない商品を売り続けなければならないため)。だからこそ、BtoBマーケティングで自社の強みと価値の具体化を行っている。
弊社では、「営業への貢献」と「自社の強みと価値の具体化」の2つを「BtoBマーケティングの重要性」として位置付けている。そしてマーケティングと営業のKPIを可視化し、マーケティング活動が「受注」や「自社の強みと価値の具体化」にどれだけ貢献しているか?を数値で把握している。
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マーケティングで何をするのか?を明確にする
主な活動内容とその目的
2つ目は、「マーケティングで何をするのか?を明確にする」だ。BtoBマーケティングの業務範囲や自責範囲を決め、KGIを決めるのだ。
「図:BtoBマーケティングサイクル」をベースに考えてみよう。
このBtoBマーケティングサイクルをすべてマーケティング組織が実行することは難しい。そのため、部門ごとで役割分担を決める必要がある。主に、開発(製造部門)と営業部門、カスタマーサポート部門などと分業してマーケティングを進めなければならない。これを組織立ち上げの際には決めておこう。
具体例
例えば、「顧客満足度調査」「顧客ニーズを知る」「見込み客を獲得する」「見込み客を育成する」の4つを業務範囲とする場合を考えてみよう。
「顧客満足度調査」「顧客ニーズを知る」では、マーケティング組織が、既存顧客に対して満足度調査を行い、その結果を集計・分析し、開発部門や営業部門にフィードバックする。KGIとしては、「把握できたニーズの数」となりKPIは「調査できた顧客数」や「有効回答数」などになる。
「見込み客を獲得する」「見込み客を育成する」では、マーケティング組織が、WEBサイト、メール、展示会、セミナー、電話営業といった各種マーケティング・営業手法を活用しリード獲得から育成を行う。KGIはホットリード数でKPIはリード獲得件数などになる。
このように、「図:BtoBマーケティングサイクル」をベースに、どこをやるのか?何をKGIにするのか?を明確にし、他部門とどう分業するのか?を決めておくのだ。
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マーケティングの対象事業(製品と顧客)の理解を深める
主な活動内容とその目的
3つ目は、「マーケティングの対象事業(製品と顧客)の理解を深める」だ。これはある種当たり前のことであるが、マーケティングを展開するには、「自社製品の理解」と「ターゲット顧客の理解」が必要になる。その事前知識無くして、マーケティングはできない。
そのため、組織を立ち上げる際には、マーケティングの対象となる事業や製品の理解を深めておこう。BtoBだと専門用語が無数にでてくるため、事前に勉強しておかなければ、組織を立ち上げても何も進められなくなる。
誰とやるか?を決める
主な活動内容とその目的
4つ目は「誰とやるか?を決める」だ。これも当たり前のことであるが、マーケティングは1人ではできない。営業部門や開発部門など製品や顧客に詳しい人を協力者として巻き込み、一緒に進めていく必要がある。そのため、協力者を事前に選定して根回ししておくと良い。
この協力者探しにおいては、「マーケティングは何をするのか?」「営業部門や開発部門にどんな貢献ができるのか?」など資料にまとめて説明するとよいだろう。特に「営業部門や開発部門にどんな貢献ができるのか?」は非常に重要だ。営業部門や開発部門からすれば、余計な仕事が増えるようにも見えてしまうため、貢献できることを必ず伝えるようにしよう。
具体例
営業部門への貢献の具体例を1つご紹介しよう。BtoB企業の営業部門では、客先で必ず名刺交換をする。そしてその名刺データは、「営業担当者が属人的に管理」しているケースが多い。
そういった場合、名刺データの中には、「担当者がほったらかしにしている見込み客(休眠リード)」のデータが必ずある。この休眠リードからマーケティング活動で商談や案件を作り貢献するというような説明をすると、営業部門から見れば、「ありがたい」話になる可能性がある。
こういった形で貢献できることは何か?を伝え、協力者を見つけておくと、組織立ち上げ後、すぐにマーケティング活動を開始できるようになる。
どうやるかを決める
主な活動内容とその目的
最後は「どうやるかを決める」だ。要するに、BtoBマーケティング戦略と計画の立案である。中長期的な目線で、マーケティング組織の業務範囲に対するKGI・KPIを高める戦略と計画を立てておこう。その上で、目先として何から始めるのか?を決め、社内の成功体験・事例をつくりながら、マーケティング活動を広めていくのが理想的だ。
BtoBマーケティング戦略と計画の立案方法・手順については、以下の動画などで詳しく解説している。BtoBマーケティングサイクルをベースにした戦略立案なので、ご興味があればぜひご覧いただけたらと思う。
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まとめ
BtoBマーケティングの組織を立ち上げる時にやるべき5つのことについて解説した。御社の立ち上げの参考になれば幸いである。