営業計画(営業アクションプラン)の立て方|営業計画書のテンプレート付き

営業アクションプランを立案・具体化するプロセスとエクセルフォーマット
Last Updated on 2024年9月26日 by 荻野永策

このコラムでは、BtoBの営業戦略から営業計画(営業アクションプラン)を立案するプロセスをご紹介する。営業計画(営業アクションプラン)は営業戦略を具体的な行動へと落とし込むものだ。営業計画(営業アクションプラン)のサンプルテンプレートフォーマットもご紹介するので是非役立ててほしい。

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営業計画(営業アクションプラン)とは?

営業計画(営業アクションプラン、営業行動計画)とは、営業戦術をいつまでにやるのか?具体的にどう展開するのか?を決めることである。いきなり成功するとも限らないため、PDCAをどう回していくか?も考えなければならない。主に下記アクションプランのサンプル画像のように、縦軸が営業のTODO、横軸が時間軸のような計画表を、営業戦術ごとに作成し進行管理する。

営業計画(営業アクションプラン)のサンプル

営業計画(営業アクションプラン)に必要な戦略の立て方

営業計画(営業アクションプラン)を立案するには、営業戦術の実行責任者が、営業戦略の全容を見ながら、自分がやるべきこと(作戦・使命(KPI))を理解し、営業計画(営業アクションプラン)へと落とし込まなければならない。このため、営業戦略を立案してから営業計画(営業アクションプラン)を立案しなければならない。

営業戦略の立案から営業計画(営業アクションプラン)立案までの主なプロセスは下記の通りだ。

営業戦略立案から営業計画立案までの主な流れ
  1. 営業目標を決める(KGIとKPI)
  2. 営業戦略に必要な事前分析を行う
  3. BtoBの営業戦術・営業方法として何があるのかを理解する
  4. 戦略立案フレームワークを使って営業戦略を立案する
    1. 営業戦略を作戦に分解する
    2. 作戦毎に戦術を選定する
    3. 営業計画(営業アクションプラン)を立案し実行する

営業戦略を立てるには、営業目標を立てた後に、精度の高い営業戦略を立てるための分析を行う。そのうえで、営業目標を達成するための営業戦略を立てる。下記のコラムで営業戦略の立て方について詳しく説明しているため、参考にしてほしい。

営業戦略の立て方を一問一答で解説!営業分析やターゲティングと差別化の仕方、営業計画の決め方、PDCAの回し方

営業戦略とは?フレームワークによる戦略の立て方とPDCAの回し方、具体例

営業計画(営業アクションプラン)の立案プロセス

では営業計画の立案について解説する、営業計画(営業アクションプラン)は以下の流れで立案する。

営業計画(営業アクションプラン)の立案プロセス
  1. 営業戦術の作戦(KPI)からサブKPIを設定
  2. サブKPIから営業行動を具体化
  3. 営業行動に「いつ」「誰」を加えて計画表にする

実行責任者のすべき行動を明確にするために、作戦(KPI)の細分化によってサブKPIを設定し、サブKPIから営業行動を具体化していく。営業行動を具体化してTODOリストを作成したら、「いつ」「誰」を加えて計画表を作成する。その際、営業戦術は成功するとは限らないため、TODOリストにPDCAを加えて、短いサイクルで回すことが重要だ。

営業戦術の作戦(KPI)からサブKPIを設定

営業計画(営業アクションプラン)の実行責任者には、作戦(KPI)が与えられる。例えば、下記の営業戦略例であれば、営業戦術「WEB」の作戦(KPI)は、アクセス数とCV件数だ。このため、WEBの責任者には、「アクセス数とCV件数を向上する」という使命が与えられることになる。

BtoBの営業戦略の戦術に合わせたKPI設定

BtoBの営業戦略の戦術に合わせたKPI設定

この時、「アクセス数とCV件数を向上する」という具体的な使命(KPI)があっても、「行動」に落とし込むには何をすべきか?が明確にならない。そのため、「アクセス数とCV件数」というKPIをさらに細分化するサブKPIを決めていくとよい。

サブKPIは、使命(KPI)を達成するために必要な細かいKPIのことだ。今回の例で言えば、「アクセス数とCV件数」が使命(KPI)であるため、サブKPIとしては、「SEO対策すべき検索キーワード数」「上位表示取得済みキーワード数」「導線誘導率」「フォームからのCV率」がサブKPIとして必要になる。

このように、使命(KPI)をさらにサブKPIに分解することから始めよう。サブKPIに分解することで、やるべきことをより明確にできるからだ。サブKPIの概念を図解化すると下記図のようになる。

使命(KPI)をさらにサブKPIに分解する例

使命(KPI)をさらにサブKPIに分解する例

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サブKPIから営業行動を具体化

サブKPIに分解したら、サブKPIからやるべきこと(TODO)を明確化する。より具体的なKPIになっているため、TODOも明確化しやすい。上述したサブKPIの例からTODOを具体化すると下記のようなTODOリストとなる。

TODO概要
SEO対策すべき検索キーワードの調査SEO対策すべき検索キーワードをリストアップし、サブKPI「SEO対策すべき検索キーワード数」を増やしていく。
上位表示取得済みキーワードの確認実際にSEO対策が成功しているキーワードを把握し、SEO対策の効果を計測する。
導線設置問い合わせフォームに誘導する導線をWEBサイトに設置し、サブKPI「導線誘導率」を高める。
導線誘導率の確認実際にフォームへの誘導率がどのくらい上がったのかを確認する。
フォームからのCV率確認CV率を改善するためホワイトペーパーなどを制作し、サブKPI「フォームからのCV率」を高める。
フォームからのCV率向上実際にサブKPI「フォームからのCV率」が改善したかを確認する。

営業行動に「いつ」「誰」を加えて計画表にする

TODOリストは「営業の行動」そのものであるため、その各行動に対して、「いつまでに」「誰がやるか?(誰とやるか?)」を決めていく。「いつまでに」「誰がやるか?(誰とやるか?)」を決めていく際には、下記のような計画表を作り、うめていくとよいだろう。

営業アクションプラン(営業計画)のサンプル

営業計画(営業アクションプラン)を作る際には、かならずPDCAもTODOに入れておこう。営業戦術は上述した通り、具体的なノウハウが必要となり、成功するとも限らない。そのため、特に不安な営業戦術については、PDCAサイクルのタイミングを早くし、素早く成果につながるように計画立てておくことが重要だ。

このような営業計画(営業アクションプラン)を営業戦術の実行責任者が作成し、戦略立案した担当者が集約すると、営業戦略全体のアクションプランとなる。

営業計画(営業アクションプラン)のサンプルテンプレート・フォーマット

営業アクションプラン(営業計画)のサンプル

上記でご紹介した営業計画(営業アクションプラン)のエクセルを下記からダウンロードできるので、簡単なフォーマットであるが参考にしていただけたら幸いである。

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営業計画(営業アクションプラン)立案後のチェックポイント

営業計画(営業アクションプラン)を立案しても、実際に活用できるものでなければ立案する意味がない。営業計画(営業アクションプラン)を立案したら、下記のポイントを押さえられているか確認してほしい。

営業計画(営業アクションプラン)立案後のチェックポイント
  1. 実現できる計画になっているか
  2. 定量的な目標になっているか
  3. PDCAを回せているか

営業計画(営業アクションプラン)に実現性がなかったり、定量的な目標を立てられていなかったりすると、遂行したところで成果は期待できない。営業担当のモチベーションが下がる可能性もあるため、実現できる計画か、定量的な目標か確認することが重要だ。また、最初に立てた営業計画(営業アクションプラン)で成果が出るとは限らないため、PDCAを回しながら改善していく必要がある。

実現できる計画になっているか

営業計画(営業アクションプラン)に実現の見込みがなければ、実施しても成果を期待できない。実現性のない計画の代表例には、欲望のままに高い売上目標を設定しまうことが挙げられる。例えば、自社のスキルやリソースを大幅に上回る目標を設定したり、目標を達成するために必要な顧客数がそもそも国内では満たせない場合だ。

高い成果を出したいがために実現の難しい計画を立てた場合、計画が失敗に終わるだけではなく、営業担当のモチベーションが下がってしまう場合がある。そのため、営業計画(営業アクションプラン)を立案した後は現実的な目標か、自社のリソースで行えるものか、それだけの数値を達成するだけの顧客数(市場規模)があるか?について確認してほしい。

定量的な目標になっているか

立案した営業計画(営業アクションプラン)の目標が定量的でないと、実行責任者は何をどれだけすればよいのか判断できない。例えば、「商談数を増やす」という目標の場合、いつまでにどれだけの商談数を増やせばよいのか明確になっていないため、目標を達成するために必要な行動も曖昧になっている。

営業計画(営業アクションプラン)の目標を設定する際は、最終的なゴールであるKGIから逆算してKPIの目標値を明らかにしてほしい。なお、KPIを設定する際は、定量化だけではなく、「SMART」を意識することが重要だ。「SMART」は以下の頭文字を取ったものである。

SMART
  1. Specific(明確性)
  2. Measurabe(測定可能)
  3. Achievable(達成可能)
  4. Related(関連性)
  5. Time-bounded(適時性)

PDCAを回せているか

営業計画(営業アクションプラン)を遂行して、KPIを効率的に達成するために、PDCAを回すことが重要だ。PDCAとは、「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」といったサイクルを繰り返すことで、継続的に改善する手法である。

営業計画(営業アクションプラン)を遂行しても、すぐに成果が出るわけではない。計画を実行した後は、目標達成の度合いを分析して、改善すべKPIや具体策を検討する必要がある。PDCAを怠った場合は、成果の出ない営業計画(営業アクションプラン)を遂行し続けることとなるため、必ずPDCAをおこなってほしい。

PDCAの具体的な回し方については、下記のコラムを参照いただけたらと思う。

営業戦略のPDCAの回し方とレポートフォーマット

営業戦略のPDCAの回し方を具体例とあわせて解説【サンプルシート付】

2023年2月25日

まとめ

以上、営業計画(営業アクションプラン)の立案プロセスについてサンプルフォーマットを交えながらご紹介した。営業計画(営業アクションプラン)は、営業戦略が立案されていないと策定できないため、まずは営業戦略立案から始める必要がある。その戦略立案の過程で、営業計画(営業アクションプラン)を立案する。全体の流れをまとめると下記のようになる。

営業戦略立案から営業計画立案までの主な流れ
  1. 営業目標を決める(KGIとKPI)
  2. 営業戦略に必要な事前分析を行う
  3. BtoBの営業戦術・営業方法として何があるのかを理解する
  4. 戦略立案フレームワークを使って営業戦略を立案する
    1. 営業戦略を作戦に分解する
    2. 作戦毎に戦術を選定する
    3. 営業計画(営業アクションプラン)を立案し実行する

上記 お「営業計画(営業アクションプラン)を立案し実行する」のプロセスは下記の通りだ。

営業計画(営業アクションプラン)の立案プロセス
  1. 営業戦術の作戦(KPI)からサブKPIを設定
  2. サブKPIから営業行動を具体化
  3. 営業行動に「いつ」「誰」を加えて計画表にする

このプロセスを進めることで、下記のような営業計画書が埋まっていき、具体的な行動として落とし込める。

営業アクションプラン(営業計画)のサンプル

ただ、営業計画(営業アクションプラン)を立てたからといって、必ず成果が出るわけではない。立案した後は短いサイクルでPDCAを回しながら、改善策を検討することで改善を目指す必要がある。

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BtoB営業戦略の立て方「4つのテンプレート」

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BtoB営業戦略の基礎コラム

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績