BtoBマーケティングや営業戦略のデジタル化を推進しているBtoB企業では、自社のWEBサイトを活用してリードジェネレーションを行なっている企業が多い。
こういったWEB活用の場合、WEBのKGIは、いわずもがな、有象無象(競合、個人、売り込みなど)を除いたリードとなりえる企業からのCV件数だ。未知リードからのCVが多くなればなるほど、「新規開拓をWEBで担えている」と言えるだろう。
しかしながら、事業数・製品数が多くなるとWEBで新規開拓を担うことが難しくなる。実際に弊社にも下記のような相談をいただいている。
そこで、今回のコラムでは、事業数・製品数が多いBtoB企業向けに「新規開拓をWEBで担えるWEBチーム体制の作り方」についてご紹介する。
新規開拓をWEBで担えるWEBチーム体制の作り方
WEBチーム体制の作り方は、弊社では3段階のプロセスがあると考えている。そのプロセスは下記の通りだ。
- WEB担当者全員が共通して追いかけられるKPIを設定する
- 各KPIを改善するための手法を蓄積できるようにする
- 効果的なKPI改善の手法は「業務標準化」してチームで共有する
(1)WEB担当者全員が共通して追いかけられるKPIを設定する
1つ目のプロセスは、共通のKPI設定だ。
WEBチームのメンバー全員で「CV件数を増加させるためのKPI」を共通化するのである。製品や事業毎に「異なるKPI」を設定したり、WEB担当者毎で「異なるKPI」を設定するのではなく、製品・事業と担当者の壁を越えて共通のKPIを設定するのだ。
KPIを共通化しておくと、「KPIの改善の仕方」をWEB担当者間でノウハウ共有できるようになる。これは今後のWEB活用体制に大きなメリットをもたらす。このため、まずは共通のKPI設定から始めよう。
(2)各KPIを改善するための手法を蓄積できるようにする
共通のKPIを設定したら、次は、各KPIを改善するための手法を蓄積しよう。
WEBチームのメンバーは、さまざまな製品・事業のWEBサイトを運営しているため、日々「このKPIを改善するにはどうすればいいか?」で悩むことになる。当然、最初から答えがわかっているわけでもないため、PDCAを回しながら、「成功する確率の高い改善手法」を見つけていく必要がある。
「成功する確率の高い改善手法」が見つかれば、それをWEBチームで蓄積していくとよい。「蓄積」というのはマニュアル化する、FAQ化するといったイメージである。
こうすることで、KPIを改善する手法が社内に蓄積され、新人メンバーが配属されても、その蓄積されたノウハウを閲覧するだけですぐに戦力となるだろう。
(3)効果的なKPI改善の手法は「業務標準化」してチームで共有する
「成功する確率の高い改善手法」を蓄積したら、その中でも特に効果が出やすい手法は「業務標準化」しておこう。特に「工数も少なく比較的すぐに効果が出る」といった手法が見つかれば、必ずマニュアル化しチームで共有すると良い。
そういったマニュアルを見た他のメンバーが同じことを「別製品」で実行し、そして同じような効果が得られれば、「KPIをすぐに改善できる手法」として今後のWEB活用に大いに役立つだろう。
3段階のプロセスの例「弊社の場合」
上述した3段階のプロセスの例を1つご紹介しよう。弊社が上記のプロセスで長年かけて蓄積してきた例だ。
(1)WEB担当者全員が共通して追いかけられるKPIを設定する
弊社の場合、本記事執筆時点でのKPIは「3つ」に設定している。この3つのKPIを改善さえすれば、未知のリードからのCV件数が増えるという成果を出している。
3つのKPIをすべて説明すると長くなるため、1つだけご紹介すると、「アクセス数(UU数)」がKPIとなっている。これはWEB活用では当たり前の話だ。
ただし、「未知のリードからのCV件数」がKGIであるため、正確には、「社名、ブランド名などのキーワード検索流入ではなく、自然言語のキーワード流入のアクセス数」が正式なKPIの定義となる。
(2)各KPIを改善するための手法を蓄積できるようにする
上記でご紹介した弊社例のKPI「自然言語のキーワード流入のアクセス数」の場合、その手法としてはSEO対策がメインだ。そのため、SEO対策の具体的なプロセスを蓄積している。
本記事執筆時点では、3つのSEO対策のプロセスを蓄積している。それぞれ弊社内では、「お手軽パターン」、「しっかりパターン」、「ガチパターン」という名前をつけてノウハウを管理している。キーワードの重要度や競合コンテンツの強さなどによって「自由な手法を選べる」ようにしている。
残り2つのKPIについても同様だ。KPIを改善するための手法を見つけ出しては蓄積するという業務を繰り返している。
(3)効果的なKPI改善の手法は「業務標準化」してチームで共有する
特に効果がでたKPIの改善手法は、「業務標準化マニュアル」として業務プロセスの進め方をまとめている。弊社ではこういったマニュアルがWEB活用だけでも15本程度存在し、弊社内での活用だけでなく、弊社のコンサルティング業務でも活用している。
最も重要なことはKPIの設定
この3段階のプロセスで最も重要なポイントは、KPIの設定だ。何をKPIにするか?だけでなく、そのKPIの数も重要である。弊社では、「3つのKPI」としているが、これ以上数を増やすつもりはない(現時点では)。
なぜなら、KPIの数は「少ない方がリソースを効率よく使える」からだ。KPIの数が少ないと、WEB担当者が追いかけるべきKPIの数も当然少なく、その分業務も減る。その結果、担当できる製品や事業数が増えるのである。
さらに、KPIの数が少ないと、蓄積すべき改善手法の数も少なくて済む。つまり、PDCAを回す労力も少なくて良いのだ。
このようにKPIの数は、新規開拓をWEBで担える体制作りに大きく影響する。だからこそ、弊社ではKPI数を少なくすることに拘っている。
まとめ
新規開拓をWEBで担えるWEBチーム体制の作り方のプロセスをご紹介した。そのプロセスは下記の通りである。
- WEB担当者全員が共通して追いかけられるKPIを設定する
- 各KPIを改善するための手法を蓄積できるようにする
- 効果的なKPI改善の手法は「業務標準化」してチームで共有する
この中でも、特に重要なのは、KPIの数である。数をできるだけ絞り込み、その上で、各KPIを改善する効果的な手法を見つけ出し、業務標準化していこう。そうすれば、新規開拓をWEBで担えるWEBチームが効率よく完成するだろう。
なお、弊社の3つのKPIについて詳しい内容を知りたい場合は、コラムでは説明しきれないため、下記の個別セミナーにお申し込みいただければと思う。具体的なKPIの内容とそのKPIに設定した理由、そして各KPIを改善する手法の例までご説明しよう。
https://btobmarketing.aluha.net/contact/seminar/lead-generation/