このコラムでは、営業戦略の立案に必要な営業目標(KGIとKPI)の決め方について解説する。営業にはKGIとKPIがあり適切な目標数値を設定しなければならない。そのためにはどのような考え方でKGIとKPIを営業目標として設定するのかを解説する。
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営業のKGIとは
KGIとは、プロジェクトの最終的な目標を定量的に示した指標のことだ。「Key Goal Indicator」の頭文字を取ったもので、重要目標達成指標とも呼ばれる。最終目標を数値化しない場合、目標を達成できたのか判断することが難しいうえに、達成度合いも判断できずに非効率な活動となってしまう。そのため、数値を用いて具体的に設定することが重要だ。
営業戦略のKGIは、営業活動における最終目標のことだ。売上(金額や件数)、シェア率が設定されることが多い。
- 売上
- 契約件数
- シェア
- 新規に獲得した顧客数
- 既存顧客のLTV
営業のKPIとは
KPIとは、最終目標に向かって適切に行動できているかを確認するための指標だ。「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったもので、重要業績評価指標とも呼ばれる。KPIを設定すると定期的に活動を振り返りやすくなるため、PDCAを回しながら業務を改善することが可能だ。
営業戦略のKPIは、営業活動の過程を評価するために設けられる中間目標のことだ。新規リードの獲得件数や新規顧客数が設定されることが多い。
- 新規リードの獲得件数
- 平均客単価
- 営業訪問回数
- 商談獲得件数
- 受注率
さらに詳しい具体例は、「営業のKPIの具体例|108の具体例」にて公開している。
営業目標の決め方「KGIの決め方」
KGIは営業の最終目標であるため、「売ってくること」「新規顧客を見つけること」といった努力目標では意味がない。具体的な数値で目標を設定する必要がある。例えば、「年間売上20億円」、「年間の契約件数100件」、「シェア20%達成」、「新規顧客開拓100件」「既存顧客からの継続売上30億円」「昨年より売上を120%UP」といったイメージである。
このように、KGIの数値目標は自社内で自由に決めることができる。そのため、その決め方は大きく2つの方法がある。1つは、「自社目線で決める」、もう1つは「市場目線で決める」である。
自社目線で決める
「自社目線で決める」のは、その名の通り、ほしい売上を経営者や営業責任者、事業責任者が決めてしまうという決め方だ。弊社のお客様でも、「上層部から年間100件の売上が目標と設定された」「年間10億円を売ることが目標と設定された」といった話をよく聞くが、「なんでその数値なんですか?」と聞き返すと、「製品開発費用を回収したいから」「競合に負けたくないから」のような理由となっていた。
少し乱暴なケースになると、「とにかく儲けたいから」といった理由で欲望のままに設定されることもあるようだ。こうなると正直目標値はキリがない。
このように、自社の事情や欲望をベースに営業戦略のKGIを設定すると、ひどい場合は実現不可能な数値(自社のリソースでは不可能、もしくは市場規模で不可能)が設定されてしまうことになる。そもそもの目標が不可能であるため、いつまでたっても目標達成はできず、担当者も評価されない。
このため、「市場目線で決める」決め方も取り入れてバランスを見なければならない。
市場目線で決める
「市場目線で決める」というのは、自社の製品・サービスを購入してくれそうな企業がターゲット市場(例えば国内など)において、総母数としてどのくらいあるのか?を調査し、そこから売上目標を決めていく決め方だ。
ある特定業種・業界を狙った商材・サービスであれば、市場目線で決めないと、無謀な目標値になってしまう。例えば「従業員100名以上の印刷会社」を対象に、「印刷設備を売る」ことを考える場合、自社の商圏において、そもそも「従業員100名以上の印刷会社」がどのくらいあるのか?を調査する。その上で、母数から逆算して目標を設定する。
実現性はより高くなるが、事業の採算性が取れないといったジレンマを抱えることがある。上述したように製品開発費用がかかっているため、この目標だと開発費を回収できないといったことが発生する可能性がある。
このため、自社目線での決め方も考慮しながら、市場目線で決めていく必要がある。
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営業目標(KPI)の設定の仕方
自社目線、市場目線で営業目標のKGIを決めたら、次はKPIである。KPIはKGIを達成するために必要となる中間指標であるため、「このKPIさえ達成できればKGIは達成できる」というKPIを設定し、その各KPIに対して数値目標を決めなければならない。そのため、まずはKPIの設定から始める。
KPIの設定は、KGIを達成するために「やらなければならないこと」をリストアップし、その「やらなければならないこと」別にKPIを設定するとよい。イメージ図にすると下記図のようになる。
KPIが設定できたら、さらに各KPIに対して「やらなければならないこと」をリストアップしKPIを細分化していく。イメージ図にすると下記図のようになる。
上記図のように、KGIをTOPにして、KPI、サブKPI、サブサブKPIという具合に、KPIは階層構造を持ちながら設定されていく。これをKPIツリー(ロジックツリー)という。
KPI例 | サブKPI例 |
KPI①顧客数 | サブKPI①新規顧客 サブKPI②既存顧客 |
KPI②顧客の平均単価 | サブKPI①平均の購入個数 サブKPI②商品単価 |
KPI③アクセス数 | サブKPI①SEO対象ワード数 サブKPI②SEO成功ワード数 |
上記表のように、KPIは細かく分解していくことができる。例えば、顧客数は新規顧客と既存顧客に分解できるため、それぞれをサブKPIとして設定する。そうすると、サブKPIが増加すれば、KPI「顧客数」も増加することになる。このようにKPIを細かく分解してくことで、具体的なKPIが設定できるようになる。
KPIツリー(ロジックツリー)を作るには、「やるべきことは何か?を分解する能力」が必要になる。これができなければ、最適なKPIを設定することができず、KPIを改善してもKGIが向上しないというジレンマを抱えることになる。要するに無駄なリソースを使うことにつながってしまう。
営業目標(KPI)の決め方
営業戦略のKPIツリー(ロジックツリー)が完成したら、各KPIの目標値(目安)を決める。各KPIの目標値(目安)は、その目標値をすべて達成したらKGIも達成しているという目標値(目安)にしなければならない。そのため、目標値(目安)の決め方としては、下記2つの方法がある。
- KGIから逆算して決める決め方
- KPIの目標値(目安)を社内調査・デスクリサーチして決める決め方
KGIから逆算して決める方法
1つ目の決め方は、KGIから逆算して決めていく方法だ。最終目標値であるKGIが決まっているため、そこから逆算して、必要なKPIを埋めていくのである。KPIツリー(ロジックツリー)の上位階層から下位階層へ向かって計算しながら数値を埋めていくのだ。
例えば、KGIを売上1000万円としよう。このKGIから逆算してKPIを決めていくことになるため、客単価は10万円、顧客数は100社という具合に決めていく。売上=客単価×顧客数となるため、合計で1000万円となる。さらに、顧客数は100社であるが、既存顧客を60社、新規顧客を40社という具合にさらに細分化して決めていく。これが、逆算して決める方法だ。
このとき、あるKPIに負荷が大きくかからないようにバランスを考慮するのと、自社のリソースを考慮すると良い。あるKPIに負荷をかけすぎると、そのKPIを実現するために時間がかかりKGI達成にも時間がかかる。加えて、あるKPIの改善や向上施策に詳しい自社のリソース(担当者)がいる場合は、あえてそのKPIに期待を込めて大きな目標値を設定するのもありだ。そのかわり、予算や人員配分はしっかり割り当てることも重要だろう。
実現性のあるKPIを設定しながら全体を最適化していく作業になるだろう。
KPIの目標値(目安)を社内調査・デスクリサーチして決める方法
2つ目の決め方は、KPIの目標値(目安)を社内調査・デスクリサーチして決める方法だ。
社内調査とは、過去の自社データを調査する方法だ。例えば、DM送付の経験があるなら、その時の反応率などを過去の担当者に確認し、KPIとしてどのくらいの数値が現実的なのか?を把握するのである。
KPIツリー(ロジックツリー)を細分化していくと、だんだん現場に近いKPIになるため、階層が深くなればなるほど、DMの反応率、電話のアポイント率といったKPIが出てくる。そういった数値の目標値(目安)が自社内にあるなら現実的な数値として目標値化するといいだろう。
デスクリサーチとは、既存の文献や資料、WEBサイトから必要な情報をリサーチすることをいう。社内調査してもデータがない場合は、効果的である。特にネット上にはさまざまなデータがホームページ上で公開されているため、目標値(目安)の参考になるデータが見つかる可能性が高い。
この2つの決め方をベースに、KPIツリー(ロジックツリー)の各KPIの目標を決定するとよい。最終的にどうしても判断がつかない場合は、「このくらいを目指そう」と決断するのも1つの方法である。実際にやってみれば、実現性があったのかなかったのか、判断もできるようになるからだ。
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営業目標(KGI・KPI)は適切な数値に決めよう
以上、営業戦略の目標(KGIやKPI)の設定・決め方について解説した。営業戦略を立案しても営業目標が適切な数値になっていなければ、いつまで経っても達成されない(もしくは達成できない)といったことになる。このため、営業目標の設定は非常に重要だ。現実的な数値目標を設定し、現場に浸透させていこう。