SFA(営業支援ツール)とは?主な機能やおすすめのツール10選を紹介

SFA(営業支援ツール)とは?主な機能や選定ポイント、おすすめツール10選
Last Updated on 2024年10月19日 by 荻野永策

BtoBマーケティング営業戦略において、SFA(営業支援ツール)の活用は、営業活動の効率化や可視化などさまざまなメリットがある。しかし、どのような機能が搭載されているのか知らずに、自社で導入すべきか悩んでいる方もいるだろう。そこで、本記事ではSFAの主な機能や導入するメリットを解説。後半では、おすすめのSFA10選も紹介するため、SFA選びの参考にしてみよう。

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SFA(営業支援ツール)とは

SFA(営業支援ツール)とは「Sales Force Automation」の略語で、営業活動をサポートする機能が搭載されているITシステム・ソフトウェアのことだ。製品によっては、顧客管理機能を搭載しているものもあるが、メインは営業支援や商談管理である。

営業担当者の業務は、顧客リストの作成やアポの獲得・提案書の作成・商談推進など多岐にわたる。SFAを活用すれば、一部の業務を自動化できることから、営業業務の効率化などの目的で導入されている。

なお、SFAが注目されている背景には、属人的な営業スタイルでは顧客の獲得が難しくなっていることがある。SFAに蓄積した営業活動のデータによって、営業担当者の経験や勘に頼らなくなり、営業活動を最適化できることからSFAが活用されている。

CRMとの違い

SFAとよく比較されるサービスとして、CRMがある。CRMとは「Customer Relationship Management」の略語で、顧客との関係を管理するITシステム・ソフトウェアのことだ。顧客と良好な関係を構築・維持することが目的であり、顧客情報の管理機能や顧客情報の分析機能・メール配信機能・問い合わせ管理機能などが搭載されている。

SFAとCRMでは、業務のカバー範囲が異なっている。SFAでは見込み客の案件化から受注までをカバーするのに対し、CRMでは受注以降の業務をカバーする。そのため、SFAとCRMは、どの業務範囲をカバーしたいかによって選ぶこととなる。

SFA(営業支援ツール)の主な機能

SFA(営業支援ツール)の機能は、主に下記の通りだ。なお、細かい機能の詳細は各種ツールによって異なるため、下記に記載した内容はよくある機能としてまとめている。

●顧客情報の管理機能
顧客の社名や所在地・電話番号・担当者名・役職などを一元管理。入力データが重複しても、名寄せ機能によって一つにまとめられる。
●案件・商談の管理機能
案件別に、案件の担当者、提案している商材、進捗状況、受注見込みや確度、受注予定日、受注見込み額などを管理。チームで案件の進捗状況を共有できる。
●営業活動の管理機能
営業担当者の営業活動や履歴を管理。成績の良い営業担当者の営業活動を分析することで、部署全体で効率の良い営業活動を実現できる。
●売上予測・予実の管理機能
営業担当者ごとの売上や顧客別の売上・サービス別の売上などを予測。受注見込みの高い案件を優先するなど営業施策に活用できる。

SFA(営業支援ツール)を導入するメリット

SFAを導入する主なメリットは、下記の3つだ。

SFAのメリット
  1. 営業活動を効率化できる
  2. 営業活動を可視化できる
  3. 営業活動を標準化できる

営業活動を効率化できる

SFAを活用すれば、営業担当者はスマホやタブレットから日報や週報を簡単に作成できる。インターネットを利用できる環境ならどこからでも作成できるため、商談後の電車内からでも作成が可能。日報や週報の作成のために会社に戻る必要はなく、時間を有効に活用できる。

また、作成した日報や週報はSFA上で共有できる。メールの送信や印刷の手間がかからず、マネージャーはリアルタイムで日報や週報を確認できて、タイムリーにフィードバックをおこなえる。

営業活動を可視化できる

マネージャーは、営業担当者の活動状況を把握して適切な指示を出すことが求められる。しかし、営業担当者の数が多ければ扱う情報量も多く、正確に状況を把握することは難しい。また、営業担当者からの報告が遅れれば、適切なタイミングで指示を出せない。

そんなときに役立つのが、SFAだ。営業担当者に商談や案件・活動状況などの情報をSFAに入力してもらうことで、営業活動に関する情報を一元管理できる。商談後にスマホから情報を入力すると、リアルタイムで活動状況が可視化されて把握することが可能だ。

可視化されたデータを確認すれば、営業担当者がつまずいているポイントや失注までの経緯を把握できる。マネージャーは営業担当者に適切なタイミングで適切な指示を出せるため、売上の向上が期待できるのである。

営業活動を標準化できる

営業担当者が、各自の営業活動で得た営業ノウハウを営業部内で共有できていない場合、営業活動は営業担当者の経験や勘に依存したものとなる。この状態では営業活動が属人化し営業の標準化も難しい。

しかし、SFAを活用すれば営業活動で得た営業ノウハウは、SFAに蓄積できる。「こうすれば商談が進んだ」「こうすれば営業工数を削減できた」などの営業ノウハウをSFAに蓄積できるのである。そして、蓄積された営業ノウハウをナレッジとして営業部内で共有することで属人化を防ぎ、営業の標準化(こうすれば売れるという営業シナリオの標準化)にも役立てることができる。SFAに蓄積されたデータは、「売れる売り方」を分析するための良い材料になるのである。

SFA(営業支援ツール)を選ぶ際の確認ポイント

一口にSFAと言っても、製品によって特徴が異なる。導入効果を高めるためには、下記の選び方でSFAを選ぶとよいだろう。

●操作性
使用予定の営業担当者にとって使いやすいものを選ぶ。操作性が低い場合、社内でなかなか定着しないという問題が発生する。
●サポート体制
SFAの導入・定着がスムーズにおこなえるとは限らない。問題を放置しないために、すぐに問い合わせに対応してくれるサポートが重要となる。営業担当者により細かく入力してもらうにはどうすればいいか?など運用面でのサポートが充実しているとSFAの活用効果も最大化できる
●柔軟な画面設計や入力項目設計
SFAは営業担当者が入力したデータが蓄積される。そのデータは営業改善だけでなく、マーケティング活動(課題分析など)や差別化戦略の策定(顧客ニーズを把握し商品力を強化する)などにも活用される。そのため、柔軟な入力項目設計ができるようなツールが理想的である。
●他ツールとの連携機能
CRMやMAと連携できるものを選ぶと、ツールごとに顧客データを入力する手間を省ける。入力ミスも防げるため、連携機能は重要である。ービス別の売上などを予測。受注見込みの高い案件を優先するなど営業施策に活用できる。

おすすめのSFA(営業支援ツール)10選

さまざまなSFAの中から、おすすめのSFAを10個紹介する。なお、各製品の情報は記事執筆時点の情報であり、最新情報については、各製品の公式サイトを確認いただきたい。

SFAツール10選
  1. JUST.SFA
  2. GENIEE SFA/CRM
  3. eセールスマネージャ
  4. Salesforce Sales Cloud
  5. Senses
  6. Hub spot Sales Hub
  7. kintone
  8. cyzen
  9. Sales Force Assistant
  10. Knowledge Suite

JUST.SFA

自社で使いやすいようにSFAを自社開発したいが、プログラミングの知識が豊富な人材がいないと悩んでいる企業も多いだろう。そんな悩みを解消するのが、JUST.SFA。

JUST.SFAでは、自社オリジナルのSFAをノーコードで作成できる。プログラミングの知識がなくても、自社にとって使いやすいようにカスタマズ可能なのだ。マウス操作のみで、入力フォームの設計や単表パネルの項目の並び替えなどをおこなえる。

また、外部ツールと連携するためのAPIが搭載されている点も魅力。GmailやTeamsと連携すれば、案件に関連するやり取りをSFAで管理できる。

運営会社株式会社ジャストシステム
料金プラン要問合せ
提供形態クラウド型
無料トライアルあり(期間などは要問合せ)
公式サイトhttps://www.justsystems.com/jp/products/justsfa/

GENIEE SFA/CRM

できるだけ早くSFAを導入して運用したいと考えている企業には、GENIEE SFA/CRM(旧:ちきゅう)がおすすめである。GENIEE SFA/CRMは、項目設定やデータの移行などをマウス操作のドラッグ&ドロップで簡単におこなえて、平均1ヶ月で運用を開始できる。

また、利用用途に応じて料金プランを選べる点も魅力。少ない機能を低価格で利用できるプランが用意されており、「あまり機能を使っていないのに、多くの費用がかかっている…」といったことを避けられる。

運営会社株式会社ジーニー
料金プラン ●月額1,480円(ライト)
●月額2,980円(スタンダード)
●月額4,980円(プロ)
●月額9,800円(エンタープライズ)
提供形態クラウド型
無料トライアルあり(15日間)
公式サイトhttps://chikyu.net/

eセールスマネージャー

導入から定着までで一貫してフォロー体制が充実している点が特徴だ。会社ごとに専属チームが伴走するため、導入に2.5ヶ月・定着に3ヶ月という短期間で、SFAを導入・定着させられる。

また、タイムライン型で活動状況を社内で共有できる点も魅力だ。活動報告を入力するだけで、顧客情報や活動履歴情報と紐づき、自動で関係のある担当者や上司のタイムラインに活動報告が共有。「見たよ」というアクション機能でコメントせずとも確認したことを伝えられるため、活動報告が見られているという意識から営業担当者のモチベーションは維持されやすい。

運営会社ソフトブレーン株式会社
料金プラン ●月額3,000円(スケジュールシェア)
●月額6,000円(ナレッジシェア)
●月額11,000円(スタンダード)
提供形態クラウド型/オンプレミス型
無料トライアルあり(30日間)
公式サイトhttps://www.e-sales.jp/

Salesforce Sales Cloud

世界的に多くの会社で使用されているSalesforce Sales Cloud(セールスフォース セールス クラウド)。どのような機能が搭載されているか知らなくても、名前を知っているという人も多いだろう。

高い導入効果が特徴で、商談の成約率は平均26%増加、営業の生産性は平均38%増加、売上の拡大平均28%増加が顧客より報告されている。

また、AIによるスコアリングで効率的に営業をおこなえる点も魅力。AIが見込み客の情報や営業活動の履歴を分析して、見込み客を優先順位の高い順に表示する。それにより、営業担当者が商談につながりやすい見込み客を優先してアプローチできる。

運営会社セールスフォース・ドットコム社
料金プラン ●月額3,300円(Essentials)
●月額9,900円(Professional)
●月額19,800円(Enterprise)
●月額39,600円(Unlimited)
提供形態クラウド型
無料トライアルあり(30日間)
公式サイトhttps://www.salesforce.com/jp/

Senses

案件の進捗を直感的に把握できる案件ボードが魅力である。営業案件をカード形式で管理しており、案件の進捗によってカードの色が異なっていることから、一目でどの案件が受注できそうか判断することが可能。

また、さまざまな外部ツールと連携できるため、営業担当者の入力作業を大幅に削減できる。メールやスケジュール・コミュニケーションツールなどと連携することで、現場の入力負担によるSFAの導入・運用の失敗を防止できるのだ。

運営会社株式会社マツリカ
料金プラン ●月額27,500円~(Starter)
●月額110,000円~(Growth)
●月額330,000円~(Enterprise)
提供形態クラウド型
無料トライアルあり(期間などは要問合せ)
公式サイトhttps://product-senses.mazrica.com/

Hub spot Sales Hub

パイプライン機能を活用することで、商談の進捗状況を一目で判断できるようになる。商談をパイプライン形式で管理できるため、どのフェースに顧客が何人いるのか、売上見込みはどのくらいかなど把握することが可能。

また、Eメールトラッキング機能によって、見込み客がEメールを開封したタイミングがわかる。開封時にデスクトップに通知が来るため、リアルタイムのフォローアップが実現。

運営会社HubSpot Japan株式会社
料金プラン ●無料(無料版)
●月額5,940円~(Starter)
●月額59,400円~(Professional)
●月額158,400円~(Enterprise)
提供形態要問合せ
無料トライアル無料デモあり
公式サイトhttps://www.hubspot.jp/products/sales

kintone

kintone(キントーン)では、さまざまな機能を用途別に集めて、パックという形式で提供している。その中でも、SFAとして活用できるのは「営業支援(SFA)パック」である。

数ある魅力の中でも、特に魅力的な点は月額858円という低価格から利用できる点だ。1ユーザー単位で契約できるため、使用していないユーザー分の費用は請求されない。

また、交通費の申請や社内稟議などさまざまな申請をスマホでおこなえる点も特徴。外出先から決済できるうえに、リマインド通知で処理漏れを防止できるため、申請が通るまでの時間を大幅に削減できる。

運営会社サイボウズ株式会社
料金プラン ●月額858円(ライトコース)
●月額1,650円(スタンダードコース)
提供形態クラウド型
無料トライアルあり(30日間)
公式サイトhttps://kintone.cybozu.co.jp/

cyzen

訪問営業が多い営業担当者にとって、日報や週報など報告書を作成・提出するために、パソコンを開いたり、会社に戻ったりすることは多くの負担だろう。そんな方におすすめしたいのが、cyzen(サイゼン)。

cyzenではスマホから報告書を作成することが可能。パソコンを開くことなく、スマホからリアルタイムでチームに報告書を共有できるのだ。写真を添付すれば、より情報が伝わりやすくなる。

また、GPS機能を活用して、顧客への訪問履歴などを記録できる点も魅力。チームメンバーがどこで何をしているのかを地図上で見ることも可能で、マネージャーは遠隔で指示を出しやすくなる。

運営会社レッドフォックス株式会社
料金プラン要問合せ
提供形態クラウド型・スマホアプリ
無料トライアルあり(14日間)
公式サイトhttps://www.cyzen.cloud/

Sales Force Assistant

営業担当者一人ずつにAI秘書がつく点が最大の特徴である。業務のヌケ・モレを確認してくれるため、さまざまな業務をこなしている営業担当者でも、うっかり案件を放置してしまうという事態を避けられる。

また、個人目標達成アシスト機能によって、営業担当者が個人で設定した目標の達成をサポートする。目標までの進捗度が折れ線グラフで表示され、進捗具合を可視化できることから、営業担当者はモチベーションを維持しやすい。

運営会社株式会社NIコンサルティング
料金プラン ●月額3,500円~(クラウド型)
●月額667円(オンプレミス型)
提供形態クラウド型/オンプレミス型
無料トライアルあり(30日間)
公式サイトhttps://www.salesforce-assistant.com/

Knowledge Suite

SFAだけではなく、CRMや問い合わせ管理・グループウェア・分析ツールなど、さまざまな機能を最初から利用できる点が特徴だ。タブを切り替えるだけでアプリを切り替えられる。

すべての機能は「利用する機能」と「利用しない機能」に設定できて、使用する機能のみを表示することが可能。運用中に「利用しない機能」から「利用する機能」に設定を変更できる。機能を増やすごとに追加料金が発生するSFAが多い中、Knowledge Suite(ナレッジスイート)では追加料金が発生しない。

運営会社ナレッジスイート株式会社
料金プラン ●月額11,000円(グループウェア)
●月額55,000円(SFAスタンダード)
●月額88,000円(SFAプロフェッショナル)
提供形態クラウド型
無料トライアルあり(期間などは要問合せ)
公式サイトhttps://ksj.co.jp/knowledgesuite/service/

まとめ

SFAを導入することで、営業活動の効率化や可視化・標準化を期待できるため「今よりも業務効率を上げたい」「営業担当者に依存した営業スタイルから脱却したい」という方は導入することがおすすめである。

しかし、製品によって特徴が大きく異なり、どれを選ぶかによって得られる効果も異なる。どれも同じようなものだといい加減に選んだことで、社内でなかなか定着しない事態となれば、手間や費用が無駄なものとなってしまう。より多くの導入効果を得るために、導入前に操作性やサポート体制・提供形態などをしっかり確認しておこう。

BtoBマーケティングの基礎コラム

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績