BtoBデジタルマーケティングのコンテンツ作成がリソース不足で進められない時の3つの解決策

リソース不足でコンテンツ作成が計画通りに進まない!
Last Updated on 2024年9月7日 by 荻野永策

BtoBのIT企業や製造業において、BtoBマーケティングのデジタルコンテンツ作りでは、様々な課題が発生する。営業部門や技術部門、事業部などの他部門と協力しながらデジタルコンテンツ(Webやメール)を作成しなければならないため、どうしても時間がかかってしまうのだ。その結果、タイムリーで質の高いコンテンツをリードに提供できないといった状況につながってしまう。

実際に、弊社が実施しているアンケート調査でも、BtoBのコンテンツ作りにおいて下記のような回答があった。

先まで計画を立ててはみるものの、リソース不足で計画通りタイムリーなコンテンツ制作や発信が難しい。
(2019年12月26日 IT企業T社Hさんからの回答)

そこで今回のコラムでは、BtoBのIT企業や製造業におけるコンテンツ作りの課題解決についてご紹介する。どのようにすれば、リソースをうまく活用しながらタイムリーで質の高いコンテンツ配信ができるのか?を他社の事例を交えながら解決策を考察する。

なぜ「リソース不足で計画通りタイムリーなコンテンツ制作や発信」ができないのか?

最初に、なぜBtoB企業では、「リソース不足で計画通りタイムリーなコンテンツ制作や発信ができないのか?」の要因を探ってみよう。各社、製品特性や顧客特性、社風などが影響するが、概ね要因は「コンテンツの作り方」によって変わってくると考えられる。

デジタルコンテンツの作り方としては、BtoB企業の場合、3つの方法がある。

デジタルコンテンツの3つの作り方
  1. マーケティング部門(Web担当者なども含む)が自分で作成する
  2. マーケティング部門が他部門(事業部・技術部・営業部門など)に依頼する
  3. 外部のライターにコンテンツ作りを依頼する

つまり、自分でやるか、社内でやるか、外部に任せるかの3択なのである。おそらく、どの会社もこの(1)から(3)のどれかで進めているはずであるが、それぞれで、「リソース不足で計画通りタイムリーなコンテンツ制作や発信ができないのか?」の要因は異なる。

マーケティング部門が自分で作成する場合の主な要因

マーケティング部門が自分でコンテンツを作成する場合、下記のような要因で、コンテンツ制作が滞ってしまう。

マーケティング部門が自分で作成する場合の主な要因
  1. 製品に対する知識不足でライティングに時間かかる(そもそもできないこともある)
  2. ライティング後、社内(SEや製品担当者など)チェック・修正に時間がかかる
  3. 日々の他のマーケティング業務に追われてしまいコンテンツ作りが後回しになる
  4. どんなコンテンツを作って良いのかがわからず、結果、言われるがままのコンテンツ作成になる

マーケティング部門が他部門に依頼する場合の主な要因

マーケティング部門が他部門(事業部・技術部・営業部門など)に依頼する場合、下記のような要因で、コンテンツ制作が滞ってしまう。

マーケティング部門が他部門に依頼する場合の主な要因
  1. 他部門の担当者のライティングに時間がかかる(後回しにされる)
  2. コンテンツが自社目線になる(SE目線・技術者目線になる)
  3. 製品担当者が情報を出したがらないケースもある(競合に情報が取られるなどの理由)
  4. コンテンツ作成して公開後、効果がでなければ、だんだん非協力的になる
  5. SEOライティングなどのスキルがないためマーケティング部門が修正しなければならない

外部のライターにコンテンツ作りを依頼する場合の主な要因

「外部のライターにコンテンツ作りを依頼する」とは、「●●●●についてコンテンツを5本作ってください」のように丸投げするケースである。例えば、「SCMについて書いてください」「RPAについて書いてください」「工場の設備保全について書いてください」「産業用ロボットについて書いてください」などである。

BtoCのコンテンツであれば、ライターも書きやすいが、BtoBの場合、製品がマニアックであるケースが多いため、ライターの知識が少ないことが多々ある。その結果下記のようなことが発生し、計画通りタイムリーなコンテンツ制作や発信ができなくなる。

外部のライターにコンテンツ作りを依頼する場合の主な要因
  1. ライターの製品知識不足によりちぐはぐなコンテンツが完成する
  2. ライターがライティングした原稿を社内チェックし修正するのに時間がかかる
  3. 修正が乱発するとライターとの関係が悪化しライターが育たない

以上が、「リソース不足で計画通りタイムリーなコンテンツ制作や発信ができないのか?」の要因である。では、これらの課題・要因はどのようにして解決すべきであろうか?

一番理想的な解決策「BtoB企業のコンテンツ作りのあるべき姿」

このような要因がある以上、最も理想的なコンテンツ作りの体制としては、デジタルコンテンツを作る担当者が、下記の3つの条件をクリアしていれば理想的だ。

BtoB企業のコンテンツ作りのあるべき姿
  1. 製品に詳しいこと(強み・特徴なども熟知していること)
  2. リード・顧客に詳しいこと(リードや顧客の課題に熟知していること)
  3. デジタルマーケティングに詳しいこと(SEOライティングなどが可能)

この3つのスキルを持ち合わせた担当者が存在すれば、コンテンツ作りは非常にスムーズになり、効果を発揮するだろう。しかし、なかなかそうもいかないのが現実である。だからこそ、いろんな手法で解決策を模索する必要がある。

コンテンツ作りがうまく進んで来るBtoB企業の解決策

こうすればすぐに解決できる!というようなウルトラCは存在しないが、弊社のお客様でコンテンツ作りに成功しているBtoB企業(IT企業・製造業)の事例を3つご紹介しよう。御社の解決のヒントになれば幸いである。

解決策1「営業・技術・事業部出身者がマーケ部門に配属」

1つ目の解決策は、「営業・技術・事業部出身者がマーケティング部門に配属」である。実際にこのような配属を行なっているIT企業・製造業があり、その会社はコンテンツ作りが非常にスムーズである。少なくとも、(1)製品に詳しいこと(強み・特徴なども熟知していること)、(2)リード・顧客に詳しいこと(リードや顧客の課題に熟知していること)は配属された時点でクリアであり、まさにマーケティング部門から見れば即戦力である。

ある企業では、女性社員が育児期間中の場合、マーケティング部門に配属される。なぜなら、営業のような顧客対応が重要視される部門ではないからだ。子育てしながら自由な時間で働きたいという女性社員のニーズに会社が答えているということになる。そうなると、社員も会社に対して恩義を感じ、マーケティング業務をがんばろう!とモチベーションもあがるのではないだろうか?

そのため、マーケティング部門で人材を確保する場合は、「育児と仕事の両立で悩む営業・技術・事業部の女性」をスカウトするとよいだろう。マーケティング部門の強み(特にデジタルマーケティングの業務において)は、自由な時間で働けるというのがあるので、女性社員から見れば魅力的な価値になるはずだ。

解決策2「取材形式でライターを活用しライターを育成する」

2つ目の解決策は「取材形式でライターを活用しライターを育成する」だ。ライターにコンテンツ作成を丸投げするのではなく、一緒に作っていくというやり方である。ライターは製品がマニアックであればあるほど、製品知識はほぼないといっても過言ではない。そのような状況で丸投げすると悲惨な結果になるのは当然である。

そこで、ライターが製品担当者を取材するという形でコンテンツを作っていくのである。取材すればするほど、製品知識、顧客知識がライターに蓄積されていくため、最初はしんどいが、徐々にライターから良いコンテンツが出てくるようになり、最終的には丸投げしても安心というような状態になるかもしれない。

当然ライターも、単発の仕事ではなく、継続的な仕事となるため、気合を入れて製品や業界のことを勉強しようとするだろう。

解決策3「社内発注制度」

3つ目の解決策は「社内発注制度」だ。解決策2では、「ライターに費用を支払いコンテンツを作る」という解決策であるが、費用を支払うのであれば、「製品に詳しい社内の担当者に支払う」という考え方もありである。つまり、社内副業のようなイメージだ。当然、社内規定に違反しないかの確認は必要であるが。

ある企業では、若手社員に対して、お小遣い稼ぎのようなイメージで、コンテンツ作成を依頼している。例えば「土日の暇な時間にこういうコンテンツを作成してくれたら●万円支払う」というイメージだ。

社内の担当者に発注するので、(1)製品に詳しいこと(強み・特徴なども熟知していること)、(2)リード・顧客に詳しいこと(リードや顧客の課題に熟知していること)は、クリアしているはずである。しかも対価も支払うため、納期は厳守される上に、社員がライティングするため社内チェックも容易だ。

加えて、若手社員にライティングさせることで、製品や顧客に関する知識も深まり、ライティング力、表現力といったスキルの育成にもつながる。

ライターに支払うくらいなら、社員に支払うという考え方であるが、こういった取り組みを実施している企業もある。

「リソース不足で計画通りタイムリーなコンテンツ制作や発信ができない」を解決する方法のまとめ

以上が弊社のお客様で実際に実施している解決策である。当然、他にもあるかと思うが、御社ではどのようにして解決策を構築すべきだろうか?一度このコラムをヒントに考えてみて欲しい。

そして最終的には、下記3つのスキルをもつ担当者を育成・量産できれば、御社のデジタルマーケティングはますます強化され、リード獲得から育成までがスムーズに進むだろう。

BtoB企業のコンテンツ作りのあるべき姿
  1. 製品に詳しいこと(強み・特徴なども熟知していること)
  2. リード・顧客に詳しいこと(リードや顧客の課題に熟知していること)
  3. デジタルマーケティングに詳しいこと(SEOライティングなどが可能)

見込み客を振り向かせるための4つのコンテンツとその作り方

デジタルマーケティングではリードに刺さるコンテンツをどう作っていくが?が非常に重要だ。そのためにはコンテンツを設計するという業務スキルが必要になるが、コンテンツの設計の仕方については、下記の無料PDFが参考になるだろう。ご興味あればぜひお申し込みいただければと思う。

見込み客を振り向かせるための4つのコンテンツとその作り方
https://btobmarketing.aluha.net/contact/white-paper/#r15
見込み客を獲得するWEBページのコンテンツ設計の仕方
〜自社の強みを生かして見込み客を獲得する方法〜
https://btobmarketing.aluha.net/contact/white-paper/#r12

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績