リードジェネレーションの「4つの手順」!検索ニーズにあわせたWEBコンテンツ設計の仕方

ITソリューションを例にリードジェネレーションの手順をご紹介
Last Updated on 2023年2月18日 by 荻野永策

BtoBのデジタルマーケティングにおいて、WEB活用の重要性はますます増している。特に、リードジェネレーション(新規見込み獲得)においては、WEB活用は非常に重要視されている。

そういった中で、WEB担当者・WEBマーケティング担当者には、

(1)リードジェネレーションにつながる自社サイトの設計が難しい
(2)営業や技術部からよいWEBコンテンツの引き出し方がわからない
(3)プロダクトアウトのコンテンツばかりでリードの検索ニーズと合致しない

といった悩みがある。特に、ITソリューション関連企業のWEBマーケティング担当者には、このような課題が多いようである。

そこで、今回のコラムでは、上記(1)から(3)のような課題を抱えるWEBマーケターのために、リードの検索ニーズに合わせたWEBコンテンツ設計の仕方を、4つの手順に分解してご紹介しよう。

Googleのサジェストを活用した基本中の基本の手順で、しかも無料でできる手順なので、ぜひ最後までご覧いただき、実践していただきたい。

ITソリューションを例にしたリードジェネレーション「4つの手順」

それでは、早速、リードジェネレーションにつながるWEBコンテンツ設計「4つの手順」をご紹介しよう。わかりやすくご紹介するために、ITソリューションを例にご紹介する。ITソリューションといっても沢山あるので、SCM(サプライチェーンマネジメント)で重要な「在庫管理」ソリューションを例にご紹介する。

ここでは、とある企業A社が製造、小売・流通業向けに、在庫管理システムを開発し、販売していると仮定する。そしてそのA社の在庫管理システムのリードを獲得するためのWEBコンテンツを設計するという前提で、「4つの手順」をご紹介する。

リードジェネレーション「4つの手順」の全容

リードジェネレーションを実現する「4つの手順」とは下記の手順だ。

1:検索キーワードを選定する
2:Googleサジェストを分析し検索ニーズを把握
3:Googleサジェストからサイトマップを作成
4:製品の特徴・魅力をサイトマップに追加

それでは、1つ1つ具体的にご紹介しよう。

リードジェネレーションの手順1「検索キーワードを選定する」

手順1は「検索キーワードを選定する」である。

このキーワード選びは、WEBマーケティングにおいては最も重要な業務の1つといっても過言ではない。特にBtoBの場合、製品がマニアックであるケースも多いため、誤ったキーワードを選定すると、全てのコンテンツ設計・制作業務が無駄になることがあるからだ。

今回、例として取り上げているのは、在庫管理システムであるため、その関連するキーワードは、体系的に3つあると考えられる。

1つ目は、「カテゴリキーワード」である。ITソリューションの製品がどのカテゴリに属するのか?からキーワードを選定する。在庫管理の場合は、「SCM(サプライチェーンマネジメント)」のカテゴリに属することになるだろう。そのため、最初に選定されるキーワードは、「サプライチェーンマネジメント」と「SCM」である。

2つ目は、「業務カテゴリ」である。SCMには、様々な業務が存在する。需要予測、需給計画、生産計画、工程管理などである。その中で、対象となる製品は在庫管理であるため、業務カテゴリのキーワードは、「在庫管理」「在庫削減」などが考えられる。

このカテゴリになると、様々なキーワードがでてくるので、思いつく限りピックアップしよう。

そして最後の3つ目は、「製品名カテゴリ」である。これはそのままで、販売しているITソリューションの製品名がキーワードになる。

このように、キーワードは、カテゴリワード、業務ワード、製品ワードの3つに分けて選定しよう。この段階では多数あればあるほどよいので、思いつく限りピックアップしよう。在庫管理システムの場合だと下記のようになる(全てのワードをピックアップすると大変なので、一部のみリストアップしている)

カテゴリワード
SCM、サプライチェーンマネジメント、等

業務ワード
在庫管理、在庫削減、在庫回転、等

製品ワード
(今回は架空の製品なので製品名ワードはなしとする)

リードジェネレーションの手順2「Googleサジェストを分析し検索ニーズを把握」

キーワードが選定できたら、次は各キーワードの「検索ニーズ」を分析する。

実際に御社のリードにアンケート調査などができればよいが、ここではGoogleサジェストを活用したニーズ分析を行う。

Googleサジェストの詳細については、下記を参照いただきたい。

【BtoBメルマガ】リードナーチャリングでリードに刺さる5つのコンテンツ設計の仕方
(BtoBメルマガのコンテンツ設計方法1「サジェスト分析でヒントを得る」部分を参照)

このGoogleサジェストは実際に検索されているキーワード一覧であるため、サジェストの中に、リードの検索ニーズが含まれている可能性が高いのである。

さらに、サジェストを分析することで、キーワード選定を行う際の判断基準にもなる。無駄なキーワードでコンテンツを設計しないように、キーワードの選定を進めることができるのである。

では、実際に、手順1で選定したキーワードのサジェストを分析してみよう。

まずはカテゴリワードである。SCMとサプライチェーンマネジメントのサジェストと検索回数を調査した結果、本記事執筆時点では下記のようになった(一部のみ抜粋)。

SCMとサプライチェーンマネジメントのサジェストと検索回数

次に、業務ワードである、在庫管理などのサジェストと検索回数を調査すると下記のようになった(一部のみ抜粋)。

在庫管理などのサジェストと検索回数

ここで、着目すべきは、「SCM」のサジェストである(画像左のSCM(全部)の表参照)。検索回数は非常に多いが、「scmp」「scm for you」のように、在庫管理と関係ないのでは?と思われるキーワードが多々見受けられる。

そこで、素人ながら、勝手に在庫管理に関連しそうなサジェストだけをピックアップした。それが画像真ん中のサジェスト一覧(SCM(ピックアップ))である。ピックアップすると、SCMというキーワードも、関連しそうなサジェストが沢山あることがわかる。

この時点で、「SCM」と「サプライチェーンマネジメント」のどちらが良いかを考えると、「サプライチェーンマネジメント」の方が、ターゲットリードが検索している可能性が高いと判断できる。当然、SCMもターゲットリードが検索している可能性は否定できないが、逆に、それ以外の非リードとなりえるユーザーも検索している可能性がある。

「SCM」のように、非リードが検索している可能性のあるキーワードは、サイト設計時にコンテンツの「曖昧性」を生み出す。場合によっては、リードとなりえないユーザーを集客することになり、そうなると、アクセスが増えてもCVRが上がらないといった現象が発生する。

そのため、サジェストを見ながら、どのキーワードがよいか、じっくり判断しよう。

なお、本コラムでは、カテゴリワードは、「サプライチェーンマネジメント」を中心に活用し、「SCM」は参考キーワードとして活用することにする。

次に着目すべきは、在庫回転のキーワードである。

サジェストを見ると、「日数」「期間」「計算式」というような、在庫回転について、かなり具体的な検索を行なっている。こういったキーワードは、製品選定すら行なっていない可能性が高い。どちらかというと、ノウハウを検索しているイメージである。

在庫削減のキーワードも同様で、ソリューションを探すというよりは、ごちらかというと、ノウハウを探している印象である。

逆に在庫管理は、サジェストに「システム」「ツール」「ソフト」「クラウド」といった、ソリューションを探している可能性のあるサジェストが多い。

以上のことから、カテゴリワードは「サプライチェーンマネジメント」を、業務ワードは「在庫管理」のキーワードを中心にサイト設計を行うべきであると判断できる。

リードジェネレーションの手順3「Googleサジェストからサイトマップを作成」

キーワードの選定ができたら、いよいよサイト設計の段階に入る。サジェストがあるので、サジェストワードをみながら、検索ニーズに合わせてサイト設計を行うと良い。

まずは、サプライチェーンマネジメントから分析してみよう。またSCMも見逃せないサジェストがあるので、念のため、ピックアップしたサジェストから分析を行う。

SCMとサプライチェーンマネジメントのサジェストと検索回数

上記からわかることは下記の4つである(ただし、上記サジェストは全サジェストの一部であるため、このほかにも大量のサジェストがあるのでご注意いただきたい)。

  • 業界別のサジェストがある(医療、医薬品、アパレルなど)
  • 部門・業務別のサジェストがある(物流、在庫、流通、購買、経営、調達、分析、需要予測、生産管理など)
  • 事例が多い(成功例、導入例、失敗例)
  • 製品やセミナーを探している(システム、ソフトウェア、セミナー、講座、パッケージ、ソリューション)

以上のことから、A社の在庫管理システムのWEBサイトには、下記のようなコンテンツが必要であることがわかる。

  1. 医療・医薬品、アパレルなど業界別のシステム活用方法の提案コンテンツ
  2. 関連部門からみた活用方法コンテンツ(例:購買部門からみた在庫管理システムの活用方法など。部門別に活用できる機能の紹介など)
  3. 導入事例(導入失敗事例もあるとよい)
  4. セミナー情報

次に在庫管理のサジェストを見てみよう。

在庫管理などのサジェストと検索回数

上記のから下記のことが分析できる(ただし、上記サジェストは全サジェストの一部であるため、このほかにも大量のサジェストがあるのでご注意いただきたい)。

  • エクセルのサジェストがある
  • システム、ソフトなどソリューションを探している
  • クラウドがある

以上のことから、検索ユーザーはエクセルを活用した在庫管理、在庫管理表に関して何か情報を探している可能性と、今の在庫管理のやり方に何か課題があり、新しいツールやシステムを探している可能性があることがわかる。

そのため、下記のようなコンテンツが必要になる。

  1. エクセルとの連携、エクセル活用における課題のコンテンツ
  2. A社の在庫管理表の特長、エクセルとの違いのコンテンツ
  3. 提供形態(クラウドが可能か?オンプレが可能か?など)のコンテンツ

このように、検索ニーズと合わせてコンテンツを設計する。

リードジェネレーションの手順4「製品の特徴・魅力をサイトマップに追加」

手順3までで、検索ニーズからみたコンテンツ設計があらかた完了した。現時点では、下記のようなコンテンツが必要であるとリストアップできている。

  1. 医療・医薬品、アパレルなど業界別のシステム活用方法の提案コンテンツ
  2. SCMに関連する各部門からみたA社製品の活用コンテンツ(例:購買部門からみたA社在庫管理システムの活用方法など)
  3. 導入事例(導入失敗事例もあるとよい)
  4. セミナー情報
  5. エクセルとの連携、エクセル活用における課題のコンテンツ
  6. A社の在庫管理表の特長、エクセルとの違いのコンテンツ
  7. 提供形態(クラウドが可能か?オンプレが可能か?など)のコンテンツ

これに加え、A社製品の特徴や機能など製品を紹介するコンテンツを追加する。主に下記のようなコンテンツになるであろう。

  1. 製品の機能一覧と詳細
  2. 製品の特長や魅力
  3. バージョンアップの履歴
  4. 導入支援、導入後のフォローについて
  5. 資料請求・問い合わせ

この製品を紹介するコンテンツをリストアップする際も、サジェストを見ながらリストアップすると良い。例えば、SCMのサジェストに「分析」というサジェストがあるため、「4の導入支援のコンテンツ」に、「SCM事前分析サービス」のような支援サービスをコンテンツ化してもよい。

また、在庫管理のサジェストに「テンプレート」があるので、業界別の在庫管理表のテンプレート(A社製品で活用できるテンプレート)を紹介するコンテンツがあってもよいだろう。

このように、サジェストを見ながら製品紹介を行うコンテンツを設計すると、気がつかなかったコンテンツに「気づく」ことができ、よりリードジェネレーションの可能性が高くなるのである。
コンテンツのリストアップができたら、WEBのサイトマップを作ろう。リストアップしたコンテンツをどんなリンク構造にするのか?サイト階層にするのかをサイトマップとして設計するのである。

サイトマップの設計については、ユーザー導線も考慮しなければならないので、以前、公開した下記のコラムを参考にしていただければ幸いである。

BtoBサイトの「SEO対策」「導線設計」「コンテンツ設計」を強化するサイトマップの作り方

多少、本コラムとかぶる部分もあるが、サイトマップ制作の参考になるだろう。

以上が、リードジェネレーション「4つの手順」である。ぜひ御社のサイトでも実施してほしい。

ITソリューションで重要な「課題から製品を探す」ページのコンテンツの作り方

さらに、ITソリューションを紹介するWEBサイトで重要なコンテンツの1つに、「課題から製品を探す」というコンテンツがある。業務部門や情シス部門の課題に合わせて、最適な製品を提案するというコンテンツであるが、このコンテンツの作り方に関しても軽くご紹介しておく。

このコンテンツでは、「課題とは何か?」をしっかり定義して把握することが重要となる。そうでなければ、課題から製品を探すことができない。

そこで、このコンテンツの作り方について、詳しいノウハウをまとめた無料のPDF資料を用意したので、ぜひダウンロードしていただければと思う。

資料の主な内容は下記のとおりである。

  1. ITのソリューション提案とはそもそも何か?
  2. ソリューション提案の2つの注意点
  3. 2つの注意点を踏まえた理想的なソリューション提案とは?
  4. ソリューション提案するページの作り方6つのプロセス
    1. 課題を知る(課題を知る方法とは?)
    2. 解決策を考える(自社製品の特長と解決方法を連動させる)
    3. キーワードを決め検索市場を調べる
    4. 「問解手構造」でコンテンツを設計する
    5. ライティングしてページを作る
    6. デザインに落とし込んでページを制作する

下記からダウンロードできるので、ぜひこの機会にお申し込みいただければと思う。

ITソリューションのリードを獲得するWEBサイトの作り方
〜「課題から製品を探す」のページはこうやって作るべき!〜


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・BtoBデジタルマーケティングの成功事例
・見込み客を振り向かせるための4つのコンテンツとその作り方

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