BtoBマーケティングのWEB戦略において、SEO対策のキーワード選定は重要な業務の1つと言える。キーワード選定を間違えば、いくら集客しても効果はでないからだ。そのため、SEO対策のキーワード選定は慎重に行われることになるが、そのキーワードの選定方法は、著者が知る限り、概ね下記のような方法で行われている。
(1)自社商材に関連するワードを中心にキーワードを選定する
(2)「(1)」で選定したキーワードの類語・関連ワードを辞典などで調べて選定する
(3)キーワードツール(キーワードプランナーなど)で選定する
(4)サジェスト分析を行いキーワードを選定する
(5)競合他社のサイトをみてキーワードを選定する
このほかにも細かい選定方法はあるかもしれないが、概ねこの5つくらいが考えられるだろう。
しかし、これらの方法を行ってみるとわかるが、大量にワードがでてきて、まとめようがなかったり、最終的にどのワードに重点をおけばいいのか選べなかったりする。
このような事態になる原因は、キーワード選定とWEB戦略の方向性が一致していないからである。
そこで、今回のコラムでは、「4つの視点」から行うSEO対策のキーワード選定についてご紹介する。この「4つの視点」でキーワードを選定すれば、WEB戦略やKGI、KPIさらには差別化戦略の方向性も連動して決まる。そんなキーワード選定を実現する「4つの視点」をご紹介しよう。
また、コラムの最後では、4つの視点でキーワード選定を行うためのテンプレートファイルのダウンロードもできるので、ぜひ最後までご覧いただき、社内のWEB戦略会議で活用してほしい。
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SEO対策のキーワード選定「4つの視点」とは?
それでは、早速4つの視点についてご紹介する。4つの視点とは、下図の通り、「物広視点(ものひろ視点)」「物深視点(ものふか視点)」「価値広視点(かちひろ視点)」「価値深視点(かちふか視点)」である。
各視点の詳しい内容については、1つ1つ順番にご紹介しよう。
キーワード選定の視点1「物広視点」
この視点は、「物の使い方を広めていく目線」で、キーワードを考え選定する。
あなたの商品が「野菜」である場合を例にして考えてみよう。
「モノ」を中心に使い方を広める目線なので、「野菜カレー」「野菜炒め」「野菜スープ」など野菜を使った「レシピ」や「料理名」をキーワードとして考えていく。野菜をどう使うか?という目線で、野菜の使い方を広げていくのである。そのため、この目線でWEBサイトを構築するならば、「野菜を使った料理をつくるなら、このサイトで野菜を買ってね」というWEBサイトになる。
ポイントは広げる視点なので、使い方をたくさん出せるか?が勝負どころだ。
キーワード選定の視点2「物深視点」
この視点は、「物の使い方を深めていく目線」で、キーワードを考え選定する。
あなたの商品が「野菜」である場合を例にして考えてみよう。
「モノ」を中心に使い方を深める目線なので、例えば「野菜カレー」に特化して、野菜カレーにこだわったレシピや食べ方などをコンテンツ化し、キーワードとして考えていく。そのため、この目線でWEBサイトを構築するならば、「野菜カレーをつくるならこだわりが深いこのサイトで野菜を買ってね」というWEBサイトになる。
ポイントは深める視点なので、「野菜カレー」についてどこまで深められるか?が勝負になる。あらゆる野菜の組み合わせでつくる野菜カレーレシピのようなものがあってもよいだろう。要するに特化して深められるかどうか?が勝負どころになる。
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キーワード選定の視点3「価値広視点」
この視点は、「得られる価値を広めていく目線」で、キーワードを考え選定する。
あなたの商品が「野菜」である場合を例にして考えてみよう。
「得られる価値を広める目線」なので、「メタボ対策によい野菜レシピ」「風邪の抵抗力を強化する野菜レシピ」「お肌をすべすべにする野菜風呂」「受験勉強がどんどんはかどる野菜をつかった夜食」というように、野菜を使うことで得られる「価値」を広げて、そこからキーワードを選定していく。そのため、この目線でWEBサイトを構築するならば、「野菜っていろんなことができるんだよ」というWEBサイトとなり、例えば受験生の親が「子供の夜食用に野菜を買う」ことになる。
ポイントは、「価値をどこまで広げられるか」「実現性があるのか」「なぜその価値をあなたの商品だと実現できるのかの根拠」で、これらをクリアすれば、野菜以外の無数のキーワードで集客が可能となり、当然間口の広いWEB戦略を実現することができる。
キーワード選定の視点4「価値深視点」
この視点は、「得られる価値を深めていく目線」で、キーワードを考え選定する。
あなたの商品が「野菜」である場合を例にして考えてみよう。
「得られる価値を深める目線」なので、「風邪対策のための野菜の使い方」というようにある特定の価値に特化して、そこからキーワードを選定していく。そのため、この目線でWEBサイトを構築するならば、「野菜を使った風邪対策ってすごいんだよ」というWEBサイトになり、風邪の対策を強化したい人がそこで野菜を買うことになる。
ポイントは、「価値をどこまで深められるか」「実現性はあるのか」「なぜその価値をあなたの商品だと実現できるのかの根拠」で、これらをクリアすれば、専門性の高いサイトとなり、根強いファンを獲得できるWEBサイトになる。
キーワード選定の4つの視点まとめ
以上の4つの視点を「野菜」を例にしてまとめると下図のようになる。
中央のメインワードは野菜となっているが、関連ワードなどメインとして扱いたいワードを中央に配置し、そこから4つの視点でキーワードを膨らませてみよう。アイディアレベルでどんどん出していけばいいので、複数人でワイワイ、お茶でも飲みながらやるといいだろう。
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4つの視点から見るWEB戦略の方向性
この「4つの視点」でキーワードが膨らんできたら、次は、キーワードを選定し、WEB戦略の方向性を決めていこう。「4つの視点」には、それぞれ相性の良いWEB戦略の方向性があるので、その方向性に合わせて、キーワードを選定しよう。
WEB戦略の方向性1「SEO対策の方向性が決まる」
まずは、4つの視点の「左側か右側か」、「上か下か」で「SEO対策の方向性」が決まる。
左側は、キーワードを広げているため、必然的にロングテールのSEO対策が中心にとなるだろう。逆に、右側は、特化しているので、特定ワードによるSEO対策が中心になる。
さらに、上はモノ目線であるため「モノ中心のキーワードによるSEO対策」に、下は価値目線であるため「価値中心のキーワードによるSEO対策」となる。上述した野菜で言えば、上は「野菜カレー」というようなキーワードになるし、下は「受験対策にいい野菜を使った夜食」がもし存在するならば、「受験対策 夜食」というようなワードでのSEO対策となる。
このように、視点を決めればやるべきSEO対策の方向性や方針も自動的に決まる。下記に「野菜」の場合のSEO対策のキーワード例をまとめたので、参考にしてほしい
このように、4つの視点を用いれば、「野菜」を中心にしたキーワードだけでなく、様々なキーワードが選定できる(例では実現性の問題は無視している)。特に価値視点(下)はいろんな切り口で選定できている。
WEB戦略の方向性2「差別化戦略の方向性が決まる」
次に、4つの視点の「左側か右側か」、「上か下か」で「差別化戦略の方向性」も決まる。
左側は、広げているため「総合力による差別化」に、右側は特化しているため、「専門性による差別化」となる。ワンストップで色々できるWEBか、ある特定の分野にこだわって専門性を磨いたWEBかということになる。
また上は、モノ中心であるため、「QCDによる差別化(値段や品質、納期の速さなど)」に、下は、価値中心であるため「カスタマイズ性による差別化」となる(商材にもよるがこのような方向性になるケースが多い)。
上はモノが中心であるため、値段や品質、納期を問われることが多くなるし、下は価値中心であるため、顧客にあった価値にカスタマイズできるかどうかが問われることになる。
このように、視点を決めると差別化の方向性も決まってくる。つまり、逆にいうとあれもこれもいろんなワードでSEO対策すると差別化がごちゃごちゃになる可能性があるのだ。あなたの進みたい差別化の方向性に合わせてキーワードを選定しよう。
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WEB戦略の方向性3「効果指標(KGI,KPI)が決まる」
最後は、4つの視点の「左側か右側か」で「効果の指標(KGI,KPI)」も決まる。
左側は、市場規模が大きいからアクセス重視のコンバージョン獲得が効果の指標に、右側は市場が狭いのでコンバージョン率重視のコンバージョン獲得が効果の指標になる。
左側はキーワードの種類も多いためアクセス数は自然と多くなる。しかしその分コンバージョン率は低下するため、コンバージョン率よりもアクセス数、そしてコンバージョン件数が重要な指標となる。
逆に右は、特化しているので、キーワードの種類は少なくなる。その結果、アクセス数が少ないため、コンバージョン率が重要な指標になる。
まとめ
いかがだっただろうか?4つの視点でキーワードを膨らませて選定するといろんなことが決まるということがお分かりいただけたかと思う。ぜひ4つの視点でキーワードを広げ、そこから戦略の方向性を見出し、あなたのWEBを盛り上げて欲しい。
最後に、4つの視点でキーワードを選定するためのテンプレートをPDFで用意した。簡単な物であるが、社内でWEB会議するときにでも、みんなでアイディアを出し合うツールの1つとして使って欲しい。
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