今回のコラムでは、BtoBマーケティングをこれから立ち上げる、これから始める時の5つの重要なポイントについて解説する。事前にこのポイントを検討した上で、BtoBマーケティングを立ち上げないと、さまざまなBtoBマーケティングの施策を打つ時、多くの課題が発生する可能性が高い。
BtoBマーケティングの立ち上げ「5つの重要ポイント」
BtoBマーケティングを立ち上げる際には、下記のような5つのポイントに注意しなければならない。
ポイント2:マーケティング部門と他部門との情報共有・データ連携
ポイント3:オンラインとオフライン(デジタルとリアル)の連携
ポイント4:KPIの算出の工数削減
ポイント5:コンテンツ作りの連携・体制強化
各ポイントについて詳細をご紹介しよう。
ポイント1:マーケティング部門はどこまでやるのか(自責範囲)を決めること
BtoBマーケティングでは、「BtoBマーケティングとは?」でご紹介したように、下図のようなBtoBマーケティングサイクルを回す活動を行う。
このBtoBマーケティングサイクルにおいて、マーケティング部門はどこまで関わるか?が重要だ。
売れる商品作りは開発部門、受注は営業部門、顧客維持や満足度調査はサポートやサービス部門が受け持つことが多い。そうなると、マーケティング部門としては、他部門を巻き込みながら、自部門の責任の範囲内においてどこまでやるか?を決めなければならない。つまり、マーケティング部門としてのBtoBマーケティングの活動のゴールは何か?である。
BtoBマーケティングサイクルの全てを任せられている場合であれば、自部門の責任の範囲内において、全てを俯瞰しながらマーケティング戦略をコントロールできるが、他部門と連携する場合は、なかなか俯瞰できず、BtoBマーケティングサイクルが回らないことが多い。
だからこそ、どこまでやるか?を決め、BtoBマーケティングサイクルをどう回していくか?を社内で決めておく必要がある。そして、だれがBtoBマーケティングサイクル全体を俯瞰し、社内をコントロールするのか?を決定しておく必要があるだろう。
ポイント2:マーケティング部門と他部門との情報共有・データ連携
BtoBマーケティングサイクルを実行するには、他部門との情報共有やデータ連携は必須だ。例えば、開発部門とは顧客ニーズや競合情報の共有を、営業部門とは見込み顧客(リード)や商談の情報を共有しなければならない。
またBtoBマーケティングサイクルのKPIを分析したとき、弱い部分が明確になれば、その部分を改善するプロジェクトの進行管理やTODO管理の情報共有も必須となる。
ポイント3:オンラインとオフライン(デジタルとリアル)の連携
BtoB企業の場合、やはり営業部門や開発部門が強く、マーケティング部門は社内的に弱い場合が多い。そういった場合は、リソース(人や時間、予算)が少ないため、オンラインとオフラインの連携も重要となる。
特に最近ではデジタルマーケティングも盛んに行われているので、BtoBマーケティングにおけるデジタル活用(自社Webサイト活用、メール活用など)も視野に入れるべきである。デジタル活用することで、マーケティング業務の生産性が向上し、効率化が実現する。
デジタル活用する場合、デジタルで見込み顧客(リード)獲得と育成を行なうと、そこから徐々にリアルへと連動していかなければならない。その連携のポイントはどこにあり、どう連携するか?を具体化しておく必要がある。最初はWebサイトで獲得できた見込み顧客(リード)をすべて営業部門に送客という流れでもOKであるが、数が増えてくるとフォローしきれなくなったり、APOが取れないなど、営業部門から不満もでてくる。
そのため、状況を見ながら柔軟に連携方法を調整できるような仕組みを構築しておく必要がある。
ポイント4:KPIの算出の工数削減
BtoBマーケティングサイクルの各KPIは定期的に測定し、改善しなければならない。しかし、KPIを算出するために、社内のさまざまなシステムに保管されているデータを引っ張り、加工し、エクセルで集計するというようなことをしていては、タイムリーなPDCAが回せない。そのため、できればある程度自動的にKPIが算出できるような仕組みがあるとよいだろう。
BIツールやRPAといったITテクノロジーを活用し、ある程度マーケティング業務が自動化されていれば、マーケティングダッシュボードの作成も可能となるはずだ。
ポイント5:コンテンツ作りの連携・体制強化
BtoBマーケティングサイクルにおいて、「見込み顧客(リード)の獲得と育成」の施策では、デジタルマーケティングを中心に展開するケースが増えてきている。この場合、デジタルコンテンツ(Webコンテンツやメールコンテンツなど)を活用してマーケティング活動を展開するが、そのデジタルコンテンツ作りが大きなポイントになる。
デジタルコンテンツは、継続的に作成しなければならないため、どんなコンテンツを作るべきか?原稿は誰が書くのか?誰がチェックするのか?など、コンテンツ作りの体制を強化しなければならない。さらに、他部門に作成を依頼する場合は、誰をアサインしてどのようなフローで作成するか?も決めておく必要がある。
デジタルコンテンツの作成は効果が見えづらい業務であるため、優先順位が下がり、どうしても後回しになってしまう傾向がある。そういったことも加味しながら、デジタルコンテンツ作りの連携や体制強化を検討しておくべきである。
BtoBマーケティングの立ち上げ「5つの重要ポイント」まとめ
以上、BtoBマーケティングを立ち上げる時は始める時の重要なポイントを5つご紹介した。
ポイント2:マーケティング部門と他部門との情報共有・データ連携
ポイント3:オンラインとオフライン(デジタルとリアル)の連携
ポイント4:KPIの算出の工数削減
ポイント5:コンテンツ作りの連携・体制強化
あなたの業務がしっかり社内で評価され、存在感を発揮するためにも、事前に上記5つのポイントにおいて社内調整をしておくとよいだろう。