BtoBデジタルマーケティングの課題|WEB訪問者が図面データなどの必要なデータしかみない

BtoBデジタルマーケティングの課題|WEB訪問者が図面データなどの必要なデータしかみない
Last Updated on 2025年10月27日 by 荻野永策

BtoB製造業のWEBマーケティングでは、WEBサイトの訪問者が「図面などの必要な技術データしか見ない」といった課題が発生することがある。「必要な技術データしか見ない」という状況は、それだけ製品に対して認知度があり興味を持っていると言えるが、CVにつながらないのが悩ましいところだ。実際に弊社にも以下のような相談をいただいている。

ブランドイメージが浸透し過ぎている為、顧客がWebに訪問しても必要なデータ(図面等)を取るだけで、ブランドについて何か知ろうという動きにつながらない場合、Web上でどのようなアプローチが考えられるのでしょうか?(製造業S社)

そこで今回は、WEB訪問者が図面データなどの必要なデータしかみない時のWEB上でのアプローチ方法について2つご紹介する。

課題の整理と2つのアプローチ方法

最初に、「WEB訪問者が図面データなどの必要なデータしかみない」という課題について状況を整理しておく。

「WEB訪問者が図面データなどの必要なデータしかみない」という状況は、決して悪いことではないと弊社は考えている。少なくとも一定数の企業が図面データなどの必要なデータを見るために、わざわざWEBサイトに来訪しているためだ。ある程度、ブランド認知がなければできないことだ。

このため、「製品名、型番号、ブランド名などでの検索」や「ブラウザのお気に入りからのダイレクトアクセス」が多くなると思われる。

しかし、冒頭でも記載したように、せっかくWEBサイトに来ても「図面データなどの必要なデータしかみない」という状況は、勿体無い。サイトを回遊しCVまでつながれば理想的である。

そこで、WEBサイトの改善方法として以下の2つの方法をご紹介する。

WEB訪問者が必要なデータしかみない時の改善方法
  1. 製品名検索の組み合わせワードを調査して改善する
  2. アクセス数の多いページにホワイトペーパーを設置して改善する

具体的にどのように改善するのか、その詳細をご紹介しよう。

製品名検索の組み合わせワードを調査して改善する

1つ目の方法は、「製品名、型番号、ブランド名などでの検索」での来訪が多い場合に使える。御社の「製品名、型番号、ブランド名」の組み合わせワード(サジェストワード)を「サジェストワード調査ツール」などを使って調査してみよう。

「組み合わせワード(サジェストワード)」とは、ある特定の検索ワードと組み合わせて検索されるワードのことだ。例えば「コーヒー」という検索ワードの場合、「コーヒー 飲み方」といった検索もされるが、「飲み方」が「組み合わせワード(サジェストワード)」にあたる。

御社が認知度の高い製品の場合、「製品名、型番号、ブランド名」と組み合わせて検索されているワードが無数に存在するはずだ。どんなワードと組み合わせて検索しているのか、それをサジェストワード調査ツール」などを使って調査するのだ。

例えば、「図面」「使い方」「設置方法」「事例」「価格」といったワードがあるかもしれない。もしこういったワードがあれば、WEBサイトに「図面データ」だけでなく、使い方や設置方法、事例などのコンテンツを掲載すると、効果的なWEBサイト改善が実現する。

ぜひ一度、御社の「製品名、型番号、ブランド名」の「組み合わせワード(サジェストワード)」を調査してみてほしい。何かヒントが得られるはずだ。

アクセス数の多いページにホワイトペーパーを設置して改善する

「組み合わせワード(サジェストワード)」を調査しても、ワードが1つもない場合や、あってもWEB改善に使えないといったこともある。その場合は、「アクセス数の多いページにホワイトペーパーを設置して改善する」という方法を検討してほしい。

手順は以下の通りだ。

最初にGA4などをつかって、アクセス数の多いURLを見つけ出す。基本的には認知度の高い製品や売れ筋の製品のページであることが多い。一旦ここでは、製品Aのページがアクセスが多いと仮定しよう。

次に、製品Aに関して、以下のようなコンテンツを準備する。

準備するコンテンツの例
  1. 製品Aのカタログ
  2. 製品Aの詳細説明資料
  3. 製品Aの導入事例資料
  4. 製品Aの簡易使い方マニュアル(ハンドブック)
  5. 製品Aの設置手順書や設定手順書(簡易版)
  6. 製品Aに関するサンプルや見本(サンプル品や見本品が渡せる場合のみ)

上記は全て準備する必要はない。御社の製品に合わせて、準備できそうなものを選んでほしい。またすでに公開済みのコンテンツがあるのであれば、除外する。

例えば、すでにカタログと簡易使い方マニュアル(ハンドブック)はPDFで公開済みということであれば、それ以外のコンテンツを準備しよう。過去に社内の担当者が作ったコンテンツが残っているようであれば再利用するのもよい。

こういったコンテンツを作り、アクセス数の多い製品Aのページから資料請求や問い合わせができるように仕掛けてみよう。

そうすれば、「図面などの必要な技術データしか見ない」といった状況が、CV獲得までできるようになる可能性がある。

製品Aのページにわざわざ来訪して「図面などの必要な技術データ」を確認している状況であるため、上記のようなコンテンツにCVする可能性は高いと言える。

まとめ

「WEB訪問者が図面データなどの必要なデータしかみない」といった状況にに対する2つの改善策をご紹介した。これはBtoB製造業でよく発生する状況で、特に技術的な製品などで多く見受けられる。御社ももし思い当たるようであれば、ぜひ2つの改善策、検討していただけたらと思う。

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績