BtoBマーケティングのリードジェネレーション施策において、WEBマーケティング活用の重要性が増大している。SEO対策やランディングページ、WEB広告、ホワイトペーパーなどを展開し、新規リード獲得に成功しているBtoB企業も非常に多い。
しかし、そのような中で発生する課題が、「営業部門との連携」だ。WEBで獲得したリードをどのように営業部門に連携すれば良いのか、そこで悩むBtoB企業が増加している。
そこで今回のコラムでは、WEBで獲得したリードをどのように営業連携し、どう売上につなげていくか?について解説する。このコラムが、御社の営業連携のヒントになれば幸いである。
WEB活用と営業の連携がうまくいかない理由
最初に、WEB活用と営業の連携がうまくいかない理由をまとめておく。
理由1:リードの質に対する認識が異なる
WEBマーケティング担当者は、製品カタログや事例集の資料請求や各種問い合わせなどのコンバージョンが発生すると、競合他社や個人などでないかぎり、営業案件化する可能性のあるリードとして認識する。
しかし、営業から見れば、「コンバージョンがあったからといって営業案件や商談になるのか?」という認識があり、以下のような疑念を抱く。
- そもそも予算はあるのか?購入時期はいつごろなのか?
- 製品の販売価格に対して、支払える体力はあるのか?(高額商材の場合ほど疑念は強い)
- 意思決定権のある担当者からの問い合わせなのか?どれだけ真剣に検討しているのか?
- リードが解決したい課題と自社製品の相性はよいのか?
営業は、売ることが仕事・使命であるため、リードとしての質を重要視する。そのため、こういった疑念を抱くのだ。
このように、WEBマーケティング担当者と営業とでは、リードの質に対する認識が異なっており、これを放置したままWEBと営業を連携しようとすると、うまくいかない。
理由2:KGI・KPIが異なる
WEBマーケティング担当者のKGIやKPIは、CV件数やWEBサイトのアクセス数が設定されている。逆に営業は、売上件数や金額がKGI・KPIだ。
これにより、WEBマーケティング担当者はCV件数を増やそうと努力するが、数(CV件数)を追いかけると、必然的に質の低いリードが増える。その結果、営業から見れば、なかなか売れないリードが増えることになる。なかなか売れないリードに対して営業の工数をかけていると、売上件数や金額が下がってしまう。
その結果、営業から見れば、WEB経由のリードは質が低いと判断され、WEBと営業の連携が途切れていくことになる。
理由3:BtoBならではのWEBの特性がある
BtoBの場合、WEBで獲得するリードは、「情報収集段階」のリードが非常に多い。逆に、購入を決めているリード(予算も確保し購入製品を探しているリード)は少ない。BtoCであれば、ネットショップなどがあるため、購入を決めているリードも非常に多いが、BtoBはなかなかいない。これは、BtoBならではのWEBの特性といえよう。
そのため、WEBで獲得できるリードは、どうしても「情報収集段階」のリードが多くなり、そのリードを営業に連携・送客しても、なかなか売れない。逆に購入を決めているリードもいるにはいるが、数が少ないため、なかなか連携・送客できない。
このようなジレンマをBtoB企業の場合は抱え込むことになり、これが影響して、営業連携不足を生み出す。
3つの理由のまとめ
WEB活用と営業連携がうまくいかない3つの理由をご紹介したが、まとめると、「WEBで獲得したリードの質と量のバランスが悪い」ということに尽きる。ここを解消しない限り、WEB担当者と営業は互いに責任を押し付けあう結果となってしまい、対立を招くことにもつながる可能性がある。
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WEB活用と営業の3つの連携方法
3つの理由を解消するには、WEB活用と営業連携のやり方を工夫する必要がある。ここでは3つの連携方法をご紹介する。御社ではどの連携方法が最適だろうか?営業部門の方針や、商材特性なども考慮しながら、事前に社内で合意を取っておこう。その合意の結果次第では、WEB戦略の方向性も大きく変わってくるだろう。
量重視のWEB・営業連携
「量重視のWEB・営業連携」とは、WEBで獲得するCV件数の最大化を最優先にする連携方法だ。主に以下のようなケースで最適と言える。
- 営業要員が全国各地に多数存在し対面営業を重視した営業戦略を展開しており、1件も多くの顧客に訪問したい企業
- 営業要員が少なくても、インサイドセールスによるリードナーチャリングが強くインサイドセールスとフィールドセールスの連携が強い企業
- 買い手側(顧客・リード側)がWEB検索で購入先・仕入れ先を探す傾向の強い市場に対してBtoBビジネスを展開している企業
- 中小零細企業から大企業まで、多くの企業が購入を検討する商材を扱っている企業
4つの中でも「3」は必須の条件だ。量を重視するため、買い手側がWEB検索をしていなければ、量を狙ったリード獲得ができないというジレンマを引き起こすことになる。そのため、「検索キーワードの種類が多いこと」と「毎月の検索回数が多いこと」の2つが重要な判断材料になるだろう。
この連携方法の場合、「SEO対策」「WEB広告」といった認知拡大施策や、CV件数増加につながるホワイトペーパー作成に注力することとなる。
質重視のWEB・営業連携
「質重視のWEB・営業連携」とは、「質の高いリードの獲得」を最優先にする連携方法だ。主に以下のようなケースで最適と言える。
- 市場規模が小さい特定市場・ニッチ市場を狙ったBtoBビジネスを展開している企業
- 購入できる企業が少ない高額商材を扱っている企業
- アカウントセールスとの連携を優先したWEB活用を推進したい企業
- 特定の企業にしか刺さらない特長や非常に専門的な技術をもつ製品を開発・販売している企業
このような場合、そもそもアクセス数増加やCV件数増加というのは期待できない。しかし、CVが発生すると非常に重要なCVとなるため、CV1件あたりの価値がすごく高くなる。そのため、CV獲得後のフォローシナリオを入念に検討しておく必要がある。
この連携方法の場合、精度の高い「BtoBターゲティングとペルソナ設計」が重要で、ターゲットに寄り添ったOneToOneのWEBコンテンツやホワイトペーパーの作成に注力することとなるだろう。
質と量のバランスを重視したWEB・営業連携
「質と量のバランスを重視したWEB・営業連携」とは、WEBで獲得するCV件数の増加を狙いつつも、質の高いリード獲得も並行で行う連携方法だ。主に以下のようなケースで最適と言える。
- 多くの客先を訪問したいが、少数精鋭の営業部隊であるため営業要員が足りない企業
- インサイドセールスによるリードナーチャリング力がまだ弱く、これから強化していく企業
- 買い手側(顧客・リード側)がWEB検索で購入先・仕入れ先を探す傾向の強い市場に対してBtoBビジネスを展開している企業
- 大企業から中小零細企業まで幅広い顧客企業が存在する企業(アカウントセールスも一般セールスも両方必要な企業)
質と量のバランスを最優先にするため、WEB経由のCV件数と確度の高いリードの獲得件数の両方を追求していくことになる。たとえば、毎月30件のCVを獲得できた時、そのうち確度が高いと判断できたCVは3件だったとする。この時、3/30=10%が「質と量のバランス値」ということになる。
CV件数を増加させつつも、バランス値を高くしていくというWEBマーケティング施策が求められ、非常に高度なWEBマーケティングスキルを必要とする。
この連携方法の場合、質も量も必要であるため、「SEO対策」「WEB広告」「BtoBターゲティングとペルソナ設計」など多くの施策に注力することとなる。注力施策が多いため、工数も増大する傾向があり、戦略的なリソース活用が行える体制作りや、施策の優先度決めが的確に判断できる仕組みづくりが重要になる。
3つのWEB・営業連携まとめ
3つの連携方法をご紹介したが、御社ではどの連携方法が最適だろうか?商材や事業内容によって、連携方法は異なるはずだ。的確に見極めて、連携方法を設計しなければ、意味のないWEB活用になりかねない。ぜひ事前にじっくり検討して欲しい。もし連携方法で悩むようであれば、こちらからお問い合わせいただければ、弊社も一緒に検討しよう。無料相談会の実施が可能なので、お気軽にご連絡いただけたらと思う。
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質の高い(確度の高い)リードを営業に連携する時のポイント
それでは、最後に、質の高い(確度の高い)リードを営業に連携する時のポイントをご紹介する。
営業が喜ぶリードを理解すること
1つ目は、質の高い(確度の高い)リードとはどんなリードか?を営業部門と一緒に明確化しておくことが重要だ。言い方を変えれば、営業が喜ぶリードとはどんなリードか?である。しかし、営業が喜ぶリードの定義は、営業部門の営業方針や営業リソース、商材・顧客特性などによって大きく異なる。そのため、以下のような内容を営業と一緒に検討し、どのような条件を満たせば、「質の高い(確度の高い)リードと言えるのか?」を定義しておこう。
課題 | どのような課題や悩みを抱えているリードであれば受注につながりやすいか?を検討する。自社製品で解決の提案ができる課題であれば、受注確度が高くなる可能性がある。 |
規模・業種 | リードの業種と企業規模の条件を検討する。特定業種や一定以上の規模感がなければ売れないというような場合は必須。 |
リードの要求 | コンバージョンが発生した時のリードの要求は何がよいか?を決めておく。受注に近い要求(見積もりが欲しいなど)であれば、確度が高くなる可能性があるが、資料請求程度であれば、受注まではまだ遠い可能性がある。 |
このような項目について、事前に営業と相談して決めておき、「質の高い(確度の高い)リードとはどんなリードか?」の条件を共有しておこう。
売上につながるセールスコンテンツを共有すること
2つ目は、売上につなげるためのセールスコンテンツの共有だ。リードが解決したい課題、悩んでいることは何か?を把握することができれば、その課題や悩みに対してどんなソリューションを提案できるか?がセールスコンテンツとなる。
特に、リードが解決したい課題に対して、解決できた事例コンテンツがあれば、セールスの大きな武器コンテンツになる。そういったコンテンツを連携するときに一緒に提供することで、営業も商談や売上につなげやすくなるだろう。
まとめ
WEB活用と営業の連携がうまくいかない理由と3つの連携方法についてご紹介した。御社ではどの連携方法が最適だろうか?商材や事業内容によって、連携方法は異なるため、的確に見極めて欲しい。
また連携する時もセールスコンテンツも一緒に共有することで、営業も動きやすくなる。ちょっとした工夫ではあるが、なかなか売上につながらないという場合は、ぜひ検討してみて欲しい。
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