オンラインセミナー・ウェビナーの集客強化や営業・商談創出する2つのコツ

BtoB企業のオンラインセミナーの開催・集客のコツ
Last Updated on 2024年9月7日 by 荻野永策

コロナの影響により、BtoBマーケティング営業戦略では、マーケティング・営業施策として頻繁にオンラインセミナー・ウェビナーが行われている。毎日どのくらい開催されているのか、その詳細なデータはもちあわせていないが、それなりの数があると容易に想像できる。そうなると、当然、オンラインセミナー・ウェビナーの案内メールは大量に配信されることになる。その結果、メール自体が埋もれてしまい、なかなか集客できないといった課題を生み出す。

実際に弊社にも下記のようなご相談を多くいただく。

ウェビナー及びオンライン展示会の集客を増やしたい。
(IT企業D社Y様)
オンラインセミナーによる商談獲得をしたい
(IT企業U社K様)
支持のある・ないWebコンテンツの相違(特にウェブセミナー)は?
(IT企業S社U様)

このようなご相談は非常に多く、そしてその課題も根深いことが多い。そこで今回のコラムでは、オンラインセミナー・ウェビナーの集客のコツ、営業創出(商談創出)のコツについて、ご紹介しよう。なお、本コラムで対象とするオンラインセミナー・ウェビナーは、「自社のハウスリストに対して実施するBtoB企業のオンラインセミナー・ウェビナー」を想定している。不特定多数の企業に対して実施するようなオンラインセミナー・ウェビナーは対象外としている。またセミナーの講師も有名人などではなく、「自社の社員、有識者」を想定している。

集客や商談創出ができない2つの大きな要因

要因1:「買うタイミング」の問題

オンラインセミナー・ウェビナーを実施する場合、自社が保有するハウスリストに対して、オンラインセミナー・ウェビナーの開催案内メールを配信する。このとき、数を優先して無関係なリードに対して配信するのではなく、やはりそれなりに「このセミナーの内容であればこのリードグループに配信すればいいのではないか?」など、リードのセグメンテーションやターゲティングも行った上でメールを配信する。それでも集客できないことがある。

その要因は、リード側のタイミングの問題がある。例えば、IT企業であれば、自社ソリューションの導入事例や成功事例、製品紹介をセミナーにすることが多いが、買う気もない(買うタイミングでない)リードから見れば、全く興味がないのである。そのため、無視されてしまう。

理想論を言えば、買うタイミングであろうリードを抽出して、抽出したリードの状況に合わせてオンラインセミナー・ウェビナーの内容をカスタマイズし、案内メールを配信できれば良いが、MAやSFAをうまく連携し活用してもBtoBである場合、なかなか難しいケースが多い。

要因2:「セミナーの内容やネタ」の問題

オンラインセミナー・ウェビナーを開催する場合、当然、セミナーのテーマがあり、アジェンダ(セミナープログラム)がある。その内容が毎回同じような内容だとどうだろうか?自社のハウスリストにメールで案内する以上、内容が同じであれば、だんだんそのセミナーの情報の鮮度は薄れていき、集客力が低下する。

そのため、セミナーの内容・ネタについては定期的に見直す必要があるが、マーケティング部門(セミナーの開催担当者)からみれば、セミナーの講師(事業部や営業部、技術部の担当者)が「ネタの変更」に合意してくれないと、見直すことはできない。ここに部門間の壁が発生し、なかなか集客につながらない。当然、ネタも毎回同じであれば、「商談創出」につながる可能性も毎回同じである。商談創出の可能性を高くすることは難しい。

集客や商談創出を強化するための2つの重要ポイント

ご紹介した2つの要因を解決する重要なポイントを2つご紹介する。

ポイント1:「アンケート回答を活用」

要因2:「セミナーの内容やネタ」の問題を解決するのに重要なのが、アンケートデータの活用だ。オンラインセミナー・ウェビナーではセミナー開催時にアンケートを実施することが多い。その際に、「今後どんなセミナーを実施すれば良いか?」の判断材料となるアンケートを必ず実施するようにしよう。

そうすれば、蓄積されたアンケートデータを分析して、「どんなセミナーの内容・ネタにすれば集客しやすいか?」の「セミナー企画設計」が柔軟にできるようになる。しかも、アンケート回答が「エビデンス」となり、セミナーの講師(事業部や営業部、技術部の担当者)へのネタ変更交渉も行いやすくなる。

実際にリードが回答したアンケートデータをベースに「リードにとって興味のあるセミナーネタ」を設計することができれば、当然、セミナーの集客力は向上する。今からでも遅くない。過去に実施したセミナーのアンケートデータを集計し、分析してみよう。良いヒントが得られるはずだ。もしヒントがなければ、アンケートの質問設計に問題がある。アンケートフォームや用紙を見直ししよう。

ポイント2:「オンとオフの使い分け」

弊社では、オンラインセミナー・ウェビナーを「オンのセミナー」と「オフのセミナー」に区別して設計している。この2つを使い分ける・組み合わせることで、集客や商談化を促進できる可能性がある。

「オンのセミナー」とは

オンのセミナーとは、「自社製品・サービス・ソリューションを売り込むことを目的」としたセミナーのことだ。おそらく、一般的に開催されているオンラインセミナー・ウェビナーのほとんどがこのタイプになる。事例紹介、機能紹介、ハンズオンセミナーなどはすべてオンのセミナーといっていいだろう。

「オフのセミナー」とは

オフのセミナーとは、「自社製品・サービス・ソリューションを売り込まず、リードとの関係深耕を目的」としたセミナーのことだ。自社製品・サービス・ソリューションの話はほとんどしない上に、売り込みもしない。セミナーの内容は「何かの課題を解決するノウハウ」などである。

「オン・オフのセミナー」の例

例えば、RPAやAIを販売しているIT企業があるとしよう。この企業のオンのセミナーは、「自社で取り扱っているRPA製品・AI製品の紹介セミナーや事例セミナー」だ。オフのセミナーは、「RPA化・AI化すべき業務をどうやって見つけだすか?その費用対効果はどう計算するか?」といったセミナーだ。

オンのセミナーでは、しっかり製品を売り込めば良いが、オフでは製品の案内などはほとんどせず、RPA化・AI化すべき業務について徹底的にリードと意見交換しながらセミナーを進める。「御社の業務はこういう特性がありますからこういう業務をRPA・AI化するといい」といった具合に相手の状況などに合わせてセミナーを実施できれば理想的である。

どっちが集客しやすいか?商談創出しやすいか?

この例のようにオンとオフのセミナーを企画設計することで、集客や商談創出の可能性を高めることができる。

要因1:「買うタイミング」の問題でご紹介したように、買うタイミングにないリードでも、オフのセミナーであれば、興味を示し、話を聞いてくれる可能性がある。ツールの選定段階・購入段階になくても、「将来的には検討する可能性がある」以上、オフのセミナーは興味を示す可能性が高い。

また、オフのセミナーを実施して、「RPA化・AI化すべき業務」が明確になったら、いよいよ購入検討段階に入る可能性もある。そういった場合は、オフからオンに連動させてセミナーを実施すれば良い。そうすれば、商談創出につながる可能性も出てくるだろう。

このようにオンとオフを連動させることは、「買うタイミングを作り出す」もしくは「買うタイミングを早める」といったことができる可能性も秘めているのである。

それもせずに、常に「オンのセミナー」ばかりやっていては、リードから見れば「しつこい売り込み」と変わらないのである。

オンラインセミナー・ウェビナーの集客・商談創出

オンラインセミナー・ウェビナーの集客や商談創出のコツについてご紹介した。今回のコラムでは、アンケートデータの活用によるネタの設計と、オンとオフセミナーの使い分けについて解説した。良いヒントになれば幸いである。

また、「商談創出」をより確実に行うには、リードとのOneToOneの個別相談・導入相談を作り出していく必要もある。この内容については、下記の資料で詳しく解説しているので、是非参考にしていただけたらと思う。

下記の資料では、アンケートデータ以外の方法でリードに刺さるセミナーをどのように設計すべきか?やどんな形でセミナーを開催すれば商談につながりやすいか?などを詳しく事例を交えて解説している。

商談や案件につながるオンラインセミナーの設計・実施方法とその成功事例
〜個別相談・デモ・見積依頼につながるセミナー実施方法〜
https://btobmarketing.aluha.net/contact/white-paper/#r24

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ALUHA代表取締役。1979年兵庫生まれのBtoBマーケティングコンサルタント。金沢工業大学大学院にて情報工学を専攻し2003年4月にALUHAを創業。2008年からBtoBに特化したマーケティング支援、営業戦略支援を開始。BtoBマーケティングや営業戦略の戦略立案から、計画実行とPDCA、そして人材育成を伴走型で支援。デジタルとリアルを融合させた戦略設計が得意。毎月全国各地の様々な企業でBtoBマーケティングセミナーを実施中。100社以上でのセミナー講演実績を持つ。大手IT企業、製造業(日立Gr、富士フイルムGr、キヤノンGr、積水Grなど)を顧客に持つコンサルタント。→セミナー講演実績→コンサル実績