ルート営業とは?営業活動を効率化し既存顧客からの成果を最大化する方法とコツ

ルート営業とは?目的や流れ、成功のコツを解説
Last Updated on 2023年12月16日 by 荻野永策

今回のコラムでは、営業戦略 で重要なルート営業について解説する。ルート営業とはどのようなものか、目的は何か、どのような流れで実施するのかをわかりやすく解説する。

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営業戦略のテンプレート集

PDF資料の主な内容

  1. 営業目標(KGI・KPI)の決め方
  2. 立案の前にやっておくべき競合・市場分析などの5つの分析
  3. 営業戦略の立て方(立案用パワポテンプレートと戦略俯瞰シートサンプル付き)
  4. デジタルも含めたBtoBの営業戦術一覧と戦術別の主なKPI例
  5. アクションプランの策定方法(エクセルテンプレート付き)
  6. PDCAの回し方(KPIツリーのテンプレート付き)
  7. デジタルを活用した戦略立案の具体例
  8. 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例

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ルート営業とは

ルート営業とは、過去に自社の商品・サービスを購入してくれた顧客に対して、定期的にアプローチする営業手法のことだ。新規開拓営業のような飛び込み営業は行わず、きちんとアポイントを獲得してから訪問する。

すでに一度関係を構築していることから門前払いをされず、話を聞いてもらいやすい点が特徴だ。新規開拓営業よりも受注確度が高く、リードタイムも短い傾向にある。

ルート営業の目的

ここでは、ルート営業の目的について紹介する。

  • 顧客の関係を強化する
  • 顧客あたりの売上を高める
  • フィードバックを製品開発に活かす

新規開拓営業は新しい顧客を獲得することが目的であるのに対し、ルート営業では顧客の関係強化や顧客単価の向上(LTVの向上)、製品やサービスの改善を目的としている。目的が異なることから営業スタイルも異なるため、ルート営業を成功させるためにもここで目的について理解しておこう。

顧客の関係を強化する

定期的に訪問するルート営業は、顧客との関係を強化する効果的な手段だ。顧客が何かに困っている際に「必要なものはありませんか?」と尋ねることで、すぐに顧客のニーズに応えられて受注につながる。そして、関係を強化できれば、困っている際に最初に相談してもらいやすい。

顧客あたりの売上を高める

顧客を定期的に訪問すると、顧客ニーズを深く理解できて、高価格・高機能の商品を購入してもらうアップセルや、関連商品を併せて購入してもらうクロスセルを効果的に行うことが可能だ。その結果、顧客あたりの売上(LTV)は向上し、企業全体の売上向上にもつながる。

フィードバックを製品開発に活かす

商談や商品・サービス利用後のヒアリングは、顧客ニーズを深く理解するための重要な機会だ。ヒアリングで得た情報は、開発部門やマーケティング部門に共有することで、製品開発やBtoBマーケティング戦略の強化に活用できる。既存商品の改良や新商品の開発に活かせば、顧客のニーズに即した商品・サービスを提供できるため、顧客満足度の向上にもつながる。

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  8. 営業デジタル化(営業DX)のメリット・ポイントと取組事例

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ルート営業の流れ

ここでは、ルート営業の主な流れについて解説していく。

  1. 顧客リストを作成する
  2. アポイントをとる
  3. 商談する
  4. アップセル・クロスセルを提案する

ルート営業は顧客とすでに関係を構築しているため、新規開拓営業のようなアポイントのない飛び込み営業をする必要はなく、事前に電話などでアポをとり、定期的に訪問して営業機会を作っていく。

①顧客リストを作成する

ルート営業で作成する顧客リストは、すでに取引のある顧客の情報をまとめたリストだ。エクセルやスプレッドシートに以下の項目を入力しよう。

  • 企業名
  • 所在地
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 問い合わせページのURL
  • 担当者名
  • 担当部署
  • 今後の経営計画や事業目標
  • 過去の訪問記録、商談記録

縦軸に「企業名」を記載し、横軸に「所在地」や「電話番号」などの情報を記載することが一般的だ。過去に行ったヒアリング内容や新規事業の拡大状況、経営計画など、営業時に役立つ可能性のある情報も記入しておくとよい。過去の会話やメールのやり取り内容も記載しておくと、トラブルが発生した際に他の担当者でも対応しやすいため、おすすめだ。

②アポイントをとる

アポイントとは、顧客と話す約束を取り付けることだ。突然、アポイントもなしに訪問するのは、担当者が不在の可能性もあるため、非効率である。そのため、まずはアポイントから始まる。

基本的に、ルート営業のアポ取りは電話やメールで行う。アポ取りのポイントは、アポイントの理由作りだ。何かネタ(新商品や新規事例など)があるとアポイントの連絡がしやすい。

ルート営業の目的は、継続的に訪問して商談創出したり、顧客の課題や悩みなどをヒヤリングすることにある。そのため、アポイントを取って会うことを目的にしないようにしなければならない。その前提でのアポイントの理由作りが重要となる。

③訪問する

顧客のもとを訪問したら、現状や要望をヒアリングする。顧客から「○○を解決したい」という要望がなくても、潜在ニーズを引き出せれば、受注につながる可能性がある。すでに取引のある顧客は、自分のことを深く理解しているという前提で話してくる。潜在ニーズを引き出すためにも、顧客の業界や競合他社の情報を事前に調べて把握しておこう。

また、すでに購入した商品・サービスに対して不具合や不満がないか確認するアフターフォローも必要だ。取引中の商品・サービスの不満を解消できれば、自社に対する信頼性は向上し、顧客満足度も高くなる。

④アップセル・クロスセルを提案する

アップセルは、より高機能で高額な商品を購入してもらう戦略だ。例えば、10万円のPCの購入を検討している顧客に対し、容量が多く、機能も多い15万円のPCを提案して購入してもらうこともアップセルにあたる。

クロスセルは、顧客が検討している商品と併せて、別の商品も購入してもらう戦略だ。組み合わせて使用できる商品の購入も含む。例えば、PCの購入を検討している顧客に対し、周辺機器(プリンター、スキャナなど)や関連ソフト(セキュリティーソフトなど)を提案して購入してもらうこともクロスセルにあたる。

顧客が過去に購入した商品と同じものの購入を検討している場合、顧客の悩みや潜在ニーズを引き出して、上位モデルの商品なら解決できることを伝えると、受注につながる可能性がある。また、一緒に使うと満足度の向上する商品を提案することも、顧客単価の向上施策として効果的だ。

アップセル・クロスセルを提案する際は、決して押し売りをしてはいけない。顧客の潜在ニーズを読み間違えて押し売りをすると、顧客は「不要なものを買わされそうになった」を感じてしまい、顧客からの信頼を失ってしまう。顧客単価を上げることは重要だが、顧客第一に考えた提案を行うことが最も重要だ。

なお、以下の記事でアップセルとクロスセルについてより詳しく解説している。

アップセル・クロスセルとは?おすすめのプロセスと成功事例

アップセル・クロスセルとは?違いや進め方・成功事例からわかる施策のポイントを解説

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ルート営業を成功させるコツ

ルート営業を成功させるコツについて説明する。

  • ルートを最適化する
  • 顧客を分類する
  • 顧客情報の管理ツールを導入する

成果を上げたいからと闇雲にルート営業を行なっても、なかなか成果にはつながらない。限られたリソースを有効に活用するために、ルートの最適化や受注確度の把握は非常に重要だ。費用はかかるものの、手動で管理するよりも効率的にルート営業を行えるため、顧客情報を管理できるツールの導入がおすすめだ。

ルートを最適化する

営業ルートを最適化すると、1日にアプローチできる顧客数が増えて、売上向上が期待できる。また、空いた時間で新規開拓を行えたり、商談の準備を行えたりする。営業担当者にかかる負担も軽減できるため、ルート営業を行うのであればルートの最適化を行おう。

ルートの最適化は、訪問順序を工夫して移動時間を少なくすることが重要だ。例えば、A社→B社→C社と訪問している場合、A社→C社→B社という順に訪問ルートを見直すことで、近くのD社にも訪問できる場合がある。ただし、アポイントがこの順番通りに取れるか?という問題が常に付き纏うため、アポイントの状況を見ながらルートの最適化を行うと良い。

顧客を分類する

一口に顧客と言っても、顧客によって受注確度は異なる。リソースは限られたものであるため、受注確度の高い顧客に優先してアプローチすることが成功のコツだ。

取引実績や予算、導入時期、顧客のニーズ、担当者の決済権の有無などから受注確度を判断しよう。ルート営業でなかなか成果が出ない場合には、受注確度の低い顧客にばかりアプローチしている可能性がある。

受注確度の判断は、BANTフレームワークを活用するとわかりやすい。顧客からBANT条件を聞き出すことができれば、受注確度判断の材料となるだろう。

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2023年8月26日

顧客情報の管理ツールを導入する

顧客情報の管理ツールとは、顧客情報を効率的に管理できる機能が備わっているツールのことだ。代表的なものに、CRMやSFA、MAが挙げられる。

顧客情報の管理ツールを活用すると、顧客情報を一元で管理できるため、ツールによって顧客情報にバラツキがあるという事態を防止できる。顧客の氏名や住所、取引履歴などを一元で管理できて、手作業で行う場合よりも管理の時間を削減できることから、ヒューマンエラーを軽減することが可能だ。ツールを活用して営業データを分析すれば、営業活動の改善のヒントも見つかるだろう。

種類 特徴
CRM 顧客の基本情報や購入履歴、意見、苦情などを管理する。蓄積した情報を分析して、顧客ニーズを把握できる
SFA 顧客情報や案件の進捗、商談の状況を管理できる。営業活動の情報を蓄積して分析したデータは、営業活動に役立つ
MA マーケティング活動を自動化して、顧客を効率的に育成できる。顧客の受注確度ごとに最適なアプローチを行う

例えば、なかなか受注につながらないという課題を抱えている場合には、顧客の育成が不十分の可能性があるため、顧客の受注確度ごとに最適なアプローチを行えるMAの活用がおすすめだ。また、営業活動が属人化して進捗度合いをマネージャーが把握できない課題を抱えている場合には、案件の進捗を一目で把握できるSFAを導入するとよい。

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まとめ

ルート営業は、過去に自社の商品・サービスを購入してくれた顧客に対して、定期的にアプローチする営業手法だ。顧客との関係を強化する、顧客あたりの単価を高める、フィードバックを製品開発に活かすという目的のために実施する。

このコラムでは、ルート営業の流れや成功させるコツについて説明した。ルート営業でなかなか結果が出ないとお悩みの方はぜひ参考にしていただければと思う。

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