BtoBマーケティングや営業戦略において、「広告」は重要な手法の1つだ。特にリードジェネレーションの施策においては、広告の重要性は高いと言える。
そこで、今回のコラムでは、BtoB広告の広告手法を10個ご紹介する。複数の手法があるため、どの広告手法を選ぶべきか?の選び方についても、4つの観点から詳しくご紹介する。
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BtoB広告の2つのタイプ
BtoB広告は、BtoCと同様に2つのタイプがある。WEB広告(ネット広告)とオフライン広告(リアル広告)である。
WEB広告(ネット広告)の種類と広告例
BtoBのリスティング広告
リスティング広告とは?
Google、Yahooといった検索エンジンに表示される広告で、検索キーワードと連動して広告配信される。
リスティング広告の例
リスティング広告は、検索エンジン(GoogleやYahooなど)で、何かのキーワードで検索されたときに、そのキーワードに連動して広告が表示される。その掲載例は下記のイメージだ。
BtoB広告の例としては、本記事執筆時点で、「在庫管理」「工程管理」「AI活用」のようなキーワードで検索すると、これらのシステムを開発・販売していると思われるIT企業のリスティング広告が多数掲載されている。
リスティング広告のメリット
リスティング広告のメリットは、検索キーワードに連動して広告が表示されることだ。何かについて調査している検索ユーザーに対して、検索しているタイミングで広告が出せるので、効果的な広告配信ができる。
BtoBの動画広告
動画広告とは?
動画広告とは、動画を使った広告のことだ。Youtubeのような動画コンテンツの中で配信される動画広告もあれば、WEBサイトやアプリなどの広告スペースで配信される動画広告もある。
動画広告の例
WEBサイトで配信される動画広告の例としては、下記のように、オンラインメディア(Yahooニュースなどのニュースサイトなど)のWEBページに動画広告のスペースがあり、そこで動画広告が配信される。
動画広告のメリット
動画であるため、画像や文字よりは、情報量が多く、より製品やサービスの特長がリードに伝わるという効果が期待できる。理解・認知が早いという特性がある。
BtoBのディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは?
ディスプレイ広告とは、さまざまなWEBサイトやアプリの広告スペースに配信される広告のことだ。動画広告、テキスト広告、バナー広告などが広告スペースで配信される。
ディスプレイ広告の例
ディスプレイ広告の例としては、動画広告と同様に、オンラインメディアのWEBページ上で配信される。動画だけでなく、バナー広告やテキスト広告なども配信される。
ディスプレイ広告のメリット
ディスプレイ広告のメリットは、「検索しているユーザーに広告を出すリスティング広告」とは違い、検索していないユーザーへの訴求が可能となる。そのため、より多くのユーザーへ訴求することができる。
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BtoBのターゲティング広告
ターゲティング広告とは?
ターゲティング広告とは、ユーザーの情報(性別や年代など)と検索履歴、閲覧履歴などから、ターゲットを絞り込み、絞り込んだターゲットに対して広告を配信できる仕組みだ。
BtoBの場合は、業種、年商、エリア、従業員数などのような項目からターゲティングの条件を絞り込むことができ、それらの条件に該当する企業に向けて広告を配信できる。
ターゲティング広告の例
例えば、「製造業」「従業員数1000名以上」「年商400億円以上」のように絞り込むことができる。そして、絞り込んだ企業に該当する企業の従業員が、WEBサイトを閲覧したとき、広告が配信される(ディスプレイ広告の形で配信される)。
ターゲティング広告のメリット
ディスプレイ広告と同様に、「検索しているユーザーに広告を出すリスティング広告」とは違い、検索していないユーザーへの訴求が可能となる。そのため、より多くのユーザーへ訴求することができる。
しかも、絞り込んだ上で広告配信できるため、狙いすました広告となり、広告予算を効率よく活用できる可能性がある。
BtoBのリマーケティング広告(追跡型広告)
リマーケティング広告とは?
リマーケティング広告とは、自社のコンテンツ(動画やWEBサイトなど)を閲覧したことのあるユーザー対して広告を配信できる広告手法だ。リターゲティング広告や追跡型広告とも呼ばれている。
リマーケティング広告の例
リマーケティング広告の広告配信の例をご紹介すると下記のイメージである。
- Aさんが製品AのWEBコンテンツを見る
- 製品Aのコンテンツを見た後、Aさんはニュースサイトなどを見る
- そのニュースサイトで製品Aのバナー広告、動画広告、テキスト広告が表示される
- その後、しばらくの間、ニュースサイトなどを見ると製品Aの広告が掲載される
ディスプレイ広告と同様に、ニュースサイトなどのメディアに掲載される広告であるが、自社のコンテンツを見たことがあるユーザーに絞り込んでいる点が大きく異なる。
リマーケティング広告のメリット
リマーケティング広告のメリットは、自社サイトに来訪したことのあるユーザーをしばらくの間、追跡できる点にある。つまり、再来訪を狙えるのだ。1回目の来訪時はCVしなかったとしても、2回目、3回目の来訪時にCVする可能性があり、CV件数の増加に寄与する可能性が高い。
Instagram、FaceBook、TwitterなどのBtoBのSNS広告
SNS広告とは?
SNS広告とは、その名の通り、Instagram、FaceBook、TwitterなどのSNSに配信する広告のことだ。バナー広告や動画広告などが配信できる。
SNS広告の例
例えば、FaceBookの例をご紹介しよう。例えば、弊社のFaceBookアカウントでは、「営業戦略」や「BtoBマーケティング」に関する情報をFaceBook上に配信している。そのため、弊社のFaceBookのタイムラインには、「マーケティング」や「営業」に関する他社の広告が動画広告やバナー広告などで掲載される。
このように、SNSユーザーが自分のSNSで何を配信しているのか?にあわせて、広告が配信される。自分のタイムラインに投稿したコンテンツと関連性のある広告が掲載されるため、興味・関心でターゲティングして広告配信していると言える。
SNS広告のメリット
SNS広告のメリットは、興味・関心で絞り込める点だけでなく、広告から誘導したコンテンツがバズるといった相乗効果も期待できる。
BtoBの記事広告
記事広告とは?
記事広告とは、オンラインメディアのWEBページに、まるで記事のような体裁で掲載される広告のことだ。タイアップ広告ともいう。ニュース記事のように掲載されるため、ぱっと見はメディアの記事のように見えるが、記事広告は記事の冒頭に「広告」のような記載がある。
記事広告の例
BtoBの場合、業種・業界や部門、業務などに特化したオンラインメディアが存在する。例えば、情報システム部門に向けたメディアであるITメディアなどが代表例である。
情報システム部門に向けたメディアで、記事広告を出す場合は、例えば「RPAツールの選び方」のような記事をメディア上に掲載し、その中で自社製品を紹介する形となる。そのほか、製品を紹介する記事、事例を紹介する記事、経営層へのインタビュー記事などが代表例だ。
記事広告のメリット
記事広告のメリットは、「メディアに記事のように掲載されることによる信頼性」が考えられる。広告の一種ではあるが、広告のようにも見えないため、記事を読み込むことで、より製品や企業に対しての信頼性が高くなる可能性がある。
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オフライン広告の種類と例
BtoBのテレビCM
テレビCMとは?
テレビCMは言わずもがな、TV番組の合間に流れる広告のことだ。BtoBの場合、企業がターゲットとなるため、テレビCMを活用できる商材なのかどうかは事前に検証が必要であろう。
複合機やプリンター、業務用PCのように、どのような企業でも活用する可能性のある商材であれば、広く認知がとれるテレビCMは相性が良い可能性がある。しかし、ある特定分野の専門技術者のように、非常にニッチでマニアックな企業の担当者をターゲットとする場合は、相性が悪い可能性がある。
テレビCMの例
BtoBの例で言えば、最近(記事執筆時点)はインボイス制度関連、電子帳簿保存法関連、DX推進関連などのBtoB企業のテレビCMが多いようである。共通点はやはり、どのような企業でも導入する可能性のある製品・サービスが多いように感じる。
テレビCMのメリット
やはり、最大の効果は認知拡大であろう。CMを流している会社として認知され、ブランド力強化、会社のイメージ改善、製品認知拡大といった効果が得られる。
BtoBのタクシー広告
タクシー広告とは?
タクシー広告とは、タクシーに乗り込んだ際に、座席にある小型モニターで流れる広告のことだ。タクシーはビジネス用途で利用することも多いため、BtoB企業の広告も多く見られる。
タクシー広告の例
テレビCM同様に、BtoB企業の広告が増えてきている。具体例としては、テレワーク導入支援関連や、クラウドサービス関連など、BtoBのトレンドに合わせた広告が多い。
参考サイト「タクシー広告の成功事例」
https://crevo.jp/video-square/marketing/20230328-4/
タクシー広告のメリット
タクシーは移動時間中、少し隙間時間ができる。そのときに、広告が流れているため、ついつい見てしまうといったことが考えられる。そういった意味では、つい見てしまって製品や企業名を認知したというような効果が期待できるだろう。
業界紙広告
業界紙広告とは?
業界紙広告とは、業界紙(ある専門業界の関係者にのみ発行されるニッチな紙媒体のこと)に掲載される広告のことだ。例えば、「住宅メーカー」に特化した、「住宅業界新聞」などである。
業界紙広告の例
業界紙広告は、業界紙に掲載される広告であるため、どんな業界紙があるか?で広告が出せるかどうかがきまる。BtoBでは下記のサイトを参考にする限り、本記事執筆時点では、36の業界紙があるようだ。
https://bizpa.net/item/indoor/?category_l0=3&category_l1=33&login=0
外食業界向け、医療業界向け、介護業界向けなど、さまざまな業界紙がある。こういった業界紙に自社製品やイベントなどの広告を出すことで、ターゲット業界に対して訴求できるようになる。
業界紙広告のメリット
業界紙という専門メディアに広告を掲載するため、ターゲティングしやすいというメリットがある。さらに、記事広告などができる場合は、自社の信頼性やブランド力を高めることにも活用できそうだ。
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効果のありそうな広告媒体の選び方「4つのポイント」
BtoB広告について、10種類の広告手法をご紹介した。それでは広告手法として何が良いか?を選ぶ際の選び方のポイントをご紹介しよう。
検索キーワードとして相性の良いものがあるかないか
まず、広告で訴求したい商材の「検索キーワード」の種類と検索ボリュームが多いようであれば、リスティング広告との相性は良い可能性がある。「種類」とは、キーワードの数のことで、自社商材に関連する検索キーワードの数が多ければ多いほど、さまざまなキーワードで広告が出稿できる。「検索ボリューム」とは、キーワードの月間検索回数のことで、検索数が多ければ多いほど、それだけ検索している人数(企業数)も多いため、広告効果が期待できる。
このように、広告で訴求したい商材の「検索キーワード」の種類と検索ボリュームが多い場合は、リスティング広告が相性が良いだろう。検索エンジンで情報収集している企業に自社商材を訴求できるため、確度も高い可能性もあり、効果も期待できるだろう。
就業時間にターゲットがSNSや動画サイトを閲覧できる環境があるかないか
広告で訴求したい商材のターゲット企業が、就業時間中にSNSを閲覧できる環境があるかどうかも事前に確認すると良い。大手企業になると、自席PC(会社から従業員に配布されているPC)からFaceBookやYoutubeなどが閲覧できないというケースがある。社内の機密情報をSNSに誤って公開しないようにするための処置の1つだ。こういった企業がターゲット企業に多い場合は、SNS広告や動画広告などは効果がない可能性が高い。必ず事前に確認しておこう。
BtoBの業務や業界に特化したメディアかどうか
業界紙広告やターゲティング広告を活用する場合、どこまで絞り込めるか?も選ぶ際の重要な指標だ。特にニッチな商材(狙いすましたターゲットに訴求したい商材)の場合は、絞り込み条件の細かさは重要になるだろう。あまり大雑把な絞り込みだと、ターゲット外に広告を出すこととなり、費用対効果が悪化する。
競合企業が広告を出しているならその成果を分析し検討する
テレビCMやタクシー広告に関しては、競合企業の効果分析をすることが重要だ。例えば、御社の競合企業A社が、競合製品BのテレビCMを出しているとしよう。このとき下記のプロセスでテレビCMの効果を事前に検証可能だ。
- A社のWEBサイトを見に行き、製品BのテレビCMの放映開始日を確認(お知らせなどに掲載されていることがある)
- A社のWEBサイトのURLを競合サイト分析ツール(AHREFSなど)で分析
- 製品BのテレビCM放映開始日からのアクセス数の増加具合を競合サイト分析ツールで確認
上記のプロセスで分析するとテレビCM放映開始後、競合製品BのWEBサイトのアクセス数がどう変化するかがわかる。そのデータを見て、テレビCMと相性のよい製品なのかどうかを確認するとよい。
オンライン広告、オフライン広告とさまざまな広告手法がある中で、限られた予算を効率よく活用するために、上記の4つのようなポイントで広告手法を選定していただけたらと思う。
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