BtoBリードナーチャリングとは?育成手法とプロセス、コツと成功事例

Last Updated on 2025年4月13日 by 荻野永策
BtoBマーケティングのリードナーチャリングの基礎について解説する。「BtoBリードナーチャリングとは?」「リードナーチャリングとリードジェネレーションの違い」「BtoBリードナーチャリングの4のステップ」「BtoBリードナーチャリングの施策とリード育成計画の立て方」「成功のポイントと成功事例」などについて詳しく解説する。

この記事の目次

BtoBリードナーチャリングとは?

BtoB企業のリードナーチャリング(英語:Lead Nurturing)とは、様々な施策・手法で獲得したリード(見込み客)に対して、定期的な接点を作り出し、信頼関係を構築しながら、リードの購買意欲を高めるプロセスや施策、手法のことだ。「見込み客育成」「リード育成」などのような言い方もする。

リードナーチャリングは、図「リードナーチャリングとは?」のように、ナーチャリング施策やプロセスが進むにつれ、徐々にリードの数は減っていく。BtoBの場合は、組織的に製品やサービスの選定や購入を検討するため、特にその傾向が強い。

リードナーチャリングとは?考え方や概念をわかりやすく解説

図:リードナーチャリングとは?

リードジェネレーションとリードナーチャリング、リードクオリフィケーションの違い

リードジェネレーションとは

リードジェネレーション(英語:Lead Generation)とは、「自社製品・サービスに興味のある見込み顧客を獲得するための一連の方法、手法、プロセス」のことだ。WEBサイト、マッチングサイト、展示会、セミナー(オンラインセミナー)、電話営業、飛込営業など様々な手法を用いてリードジェネレーションする。
リードジェネレーションとは?リード獲得のやり方と手法や成功事例などを動画でわかりやすく解説。

マーケティングのリードジェネレーションとは?手法とリード獲得のやり方、成功事例を解説

リードクオリフィケーションとは?

リードクオリフィケーション(英語:Lead Qualification)とは、リードジェネレーション・リードナーチャリングで獲得・育成したリードの確度を見極めるマーケティング業務のことだ。営業部門に引き渡しても良い「購入の確度が高そうなリード」を選定・抽出する業務である。MAのスコアリング、行動分析、BANT条件、アンケートの回答など、さまざまなリードの情報を判断材料にリードクオリフィケーションする。
リードクオリフィケーションとは?リード選定の7つの判断材料と判断基準を決めるポイント

リードクオリフィケーションとは?事例・方法・リード選定条件を決めるときの3つのポイント

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リードジェネレーションとリードナーチャリング、リードクオリフィケーションの違い

「図:BtoBマーケティングの全体像からみた違い」をご覧いただくと、リードジェネレーションとリードナーチャリングやリードクオリフィケーションの違いが一目瞭然だ。

BtoBマーケティングにおいて、役割が異なるということがわかる。リードジェネレーションとリードナーチャリングやリードクオリフィケーションはBtoBマーケティングから見れば、連動したマーケティング施策であり、目的・役割が全く異なる。

リードジェネレーションとリードナーチャリングやリードクオリフィケーションとの違い

図:BtoBマーケティングの全体像からみた違い

BtoBリードナーチャリングの4つのステップと具体例

それでは、BtoBリードナーチャリングの具体的なステップをご紹介しよう。ここでご紹介するステップは、ホワイトペーパーを使ったリードナーチャリングのステップで、比較的取り組みしやすい。また、よりわかりやすくするため、「在庫管理システムを販売するIT企業」の具体例もご紹介する。

ステップ1:対象事業や製品の見込み客をリストアップ

ステップ1の概要

最初に行うのは、対象事業や製品の見込み客のリストアップだ。名刺情報や過去の問い合わせ情報などを整理し見込み客をリスト化しよう。この時、コツとしては、以下の2つを検討材料に入れるとよい。

ステップ1のコツ
  1. 対象事業や製品が無数にある場合は、「売上単価の高い製品」や「会社が注力している事業や製品」を選ぶ
  2. 営業部門が特に売り込みをしたいと考えている企業を中心にリスト化する

この2つを満たす条件でリスト化すると、BtoBリードナーチャリングに成功した時、社内評価や費用対効果が高くなる可能性がある。なぜなら、「売り込みたい製品」と「売り込みたい相手」を対象としているため、BtoBリードナーチャリングが成功した時のインパクトが大きくなるためだ。ちょっとしたコツなのでぜひヒントにして欲しい。

ステップ1の具体例

「在庫管理システムを販売するIT企業」の具体例を考えてみよう。過去に展示会出展したり、名刺交換したりしている場合は、以下のような手順となる。

  1. 過去に展示会で獲得したリードのリストアップ
  2. 過去に商談したリードのリストアップ
  3. 営業部門が持っている名刺のリスト化
  4. WEBから問い合わせのあったリードのリスト化
  5. 特に売り込みたい企業にチェックをいれる

この手順が完了すると以下のようなリストが完成する。

見込み客リストアップのイメージ例

見込み客リストアップのイメージ例

ステップ2:課題分析とターゲティング

ステップ2の概要

リストアップしたら、そのリードの課題や悩みの分析を行う。リードの課題や悩みを調査・分析する手軽な方法としては、過去の商談記録から分析する方法がおすすめだ。営業日報などが残っていれば、そこに課題や悩みが記載されている可能性がある。もしそういった分析ができない場合は、ベテラン営業に、リードや顧客の課題や悩みをヒヤリングするとよい。

こういった調査・分析を行い、箇条書きで良いので、リードや顧客の課題・悩みを整理しよう。そして、どんな課題や悩みが多いのか?を分析しよう。複数のリードや顧客が共通で悩んでいる課題が見つかれば、それがターゲティングの軸(切り口)となる。

ステップ2の具体例

「在庫管理システムを販売するIT企業」の具体例を考えてみよう。例えば、過去の商談記録やベテラン営業にヒヤリングした結果、以下例のような課題に悩む顧客が多いことが判明したとしよう。

具体例
  1. 欠品を恐れるあまり過剰在庫になりがち
  2. 安全在庫基準の計算が担当者によってバラバラ
  3. 在庫管理する品目数が多すぎて管理しきれない

この場合、具体例の3つの課題が、ターゲティングの切り口となる。

ステップ3:課題に合わせたホワイトペーパーを作成

ステップ3の概要

次は、リードナーチャリングの武器(ホワイトペーパー)を作る。複数のリードが共通で悩んでいる課題を軸(切り口)にして、その課題を解決する方法や解決事例をPDF資料にまとめよう。それがホワイトペーパーとなる。ホワイトペーパーは、以下のようなページ構成で作成すると効果的だ。

ホワイトペーパーのページ構成例
  1. こんな課題ありませんか?という課題説明のページ
  2. その課題を解決する方法を説明するページ
  3. 実際に解決できた事例のページ(あれば)

リードの悩みに合わせて、課題解決を紹介するようなホワイトペーパーにすると、資料請求を獲得できる可能性が高くなる。可能であれば解決できた事例も紹介すると効果的だ。

ステップ3の具体例

「在庫管理システムを販売するIT企業」の具体例を考えてみよう。ステップ2では、課題として3つの具体例を挙げたが、この課題を切り口に以下のように、ホワイトペーパーのタイトルや見出し案を検討する。

ホワイトペーパーのタイトルや見出し案の例
タイトル複数の担当者で安全在庫基準の計算方法を統一する方法とは?
見出し案
  1. 安全在庫基準の計算がバラバラになる理由
  2. バラバラな計算方法を統一する方法
  3. 在庫管理システムで統一できた事例

上記はホワイトペーパーの企画案になるが、ここまでできたら、見出し案に沿って、PDF資料を作成するとよい。

ステップ4:ホワイトペーパーをメルマガで配信しメール経由の資料請求を獲得

ステップ4の概要

ホワイトペーパーが完成したら、以下の手順でメルマガ配信し、ステップ1で作成したリードリストからの資料請求の獲得を狙う。

メルマガの配信手順
  1. ホワイトペーパーの資料請求フォームをWEB上に作成
  2. ホワイトペーパーの内容を紹介するメール文章を作成
  3. ステップ1のリストにメールを配信
  4. ホワイトペーパーの資料請求を獲得し案件化を狙う

メール配信後、「特に売り込みたい企業」に対しては重点的なリードナーチャリング施策を展開すると良い。例えば、メールを開封したけど資料請求しなかった企業が存在すれば、その企業の担当者に個別に連絡するのもよいだろう。

ステップ4の具体例

「在庫管理システムを販売するIT企業」の具体例を考えてみよう。「複数の担当者で安全在庫基準の計算方法を統一する方法とは?」というホワイトペーパーを具体例としてあげたので、実際に配信するメールは以下のようになるだろう。

配信するメールの例
件名安全在庫基準の計算方法を複数の担当者で統一する方法とは?
本文の内容
  1. ホワイトペーパーの詳細な内容を本文で解説
  2. 資料請求できるWEBフォームのURLに誘導

このように、作成したホワイトペーパーのタイトル、内容を紹介するメールを作成し一斉配信する。メールの目的はWEBフォームへの誘導であるため、ホワイトペーパーが資料請求できるフォームへの誘導は必ず本文に入れるようにしよう。

以上、BtoBリードナーチャリングの4つのステップをご紹介した。ホワイトペーパーを使って資料請求を獲得するステップなので、比較的取り組みやすいだろう。ただし、あくまで資料請求であるため、すぐに商談化するか?というと商材によっては難しいケースも多い。ただ、「特に売り込みをしたい企業」から資料請求がくれば、「営業機会」につながるよいきっかけになる可能性があるので、営業部門から喜ばれる可能性は高い。

BtoBリードナーチャリングの5つの施策とリード育成計画の立て方【動画】

それでは、BtoBリードナーチャリングの育成計画の立て方について、その詳細を動画で解説する。BtoBリードナーチャリング戦略の立案のヒントに活用して欲しい。

BtoBリードナーチャリングの11の手法一覧

BtoBのリードナーチャリング手法(リード育成手法)には、メールなどのデジタル活用と、電話営業などのリアル活用の2種類の手法がある。ここでは、その両方の手法を一覧でご紹介する。

手法1:WEBコンテンツ

リードナーチャリングにWEBコンテンツ(コラムやソリューションページなど)を活用することができる。

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具体例としては、(1)継続的・定期的にWEBコンテンツを作成・公開、(2)メルマガなどで既存リードにWEBコンテンツを配信、といった流れだ。WEBコンテンツはメルマガのネタとなるため、WEBとメルマガを連動させることで、リードナーチャリングを実現できる。

手法2:メルマガ

リードリストを作成し、そのリストに対して定期的・継続的にメールを配信して、リードナーチャリングする手法。BtoBの場合、リードは業務でメールを活用しているため、BtoCに比べてメールを見る可能性は高い。

主に、WEBコンテンツ、セミナー、ホワイトペーパーといったコンテンツをメルマガで配信する。継続的に配信する必要があるため、継続的なメルマガのネタが必要になる。

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手法3:シナリオメール(MAシナリオ)

シナリオメール(MAシナリオ)とは、段階的にメールを送付しリードナーチャリングする手法のことだ。例えば、製品Aのカタログの資料請求がきたら、その日時を起点に、3日後に製品Aの導入事例のメールを、7日後に製品Aの特徴を伝えるメールを、10日後に製品Aのデモ案内のメールを配信する、といった具合に、段階的にメールを配信する。

資料請求や名刺交換といった「起点となる日」があるため、リードナーチャリングにつながりやすい。

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手法4:動画

リードが解決したい課題に合わせて製品の使い方、サービスの活用方法などを動画化し、そういった動画を継続的に公開することでリードナーチャリングする。

動画を活用することで、営業訪問や営業説明の回数を減らし、営業工数(リード育成の工数)を削減できる可能性がある。また、営業属人化の防止や、製品提案の品質向上・底上げにもつながる可能性がある。

手法5:セミナー(オンラインセミナー・ウェビナーも含む)

リードに対して、継続的にセミナーを実施し、リードナーチャリングする。自社製品の最新技術の紹介や、最新の課題解決事例などをセミナーで話することで、リードを育成できる。

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手法6:ホワイトペーパー

リードが興味のあるネタ、解決したい課題に合わせたホワイトペーパーを作成し、そのホワイトペーパーをメルマガで案内する。その後、ホワイトペーパーのCVを獲得してリードナーチャリングする。

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手法7:アンケート

リードナーチャリングにおけるアンケートとは、リードに対して課題調査を行うことだ。アンケートフォームを作成し、「解決したい課題は何か?」を回答してもらう。その回答内容を分析し、ホワイトペーパーやセミナーのテーマに落とし込んでいくことで、効果的なリードナーチャリングが実現する。

手法8:リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)

リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)とは、製品AのWEBページを閲覧したリードに対して、ニュースサイトなど他のメディアで製品Aの広告を掲載するという、WEB広告の一種だ。自社サイトのどのページを見たか?に合わせて、さまざまなメディアで広告を出稿できる。継続的に出稿することで、リードとの接点を広告を経由して増やしていくことができる。

手法9:ニュースレター

ニュースレターとは、印刷物を継続的にリードに送付する手法のことだ。メルマガと似ているが、メルマガはメールを使うが、ニュースレターは印刷物を使う。メルマガ同様、セミナー、ホワイトペーパーなどを案内するだけでなく、担当営業の自己紹介などを入れることも多い。

手法10:訪問営業・対面営業

訪問営業・対面営業はその名の通り、定期的にリードに訪問し雑談なども含めて打ち合わせすることだ。リードナーチャリングにおいて、対面に勝る手法はないため、最も効果的と言える。対面営業でリードの課題や近況を聞き出し、そこから商談を作り出すことが可能だ。

手法11:テレマーケティング(電話営業)

リードに対して定期的に電話をかけて状況確認し、アポイントにつなげる手法だ。電話でリードの課題や近況を聞き出し、そこからアポイントを獲得し、商談を作り出す。リードナーチャリングで最も代表的な手法の1つといえる。訪問営業・対面営業ほどの工数はかからない上に、対話ができるため、機会損失を最小限にできる。そういった理由でBtoB営業では重要視されている。

マーケティングオートメーションツール(MAツール)によるBtoBリードナーチャリング

BtoBリードナーチャリングでもっとも活用されるツールの1つがマーケティングオートメーションツール(MAツール)だ。ここではMAツールを活用したBtoBリードナーチャリングについて詳しく解説する。

マーケティングオートメーションツール(MAツール)とは?

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、BtoBリードナーチャリングと、リードクオリフィケーション(購買意識・確度の高いリードの選別・抽出)の業務を効率化することを主軸においたITシステム・ソフトウェアのことだ。製品によっては、リードジェネレーション(リード獲得)までをカバーする製品もあるが、メインはリードナーチャリングとリードクオリフィケーションと考えてよい。

BtoBリードナーチャリングでは、MAシナリオ(シナリオメール)やメルマガ配信、そしてスコアリングなどによるホットリード抽出にMAツールを活用する。

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MAシナリオ機能でリードナーチャリングする方法

MAシナリオとは、ホットリードに育成するための育成手順(リードナーチャリングシナリオ)を決め、決めた育成手順にあわせてリードに情報提供する「メールのシナリオ」のことである。わかりやすく言えば、リードを育成するためのメールの配信順序のようなものである。

MAシナリオの具体例としては、例えば、「製品Aのカタログ」を自社のWEBサイトで資料請求した「課題Bで悩むリード」に対して、「製品Aのデモやトライアルを案内するメール」、「製品Aを使った課題Bの解決方法に関する個別相談会の案内メール」、「製品Aによる課題Bの解決事例を紹介するメール」などを段階的に配信するなどである。

MAシナリオを活用することで、リードの課題に合わせたOnetoOneのメールを自動的に配信することができ、リードナーチャリングの工数削減に役立つ。

MAシナリオとは?設計の仕方と成功のコツ

BtoBのMAシナリオとは?マーケティングシナリオ設計の手順と成功のコツ

2025年3月20日

MAツールを使ったBtoBメルマガのコツ

MAツールは、MAシナリオだけでなく、メルマガ配信も可能だ。さまざまなリードジェネレーション施策で獲得したリードに対して、メルマガを一斉配信できる。BtoBメルマガの具体例としては以下のようなメールがある。

BtoBメルマガの具体例
  1. ビジネスコラムなどのコラム更新案内のメール
  2. リードの課題を把握するアンケートメール
  3. 資料請求を獲得するホワイトペーパーの案内メール
  4. セミナー集客するセミナー案内メール
  5. 商談や案件のきっかけを作る製品デモ案内メール

BtoBメルマガの成功のコツは、「継続的なメール配信の実施」と「リードに刺さるネタの設計」の2つだ。詳細は下記のコラムでも解説しているので確認してほしい。

BtoBメールマーケティングの種類と成功例、おすすめの始め方

BtoBメールマーケティングとは?コツと効果につながるメルマガ配信の始め方

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MAツールを使ったホットリード抽出のコツ

BtoBリードナーチャリングでは、MAシナリオやBtoBメルマガの配信を行うが、その最終目的は「ホットリードの抽出」だ。つまり、確度の高いリードを抽出することにある。MAツールを使って、ホットリードを抽出するには、2つの指標がある。1つ目は、「ある一定期間のスコア上昇数」、2つ目は「キーページ閲覧」である。詳しい内容は以下のコラムでまとめているので参照してほしい。

BtoBのMAツールを活用したホットリード化のタイミング検知方法

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BtoBリードナーチャリングの成功の4つのポイント

1:初めて取り組む場合はインパクトのある施策から実施

BtoB企業が、初めてBtoBリードナーチャリングに取り組む時、インサイドセールスやマーケティング部門が担当するケースが多い。この時、やはり会社(経営層)や他部門(営業部門など)から期待されることは「成果(売上につながるのかどうか?)」である。

そのため、初めて取り組むときは、「インパクトのある施策」から展開するとよい。例えば、「営業部門が特に売り込みしたい企業」を対象にしたBtoBリードナーチャリング施策や、「客単価の高い商材」を対象にしたBtoBリードナーチャリング施策である。つまり、「商談創出の量よりも質を狙った施策」から始めるのだ。

このような施策は、狙い撃ちした施策であるため、「具体的な施策に落とし込みしやすい」というメリットがある。加えて、こういった施策に成功すると、「BtoBリードナーチャリングが売上や営業活動に貢献したという評価」も大きくなり、さらなるリード育成施策の展開がやりやすくなるのだ。

2:リードの課題や悩みの収集を怠らないこと

BtoBリードナーチャリングは、一方的に自社の情報をリードに配信するだけでは成功しない。リードとの関係性を深めて商談のきっかけを作っていく必要があるため、リードとの双方向コミュニケーションを意識しなければならない。

そのためには、リードが何に悩んでいるのか?の課題の収集は必須の活動だ。リードの課題を把握し、その課題に関連するコンテンツをメールなどで配信することで、リードにとって有益なコンテンツとなり、BtoBリードナーチャリングの成功の可能性を高めることにつながる。

リードの課題を収集するには、「リードに聞くしか方法がない」ため、アンケートメールなどの活用が必須である。最初は回答は0かもしれないが、継続的に実施し、リードの課題を継続的に把握できるようにしておこう。地道な作業であるが、これがBtoBリードナーチャリングの成功の秘訣と言える。

BtoBリードナーチャリングの対象となるBtoBペルソナを定義すること

BtoBリードナーチャリングは、どのようなリードでも育成対象にすれば良いというわけではない。例えばリードを以下の4つに分類した時、御社は、BtoBリードナーチャリングのターゲティングをどこのエリアにするだろうか?

図:BtoBターゲティングの考え方

図:BtoBターゲティングの考え方

大企業を重点的に狙うのか、小規模企業を狙うのかなど、狙いたいターゲットの優先順位によってBtoBリードナーチャリングの施策は大きく異なる。御社でもどんなリードを中心に狙ったBtoBリードナーチャリングを展開するのか、事前にしっかり決めておこう。

BtoBのペルソナの作り方!具体的な企業像・顧客像を設定する方法

BtoBペルソナとは?BtoBマーケティングでの設定・作成手順【ペルソナシートサンプルあり】

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BtoBリードナーチャリングのゴールを営業と一緒に決めること

BtoBリードナーチャリングのゴールとは、BtoBリードナーチャリング施策の成功の指標を何にするか?を決めておくことだ。BtoBの場合、リードナーチャリング施策だけで、製品やサービスが売れるということは少ない。そのため、リードがある状態になったら営業部門に送客する必要がある。具体例としては以下の通りだ。

BtoBリードナーチャリングのゴールの具体例
  1. 一定以上の規模感を持つリードから見積もり依頼がきた状態
  2. 一定以上の規模感を持つリードから導入相談がきた状態
  3. 一定以上の規模感を持つリードから製品デモ依頼がきた状態
  4. リードの規模感は問わず、見積もり依頼がきた状態
  5. リードの規模感は問わず、製品の資料請求がきた状態

このように、BtoBリードナーチャリング施策は何か?を決めておき、その状態を満たしたら、営業部門のフォローを依頼するというイメージだ。これを事前に決めておかなければ、「リードの質が悪い」「フォローしても商談化しない」などと営業部門からクレームが入ることになる。

BtoBリードナーチャリングの成功事例

ここでは弊社のお客様の成功事例をご紹介する。下記の事例は、弊社のお客様事例で、デジタル(メールマーケティング)を活用したナーチャリングの成功事例である。
 

株式会社アシスト様(BtoBデジタルマーケティングの成功事例)

CVR2倍と社内意識改革に成功した株式会社アシスト様の成功事例。デジタルマーケティングを始めた経緯やALUHAを選んだ理由、得られた効果についてインタビュー。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社様(BtoBデジタルマーケティングの成功事例)

デジタルマーケティングのPDCAを回して「月間CVが対前年比2.6倍」などの大きな成果を達成。ALUHAを選んだ理由、主な成果、コンサルティングの魅力、今後の展望などをインタビュー。

山洋電気株式会社様(BtoBマーケティング大賞2024受賞)

「日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞2024」で「プロセス部門」の部門賞を受賞された山洋電気株式会社様の成功事例インタビュー。弊社のコンサルティング開始から約1年後にはコンバージョン件数が8~10倍に増加!

株式会社日立ソリューションズ東日本様(BtoBデジタルマーケティングの成功事例)

リード獲得、MA活用、商談創出、差別化の強化を伴走型でご支援したコンサル事例。リード獲得が5年で約10倍となり、MA活用で業務の効率化と契約確度の向上に成功。

富士フイルムホールディングス株式会社様(BtoBデジタルマーケティングと戦略フレームワーク構築の成功事例)

WEBを活用した新規リードの獲得、MAを活用したリード育成などをご支援。さらに、BtoBデジタルマーケティング戦略フレームワーク「FAMメソッド」を構築

株式会社アシスト様(ABMの成功事例)

デジタルとABMを連動させたABMコンサルティングの成功事例。強みを生かしたソリューション提案をターゲットアカウントに提案し案件創出を実現。

積水樹脂株式会社様(BtoBデジタルマーケティングによる商談創出と問い合わせ件数増加事例)

特殊で複雑な商流をもつ積水樹脂様のBtoBマーケティングの成功事例。MAやオンラインセミナーによる商談創出からデジタル活用を始め、その後、デジタル活用の範囲が拡大した事例。