BtoBリードナーチャリングとは?
リードナーチャリングは、図「リードナーチャリングとは?」のように、ナーチャリング施策やプロセスが進むにつれ、徐々にリードの数は減っていく。BtoBの場合は、組織的に製品やサービスの選定や購入を検討するため、特にその傾向が強い。

図:リードナーチャリングとは?
リードジェネレーションとリードナーチャリング、リードクオリフィケーションの違い
リードジェネレーションとは
リードクオリフィケーションとは?
リードジェネレーションとリードナーチャリング、リードクオリフィケーションの違い
BtoBマーケティングにおいて、役割が異なるということがわかる。リードジェネレーションとリードナーチャリングやリードクオリフィケーションはBtoBマーケティングから見れば、連動したマーケティング施策であり、目的・役割が全く異なる。

図:BtoBマーケティングの全体像からみた違い
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BtoBリードナーチャリングの4つのステップと具体例
それでは、BtoBリードナーチャリングの具体的なステップをご紹介しよう。ここでご紹介するステップは、ホワイトペーパーを使ったリードナーチャリングのステップで、比較的取り組みしやすい。また、よりわかりやすくするため、「在庫管理システムを販売するIT企業」の具体例もご紹介する。
ステップ1:対象事業や製品の見込み客をリストアップ
ステップ1の概要
- 対象事業や製品が無数にある場合は、「売上単価の高い製品」や「会社が注力している事業や製品」を選ぶ
- 営業部門が特に売り込みをしたいと考えている企業を中心にリスト化する
この2つを満たす条件でリスト化すると、BtoBリードナーチャリングに成功した時、社内評価や費用対効果が高くなる可能性がある。なぜなら、「売り込みたい製品」と「売り込みたい相手」を対象としているため、BtoBリードナーチャリングが成功した時のインパクトが大きくなるためだ。ちょっとしたコツなのでぜひヒントにして欲しい。
ステップ2:課題分析とターゲティング
ステップ2の概要
こういった調査・分析を行い、箇条書きで良いので、リードや顧客の課題・悩みを整理しよう。そして、どんな課題や悩みが多いのか?を分析しよう。複数のリードや顧客が共通で悩んでいる課題が見つかれば、それがターゲティングの軸(切り口)となる。
ステップ2の具体例
- 欠品を恐れるあまり過剰在庫になりがち
- 安全在庫基準の計算が担当者によってバラバラ
- 在庫管理する品目数が多すぎて管理しきれない
この場合、具体例の3つの課題が、ターゲティングの切り口となる。
ステップ3:課題に合わせたホワイトペーパーを作成
ステップ3の概要
- こんな課題ありませんか?という課題説明のページ
- その課題を解決する方法を説明するページ
- 実際に解決できた事例のページ(あれば)
リードの悩みに合わせて、課題解決を紹介するようなホワイトペーパーにすると、資料請求を獲得できる可能性が高くなる。可能であれば解決できた事例も紹介すると効果的だ。
ステップ3の具体例
タイトル | 複数の担当者で安全在庫基準の計算方法を統一する方法とは? |
見出し案 |
|
上記はホワイトペーパーの企画案になるが、ここまでできたら、見出し案に沿って、PDF資料を作成するとよい。
ステップ4:ホワイトペーパーをメルマガで配信しメール経由の資料請求を獲得
ステップ4の概要
- ホワイトペーパーの資料請求フォームをWEB上に作成
- ホワイトペーパーの内容を紹介するメール文章を作成
- ステップ1のリストにメールを配信
- ホワイトペーパーの資料請求を獲得し案件化を狙う
メール配信後、「特に売り込みたい企業」に対しては重点的なリードナーチャリング施策を展開すると良い。例えば、メールを開封したけど資料請求しなかった企業が存在すれば、その企業の担当者に個別に連絡するのもよいだろう。
ステップ4の具体例
件名 | 安全在庫基準の計算方法を複数の担当者で統一する方法とは? |
本文の内容 |
|
このように、作成したホワイトペーパーのタイトル、内容を紹介するメールを作成し一斉配信する。メールの目的はWEBフォームへの誘導であるため、ホワイトペーパーが資料請求できるフォームへの誘導は必ず本文に入れるようにしよう。
BtoBリードナーチャリングの5つの施策とリード育成計画の立て方【動画】
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BtoBリードナーチャリングの11の手法一覧
BtoBのリードナーチャリング手法(リード育成手法)には、メールなどのデジタル活用と、電話営業などのリアル活用の2種類の手法がある。ここでは、その両方の手法を一覧でご紹介する。
手法1:WEBコンテンツ
具体例としては、(1)継続的・定期的にWEBコンテンツを作成・公開、(2)メルマガなどで既存リードにWEBコンテンツを配信、といった流れだ。WEBコンテンツはメルマガのネタとなるため、WEBとメルマガを連動させることで、リードナーチャリングを実現できる。
手法2:メルマガ
主に、WEBコンテンツ、セミナー、ホワイトペーパーといったコンテンツをメルマガで配信する。継続的に配信する必要があるため、継続的なメルマガのネタが必要になる。
手法3:シナリオメール(MAシナリオ)
資料請求や名刺交換といった「起点となる日」があるため、リードナーチャリングにつながりやすい。
手法4:動画
動画を活用することで、営業訪問や営業説明の回数を減らし、営業工数(リード育成の工数)を削減できる可能性がある。また、営業属人化の防止や、製品提案の品質向上・底上げにもつながる可能性がある。
手法5:セミナー(オンラインセミナー・ウェビナーも含む)
手法6:ホワイトペーパー
手法7:アンケート
手法8:リマーケティング広告・リターゲティング広告(追跡型広告)
手法9:ニュースレター
手法10:訪問営業・対面営業
手法11:テレマーケティング(電話営業)
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マーケティングオートメーションツール(MAツール)によるBtoBリードナーチャリング
BtoBリードナーチャリングでもっとも活用されるツールの1つがマーケティングオートメーションツール(MAツール)だ。ここではMAツールを活用したBtoBリードナーチャリングについて詳しく解説する。
マーケティングオートメーションツール(MAツール)とは?
BtoBリードナーチャリングでは、MAシナリオ(シナリオメール)やメルマガ配信、そしてスコアリングなどによるホットリード抽出にMAツールを活用する。
MAシナリオ機能でリードナーチャリングする方法
MAシナリオの具体例としては、例えば、「製品Aのカタログ」を自社のWEBサイトで資料請求した「課題Bで悩むリード」に対して、「製品Aのデモやトライアルを案内するメール」、「製品Aを使った課題Bの解決方法に関する個別相談会の案内メール」、「製品Aによる課題Bの解決事例を紹介するメール」などを段階的に配信するなどである。
MAシナリオを活用することで、リードの課題に合わせたOnetoOneのメールを自動的に配信することができ、リードナーチャリングの工数削減に役立つ。
MAツールを使ったBtoBメルマガのコツ
- ビジネスコラムなどのコラム更新案内のメール
- リードの課題を把握するアンケートメール
- 資料請求を獲得するホワイトペーパーの案内メール
- セミナー集客するセミナー案内メール
- 商談や案件のきっかけを作る製品デモ案内メール
BtoBメルマガの成功のコツは、「継続的なメール配信の実施」と「リードに刺さるネタの設計」の2つだ。詳細は下記のコラムでも解説しているので確認してほしい。
MAツールを使ったホットリード抽出のコツ
BtoBリードナーチャリングの成功の4つのポイント
1:初めて取り組む場合はインパクトのある施策から実施
そのため、初めて取り組むときは、「インパクトのある施策」から展開するとよい。例えば、「営業部門が特に売り込みしたい企業」を対象にしたBtoBリードナーチャリング施策や、「客単価の高い商材」を対象にしたBtoBリードナーチャリング施策である。つまり、「商談創出の量よりも質を狙った施策」から始めるのだ。
このような施策は、狙い撃ちした施策であるため、「具体的な施策に落とし込みしやすい」というメリットがある。加えて、こういった施策に成功すると、「BtoBリードナーチャリングが売上や営業活動に貢献したという評価」も大きくなり、さらなるリード育成施策の展開がやりやすくなるのだ。
2:リードの課題や悩みの収集を怠らないこと
そのためには、リードが何に悩んでいるのか?の課題の収集は必須の活動だ。リードの課題を把握し、その課題に関連するコンテンツをメールなどで配信することで、リードにとって有益なコンテンツとなり、BtoBリードナーチャリングの成功の可能性を高めることにつながる。
リードの課題を収集するには、「リードに聞くしか方法がない」ため、アンケートメールなどの活用が必須である。最初は回答は0かもしれないが、継続的に実施し、リードの課題を継続的に把握できるようにしておこう。地道な作業であるが、これがBtoBリードナーチャリングの成功の秘訣と言える。
BtoBリードナーチャリングのゴールを営業と一緒に決めること
- 一定以上の規模感を持つリードから見積もり依頼がきた状態
- 一定以上の規模感を持つリードから導入相談がきた状態
- 一定以上の規模感を持つリードから製品デモ依頼がきた状態
- リードの規模感は問わず、見積もり依頼がきた状態
- リードの規模感は問わず、製品の資料請求がきた状態
このように、BtoBリードナーチャリング施策は何か?を決めておき、その状態を満たしたら、営業部門のフォローを依頼するというイメージだ。これを事前に決めておかなければ、「リードの質が悪い」「フォローしても商談化しない」などと営業部門からクレームが入ることになる。
BtoBリードナーチャリングの成功事例
ここでは弊社のお客様の成功事例をご紹介する。下記の事例は、弊社のお客様事例で、デジタル(メールマーケティング)を活用したナーチャリングの成功事例である。
株式会社アシスト様(BtoBデジタルマーケティングの成功事例)
CVR2倍と社内意識改革に成功した株式会社アシスト様の成功事例。デジタルマーケティングを始めた経緯やALUHAを選んだ理由、得られた効果についてインタビュー。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社様(BtoBデジタルマーケティングの成功事例)
デジタルマーケティングのPDCAを回して「月間CVが対前年比2.6倍」などの大きな成果を達成。ALUHAを選んだ理由、主な成果、コンサルティングの魅力、今後の展望などをインタビュー。
山洋電気株式会社様(BtoBマーケティング大賞2024受賞)
「日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞2024」で「プロセス部門」の部門賞を受賞された山洋電気株式会社様の成功事例インタビュー。弊社のコンサルティング開始から約1年後にはコンバージョン件数が8~10倍に増加!
株式会社日立ソリューションズ東日本様(BtoBデジタルマーケティングの成功事例)
リード獲得、MA活用、商談創出、差別化の強化を伴走型でご支援したコンサル事例。リード獲得が5年で約10倍となり、MA活用で業務の効率化と契約確度の向上に成功。
富士フイルムホールディングス株式会社様(BtoBデジタルマーケティングと戦略フレームワーク構築の成功事例)
WEBを活用した新規リードの獲得、MAを活用したリード育成などをご支援。さらに、BtoBデジタルマーケティング戦略フレームワーク「FAMメソッド」を構築
株式会社アシスト様(ABMの成功事例)
デジタルとABMを連動させたABMコンサルティングの成功事例。強みを生かしたソリューション提案をターゲットアカウントに提案し案件創出を実現。
積水樹脂株式会社様(BtoBデジタルマーケティングによる商談創出と問い合わせ件数増加事例)
特殊で複雑な商流をもつ積水樹脂様のBtoBマーケティングの成功事例。MAやオンラインセミナーによる商談創出からデジタル活用を始め、その後、デジタル活用の範囲が拡大した事例。
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