デジタルマーケティングへの挑戦に向けて試行錯誤するBtoB企業が増えている。当然、信頼のおけるマーケティングコンサルタントを求めるようになるが、BtoCと比べてBtoB企業向けのコンサルタントは極端に少ない。企業と同じ目線に立ってともに解決策を探してくれるコンサルタントともなれば、その数はさらに少なくなる。そんな中、株式会社アシストが見つけたのがBtoBマーケティングコンサルティングの専門企業「株式会社ALUHA」であった。株式会社ALUHAのBtoBマーケティングコンサルタント「荻野」のアドバイスを受けると、すぐに効果が現れ、コンバージョンを2倍に増やすことができた。その結果、WEBやコンテンツ作りに対する社内・関係部門の意識も大きく変化し、デジタルマーケティングの施策をさらに加速させることができた。
取材協力
株式会社アシスト 経営企画本部 企画2部 マーケティング&広報課 課長 仲谷靖洋 氏
株式会社アシスト 経営企画本部 企画2部 マーケティング&広報課 主査 小川知高 氏
株式会社アシスト 経営企画本部 企画2部 マーケティング&広報課 主任 伊藤真之 氏
株式会社アシスト 東日本技術本部 ビジネス推進部 主任 長谷川真里 氏
株式会社アシスト 東日本技術本部 ビジネス推進部 主任 土岐彩 氏
左から仲谷氏、土岐氏、荻野、長谷川氏、伊藤氏、小川氏
株式会社アシストの概要「パッケージソフトのリーディングカンパニー」
株式会社アシストの設立は1972年。一般の企業ではコンピュータがまだ珍しかった時代のことである。当時、コンピュータはソフトウェアと一体で提供されていた。しかし、アシストはソフトウェアをパッケージとして販売し導入支援するという、異色のサービス企業としてスタートした。以来、現在では千人を超える大手独立系IT企業へと成長。お客様も業界トップクラスの優良企業が多く、しかも長い付き合いになっている。その成長を支えてるのが同社の企業ビジョン「超サポ愉快カンパニー」だ。
超サポ愉快カンパニーについては、「全ての社員が『超』がつくほど徹底したサポートを提供することで、お客様とアシスト社員がともに満足度が高まっていくことを意味し、現在2年目となる中期経営計画で掲げている企業ビジョンです。超がつくほど徹底したサポートを「超サポ」と、そして、お客様とアシスト社員がともに満足度が高まっていくことを「愉快」と表現しています。」と仲谷氏は紹介する。
この超サポ愉快カンパニーこそが、アシストの魅力そのものである。
デジタルマーケティングのコンサルティングを検討したきっかけ「顧客創造課の発足」
インターネットの普及により、WEBでの情報収集が当たり前になっている。以前は情報収集のために営業が呼ばれていたが、今は情報収集段階では営業に声がかからないことも多い。WEBを通して新規顧客にアプローチすることも重要になっている。
「新規顧客を獲得する施策の一環として、新設されたのが「顧客創造課」というチームでした。当時、まっさきに課題として挙がったのは「自社サイトからのリード獲得を増やしたい」という点です」と小川氏は語る。
「当時、自社サイトは広報部門が中心となって運用し、徐々に力を入れ始めていましたが、WEB担当者も少なく、できることが限られている状況でした。そんなときに、顧客創造課が新設され、小川、長谷川、土岐を含めた4人がWEB専任としてアサインされました。これはかなりインパクトのあるアサインでした」と伊藤氏。
自社サイトの役割については、「お客様への情報提供と新規リードの獲得です。弊社には技術者のプリセールス部門があり、営業と一緒にお客様の相談に乗ります。しかし、当然リソースも限られますので、困っているお客様に優先的に伺うようにしたい。そのために、自社サイトでの情報提供やリードの獲得を強化する必要がありました。」と長谷川氏。
「アシストはお客様と顔を合わせてお付き合いすることを大切にしており、新規顧客の開拓も以前は営業力に頼っていました。自社サイトはあればいい程度と考えていた時期もあったほどです。しかし、お客様の情報収集スタイルの変化とともに、自社サイトも重視するように変わってきた時期でした」と仲谷氏は補足する。
BtoBのデジタルマーケティングに強いコンサルタントを探しはじめた背景
顧客創造課が創設されたのは2015年4月のことである。メンバーは注力製品を4つに絞り、自社サイトの充実化を図った。
「新規リードの発掘に向けて、まず初めに取り組んだのはPV数の増加でした。書籍や外部セミナーを利用して、SEO対策やコンテンツライティングなど、PV数を増やすための基礎知識をゼロから学びました。その後、PV数は順調に伸びましたが、肝心のリード獲得という課題が残りました」と、土岐氏は当時の課題を振り返る。
自社サイトのコンテンツを拡充することで、狙い通りアクセス数は増えた。しかし、これがリードに結び付かない。
「顧客創造課のメンバーはほとんどWEB未経験の状態でアサインされたにも関わらず、すごいスピードでスキルを習得し、トライ&エラーを繰り返していました。1年弱で基本的な運用体制は整っていました。ここで更なる成果を出し、全社的に勢いをつけるため、何か施策を打ちたいと思っていたところでした」と、伊藤氏は語る。
そんな時に、小川氏がWEB検索で見つけたのが株式会社ALUHAであった。
ALUHAを選んだ理由「お客様目線で課題に取り組む姿勢と確かなノウハウ」
小川氏:「BtoCではなくBtoBの事例資料がダウンロード出来るということだったので、早速WEBフォームから問い合わせしました」
すると、荻野からすぐに返事が届いた。メールのやり取りが数回続いたのち、荻野から「一度、勉強会を開催しましょうか」との連絡もあった。
小川氏:「金沢の会社でしたが、東京に来られた際に何度かお会いして相談に乗ってもらっているうち、荻野さんであれば自分たちの力になってくれると確信しました」
こうした背景から、ALUHAへコンサルティングを依頼するための予算を確保し、2015年末に正式に依頼することとなった。
「マーケティングノウハウを有するコンサル会社は他にも沢山ありました。ですが、例えば大手企業の場合は、営業とコンサルタント担当が別々であるケースが多く、うまく情報共有されていなかったり、BtoBの事例を求めているのに、BtoCの事例を案内されたりと、こちらの意図を汲んでもらえないこともありました。その点、荻野さんはコンサルからディレクション、制作作業に至るまでご自身で全てやられていたので、そうした食い違いがない。コンサルタントとしての腕も確か。そういった意味で、安心して投資できると思いました」と小川氏はさらに続けた。
コンサルティングの効果「月1回のアジャイル型コンサルで、施策効果を即実感」
2016年1月からのコンサル開始と同時に、顧客創造課はKPIをPVから「CV」へと切り替えた。荻野の指導のもと、注力製品のWEBを分析しながら、ユーザーの導線や離脱箇所を特定し、PVが増加したにも関わらずリードが獲得できない原因を探った。原因と思われる箇所について仮説と改善案を整理しながら、1つ1つ解消していった。
土岐氏:「慣れない分析や改善作業には多くの時間を費やしましたが、私たちがWEB専任としてアサインされたのが功を奏しました。月1回のコンサルMTGで学んだことを即実行に移せる環境にあったことで、施策の実施と効果測定を高速に回せました。翌月すぐに効果が現れたこともあります。あれだけ苦戦していたリードも月100件ペースで安定的に獲得できるようにもなりました」
さらに続けて、「印象的なのは、メルマガを使ったセミナー集客施策です。それまで、数十名のお客様を集めるのに苦労していましたが、荻野さんから学んだマーケティングメールのコツを実践したところ、たった1通のメルマガで70人集客できたことがありました。私も含め、関係者がデジタルマーケティングの効果を目の当たりにしてとても驚きました」と、土岐氏は笑顔を見せる。
具体的にどのようなテクニックだったのだろうか。
土岐氏:「基本的なものばかりです。メルマガは件名が重要なので、お客様の興味を惹く数字やキーワードを入れたり、より簡潔な表現にしたり、メルマガ本文も誘導先URLの挿入箇所をきちんと考えたりと。基本的なテクニックを守ったらすぐ結果に繋がりました」
伊藤氏:「荻野さんと一緒に進む道は決して楽ではなかったわけですが、メンバーのこうした努力の成果として、CVは徐々に伸びていきました。その手法を他の部門に横展開したこともあり、結果的にCVは2年で2倍の数字になっています」
成功体験を社内へ横展開!1部門から3部門へ拡大
「リードが獲得できるようになると、社内の意識が変わってきましたね。WEBの有効性がわかり、もっと活用していこうという動きになってきました」と仲谷氏は社内の変化を説明する。
長谷川氏:「私たちだけの意見ではなく、外部のコンサルがこう言っていたというと大変説得力があります。WEBでのリード獲得があり、プリセールスがあり、営業がある。この成功パターンができてきたように思います。プリセールスを行う技術部門が、マーケティング担当と一緒にコンテンツ考えてくれるようになり、協力関係が強化されました」
2016年は1部門で始まった試みが、2017年には3つの部門へ横展開された。各部門のWEB担当者が月1回、朝から夕方までのミーティングと指導を受けることで効果が拡がった。
ALUHAのコンサルティングの評価「外部のコンサルは活用するべきと意識を変えてくれた」
「私たちは内部のノウハウ活用に終始しており、マーケティングでも外部の力をあまり活用しないできました。しかし、外部の力もうまく活用するべきだと感じました。これに気がついたのが大きなメリットです」と小川氏は推奨する。
「当社は営業が強い会社ではありますが、私の担当製品ではアクセス数が165%になっていますし、リード数も増えていて、WEBの数字もKPIとして組み込まれるようになってくるなど、社内の評価軸も変化してきた気がしています」長谷川氏も語る。
「荻野さんはその人柄も魅力ですよね。ダメなものはダメとはっきり指摘してくれるのですが、トゲがなく、関係者全員と良い関係を築いてくれています。また、こちらの都合に合わせて柔軟に対応いただけるので助かっています。2016年と2017年では良い意味で弊社の状況が大きく変わったわけですが、支援の形を柔軟に変えていただけたので、そのまま荻野さんと一緒に取り組むことができました。」と伊藤氏も荻野の手腕を高く評価する。
会社からの期待も大きく、新規顧客の20%はWEB経由で発掘するようにと指示がでている。
「ご自分でもBtoBの最前線でマーケティングされており、その上で話していますので説得力があります。大変いい出会いができたと思います。今後とも引き続き、相談に乗っていただきたい。今後は、できれば中・長期的な目線もいたただきたいと思っています。」と仲谷氏はALUHAに強い期待を寄せている。
荻野から一言
アシストさんとは、2016年から正式にご契約いただき、2016年、2017年はWEB活用の成果を出しながら人材育成のご支援を、そして2018年はマーケティングオートメーション(MA)の戦略的な設計や実装のご支援をさせていただきました。そして2019年は拠点別のデジタルマーケティング活動にも参画させていただいております。
アシストさんは、「お客様のために」というマーケティングの意識が本当に高いです。そういったマーケティング部門の基盤があったからこそ、一緒に素晴らしい成果を出すことができました。私自身も、アシストさんからたくさんのことを学ばせていただき、成長することもできました。相思相愛という、理想的な関係が作れていると思います。
これからも末長くよろしくお願いいたします。事例インタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。
お客様ご紹介
社名 | 株式会社アシスト |
---|---|
設立 | 1972年3月 |
本社 | 102-8109 東京都千代田区九段北4-2-1 市ヶ谷スクエアビル |
代表取締役会長 | ビル・トッテン |
代表取締役社長 | 大塚 辰男 |
資本金 | 6,000万円 |
従業者数 | 1,160名(2019年4月現在) ※グループ会社含む |
事業内容 | コンピュータ用パッケージ・ソフトウェアの販売、技術サポート、教育およびコンサルティング |